『エイプリルフール』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「俺さー、彼女できたんだよね」
「へー、よかったね」
「……嘘ですっ!!」
4月2日11:55。今日は、エイプリルフールの翌日だ。午前中ならまだ許されると聞いたことがあり、幼馴染に嘘をついた。
「午前中ならって言っても、もう少しで正午じゃん。しかもそんなしょーもない嘘って、私のこと舐めてる?」
「しょーもないとは何だ!お前こそその反応!ガキの頃から一緒にいた愛しの俺に彼女ができたってのによぉ、『へー、よかったね』って何だよしょーもねえ!」
11:57。俺とそいつは、家が近所で幼稚園に入る前から親が仲良しだった。そっから小中高とぜーんぶ同じわけで、それなりに信頼を寄せ合ってたりもする。そんで、まあ恥ずかしい話、好きな奴だ。
「ちぇー、ちょっとは動揺してくれると思ったのによー」
「動揺するわけないじゃん」
11:59。顔色ひとつ変えずに淡々と述べる。いつもそうだが、あいつは俺より、一枚上手。
「知ってる?男女間の友情ってね、成り立つんだよ」
12:00。正午になった。もう、嘘をついてはいけない。
「私、あんたのこと好きなんだよね」
12:01。俺はあいつの言葉を理解するのに、時間がかかった。
「4月1日。今日はエイプリルフールです。○○さん、何か嘘をつきましたか?」
ソファに座りぼんやりしていると、何となくついているテレビから、そんな言葉が聞こえる。
「エイプリルフール…ね」
あくびをしながらちらりと横を見ると、キミは雑誌を読んでいた。
「せっかくだし、何か嘘ついてみようかな」
そう思い、キミの方に体を向けると
「ねえ」
声をかける。
「ん?なあに?」
雑誌から顔を上げ、こちらを見たキミに
「ホントは、大嫌いだよ」
と言おうと口を開きかけたけど、この言葉を言ったとしたら、エイプリルフールの嘘だとわかっても、キミは悲しい気持ちになるんじゃないか。自分が言われたら、嘘だとしても絶対に傷つく。大好きだからこそ、嘘でもこんなこと言っちゃダメだ。
そんな思いが頭をよぎり
「コーヒー入れるけど、飲む?」
嘘をつくことをやめたのだった。
今日はエイプリルフール。
嘘をついていい日。
嘘でもいいから好きって言ってよ。
おねがいかみさま
私事になりますが、この度長らくお付き合いさせていただいていた彼女と結婚しました!
彼がついた嘘、いつ本当になるのかな。
好きだよ
今日だけは自分の本音を誤魔化せる日
嘘をつく様に、心を込めて僕の気持ちを伝える
君が困ったように笑うのを知っている
だから、そうなる前に
この関係が壊れてしまわないように
今日は何の日でしょうって、笑って誤魔化すんだ
何を選んでも多分正解なのだとしたら
選択する基準はどこにあるだろう
いろんな理由を並べても
結局は自分のための保身で
分かっているのに
嘘を言いたくないから
同情やら批判やら受けたくないから
誰にも言えずにいる
出来る気がしないのに
一人で闘うのが怖いのに
やる気も出ずに
八方塞がりな気分
今多分人生の転機というヤツなのだろう
エイプリルフールに
私は出来るって嘘をついたら
私を上手く騙せるのかな
『エイプリルフール』、嘘をついても咎められない日と言っても人を傷付けたり大きな誤解を招くものは論外。くすりと笑えるような料理に使うスパイス程度の量に留めて、君になんて言おう?
