『イブの夜』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『イブの夜』 (フランダースの犬)
荒れ狂う吹雪がひととき治まり、厚い雲の切れ間から月明かりが降り注いだ。大聖堂の明かり取りの窓から差した一筋の光は祭壇画の全貌を顕わにさせ、幼いころからその絵をひと目見たいと願い続けていたネロの目に驚きの光が満ちた。月明かりそのもののような涙が一筋流れてきらめきながらこぼれて落ちる。傍らにうずくまるパトラッシュの冷たくなりかけた体を抱きしめながら、ネロは神に感謝の祈りを捧げずにはいられなかった。
イブの夜はチキンとケーキ
ケーキはあるけどもなんか別のことしたくてちらし寿司をかってしまった。
ケーキとちらし寿司。食い合わせが悪い?まあこれもイブらしいか。メリークリスマス!
キラリと何かが光った気がして、それを手に取ってみる。やや錆びているそれは星型の飾りだった。
これは、あれか。クリスマスツリーのてっぺんに飾るやつか。
価値のあるものじゃ無さそうだと分かった途端、肩の力が抜ける。
さらに周辺を漁ってみると、たしかにかつてツリーの装飾に使われていたと思われるオーナメントや照明の飾りが出てきた。しかしどれももうボロボロで、とても使えるようなものでは無さそうだ。
かつてこの建物に住んでいたのは、おそらく子供のいる家庭だったのだろう。ツリー自体は見つからないが、その飾りの多さからツリーの大きさが想像できる。
在りし日の光景が浮かび上がり、何とも言い難い感情が湧いてくる。
——世界がこんな状況にならなかったら、今もクリスマスの夜を楽しみにしている子供たちが居たんだろうな。
「……サンタ、生きてんのかな」
ひとり佇む廃屋に、その言葉は虚しく響いた。
【滅亡した世界のイヴの夜】
毎年この時期は仕事ー。
友達との予定も無い。
ましてや恋人なんて1度別れてから8、9年居ない。
次のイブはどんな風に過ごしてるのかなー
キリストの生誕を
大好きなあの人はあるべき家庭で祝ったのだろう
もし、あなたの手を握れるほどの距離ならば
1秒でも長くあなたを抱きしめたいという想いを
叶えることができるのに
イブの夜は
あなたと二人祝うの
あなたの笑顔は 私の
クリスマスプレゼントだね
インスタに
友達が
デートの写真を
載せるから
気持ちが
悲しくなると
娘が愚痴る
祭日とイブの日
連続デートしているよ、と。
私は
家に居るのに
昼ご飯に
私が
マックを用意した
マックがあって
マジで救われたと笑う
ひまなときは夜でもいっしょにぶらぶらするくせに
365日のうちの今日、ひまじゃないって、なに?
「いや、おまえがオレといてばっかじゃカワイソーだろ、おまえが」
理解されてなさすぎてほんとうにカワイソーだわ。
詫びにクリスマス価格のディナーでもおごれ、ばーか。
2023/12/24 イブの夜
そういえば、今日はクリスマスイブか。
あの日心が抜け落ちて、家族や恋人と仲良く過ごす
輝かしい日の事なんてどうでもよくなってしまった。
...もうアンタはいないのに、
どう楽しく過ごせばいいというんだ。
もしアンタが幽霊とかだったりしたら、
「オレはもうケーキを食ったりお前を
抱きしめるコトは出来ねぇけど、
お前をずっと見守ってるからな!」
とか言ってくれるんだろうか...?
...たられば言っても意義が無いのは
分かっているのについ考えてしまうよ。
アンタさえいれば、最高の日を過ごせたんだろうな。
若者のカップルや、友人連れの人々が私とすれ違う
さあ、今年は何を犯そうかな
盗み?殺人?暴力?ふふ、どれもいいな
えな「ふふっ、あははっ、楽しみ」
ふとすれ違いの女にナイフを刺してみる
ふふ、もちろん指紋なんて残さないよ
ビニール手袋越しにぐにゃっと変な感覚が私を襲う
ナイフを1度グリっと回す
えな「今日は血祭りだね♡」
するとすぐに近くのデパートの警備員が走ってくる
えな「あらら……」
カフスをつけられちゃった
えーと、脱獄脱獄……何回目だっけ笑笑
ツリーを飾ってテーブルの上にはケーキとチキン。他にもいつもより少し豪華なご馳走を用意して。お気に入りのバニラの香りがするアロマキャンドルと、貴方に贈ろうと思ってる絵本をそばに置いて。まだかなまだかな。私の目は時計と窓の外をもう20回往復くらいしてる。
昔はさ、こんな、絵に描いたような日が過ごせるなんて思ってもなかったんだよ。クリスマスなんて、世間が経済回すために騒ぎたててるだけで特に何も変わらない冬の日じゃんって考えてたの。それが、何年か経ってこんなふうに特別な夜に変わるだなんてね。私が一番びっくりしてる。
きっと大切な人ができたからだと思う。独りだったらこんな、手の込んだ夕食作ったりしないもん。貴方の喜んだ顔と美味しいって言葉が欲しくて頑張ってるんだよ、私。
特別な日じゃなくても、貴方は毎日優しくて面白くて、私の大切な存在だけど、こういう日だからこそ改めて感じるものもあるんだね。穏やかに今日を過ごせることはきっと当たり前なんかじゃないから。明日からも貴方は私のそばに居てくれるけど、その事実を大事にして今日は乾杯しよう。
Merry Christmas.
