『イブの夜』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
子供達が寝静まる夜のこと
サンタクロースの出番です
眠っているのを確認したら
こっそりと贈り物を置いて
トナカイを走らせるのです
ボクにはサンタが来ないと
贈り物がないと嘆かないで
心に置いたかもしれません
目には見えなかっただけで
気付かないかもしれません
どんなプレゼントなのかは
結んだリボンが解ける時に
きっと分かることでしょう
自分の心を見つめて下さい
あたたかく照らして下さい
サンタクロースの願いです
『イブの夜』
『美味しいご馳走』
イブの夜に君は何を食べたいの?
そう聞かれたから
なんだと思う?と答えた
骨付きチキン
いいえちがうわ
ケーキ
そんなんじゃない
じゃあ焼肉?
うーんちょっと違う
お寿司
それも違う
じゃあ何を食べたいの?教えて
そう言われたので答えを教えた
そしたらあなたは蒼白な顔で後退りした
私は笑みを深めた。
さあて、私の今日の夕食はなんだったでしょう?
ふふっ私最近おかしいの
楽しくて楽しくてたまらないのよ
永遠にあなたと生きていけるの
愛おしいわ
窓の外は真っ暗闇
雪がちらつくのが見える
ねえ、きれいな晩ね
あなたの頭を撫でて
語りかける
頬にも手にもあなたの紅
すべて無駄にしないように
しっかり最後まで味わって
あなたの愛を噛み締める
イブでもどんな夜でもいいわ
あなたと一緒なら
#イブの夜
Thema「イブの夜」
「そういえばお前、結局誘ったの?」
「いいや、勇気出なくってさ。本当に臆病だよな。俺って」
俺には好きな人がいる。
ずっと前から好きだった。
一緒に過ごしているうちに、どんどん魅力にひかれていった。
「クリぼっち、やだなぁ」
「そう思うんだったら、さっさと誘ってこいよ」
1か月前、俺は『好きな人』に「一緒にクリスマス出かけない?」そう言おうと決心した。
ようするにクリスマスデート。
でも結局勇気が出なくて、何も言えなかった。
「もう時間ないぞ」
24日。俺は昔からの親友と2人でクリスマスパーティーをしていた。というか、ただのお話会みたいな感じ。
「ここで言わなかったら後悔するのは分かってる。でもビビって身体が動かないんだよ」
クリスマスデートに誘うというのは、成功すれば最高に嬉しい。けれど断られたら、もう立ち直れないんじゃないかってくらい落ち込む。
だから怖いんだよなぁ。
「知っるか?」
「ん?」
「今、告白をしようかしないか悩んでるとするじゃん」
親友の顔を見ると、それは真剣な表情だった。
「告白して断られて「告白しなければよかったぁ」って後悔するよりも、告白しないで「あの時告白しとけばよかったな」って後悔する方が、よっぽど辛いんだよ」
「……」
「テストやったり時とかさ、早く結果知りたくね?どうなったかなって、ずっとムズムズするじゃん」
「確かに」
「まぁ要するに、挑戦しないで後悔するより、挑戦して砕けて後悔した方がましってことだ」
その言葉で気づいた。確かに今、何もしなかったら今後ずっと後悔する気がする。でもここで勇気を出せば、結果が悪くともスッキリする気がする。
「何もしないでお前自身の青春を終わらせていいのか? 挑戦するのは大事だと俺は思う」
俺は顔に出ていたのかもしれない。
「その顔は覚悟を決めた顔だな」
ありがとう。親友。
「確かあいつ、そろそろ塾終わる時間だったよな? ちょっと行ってくるわ」
「おう、行ってこい」
そして俺は走り出した。
「頑張れよ。お前がリア充になるのを楽しみにしてるぜ」
━━━━━━━
「はぁ、はぁ……」
全力ダッシュしたせいで息切れがひどいな。
時計を見ると、針が10時を示していた。
「そろそろ塾終わる時間だよな」
『好きな人』とは結構話したりしてて、塾の帰りに会うと一緒に帰ったりしていた。だからきっと大丈夫なはず。
「あっ……」
すると塾から出てきた。『好きな人』が。
「え!? どうしてここにいるの?」
驚いた表情をしている。まぁ、当たり前だよな。
「あっ、いやそのな……」
目の前に相手がいるのに、少し言葉が詰まる。
「えーと……」
すると後ろから親友の声が聞こえた気がした。
「頑張れ」
後ろを振り向くと、遠くから静かに親友が見守ってくれていた。
ポケットに手を入れて、寒そうにしている。
その姿を見て、俺は決心した。
ありがとうな親友、今まで俺の恋を応援してくれて。待ってろ。今、言うから。
「あのさ、明日クリスマスじゃん」
「そう、だね」
スゥーっと深呼吸し、君の目をしっかり見て言う。
「明日、一緒に出かけない?」
いや違うな。
もういい。ここまで来たら言っちゃえ、俺!!
