『カラフル』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
カラフル
私は春になると
どういうわけか
落ち込みがひどくなる
だけど花も緑も
カラフルに輝くこの季節
外に出るたび
自然の励ましに
癒やされる
もう少し頑張ろうと
思う
色とりどりの風船が空を舞う。
私たちの思いをのせて。
はやくはやく、たかいところへ。
私の大好きな赤の風船。いちばんたかいところへ行けるといいな。
従兄弟の娘さんの子供に会った。
ちいちゃい子と触れ合うのは随分久し振りだ。
少し人見知りがあると聞いていたのだけれど、
挨拶したらニコニコ〜っと笑ってくれた。
思わずこちらも満開の笑みになる。
笑いかけてくれた理由は、もちろんわからない。
どちらかといえば、
昔から子供には好かれやすい方だったけれど。
その頃は
「多分、同類(子供)と思われているのよ」
なんて言われていたけれど、まあ推測だ。
『変な顔のおばちゃんに笑いかけられた〜』
なんて思われていたりしてね。
笑ってくれるなら、何でもいいけど。
ちいちゃい子の笑顔は、本当に花が咲くよう。
パッと周りが華やかになるよね。
可愛らしさとかはなくなっても。
そういう雰囲気を、いつまでも持っていたいな。
小4くらいの時の話。図画工作の課題に「ステンドグラス」が出た。
小学生の事だから、本物のガラスではなく、黒い画用紙をカッターで切り絵のようにくり抜いて、裏からセロハンフィルムを貼ったものを、そう呼んでいた。
普通の絵とは違うので、クラスメート達は図案に悩まされているようだったが、
私は瞬時にアイディアが浮かび、黙々と作業を進めていた。
画面いっぱいに、大きくアゲハチョウの絵を描いて、切り抜いたのである。
私は図画工作が得意であったし、本来が昆虫少年なのだから(虫の絵はお手のもの)、これは失敗する筈がなかった。
私の作品を覗きに来たもの達は、口々に「すげぇ!!」などと声を漏らして行ったし、担任まで「おお!!」と驚いていた。
我ながら見惚れる出来栄えであった。後はカラーセロハンを裏から貼れば良いだけである、
私は何の迷いもなく、イエローのフィルムを貼り付けた。
素晴らしい作品が完成したのだが、それを見た担任が、
「あれっ?そうしちゃったの?・・・もったいないなぁ・・・」などと微妙な感想を口にした。
「えっ、?!」
「もっとカラフルにしたら良いのに、色は沢山あるんだから。」
これだから素人は困る、と私は内心呟いた。そのくらいの事は、私だってもちろん思い付いたのだが、その上で結局はこうしたのだ。
「いやぁ、やっぱり自然に近い色が1番ですよ。」
「そうかー、お前がそう思うならそれでいいけど、・・・もったいないなぁー」担任もそれ以上は引き下がるしかないのだった。
だが、しかし、
そのステンドグラスは廊下にも貼り出されたが、担任と同意見の声を幾つか耳にした。
そして、家に持って帰ったので、家族に見せてやると、やはり担任と同じような事を言われてしまったのである。
つまり、「この作品は確かに素晴らしいけど、もったいない!」である。
う〜ん、・・・・そうなのかな?
でも、・・・しかし、・・・
少し、試してみるべきだったかなぁ?