My darling.
イブの夜。イブということは昨日の夜のことを書け、ということか。
夜じゃないけど昨日はちょっと散財しちゃったんだよな。最近金を使いすぎだと反省したばかりだったのに。
冬に入ってからずっと掛け布団と毛布に不満があった。くたびれてたし柄も安っぽいから買い換えたいと思っていて、それで昨日我慢できずに少し高い羽毛布団と毛布を買ってしまった。
その布団と毛布の感想は明日書こう。今日はジャンプの感想を書きたい気分だし。ジャンプなら昨日の夜のことでもあるしな。
まずは呪術。芸人戦からずっと面白い。やっぱバトル上手いわ。なんか呪術も来年には終わるみたいで寂しいね。でも悲しまずに最後まで楽しもう。
次が鵺。正直鵺は最近あまりテンション上がらないな。すらすら読めるし面白いけどなんかわくわくが足りない。そんな感じ。楽しみにはしてるけどね。
でままゆう。掲載順が後ろのほうで悲しい。最近はいい感じだから立ち直ってほしいものだ。
複数の戦闘が同時進行してるから主人公とヒロインのバトルはテンポよく終わった。このスピード感は悪くない。人気出てほしいぜ。
後はワンピース、キルアオ、ドクターストーンか。ワンピースは回想は面白い。現在に戻るとごちゃごちゃしててあれだけど。
キルアオは安定感あるな。特筆するほど好きではないけど面白いとは思う。
短期で続きを連載していたドクターストーン。流石の面白さだった。
今週のジャンプはドクターストーンが連載してたのもあって満足度高かった。次のジャンプで楽しみなのはやっぱりままゆう。
残ってる相手が三人いるけど次はどの相手を見せてくれるのか。ケモミミの魔王が気になるから早く見せてほしいぜ。
イブの夜。
パパとママはミッションをこなす予定だ。
早く子どもを寝かせないといけない…。
でも、なかなか寝ない。
布団で目を爛々と輝かせて、サンタを待ち望んでいるようだ。
いや、子どもにもミッションがある。
パパとママが先に寝かさないといけない。
サンタに約束して、昨日届いたのだ。
「明日は、忙しいからね。このプレゼントは君に頼むよ。」
それから、今日の夜パパとママを先に寝かせてリビングに置くようにと。
そーっとトイレに行くふりをして隠してあった所から取り出す。
パパとママ喜ぶかな。
それを想像しながら布団に入って、素敵な夢を見るのだ。
#イブの夜
【イブの夜】
『クリスマスの予定なんも入ってない…』
前、そんなふうにしょぼしょぼ嘆いているのを聞いてしまったから。
もしかしたらイブも空いてるかもって。
…クリスマスに誘う勇気なんて、今の僕には無いから。
緊張で強張る指で、スマホの画面を操作する。
あともういっこ操作したらもう電話が掛かってしまう画面までいって、覚悟を決めた心がぐらぐらと歪み始める。
僕なんかが誘ってもいいのかな…そもそもクリスマスの予定が無いだけでイブの予定はあるのかもしれないし…。
さっき覚悟を決めたのにうじうじし始めた心に喝を入れて、僕はそっと通話のボタンを押した。
prrrr、prrrr、と静かな部屋にコール音が響く。
1コール、2コール、3コール…やっぱり電話なんか掛けなかったら良かったかもしれない。
手の中で結構なコール数分スマホが震えて、だめだったんだと電話を切ろうとした時だった。
『っもしもし!ごめん手が離せなくって出るの遅くなった!』
相手が電話が出るのを待っていた画面が、通話中の画面にサッと変わった。
スマホから、焦ったように大きな彼女の声が聞こえてくる。
「あ、いや全然大丈夫。忙しい時に通話出てくれてありがとう」
『優しい〜、ありがとう。で、どした?電話掛けてくるの珍しいじゃん』
早速本題に入ろうとしている話題に、スマホを持っている手をぎゅっと握って口を開いた。どくどくと鳴る心臓がうるさくて、向こうにも聞こえていないか心配になってしまう。
「あの、さ…今日夜とか空いてたりする?一緒に出かけない?」
『あー待ってごめん、夜は家族と過ごす予定がある…』
少し下がった声色で言われた断りの言葉に、がっくりと肩を下ろす。
