『カレンダー』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
目が覚めるとガリガリと壁に印を刻むのがすっかりルーティンとなってしまった。
そうでもしないと気が狂いそうになるからだ。
いや、自覚していないだけでとうに狂っているのかもしれない。
ここは地下室だろうか?
全く日光が差し込まない小部屋に私は監禁されている。
太陽の光がないせいで時間の感覚が喪失した私には、今が朝なのか昼なのか夜なのかもわからない。
四角い枠の中に印が七個並んだ。一応これで一週間としている。
ガリガリと今度は新しい枠を作るために壁を刻む。これで三つ目の枠になる。
また手製のカレンダーが増えてしまう。
新しいカレンダーが完成するのが先か──私が脱出できるのが先か──
テーマ【カレンダー】
カレンダーに印をつけてワクワクしてる期間が一番楽しい
カレンダー
秋めいてくると、来年のカレンダー探さないとと焦ってくる。家中に貼るから、そこそこの数。部屋によっては2〜3枚。
ネットでは、買わない。実物を見てみないとサイズ感がわからないから。
それに使い勝手も大切だし。
一つ、毎年届くカレンダーがある。下の方に会社の名前がデカデカと印刷されているものだ。長年世話になっている、整備工場のカレンダー。
数字が大きめ。暦や行事が印刷されている。メモ出来るスペースがあるのも良い。とにかく使い易い。
あのカレンダー、
肌寒くなってくるとポストに入っている。毎年届けてくれるのだ。
整備工場のカレンダー、
我が家の年越しアイテムなのだ。
生きてきた日々を、きのうを、
びりりと破り捨て今日へ向かう。
#カレンダー
ピリピリ…ビリ。
今日も新しい1日が始まる。
特に変わらない毎日だけれど、月日は変わる。
昔から使うカレンダーは日めくり式。
昔は、おばあちゃんが毎朝めくっては
「無事に、今日が始まるね」
と、嬉しそうに言っていた。
日めくりカレンダーをめくらなくても、
毎日は容赦なくやってくるのに。
昨日の1枚をクシャっと丸めてゴミ箱に捨てる。
そうすると昨日の自分を捨てたような気持ちになる。
「……リセット…」
と言えば聞こえは良いかも。
昨日の自分を捨てて、新しい自分で今日を始める。
おばあちゃんも毎日をリセットしてたのかな。
そんなことを考えながら、今日も生きる。
一人、また一人と知り合いの名前が減っていく。
携帯のカレンダーに記入された誰かの誕生日メモを、また今日も消した。年々減っていく知人との繋がりとは反対に、カレンダーの余白は増えていくばかり。
「この人ももう連絡とってないな、消しちゃおう」
不思議と悲しい気持ちにはならなかった。
わざわざ誰かと連絡をとることの方が億劫だったし、初めから大した情など抱いていなかったのかもしれない。
前よりスッキリとした予定表を閉じて、なんだか面倒だな、と思った。
カレンダー.
#カレンダー
頬を染め
あなたと過ごす
数多の予定を記す幸せ…
指折り数え心をふるわす
同じ気持ちと信じてたあの頃…
懐かしく思いながら
ふっ…と目を伏せる
戻りたくても
もう戻れない日々…
12の書かれた四角
そこには赤いペンで✕と記されている
そこまでの四角にはきっとその日を生きたという証の✓の印
「11日が終わっちゃうね」
「うん。そうだね」
こんな乾いた会話があるだろうか
僕は今この瞬間、この時にしか吸うことは出来ない空気を肺いっぱいに溜め込んだ
憎いぐらい綺麗な夕焼けが
まるで頭の中にラミネートされていくように
こびりついて、離れなくて
「君は将来何になりたい?」
「まず、将来があるかも分からないよ笑」
君はそう笑った
「そっか、笑」
僕に笑った理由はない
ただ、なんとなく笑った
僕は分かっていた
「明日は何をする?」
「明日、ねぇ、笑」
「僕は君とまた会いたい」
「会いたい、かぁ」
「うん。会いたい」
君がもし、明日を生きるとしても
会える保証はどこにもない
「明日、必ず会おう?」
「会えるかなぁ笑」
ただの偶然なのか
それとも何かの運命なのか
僕たちが出会えたのは何故なのだろうか
「じゃあ、また明日」
「…うん、また明日」
____________
11日だ
明日から学校が始まる
いつものようにスマホをいじりながらベッドに横になっていた
眠るのが怖かったから
正確には明日が怖かったから
「明日か、笑」
私は眠りについたみたいだ
目を開くと君がいた
「11日が終わっちゃうね」
私は戸惑いながらも「夢」だと確信した
綺麗な夕焼け
高い屋上
そんなところ自分の住むところにはなかったから
「うん。そうだね」
君は誰?と聞きたいのをうんと堪えた
聞いたらもう話せないと思ったから
所詮夢だし奇跡が起きないともう会えるわけないのに
君は「会いたい」と言った
私は明後日には居ないのに
必ずなんて言わないで
私たちは何故会えた?