何十年もたったが、まだ良く覚えている。
私は、小学生の頃、色鉛筆ばかり手にしている子どもだった。
お絵描きがすきとか、中で遊ぶ方がすきとか、そういうことじゃなくて、そうするしかなかった。
「綺麗」
私の描いた絵を見て、嬉しそうに笑う人がいた。
男の子なのに色が白くて線が細くて、それから、とびきり優しかった。
「いつも褒めてくれるね」
「だって、本当に綺麗なんだもん」
きまって、僕はこの絵がすきだと伝えてくれた。
そんなことを言って笑う彼の方が私には綺麗に見えた。
しばらくして、急に、彼は私のところに来なくなった。
私は、それがどういう意味なのかも、次は私かもしれないということも、きちんと理解していた。
しかし、私は彼と同じ道を辿ることはなく、無事に家に帰ることができた。
そんな彼との思い出を、大学生になっても、ここに来る度に思い出す。
違う病室の笑顔が素敵な男の子。
「...りんちゃん?」
定期検査が終わり、正面入口に向かう私に声をかけてくる男の人。
「やっぱり、りんちゃんだ!」
そこには私のだいすきだった笑顔があった。
「...なんで?」
「定期検査、こっちの病院でも大丈夫って言われたから帰ってきた。」
私は、もう二度と会えないのだと思っていた。
会いたいと、ずっと思っていた。
「病気が急に悪化して、もっと大きい病院に移ったから、何も言えないままで、ごめんね。」
申し訳なさそうに顔を覗き込む彼を見て目頭が熱くなるのを感じた。
「..おかえり」
「ただいま」
その日の空にかかった虹は何よりも綺麗に見えた。
《カラフル》
化粧品売り場にある、マニキュアの色見本。
プラッチックの爪がたくさん付いてるアレ。
赤が主で茶やらオレンジ、ピンク。それにどす黒い赤。
10枚位が左右にあって、自分の指にあててみるやつ。
色んな色がたくさんあるが
赤だけが同じ色が五個も六個も有るように見える。
ピンクも二個は一緒かな。
きっと複数人で色を試すとき、人気の色が取り合いになるから
親切で同じ色をたくさんくっつけてるんだと思っていた。
母にそれを言うと大層驚かれた。
「この赤全部違う色だよ。」
…うそん。いや、同じですって、こっからここまでの赤。
それなら母の見てる世界は私よりずっとカラフルなんだろう。
同じ虹を見ても、赤部分が更に何本かに分かれてるんだろうか。
ふーん、いいなぁ。
(カラフル)
「 ....。」
春の季節は好きな人と共に歩いて共に過ごして、
カラフルの花束を抱いて一緒に幸せになりたかった。
『カラフル』は、個人的には色に満ち溢れたワクワク楽しいイメージの言葉。
フル(ful)がつく単語には「ペインフル」、「ストレスフル」などネガティブワードもありますが「ワンダフル」「ビューティフル」「パワフル」「ハートフル」など、どちらかというとポジティブワードの方が多いような気がします。
気分が少し落ち気味の時に目を閉じて『カラフル』な世界をイメージしてみると、少し気分転換になるかもと今回のお題で気付かされました。
〜お題『カラフル』〜
カラフルに咲き誇る春の花
慈雨の雨に濡れて生き生きとする
#歌が繋いだ恋のはなし (NL)
Side:Nagi Tenzen
「もしもーし、静那ちゃん?起きてる?」
「…」
「ふふっ…おやおや、寝落ちしちゃったか」
リビングで2人で映画を見ていたら、いつの間にか静那ちゃんは寝落ちしていた。
初めて僕の家に遊びに来た時はガチガチに緊張していたのに、今ではこうして自分の家のようにくつろいでくれるようになって…ああもう、なんて可愛いんだ…!
「…そっか、もうこんな時間だもんね」
時刻は午前0時。明日は久しぶりに2人揃って休日を過ごせるからと、夜更かしする気満々だったんだっけ。
眠気に勝てなかった静那ちゃんの頭をそっと撫でてから、僕は彼女をお姫様抱っこしてベッドまで運んだ…が。
「…ん〜…」
「…!静那ちゃん?」
…予想外なことが起きた。
静那ちゃんをベッドに降ろそうとしたところで、彼女は目を覚ましてしまった。
寝起きのぽやぽやとした表情で僕を見上げる静那ちゃんの顔が、少しずつ赤くなっていくのが分かった。
「…!?な、凪くん!?ごめん、私寝てた…!?」
「電池が切れたみたいに寝落ちしてたよ。ごめんね、ベッドに寝かせようと思ったんだけど…」
「お、おおおおお姫様抱っこって…!ほあああ…!!」
同じことの繰り返しになりがちな僕の日常をカラフルに彩ってくれる、彼女の言葉や反応ひとつひとつが愛おしくてたまらない。
明らかにお姫様抱っこをされたことがないと分かる反応で、はぁ…もう、可愛すぎる…。
…なんて思っていたら、ちょっとだけイジワルがしたくなってきた。