やっぱり空いてるのはクリスマスだけだったか…と通話を切り上げようと口を開いた時、焦ったような声がスマホから聞こえた。
『ちょ、待って待って、今日は空いてないけどクリスマス当日は1日空いてるよ〜…? そっちが予定空いてるなら明日出かけるっていう手も、ねぇ?なきにしもあらずと言いますか…』
早口でつらつらと言われた言葉を、僕の頭が理解するまで数秒かかった。
彼女がクリスマス当日に出掛けようと遠回し…遠回しとも言えないかもしれないが、誘ってきていることを理解した時、考えるよりも先に口が回った。
「じゃあ明日はどう? 出かけるの」
『あ、うん!いいよ! 明日ならめちゃくちゃ空いてる!』
途端に明るくなった彼女の声に、少し期待してしまうのを感じてしまう。
それから僕と彼女は、集合場所と時間だけ決めて通話を切った。
クリスマスの予定…できちゃったな。
ぼすっと座っていた自分のベッドに体を沈める。
顔がゆるゆると緩むのは許してほしい。だって、ずっと片思いしていた彼女とクリスマスに会えるっていうのだから。
彼女の反応も悪くなさそうだったし、何なら嬉しそうに見えた。
ちょっとくらい期待しちゃってもいいよね…?
緩んだ顔で、僕は明日の服を選びにクローゼットに向かった。
大人になったサンタからの贈り物はキラキラ光るきれいな星
クリスマスイブってのはな
邪教の神による
人類をふた組に分断する陰謀じゃと思っておる。
イ組とブ組じゃ。
わしはおまえのばあちゃんに出会うまで
ブ組に35年もおったんじゃ。
まぁそのあと何度かイ組だったことがあるのは
ばあちゃんには内緒だぞ。
ん?イ組とかブ組ってなに、じゃと?
イ組はイロ男とイロ女がイロっぽい夜を過ごして
ブ組はブサイク男とブス女がブザマな夜を過ごすってごとじゃよ!!
そんな話を
幼稚園児のあたしに語った祖父は
クリスマスイブの夜に
他界しました。
仕事から帰り
家族とクリスマスの食事を
楽しんだ後
自分の書いてきた文章を
お茶を飲みながら
振り返ってみた
そして
感じた
書いたのは自分自身だけれど
読んでくれている方々があって
これだけの量を
書き続けてこられたんだと
とても一人で書き連ねる日記では
ここまで続けては来られなかったなあ
きっと三日坊主で終わっていた
読んでくださっている皆さんに
「感謝です‼️」
そして
「メリークリスマス❗️」
いつもなら
夜になるとLINEくれるのに
何時になっても鳴らない通知音
私がクリスマス好きではないから?
明け方 通知音で目覚めた
サンタさんが
プレゼントを届けてくれた
【イヴの夜】#48
【イブの夜】
街の片隅の小さなケーキ屋で、売れ残っていたミルフィーユとモンブランを一つずつ購入して帰路につく。クリスマスイブの夜とはいえ、こういうクリスマスらしさの薄いケーキは予約なしでも買えはするらしい。ホールケーキを買うほどイベントごとに積極的な性質ではないから、この程度で十分だった。
「ただいま」
自宅に帰り暖房の効いたリビングへと入れば、先に帰っていたらしい君が「おかえり」と顔を綻ばせ、そうして僕の持つケーキボックスに目をとめた。
「あーっと、まあそうなるかぁ」
「え、なんかまずかった?」
首を傾げて尋ねれば、君は少しだけ罰が悪そうにキッチンへと足を向ける。冷蔵庫から取り出されたのは、僕の手の中にあるのと全く同じケーキボックス。
「お互い考えることは一緒だね」
少しだけ気恥ずかしそうに笑う君に、思わず僕も笑ってしまう。
「四つのケーキを二人で食べるなんて、イブの夜らしい贅沢で良いんじゃない?」
軽やかにそう告げて、愛しい君の身体を腕の中に抱きしめた。
『イブの夜』
「今日ってクリスマスイブの夜だよね?」
「いや、まだ明日になってないじゃん」
「いやいや、0時超えたからイブじゃん」
「何言ってんの。朝になるまではイブイブだから」
「…….イブイブって何?」
そんな話を好きな人と笑い合って言える僕はとても幸せなんだと思う。メリークリスマス。
______やまとゆう