『イブの夜』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ツリーもない
チキンもない
ケーキもない
イブの夜
でも
こんなふうに
いつもと変わらぬ日常が
心地よいのです
#イブの夜
#70
身体が上がっていかないように肩を抱き締められた。
私は彼の胴にしがみつく。優しい温かさと汗で濡れる肌が、どこかに行ってしまいそうな感覚を現実に引き留める。
匂いがして激しい動きに今までの思い出がフラッシュバックする。ここはただの経由地なんだと思ったら期待が止まらない。
お互いがお互いを離さぬように強く抱く。
言葉さえも無くなって求め続ける獣となり下がった。あまりの波に声をあげるとただ静かに名前を呼ばれて意識が飛んでいく。
こんな日になんて滑稽なんだろう。
#イブの夜
君と過ごす時間が特別に
ただただ愛を語る夜
イブの夜
今日は、クリスマスイブでした。
「今夜は彼女とクリパやねん」
「今夜は友達とイルミネーション行くんや」
みーんな、自分の楽しそうな予定をみんなに言いふらしている。
そんな中僕は、何にも話すことがない。
友達とどこかに行くわけでもないし、彼女がいるわけでもない。俗にいう、クリぼっちってやつかな。
そのことを馬鹿にするやつだっているし、同情してくるやつだっている。
そんな奴が嫌いだと思いながら、僕は笑っている。
「俺は今年のイブの夜も、クリぼっちだぜ!」
僕のいるグループに、見下すような笑いが巻き起こった。
君と手を繋ぎ歩く。
寒い夜も2人いればへっちゃらだね、なんて。
いつまでもこのときめき、帰らないでいて____。
気づけば僕が見ていたのは、薄暗い蛍光灯だった。
いつの間に、もう日が暮れていた。
クリスマスってこんなに静かだったっけ。
どうにも、君のいない聖夜はいつもの夜より辛いみたいだ。
君のことばかり頭に浮かんでは消えゆく空っぽな時間。
現実、そんな甘くないんだ。
まあそんなもんかと諦める僕、ああ、なんて可哀想。
#イブの夜
(暗い内容を書いてしまいましたが、最後まで読んでくださったあなたに素敵なクリスマスが訪れることをお祈りしています🍀)
イブの夜
イブの夜、娘のLINEに友達から
彼氏できた報告あり。
8人友達グループLINEが、一気に
ざわついた。
娘がケーキを食べながら一言。
「食べ方がキレイな彼氏じゃないと無理」
好きだけでは続かないと、一度も彼氏が
できたことのない娘が、結論を言う。
クリスマスを一緒に祝う彼氏ができるのは
ずいぶん先のような予感がする。
31.イブの夜
「お届け物でーす。」インターフォンが鳴り、
声が聞こえる。なんか買ったふだろうか?
そんなことを思いながら玄関を開けた。
「お荷物の確認とサインお願いしまーす。」
配達員の男は金髪で、チャラそうな人だなって思いながら荷物を確認した瞬間…目が飛び出そうになった。
こんなの嘘だろうと思った。彼女からのだった。
でもそんなものが送られてくるはずがない。
だって彼女は、去年病気で亡くなってしまったの
だから…
俺は金縛りにあったかのように固まってしまった。
そんな俺を見て「大丈夫っすか?」チャラそうな
配達員の男に言われ、我に返った。
慌ててサインをし、受け取った。
「あざしたー」配達員の男はやる気のない礼をして
姿を消した。配達員から受け取った物は小さかった。
開けてみると俺宛の手紙が入っていた。
懐かしい彼女の文字。彼女の名前。
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〇〇へ
あなたのことがずっと大好きで、
今でもずっと大好きだよ。
私よりいい彼女作って幸せになってね。
いつでも見守ってるから。
𓏸𓏸より
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「お前以外いるわけないじゃん…」
そんな言葉がポツリと涙とともに漏れた。
久しぶりに彼女の名前を口にする。
懐かしい。愛おしい。寂しい。悲しい。
色んな感情が重なって言った。
「配達お疲れ様でした。彼は元気そうでしたか?」
依頼人からメールが届いていた。
報告を事務的に入れてスマホを胸ポケットにしまう。
「仕事完了!お互い幸せになれよ〜」