「俺とクリスマスデートしてください!!」
頼む頼む!!
こんなに心から願ったことは無い。
君と一緒にいたい。
照れているからなのか、寒いからなのかは分からないけど、君の顔は少し赤くなっていた。
そして君は笑顔で答えてくれた。
「いいよ!!」
視点B
あっ、たぶん今言ったな。
遠くからでも分かる。あの必死の表情。
俺はずっと応援してたよ。お前の青春を。
ほんっとうに。ずっと好きって言っててさ、早く結ばれろよ。とか思ってたりしたよ。
でもそれがいざ、くるって思うと、関係ない俺でさえドキドキする。
「……あれは、」
心から嬉しかった。
あいつも、あいつが好きな人も。
満面の笑みだったんだ。
あぁ、良かったな。本当に良かったな。
「また今度、デートの感想をたっぷり聞かせてもらうとするか」
そうして俺は、心の中で「おめでとう」と思いながら歩き始めた。
イブの夜。
イブの夜
去年は一緒に
過ごせた。
今年は
少し遠くに。
明日は早起きして
逢いに行こう。
イブの夜
クリスマスケーキを食べて、歯を磨いて、
お風呂に入って、パジャマに着替えて、
靴下を準備して、ベッドに横になったら、
いつも通りで、ちょっと違う、イブの夜がふけていく。
今夜は世界のどんな子どもにも、
サンタがやってきて、プレゼントを贈る。
今夜だけは、どの子たちも、笑って眠ってほしい。
今夜だけ、世界が平和でありますように・・・
『イブの夜』
「今夜は特別。イブの夜」
みんな私にそう言うの。
特別だから
夕飯はご馳走だったし、ケーキも食べて良いんだって。
特別だから、
夜の間にサンタさんからプレゼントが届くんだって。
年に一度の、特別な夜だから。
みんなは私にそう言うの。
だけども、私は知ってるの。
たとえ、イブの夜じゃあなくっても
「明日は何して遊ぼうか」って相談しながら
一緒にぬくい布団に入れる夜こそが、
きっと幸せな夜なんだ、って。
イブの夜
寝静まった夜にひとり
蝋燭の火を見つめながらホットワインを傾ける
昼間のパーティーの賑やかさもあって
ひときわ静かさを感じる
パーティーの片付けもした
子供たちの枕元にプレゼントも置いた
何にせよ今日の仕事は全て片付いた
ここからは自分のためだけの時間だ
自分で自分に
メリークリスマス
テーマ:イブの夜 #404
イブの夜
食卓にはたくさんのごちそうが並ぶ。
そしてごちそうが食べ終わると
僕たち家族はある特殊な儀式をする。
部屋を暗くして家の中心にある
キャンドルに火を灯す。
そのキャンドルが燃え尽きるまでは
話してはいけない。
何があっても、だ。
家族みんなでジッとその光を見ていると
不思議な感覚になる。
皆呼吸を忘れたかのように動きを止め、
火を一心に見つめている。
話さなければいいはずなのに
皆動きを止めて火のゆらめきを見るのだ。
今年のイブの夜も
きっとあの儀式の時間がやってくる。
僕はあまり好きじゃない。
でも家族である限りはやらなくてはいけない。
イブの夜
私的には普段通り
家族や恋人に友達とかにでも
プレゼントでも配ってれば
どんなプレゼントかはさて置き
特別な日ではない
キッカケになればいい
その日でも目指して
基本的にこの日さえ過ぎれば
特に何も思わないと思う
クリスマスが近づくと出てくる
終わったら何んでもない
だから駄目なんじゃないかとも
自分は近づいても
クリスマスだなってくらい
終わっても次があるし
何処を目指しているかによる
イブの夜に拘りはない
一つの目標で目的とは別
構えないと成せない
だけど構え過ぎても成せない
普段に落とさない疲れそ
日々が虚だとしても
虚には器がある
虚が器から溢れ落ちて
拡がる波紋
揺れては溢れた一欠片
それがあなただったもの
あなたから溢れ落ちて
それでもまた同じものを溢したいの?