君は一体何?
私たちまた会えるのかな…笑
死にたがりの私のくせに
少しでもそう思ってしまった
お題「カレンダー」
今日は何日、何曜日、明日は何曜日。毎朝確認して家を出る。
休みまではあと何日、休みに入れば、明日からまた学校。
繰り返し繰り返し、ずっと考えてると少し疲れるね。
たまにはカレンダーの時間を止めたいよ
日付にひとつひとつ
バツが付く度に
あなたへの思いが募っていく
はやく 逢いたいと思いながら
またひとつバツを付ける日々
《カレンダー》
カレンダー。
今年も来年も
カレンダーの
予定は
あなたに
逢いたい。
前に比べて
大阪によく来てるの
気づいて。
昨日酔った勢いで
【サランヘヨ】って
書いちゃった。
カレンダーと共に時が また過ぎてゆく あと何日バツをつければ あなたに会えるの? 長く長い時間 あなたを待ち続けていた そしてやっと会えた時 心から歓び あなたに飛びついた 心から楽しいひとときだった ありがとう
カレンダー
1年間は、
思った以上に早く過ぎていく。
昔は
小学生の6年間が
長く感じたのに。
今は、中学校生活の3年間が、
短いように、感じる。
今、この文章を見ている貴方、
そして未来の私は、
後悔しない「今」を、
歩けていますか。
9.11
君と会える大切な時間
今月もない
カレンダーに埋まる予定は
君じゃない
体だけの関係の人
私って誰のために生きてるんだろ
こんなことしてまで
君に会いたいのかな
『カレンダー』
1日 2日 3日 4日 5日 6日 7日 8日 9日 10日 …
どんどん時間はすぎてゆく
わたしはなにもかわらずに
そのままときが過ぎてゆく
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
1日 2日 3日 4日 5日 6日 7日 8日 9日 10日 …
貴方からの通知はこない
今どこでなにをしているの
早くあなたに会いたいのに
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
1日 2日 3日 4日 5日 6日 7日 8日 9日 10日 …
ただただ何もしない日が過ぎてゆく
まわりはコロコロと変わってゆく
わたしは何をしたいのだろう
聖者は常に自らの過ちを正当化する
愚か者は聖者と逆の行動をする
この二つの間の板厚はどれ程か
カレンダー
私は祖母が好きだ。
母方の祖父母が住んでいる隣町に、私は大人になった今でも頻繁に遊びに行っている。
車で数十分の田舎町。
バイパスから脇道へ外れ、トンネルをくぐると、田んぼや畑、山々が連なる緑豊かな景色が広がる。
トンネルの前と先で一変するさまが、まるで別世界に来てしまったかのような風景の変わりように、私はいつも不思議な感覚になる。
その田んぼ道を進んだ先に、祖父母の家はあった。
満開の桜の花が散っていく頃、叔父が離婚した。
聞いた話だと、叔父は随分と結婚生活に悩んでいたらしい。
相手の束縛や金銭問題、義理の両親との関係、重なる問題に叔父自身の身体もやつれていっていた。
そんな時に、昔、お世話になった人からの引き抜きの話。
叔父はこれを機会に、すっぱりと相手と別れ、昔に抱いていた夢の続きを追うことにした。
実家である祖父母の家に叔父が戻ってきたので、それから行くのを控えるようになった。
遊びに行かなくなっても、私の日々はつつがなく過ぎていく。
『梨をもらったから、取りにおいでって』