「あ、あの…あの、凪くん…?」
「…えっと…静那ちゃんの反応が可愛すぎるから、もうちょっとこのままでいてもいいかな?」
「んえええ…!?」
【お題:カラフル】
◾︎今回のおはなしに出てきた人◾︎
・天善 凪 (てんぜん なぎ) 24歳 シンガーソングライター
・木田 静那 (きだ しずな) 24歳 花屋さん
動くと汗ばむ季節。
今日は姉の家に来ていた。
「じゃあ悪いけど、よろしくね」
冷蔵庫の中の物は好きにしていいから、という声に頷くと姉は買い物に出かけていった。
パチリ……パチ……パチ
ゴロゴロゴロ……コン
半分開いた襖の向こうから、弾くような音や何かが転がる音が聞こえる。
この襖の向こうにいるのは姪だ。
頭は襖に隠れているが、お腹から下が見えていた。
頭隠して尻隠さず。
そんな言葉が頭をよぎる。
最後に会ったのはいつだろう。
まだ歩き始めた頃位かもしれない。
あの時は言葉も喋れず、私をひと目見てぱちぱちと瞬きをしたあと、みるみるうちに顔を歪ませていた。
覚えていないだろうなぁ……。
また出会い頭に泣かれたらどうしよう。
小さい子のお守りはあまり得意ではない。
とはいえ、お昼ご飯も食べさせないといけない。
姉が用意してくれたご飯を温めるだけだが、食べてくれるだろうか。
今から3時間後の心配が胃を締め付ける。
とりあえず、襖の向こうに行かないことには始まらない。
脅かさないようにゆっくり近づき、できるだけしゃがんで身体を小さくする。
パチ……パチ……パチリ……
襖の影から覗くと、寂しげな横顔が見えた。視線は床に散らばったおはじきとビー玉に注がれている。
惰性でおはじきを当て、ビー玉は続いたあとは床に転がすに任せて手近な壁にぶつけている。
「こんにちは」
まずは挨拶から声をかけてみる。
姪は手遊びを止めて振り返った。
「……こんにちは」
「えっと……私は叔母さん。覚えてないかもしれないけど、前にもあったことあるんだよ」
耳は傾けているが、興味なさげに手元に目線を落としてしまった。
「お母さんはお買い物に出かけたから、帰って来るまで一緒に遊ばない?」
「…………」
完全に黙ってしまった。
ダメだ……コミュニケーションが途絶えると途端に居心地が悪くなる。
「何で遊んでたの?」
「……ビー玉とおはじき」
流石に、見りゃわかるでしょとは言われないが、億劫そうに彼女は答えてくれた。
「へぇ、懐かしいな。叔母さんも昔お姉ちゃんと…めいちゃんのお母さんと遊んでたよ」
「そうなの……?」
食いついた。
まるで魚が食いついた釣り竿をもつように体起こす。
「ほんとほんと! ちょっとまっててね!」
持ち込んだ鞄の中からビー玉とおはじきを入れた小さなタッパーを持ってくる。
おもちゃ入れとして昔使っていたのを実家から持ってきたのだ。
「ほらこれ、私の宝物」
昔のだけど、とは言わなかった。
今だってくすんで曇ったタッパーを開くと、キラキラと色鮮やかに光っている。
「……綺麗」
「でしょでしょ。私はこの色が特に好きかな。めいちゃんは?」
「……これ」
めいちゃんが指差したのは、昔姉が好きだったビー玉だった。
これを取り合いになって大喧嘩になり、母にこっぴどく怒られた。しかも仲直りの印に、と姉に譲ってもらってバツが悪かったからよく覚えている。
「良かったらあげるよ」
「いいの?」
先程の寂しげな表情とは打って変わって瞳が輝いていた。
その表情を見て漸くホッとする。
姪は、今年から小学生になる。
用意されたランドセルに浮足立つ時期なのに、こんなに大人しいのは性格や見知らぬ大人が来たからではないだろう。
半年前、姉に姪の父親である旦那のこと、姪のことを相談されたときは戸惑ったのが正直なところだ。
姉から実家の支援を求められ、まだ学生である私には大したことはできないだろうと高を括っていたが、先程の輝いた表情を見て決心がついた。
つい先日、父親を失ったばかりのこの娘には母親以外に縋るものをあげたい。
それがどんな些細なことでも――例えばこのおはじきのように、少しでも良い記憶が残ってくれればいい。
床に散らばったビー玉とおはじきは、日に当たって万華鏡のように美しかった。
姪は貰ったばかりのビー玉を手のひらで転がしている。気に入ってくれたようだ。
この景色が、彼女にとって良い記憶となりますように。
「おはじきとビー玉」
⊕カラフル
電車やバスなどの交通機関に乗る乗客や
今日もすれ違う散歩する人
友人や家族、外国人、先生、恋人、職場の先輩、
後輩、動物たち、子供、高齢者、店員さん、
ファミレスで賑わう夫婦や家族連れ、高校生たち。
唯一無二でありカラフルな色をした人間や動物たち。