だいたい嘘は何かを咄嗟に隠したり誤魔化したりする時に使うためわざわざ考えると思い付かない。君に対して嘘を付きたくないという心理も働いているのだろう。難しいな…。
「と言うわけで、今の俺は大きなイヌだ」
「えぇ?」
考えることを放棄したように君の膝に頭を乗せた。静かに沈んで柔らかいなと夢心地。「わん」なんて言いだした俺に目をまん丸にしている。
「癖っ毛だし犬種はなんだろう…?もふもふ具合はポメラニアンに似てるけどイメージと違うし雑種かなぁ?」
なんて真剣に悩んで俺の戯れに付き合ってくれる。君の細い陶器のような手に撫でられて、尻尾があればパタパタと振っているだろう。
「お腹を見せてくれるのは甘えてるんだっけ?」
頭から手が移動してお腹に触れる。あまりされることじゃないため変な気分だ。ソワソワすると言うかなんとも手つきが…。
耐えられなくなって君に覆い被さった。イヌのようにじゃれつくと擽ったいと笑って存外楽しそうで鼻先を触れさせて「わん!」と鳴いてみた。
「ふふっ、まだ遊びたいの?おいで大きなワンちゃん」
かわいい飼い主様のお許しが出たので楽しませてもらおうか。…まぁ、俺の設定はイヌ科の狼なんだけど。
舌舐りをして獲物を見る。タネ明かしをするのはその日のうちに、一通り遊んだ後だ。
4月3日
昨日の夕方、叔母夫婦とネリネが来た
夜ご飯を食べながらネリネと
日本の有名観光地とか最近の話とか
いろんな話をした
兄は結構ドイツに興味があるみたいで
ずっと叔母にドイツについて色々聞いていた
そんな感じで昨日は寝た
朝の目覚めと共に早速ネリネと兄と
某レースゲームをし、2位
朝飯を軽くすませながら
また某レースゲームをする
兄に関しては最強のカスタムを見つけて
固定しているし
ネリネもどんどん上達してきて
ついに最下位をとった
昼はバーベキューをした
サラダも用意したのだが
うちで取れたミニトマトが美味しかった
おれは黙々と食べていたが
みんな楽しそうに話していた
で、午後は外で遊んだ
遊んでる途中で疲れて
休もうという話になって
思い出の場所に連れて行くことにした
近くにひっそりと
住宅街と森林が入り組んでる小さな迷路みたいなが公園がある
昔、そこで兄と友達と秘密基地を建てて、
おれが初めてネリネと会った時
自慢したくて見せびらかした思い出がある
ただ休憩に行っただけなのだが
秘密基地のを作った跡形が残ってて少し嬉しかった
そんなこんなで最後に
おすすめのゲームをネリネに伝言して
お別れをした
誕生日が近いらしいので
一緒にやれる機会を楽しみにしてる
エイプリルフールとは楽しい嘘を言う日です。ですが、相手にとって本当に心配する内容だったりするので少し嫌な日でもあります。小学6年生の子達から下の子達は楽しい嘘を言います。しかし、中学生位の子達は普段ついている嘘同様に言うでしょう。
「今日は嘘をついていい日なんだってさ」
「それならわたしあなた伝えたいことがある」
「なに?」
「わたしあなたにずっと嘘をついてたの」
「ん? つまり……、ずっと真実を言ってたってことだよね?」
「だけど、今日だけは嘘をつくのをやめることにする」
「ん!?? じゃあ今日以外は全部嘘をつくってこと!?」
「あなたのことこれからもずっと大好きだよ」
「いや、どっち!?」
【エイプリルフール】
「エイプリルフール」
四月の嘘は叶わない
冗談混じりでこぼした言葉に混ぜた嘘
冗談として受け取る貴方
あぁ、やっぱり叶わないんだね
人間は、嘘をつく。
嘘をつかない人間なんていないと言われた。
僕は信じられない。
嘘をつかない人間がいないならエイプリルフールなんて無い。
だって、必要がないんだから。
嘘をついてみたい人間のためのエイプリルフール。
だから、僕にはエイプリルフールが必要ない。
4月1日は、周りの嘘を聞いてあげる一日
エイプリルフール
去年の4月1日。
「わたし、引っ越すんだ!」
「え、ええっ?!」
「ウソだよ」
「ひっどーい。本気で心配したんだけど!」
君がついた嘘はどうやら、
二つ目のほうだったらしい。
エープリルフール
エープリルフールは嘘をついても許される日
でも、嘘をつけない…
真面目な僕でした
エイプリルフールはなぜ存在するのだろうか。
人は嘘をつくほうが簡単で、正直になるのは難しいというのに
エイプリルフール
昨日だったわ笑
今日嘘言ったら
嘘つきと罵られ、罵倒されるんだ。
だから、みんな嘘つくときはエイプリルフールの時ね!