普段はあんまりケーキとか(金銭及びカロリー的な意味で)食べれないけどイブはなんか許される感じがして、普段よりちょっと豪華な夕飯にしっかりした大きさのケーキを食べちゃう。
明日は運動しないとな〜!と思いつつ胃と相談した結果、残した半分のケーキを食べてクリスマス当日を終えてしまう予感を感じてるイブの夜。
【イブの夜】
こんな夜はきっと
みんな誰かと過ごしている
ボクは一人で部屋にいる
でも寂しくないよ
三人の精霊が来てくれるから
スクルージのように
過去・現在・未来の精霊と
ケーキを食べて
ボクはこの夜を過ごす
イブの夜。いつもと変わらない夜を過ごしています。
家族でパーティー、とかしないウチなんですが、そのスーパーで、たまにしか置いてない二個入りのバスク風チーズケーキが今日あって、迷わず買い、それがはからずとも、クリスマスケーキとなりました。
とあるアプリの書き込みを見ていたら、クリスマスがなんぼのモンじゃい的な投稿がいくつもあって、私もそう思っていて、いわゆる「ぼっち」でも大して気にしません。その方が楽なので。
まぁ、世間はクリスマス一色ということで。とりあえず、メリークリスマス…イブ。
「イブの夜」
「先生はサンタさん信じてますか?」
銀行に行くなどと適当な言い訳で学校を抜け出した際に買ってきた小さいケーキを美味しそうに食べながらそんなことを言った貴方。
純白の真っ白のケーキは貴方みたいで俺には少し眩しい。
だが、最初の言葉は聞き捨てならない。
もしかして俺、サンタを信じて夜な夜な夜更かししてる子供と間違われてる?
俺もう結構いい歳なんだけど。貴方絶対分かってない。
どっちかと言うとその言葉は俺の言葉だろうに。
「んー、小さい頃は信じてたよ。どんな顔してるのか一目見てみたくて朝まで起きたことがあったぐらいだしね」
結局朝まで起きたのにサンタを目撃することは叶わなかったけれど。
その後拗ねてふて寝していたら枕元にプレゼントがあったっけ。懐かしいなあ。
「ふふ、先生可愛いですね」
そういって笑う彼女の顔が妹の顔に重なって酷く懐かしい気分になる。
よくクリスマスソングを英語で歌ってみたいの!って泣きつかれたっけ。
英会話を習っていた俺は渋々妹に付き合ってよく歌ってあげたものだ。
「……There is just one thing l need…、」
「、need…?」
「ほら、All l want christmas is youってしらない?定番のクリスマスソングだよ。プレゼントは貴方がいい、って結構ロマンチックじゃない?」
「聞いたことあります!へぇ〜そういう意味なんですね。それに先生すっごい好きそう、」
ふふっと笑った彼女をジトリと見つめれば、バカにしてないですからね!?なんて焦ったように付け足してた。
別にそんなつもりじゃなかったけど貴方が楽しそうだからなんでもいいか。
「サンタさんくるかなぁ、」
「はい!きっと来ますよ。先生とってもいい子ですから」
はにかむ彼女を見ていたら、布団にくるまって聖なる夜を待ち望んで眠りにつくのが楽しみになった。
サンタさん、クリスマスに多くは望まないから。
俺が欲しいものはたった一つ……
2023.12.24『イブの夜』
~未編集~
キラキラとしたクリスマスカラーに彩られた繁華街を、イヴの夜を満喫するカップル達が歩いている
賑やかな繁華街の裏路地では、特別な夜を楽しむカップル達のために、ごうごうと音を鳴らしながら動きまわるエアコンの室外機達、そんな中で私は油のついた紺いろの防寒作業着に身をくるみ機械とにらめっこをしていた
油で汚れた腕をすこしまくり、時計の針を見れば普段ならリビングで家族とテレビを眺めながらちびりちびりと発泡酒を楽しんでいたであろう時を指していた
事の発端は、一日の業務がだいたい終わり、少しもて余した退社までの時間、初めて出来た彼女と過ごすクリスマスイヴのデートプランを鼻息荒くにやにやと語る後輩の話しを聞いていた時だった
残り数分でタイムカードを切れるなと、時計をみていると事務所の電話が鳴り響いた
この時間に鳴る電話は大抵よろしくない知らせだ、電話を取った人間のほうに視線を向けると、肩をがっくりと落としながら
「先週定期点検に入った○○町のイタリアンレストランでガスエアコンがトラブってるみたいです…」