誰1人として違う自分だけの
個性豊かな色を持ってる。
私は今日もその人にしかない特別で貴重な色を
観察する。
色、、、
おと かたち と同じくらい
生きていく上で大きな潤いを与えてくれるよね
僕は赤銅色が好きなんだ
いつかの夢の中で、全身がこの色の中に埋もれ、とても幸せな感覚を覚えたんだ。
それ以来、いろんな場面で赤銅色を意識する様になったんだ。
明るく、躍動的で、高貴なこの色
とても元気がでるんだ。
皆さんも自分が大好きな色、ありますよね。
世界中で使われている色、人それぞれ、
思いを寄せて、萌えてるんだろうね。
この時期は 竹の子ごはん 皆な好きだ
桂由美 夢を与えた 大物だ
いろいろな声が飛び交う。いろいろな感情も飛び交う。怒り。悲しみ。喜び。自分の中でもいろいろな感情が飛び交う。いろいろな声が、感情が、いろいろな色を描き出す。
それを積み重ねたら、自分だけの絵になるんだ。
テーマ:カラフル
[カラフル]
今日は天気が良い
そして気分も良い
空を見上げる
同じように見上げたあの日やあの日
ふいに思い出す懐かしい歌
その時々の場所や人
当時の自分と心境
断片的な思い出達が
空カラフル
目を閉じている。
舟に当たる波の音がチャプチャプと、耳を優しく刺激する。
ずっと遠くからカモメの鳴き声が聞こえてくると、体が自然とソワソワしてくる。
私は、これから今という時間を満喫するのだと実感している。
ゆっくりと目を開けると、目の前には海と空が光り輝いていた。
吸い込まれそうになる私の意識を上に向けると、雲が二つだけ浮かんでいた。
親子だろうか。
後ろを振り返る。
仲間たちが私を見ている。
水面の揺らぎに合わせて、光の粒がキラキラと踊る。
“いってきます”と手でサインを送る。
“いってらっしゃい”と返してくる。
私は静かに海へと潜った。
透き通った海の世界は、私の心を簡単に鷲掴みにする。
水深十メートル程潜ると、珊瑚礁の団地。
色とりどりの珊瑚の屋根から顔を出す小魚たち。
太陽の光が海底まで差し込んで、ポカポカと暖かい。
ここは立派な水中都市だ。
様々な住人たちの様子を見ながら遊泳していると、小さなオブジェが目に付いた。
そのオブジェをよく観察してみると、その正体はすぐに分かる。
苔がビッシリと張り付いた岩。
その岩の周りを鳥のように飛び回っているのは、鱗がキラキラと光るとびきり小さな小魚たちだ。
天然のアクアリウムを発見したこの喜びを仲間たちにも伝えたくて、上を見上げた私の目に飛び込んできた光景。
それは酸素ボンベから出た空気の粒が、水中都市を明るく照らすシャンデリアのようにピカピカと光っていた。
『カラフル』
僕の手を取って「あれいこう」ってあなたが言う、どこにでも連れってくれる
【カラフル】
どうせ死に腐ったら皆同じ色になるのだから、生きているうちは、髪でも服でも瞼でも爪でも、好きな色を纏って煌めく姿を見せてほしいね
お題『カラフル』
私はいつもねずみ色か、カーキ色とか、黒しか着ない。なぜなら、その方が間違えがないから。
だが、そんな時に服飾学部と思わしき生徒から声をかけられた。彼が身に纏う服は、目にも鮮やかなカラフルだった。
最初、私に声がかかるなんてなにかの間違いだと思ってた。なぜなら私はというよりも、私が所属する理学部は地味で通っているから。化粧しても一重瞼は化粧映えしない。髪を短くしているのはその方が楽だからだ。
だが、彼に連れられて鮮やかな服を合わせられて着せられた私の姿はいつもと違うものだった。
鏡の前でメイクをほどこされ、彼に「ちょっと立ってみて」と言われて立って、うながされるまま全身が映る鏡の前に立つ。
そこには、いつもと違う自分の姿があった。
「えっ……」
驚く私の横からデザイナーの彼は、私の横に並び立つ。
「やっぱ、俺の見立ては間違ってなかった」
「なんだか変な感じなんだけど」
「だって、君はいつもじっみぃーな服を着てるじゃん、もったいない。せっかく背が高くてスタイルよくて、顔もキリッとしてるのに」
「もったいないって、私よりも可愛い子は他にいるじゃない」
「いーや、俺は君が良かったんだよ。大学の構内探してもなかなか理想のモデルが見つからなくてね。そんな時に君が現れたんだ」
それから、彼は真剣な顔をして言った。
「今度の文化祭のファッションショーがあるんだけど、出てほしいんだ」
「え?」
「俺、優勝狙ってて。君の力が必要なんだ」
そう言って、彼は手を差し出してくる。髪の色も服装もカラフルで独特な雰囲気をかもしだす彼だが、熱意は本気のようだ。
私は
「わかった。よろしくお願いします」
と彼の手を取った。