「ごめんね!仕事遅くなる」
付き合ってる彼にそんな電話をもらったクリスマスイブ。
私は早めに仕事を切り上げた時間を持て余して、ご馳走を並べた机を見回してはため息をついた。
彼が忙しい職種なのは分かってる。
デートもなかなか都合が合わないし、会えても長くは一緒にいられない。
そんな彼が、イブこそ一緒にいよう、と言ってくれたから・・・
期待しちゃったんだろうなぁ、と、自分の落ち込み方に苦笑してしまう。
彼とお祝い出来るようにシャンパンもケーキも、プレゼントも用意している。
「さすがに、きついなぁ」
机に伏せてつぶやく。
彼が今日来れるか分からないって必死に謝ってた。
仕事のトラブルだって・・・
トラブルなら、仕方ないよね・・・
でも会いたかった・・・
ふっと目を覚ます。
私はあのまま眠ってしまったみたいだった。
時計を確認すると23時50 分。
もう、来ないかぁ。ご馳走どうしよう・・・
そう思っていると・・・
ピンポーン
開けると息を弾ませた彼が立っていた。
「ごめん、待たせて。トラブル速攻で解決して、走って駆けつけてきた!!」
彼の息は乱れて、ここまで頑張って走ってきてくれたことが分かる。
「イブに、間に合ったね」
びっくりしたのと嬉しさが混ざりあった気持ちを感じながら私は彼に言葉をかける。
「うん、間に合わせた。君と過ごしたかったから。約束しただろ?」
「約束、した。守ってくれて嬉しい」
私は彼に抱きつくと、彼は私をぎゅっと抱きしめ返した。
「ずっと一日、会えるの楽しみにしてたよ」
彼の言葉に、私も笑顔になる。
「うん、私も!」
私と彼は今日あった事を話しながら食卓へ向かう。
イブという特別な日に約束を守って駆けつけてくれた彼。
私には最高のクリスマスプレゼントだと思った。
12/24/2023, 11:58:28 AM