誰かしらの残業が確定する一報だったようだ
そのエリアのメンテナンス担当は目の前にいる後輩のようで「まじっすか…」とひどく疲弊していた
先ほどまでの幸せそうな表情から一変し、まるでこの世の終わりのような顔になるのを見ていると心が締め付けられ、
ついつい、私が行くから大丈夫だと言ってしまった
電気エアコンよりもガスエアコンの方が複雑なうえ、経験がないと中々対処に困る場面も多い
そんな悪いからいいですよと言われたが50手前のおっさんにはクリスマスなんて関係ないよと返しながらロッカーから防寒着と作業道具を取り出し作業車に向かって歩いた
背中の方で後輩がありがとうございますと大袈裟に喜んでいたのを聞くと少し誇らしい気持ちになれた
《イブの夜》
「あ、知ってました? クリスマスは家族と過ごす日で、クリスマスイブは恋人と過ごすらしいですよー」
へらへらと月下で笑う青年に、
「それは日本での傾向の話だ。私たちはそんな間柄でもないし、第一互いに嫌い合っている」
影に隠れた少女が返す。
「別にそんなこと俺は一言も言ってませんよー? ただ、せっかくクリスマスが近いというのに、仕事三昧とは面白みがないなぁと」
そう嘯き得物をホルダーに仕舞う青年。
「クリスマスイブ、というのはクリスマスの夜という意味らしいがな。日没で一日を区切っていたことからそう呼ばれるようになり、今では一日の区切りが違うから前夜と捉えられることが多いんだとか……つまりお前は、私とクリスマスの夜を迎えてる訳だ、喜べ」
「急に語り出して気持ち悪いかと思えば、更にゾッとするようなこと言い出しましたね! 頭でも打ったんですか、あんた」
青年は怪訝そうに少女を見た。
「悪いが頭は打ってないんだ。ただ、こう言えばお前は嫌がるだろう?」
「……なるほど、嫌がらせ目的ですか」
「ふん。そういうことだ」
「なら、是非俺から嫌がらせされて下さいよ!」
笑顔で何を言っているのか。
「断る。誰が好んでお前にされるというのだ」
「まあそう言わずに! つっても、あんたの許可なんて関係なく勝手にするんですけど——」
やめろ、と口にする時間すらなかった。
「ね?」
「……っ! おいやめろ! 離せ!!」
嫌いなくせに、嫌がらせの為にここまでするのか。
少女がそう動揺してしまったのも無理は無い。
「いわゆるお姫様抱っこです♪ 嫌でしょ」
「ッッ!! 離せって言ってるだろ! 馬鹿!」
「いやでーす。離したら嫌がらせにならないんで」
にたにたと笑みを浮かべる青年から逃れようともがくが、流石に同輩の青年には膂力が負ける。身長も負けているし、腕の可動域も狭められているし。
目算で五メートルはあったというのに、一瞬で背後に立たれたばかりか抱き上げられた。
その無駄な実力の使い方に苛立ちつつ、少女は怒鳴る。
「嫌がらせされてやっただろ! もう満足しろ!!」
「ハイハイ、耳元で叫ばないで下さーい」
どうせ言っても聞かないのだろうと放った言葉に、果たして、青年は従った。
「……いや、下ろすのかよ」
呆気に取られて口にした少女の言葉に、
「え? 下ろしてほしかったんじゃないんですか?」
「以外に素直で驚いただけだ、他意はない」
早口でそう言い捨てて、少女は歩き出した。
そんな少女の背中に青年は零す。
「……だって、あんたに心の底から嫌われちゃったら、どうするんですか」
風が強く吹き、少女は振り返る。
「ん? 何か言ったか?」
「なんでもないですよー、というか俺を置いてかないで下さいよ——お嬢様」
「うるさいわね、あなたは従者らしく全て私の行動に従いなさいよ」
「……全てはお嬢様の御心のままに」
偽りの主従は夜を行く。
この街を、守る為に。
クリスマスイブだからどうした、悪はイベントだからと待ってくれないのだから。
「さあ、悪人を裁く私たちの、聖夜の始まりよ」
イブの夜は美味しいご飯をお腹いっぱいに食べて友達と電話しました。
でもみんなうるさい。
いい年なんだから彼氏作れとかイブに彼氏と別れましたとかもう少しでテストなんだから勉強しろとかみんな口うるさい。少しは黙れ。
彼氏作れ?誰か俺を迎えに来い。彼氏と別れました?お前に問題があったんじゃない?勉強しろ?前回そんなに勉強してないのに社会64点上げてるわ。お前の方が馬鹿だろ。