祖母から電話を受けた母は寝ぼけ眼の私に言った。
急いで支度を済ませて、祖母の家を訪れると、変わらず元気そうな祖母が出迎えてくれた。
『久しぶりだねぇ。なんだね、見ない間に痩せたの?』
『むしろ太ったよ、お腹周り』
そう言ってポンポンとお腹を叩いてみせる。
『そう?痩せたように見えるけどねぇ』
もっと食べねと笑う祖母。
私はまだ痩せてる部類になのかな、と自分のお腹をさすってみた。
『そうだ!来月、叔父ちゃん東京行くことになったから、またお泊まりに来ていいからねぇ』
『もう行くの?』
『そうだよ、もう半年になるからねぇ』
ハッとして、私はカレンダーを見た。
隣で指折り数える祖母の声を聞きながら、もうそんなにも経ったのかと、時のはやさを感じる。
叔父が出戻ってきたのが、つい最近の出来事だと思っていたのに。
叔父は、今どう思っているんだろうか。
離婚の傷は少しでも癒えたのか、新しく始まる生活に心配はないのか。
もう、しばらく会っていない叔父の顔を思い浮かべる。
久しぶりの私の訪問を祖父母は喜んでくれた。
最近あったことを話しながら、甘いケーキと熱いお茶を存分に堪能して過ごした。
帰り際、私は梨を包んでいる祖母を待っている間、叔父が今使っている部屋に行った。
家財などはなく、机と椅子と、ハンガーラックに服が少々あるだけの旅人の下宿部屋みたいで儚い。
全て置いてきて、本当に身一つで戻ってきたんだ。
殺風景の部屋に一際目につく付箋まみれのボードがあった。
『今の自分が未来の自分を作る』
『変わりたいと思う人が変わらないわけがない』
『自分に嘘をつかない』
『自分を信じて待つ』
たくさん貼れてた付箋には、こんな言葉が書き殴った文字でいくつも記されていた。
私には分からない。
叔父が今までどんな思いで生活していたか、どんなに苦しい状態だったのか、離婚したことでそれから解放されたのか、分かるはずもない。
離婚という辛い経験をしても、懸命に前に進もうと足掻いている。
ボードの言葉たちに叔父の葛藤を垣間見みたようで、私は胸がいっぱいになった。
ふと、壁のカレンダーが目に入る。
来月まであと半月だった。
叔父の新しい第二の人生のスタートだ。
今度こそ、叶えて欲しいと思う。
どんなことがあっても、多分、叔父なら大丈夫だ。
『描く未来と夢が叶いますように』
ボードの一番目立つところに、そう書いてあったから。
カレンダーをめくったこれから先のいつの日も笑っていられますように。
貴方の人生に幸あれ。
私のカレンダー
今月もない‥
ホントに書きたい
あなたとの約束
今日も1枚、カレンダーをめくる
あなたと会えなくなってからどれくらいの月日が経ったのだろう
寂しいけれど、苦しいけれど
それでも、私は今日も笑って言うの
「私はまだ大丈夫」
────きっと、怒られちゃうな
『カレンダー』
日めくりカレンダー
これは他界した幼なじみが作った物で
ほんとに…大切で、…
え?恋してたかもって?…ははっ…
今かんがえてみたら…そうかも…うーん
ならさ、君が死ぬ時呼んでよ
私も逝くよ
今は親友でもあり、恋人の大切な君がいるからね
ほら、初恋は叶わないって言うでしょ?
そーいうことよ!、だから、さ君も置いていくなんてことしたら絶対口なんて聞いてあげないから!
でも信じてるよ
そんなことを1年と半年前に言ってた君が
会社の屋上から、飛び降りようとしたから
「私も連れてってよ、そのテンゴクってとこ」
そう言ったら
「いいよ、逝こうか」
そう言った
お題 カレンダー