「実は俺、」
おれの幼い弟に顔を近づけ、内緒話。友人はわざわざ周囲を見渡すふりまでしたあと、小声で囁いた。
「……魔法使いなんだよね」
「ほんとー?! にーちゃんしってた?!!」
「いや、おれも初耳。まさか魔法使いと友達だったとは……!」
「そ。びっくりしただろ?」
視線が“合わせろ”と言っているので、大袈裟に驚いてみせたら弟はすっかり信じ込んでしまったらしい。興奮しきりで魔法を見せて! とせがみ立てる。エイプリルフールとはいえ嘘でしたと言える雰囲気じゃなくなったなと思っていたら、にんまりと笑った友人はおもむろに弟が着るパーカーのポケットを指差した。
「ポケットには何か入ってる?」
「ぽっけ? ううん、はいってないよ」
「それじゃあ俺が魔法を掛けるから、呪文が終わったらもう一度確認してみてくれるかな?」
「う、うん……!」
「いくぞ~」
ポケットに向けていた人差し指をくるりと振り、唱えるのは謎の呪文。魔法に関して全くの無知であるおれは、それが友人のでっち上げなのか、何かの作品の引用なのかすらちっともわからない。
弟は期待に満ちた様子で自分のパーカーのポケットを確かめる。そしてはっとした顔をすると、慌てて小さな手をおれたちの前に突き出した。
「ちょこ!! ちょこがはいってた!!」
「チョコだったかあ。お菓子を出す魔法なんだけど、何が出るかは俺にもわからなかったんだよね」
「そんな雑な魔法ある?」
「そんなもんだって」
「すごいすごい! もっとだせる? もっとみたい!」
「残念ながらここまで。本当はみんなに秘密だから、あんまり使うと怒られちゃうんだ」
「えー!!」
「ほらほら、困らせるなよ。また今度見せてもらえ」
「ちぇー」
若干不服そうではあったが、友人と指切りの約束をした上、チョコを頬張った弟はすぐに機嫌を直した。次はどんな魔法を見せてもらおうとニコニコ悩み始めた弟に聞かれないよう、友人にそっと声を掛ける。
「つーか、どんなマジック? いつ仕掛けてた?」
「見ての通りだよ」
「わからんて」
「だから、魔法」
「……はあ?」
「ははっ、顔怖」
いやおれにまでわかりきった嘘をつく必要ないだろ。そう思ったが、けたけた笑う友人をいくら問い詰めても、タネは教えてくれなかった。
「今日はエイプリルフール。でたらめだって許される日だろ?」
エイプリルフール。
嘘をついても許される日。
みんなには楽しいのだろうか。
私はいつもと何も変わらないたった一日なのに
みんな
私に嘘をつく
まぁそれは別にどうでもいい。
それでも
私のことを信じないのはやめてほしい。
私が嘘つきだというのはやめてほしい。
全員が全員嘘をついているわけではないのに
無駄に疑うのはやめてほしい。
今までエイプリルフールに嘘をついた事はない。
…と思う。
嘘をつく相手がいないから。
嘘をついても意味がないから。
本当に欲しい情報があやふやになるから。
みんな楽しいのかな。
楽しいって言っておこう。
楽しくないなんて言ってみんなを傷つけたくないから。
あ
これは
嘘か。
エイプリルフール。
私も嘘をツイテイタ。
🌸はなびらは
やさしい地雷
踏むたびに
胸のあたりが
わずかに痛い
木下龍也✨
🤍🌸🤍🌸🤍🌸🤍🌸🤍🌸🤍
【エイプリルフール】
毎年毎年よく飽きないな、と思いながら相互フォローの友人のツイッターを眺める。○○と結婚しますとか、○○のファン辞めますとか、そんなのが羅列されていく。
私はといえば、いつも通りおはよー仕事嫌だーシュッシャッターと呟くばかりだ。彼らが何を楽しみにしているかなど知ったことではないのだから。
「あれ?」
と、私はとある一人のツイートに目を止めた。
「実は異世界転生ガチ勢です! この世界って、特に日本って盗賊も出ないし物価安定してるし、まぁ貧困はあるけど、でも救済はあるし最高!」
確か、彼女は普段ファッション系のツイートばかり、特にネイルの技術が半端なく良いからフォローしたのだ。凝った意匠を素早く仕上げるということで、お店もアピールしてたし、彼女の予約は長いと半年先まで埋まっているのだとか。コラボの付け爪も転売対策に受注生産、つまりそれだけ売れる算段がついているということ。
ヲタクっぽいツイートをしない人が、急にヲタツイをしてると気になる。なんとなくメディア欄を遡っても、どれもこれもファンタジックなテーマのネイルの仕上がり写真や、施術動画ばかりだ。
ルーン文字や幻想の動植物、遠景のお城や宝石のデザイン。要素だけなら厨二病なのに、彼女がまとめると現実感が凄い。まるで実在しているかのような──
「いやいや、何言ってるんだか」
私は休日出勤のデスクで一人呟いた。他に誰もいない。麗らかな陽気が窓から入り込み、差し込む日差しは暖かく、桜が散りかけているのが外に見える。お昼は屋上で食べよう。なんだかとても現実的ではないのだ。
そのネイリストが「ママが迎えに来たから、一旦還るね、またすぐ来るよー!」とツイートしてから、行方不明になってしまったと知ったのは、翌日の午後になってからだった。