みんななんで人の人生に口出ししてくるんだろ。
「貴方の為を思って」とか言う人居るけどそういうのがうざい。みんな嫌い。誰か俺を消して、
「クリスマスだー!」
いつもの面子で集まるクリスマスイブ。ここ数年、毎年恒例になっているイベントだ。
七面鳥にシャンメリー、もちろんケーキも用意してある。
高々とグラスを掲げる。「かんぱーい!」と弾んだ声、グラスのぶつかり合う音が部屋に響く。
部屋にクリスマスソングが流れる。それに合わせて歌い出す人がいる。
料理をつまみながら、一方ではゲームをやっている人もいる。
それなりの人数が集まっているから、各々好きなことを自由にやっている。それが許される空間なのだ。
大好きな人達と、こうやって集まって騒げることが幸せだと、みんな感じていた。
今年も楽しいイブの夜が更けていく。
『イブの夜』
「ごめんね!仕事遅くなる」
付き合ってる彼にそんな電話をもらったクリスマスイブ。
私は早めに仕事を切り上げた時間を持て余して、ご馳走を並べた机を見回してはため息をついた。
彼が忙しい職種なのは分かってる。
デートもなかなか都合が合わないし、会えても長くは一緒にいられない。
そんな彼が、イブこそ一緒にいよう、と言ってくれたから・・・
期待しちゃったんだろうなぁ、と、自分の落ち込み方に苦笑してしまう。
彼とお祝い出来るようにシャンパンもケーキも、プレゼントも用意している。
「さすがに、きついなぁ」
机に伏せてつぶやく。
彼が今日来れるか分からないって必死に謝ってた。
仕事のトラブルだって・・・
トラブルなら、仕方ないよね・・・
でも会いたかった・・・
ふっと目を覚ます。
私はあのまま眠ってしまったみたいだった。
時計を確認すると23時50 分。
もう、来ないかぁ。ご馳走どうしよう・・・
そう思っていると・・・
ピンポーン
開けると息を弾ませた彼が立っていた。
「ごめん、待たせて。トラブル速攻で解決して、走って駆けつけてきた!!」
彼の息は乱れて、ここまで頑張って走ってきてくれたことが分かる。
「イブに、間に合ったね」
びっくりしたのと嬉しさが混ざりあった気持ちを感じながら私は彼に言葉をかける。
「うん、間に合わせた。君と過ごしたかったから。約束しただろ?」
「約束、した。守ってくれて嬉しい」
私は彼に抱きつくと、彼は私をぎゅっと抱きしめ返した。
「ずっと一日、会えるの楽しみにしてたよ」
彼の言葉に、私も笑顔になる。
「うん、私も!」
私と彼は今日あった事を話しながら食卓へ向かう。
イブという特別な日に約束を守って駆けつけてくれた彼。
私には最高のクリスマスプレゼントだと思った。
音楽に救われる
歌詞
あなたはもう
さよならと
20年
今は嫌い
あいする事は何度も許す事
#イブの夜
恋人と過ごす、初めてのクリスマスイブ。
社会人になって人生で初めてできた恋人。
クリスマスに恋人がいなくて寂しいと、
友達の話に共感できなかった学生時代。
家に帰れば家族がいるじゃない。寂しいって何…?
恵まれている家庭で育ったのか、
単純に恋人ができない事に捻くれて言った
強がりだったのか。
どっちだったのか今でもそれはよく分からないけれど、
クリスマスに恋人がほしい理由はよく分かった。
恋人がいるとこんな幸せな気持ちになるなんて
思わなかった。
「はい、これクリスマスプレゼント」
1人幸せに浸っていると、彼が渡してきた。
「わあ、ありがとう!私も、メリークリスマス!」
「ありがとう!開けて良い?」
「うん!私も開けるね〜」
2人で開け始めて、思わず目が合う。
中身は2人ともマフラーだった。
しかも、色違い。
「クリスマスプレゼント何が良いか分からなくて…」
何にしたら良いか分からなくて、定番を選んだのに
理由まで一緒なんて…笑
「私も何が良いか分からなかった」
「ははっ、そうだよね笑 でも、これでお揃い…だね」
「うん…!」
初めてのお揃いが思いがけない形になったけれど、
とっても幸せだ。
恋人がいるクリスマスの幸せを知ってしまったから
もう、あの頃には戻れない。
今頃子ども達にプレゼントを配る為にイブの空を
駆け巡っているであろうサンタクロースに願う。
来年も、その先もずっとあなたと一緒に幸せな
クリスマスが過ごせますように。