配達員の男はポツリと呟き、夜空を見た。
今夜はクリスマスイブ。
奇跡の一つや二つ、起きてもおかしくはないだろう。
配達員の男は穏やかに微笑んだ。
深夜まで残業
いつもの帰り道を歩く
家の明かりは消え
街灯と星だけが目立つ
顔を上げて星空を眺める
いつもと変わらないなぁ
でも
少しだけ空気が澄んでいる
気がする
『イブの夜』
イブの夜
2階のトイレ
私は知っている
妹と私のための
プレゼントが隠されていることを
11時半頃に
ワインの蓋を開ける音がした
聖夜の祝杯…そんなところか
友達とメッセージのやりとりをしながら
ふと耳を澄ませると
クリスマスツリーの下にプレゼントを置いた音がした
スマホの画面を見ていたらうとうとしていた
やはり、夜更かしはするものじゃないな
思いながらも少し、起きていたい気持ちがあった
ガクッ
あー、やっぱり
寝落ちしちゃったな
今年もサンタを見れないままで
ちゃんと音は聞こえてるのに
まだ11月だというのに、街は既にクリスマスというイベントに浮かれ気味である。
私が勤務するショッピングモールの店内は、電飾の眩しいツリーと彩やかな福袋の見本が交互に置かれ、よくよく考えると何とも不思議な光景である。
ジングルベルのメロディは、耳にタコができるほど聴かされた。
「自分には関係の無いイベントだよね」
そう言い聞かせて、早数年が経っている。
今年も24日は、安定の出勤日だ。
いつしか自分は、“イベント日の空き要因“としてシフトに入れられるようになった。
「元々、人が多いのも騒がしいのも性に合わないしさ」
いつからだろう。
皆が心躍らせるものに、素直に足並みを揃えて楽しめなくなったのは。
私って、こんなに趣の無い人間だったっけ。
レジをすり抜けた品物たちが、赤や緑の包み紙で着飾られては心の荒んだ私の手を伝い、客の手に渡っていく。
21時50分。疎らに残る賑わいを壊すように流れる蛍の光に、私は落ち着きを取り戻しつつある。
明日は休日。あと10分で、私は今年のクリスマスから逃れられるのである。
22時。はあ終わった。
人気の無くなった店内で、聴衆の居なくなったジングルベルが寂しく細く響いている。
帰りにコンビニでスイーツでも買おうかな。
「クリスマスイブだってのに、みっちり夜まで8時間働いてんだから」
必死になって世の流れにしがみつく自分の、何と哀れなことだろう。今日はダイエットは中止である。
色恋じゃなくてもいい。
別にクリスマスじゃなくたっていい。
彼氏が欲しくても出来ない、寂しい人でもない。
ただ私は、24日という日付にかこつけて買った、
このコンビニのケーキの美味しさを、
甘いね、と言ってただ分かち合う誰かを、
何年も何年も探しているのである。
家族もパートナーもいないこの自分の中で、消化しきれない「クリスマス」という響きが、居心地悪く残っていくだけなのだ。
クリスマスイブの喧騒の裏で、歯車のごとく動き回った1人の人間が、すっかり冷えきった帰宅の路を歩いていく。
シュトーレンの最後の一切れを食べ終わった。
私の世界から彼女の息吹が消失してこの5年というもの、ひとりのイブを過ごすのが恒例となった。
世に云うクリスマスまでのアドベントのあいだ、計ったように切り分けたシュトーレンを食べながら私が待ち続けたのは、ほんとうのところクリスマスではなかった。
「待った」というのとは少し違う。「消費した」のほうが私の真実には近いのかもしれない。私の目的は、シュトーレンの思い出とともに過ごすことなのだから。
彼女が生前、よく作ってくれたシュトーレンはほんとうに美味しかった。珈琲よりも紅茶がよく合っていた。その彼女とのクリスマスまでの4週間に交わしたタカラモノのような言葉の数々を思い出す。
一日ひと切れずつ食べるごとに一つの会話を思い出す。こころのなかに灯ったロウソクのような優しく小さな灯りを、まるで手のひらで守るように大切に大切に。
イブの夜、一切れのシュトーレンとともに最後の思い出を振り返ったあと、人知れず涙を零した。けっして悲しい涙ではない。ひとって、嬉しいとき、幸せなときも涙を流す生きものなんだ。
その温かいものが溢れた時間……私にはそれこそが何物にも代えがたいクリスマス・プレゼントなんだ。
今年もこころの温まるイブの夜だった。
テーマ/イブの夜
『 イブの夜 』
私はサンタを信じない
物心ついた時からイブの夜に眠りについても
プレゼントが枕元に置かれることは無かったから。
あれから何年もたった今も、もちろんサンタは信じていない
クリスマス・イブもただの日常と変わりは無い
そう思いながら今年のイブは愛する人と眠りにつく
目が覚めた時、本当のサンタはすぐ側にいたと
まだ眠っている私はまだ知らない
イブの夜
イブの夜、どこからかユーミンの「恋人がサンタクロース」が流れている
素敵な歌だなって聞きながらふと思った
恋人がサンタクロースはよくある気がするけど、
その後夫がサンタクロースになる確率って下がる気がする
イブの夜
夜になり教会に次々と人々が集う
まずは子どもたちのハンドベル演奏が華を添える
皆からの大きな拍手を受けると、いつもと違った神妙な顔つきはこぼれるような笑顔に戻る
そんな姿が心を温かくしてくれる
時間になるとすべての明かりが消え、真っ暗ななかローソクに小さな灯が宿る
ひとつの小さな灯を消えないようによう次々と周りの人へと繋げてゆき、聖堂が揺れる灯でいっぱいになったら静かにそして厳かに祭儀が始まる
皆が祈りをもって喜びのうちにこのひと時を祝う
全世界でこの日を同じように祝うはずなのに
病気で、仕事で、そして悲しいかな戦争によって祝うことが出来ない人々がいる現実
たとえ綺麗事であってもいい
私がいますぐに出来るのは祈ることくらい
無力さを感じながら今自分にできる精一杯の気持ちを込めて祈ろう
ひとつでも笑顔が増えますように
ひとりでも多くの人が心安らかに過ごせますように
すべての人の心に光が灯されますように
『クリスマスイヴ』
普段と変わらぬ朝と夜 振り返ると少し神聖な気がしてた 通りを行き交う車の音もたまに聞こえる小鳥の
声も包装紙に包まれて優しくなって クリスマスを待っている
カーテン越しの月明かりも良いけれど、漆黒の夜も味わい深く、美しい。
雲一つない星月夜。いつまでも見ていられるわ。
貴方がいてもいなくても。
ところで。いまごろ、サンタさんは世界中を飛び回っているのかしら。
こんなに澄んだ夜空を駆けるのなら、よそ見にはくれぐれも気をつけて。
心配したって、サンタクロースはこどものため。
イブなんてかこつけて、夜にもたれる私は悪い子ね。
「イブの夜」
イブの夜。完全に忘れていた。小説を書いていたら。大好きな彼へのクリスマスプレゼント。バレンタインは考えてたけど忘れてた。私はクズ女だ。未練タラタラで忘れる。名前すぐ呼び間違える。メンヘラだし。手紙はかけたとりあえず大丈夫。
「クズ中のクズ男に未練タラタラなクズ女。」
お題『イブの夜』
イブの夜にもかかわらずこれといってらしいことがないというのも寂しいと思いケーキを一つ買ってみた。正直普段のケーキに小さな飾りを乗せただけではないかと思うぐらいにはクリスマス感がないがそのぐらいのほうが気取らなくていいと自分を慰めてみる。せっかくだからと来客用の少し装飾が入った皿とカップを出して紅茶を入れる。テレビをつけてみたが余りクリスマス感のない番組ばかり目についた。はたから見れば寂しい様だろうと思いながらもその見るものすらもない中、案外に軽い口当たりのクリームに少し物足りなさを感じながら、クリスマスを味わう。
一日中家にいたので観ていたテレビ。
スクール革命→週刊さんまとマツコ→なりゆき街道旅→阪神10Rから有馬記念、阪神と中山12R→笑点→M-1グランプリ→セクシー田中さん(最終回)→ガキ使→明石家サンタ(←今ココ)。
ハッピーメリークリスマス(笑)
テーマ:イブの夜
支度に忙しいのはなにも楽しませる側だけではない。
楽しむ側にもそれなりの準備と品格が必要なのである。
例えばパーティーに出席のためにドレスを新調したり。またはお邪魔にならない、けど相手を喜ばせる手土産を用意したり。
それは身近な人間であればあるほど求められるのだ。
ツリーの下に用意したウエルカムドリンクの温かいミルク。とっておきのクッキー。
この日のために何回も試行錯誤して納得のいくものが出来た。世のパティシエが思わず嫉妬するに違いない。
完璧なお出迎えセット。
イブの夜にこれ以上ない布陣。
あとは寝るだけ。寝たふりをするだけ。
私をいいこと言うなら、クッキーを食べてミルクを飲むところくらい、盗み見をさせて欲しい。