『やるせない気持ち』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
やるせない気持ち
『なんだかなぁ』と口に出して言いたいときがある。
自分でどう処理したらいいのかわからない
ぐるぐるとした内側。
そういうときは、Googleの検索バーに
『なんだかなぁ』と入力してタップする。
そしたら、色んな『なんだかなぁ』がヒットする。
ただそれだけ。
意味なく、内側の『なんだかなぁ』を外に出す。
ただそれだけ。
「やるせない気持ち」
誰かから何か言われたときに
上手く言い返せないと
自分に対してやるせない気持ちになる。
感情的になって話がまとまらなかったり
結局自分が我慢すれば丸くおさまるのかな…ていう
諦めの気持ちがあったり…。
自分の考えを言語化するって難しい。
13「やるせない気持ち」
何をやるのもめんどくさい。
歩くのも考えるのも面倒くさい。
もういいや。
身体が臭い。でも面倒くさい。
足の感覚が無い。でも面倒くさい。
ハエが寄ってきた。でも面倒くさい。
もう死ぬ。でも、面倒くさいからもういいや。
死ねなかった。いや、違う。
肉体は確実に腐った。でも意識はある。
、、、はあ、まだ面倒くさい現世から解放してくれないのか。
まあいいや。考えるのも面倒くさい。
お題『裏返し』
「私はね、みんなに幸せになって欲しいの」
彼女と初めて出会った高校生の頃から、そんな理想を語っていたことを覚えている。
「みんなが幸せになれば、この国はきっと美しいと思うから」
そう語る彼女の表情は、いつもと変わらない優しい笑顔のまま。けれど真っ直ぐなその声色から、本気で、真剣に語っているのだと分かる。
――みんなが幸せに。
今思い返しても、そんなものは砂上の楼閣だと思うし、当時の自分も恐らくは同じ感想を抱いただろう。
でも、どんなに思い返しても、あの日の自分が彼女に返した言葉が思い出せなかった。
それから数年後。
彼女の理想に感化でもされたのか、自分は警察官の道を進んだ。
着実に経験を積んでいき、今、世間を騒がせた一つの大きな事件を任されている。
「幸せになりたい人、募集します、ね」
ある時期から巷で話題となったこのフレーズ。
始まりはSNSで、既に削除されたアカウントから発信されたものだ。
そしてどうやら、この募集に集まっただろう人々がその後、消息不明になったという。
話題になり始めた初期はまだ、彼らの消息不明とSNSの募集が確実に結び付いているとは言えない状況にあった。あくまで憶測、推測、もしかしたら、程度のニュアンスで、人々はこの二つをセット扱いした噂を広げていた。
そんな中、同じSNSで自殺志願者を募ったアカウントが、ラストチャンスと銘打ってこの応募に参加することを明かしたのだ。
――幸せになりにいってきます
この投稿を最後に、アカウントの更新は止まったまま。その人物は家族によって警察に行方不明届けが出され、現在まで見つかっていない。
見つかってはいないが、消息は掴めたと言っていいのかもしれない。
当の、募集アカウントから連絡があったのだ。
――想いを叶えて、彼女たちは幸せになりました。
不穏な噂を呼んだのは、“想いを叶えて”、この文章だ。
行方不明になった当人のアカウントを遡れば、そこには“辛い”“死にたい”と毎日のように綴られている。そもそも行方不明になったきっかけも、他の自殺志願者と共に幸せになりにいく、というものだ。
想像力豊かな世間の人々は、あっという間にストーリーを組み立てる。
想いを叶えて、というのは、自殺願望を叶えて、ということではないか。そうして幸せになったというのはつまり、そういうことだ、と。
この話が一気に広まったことにより、あのフレーズが俄に事件性を帯び、賛否両論様々な意見が飛び交った。
そうした事態を重く見た警察が調査に乗り出すに当たって、自分が担当を任された次第だ。
正直に警察としての捜査に進展はないが、一つだけ、心当たりがある。
「あいつ今、どうしてるかな」
幸せに。
思い出すのは、真剣に理想を語った彼女。忘れかけていたあの日の会話が、何故か鮮明に蘇る。
「私はね、みんなに幸せになって欲しいの」
将来の夢。進路希望。そんな話が担任からあった日の、いつもと変わらない帰り道。
どうする?もう決めた?何になりたいの?やりたいことはある?
いつもとは少し違う会話のなかで、彼女が語った理想だった。
「みんなが幸せになれば、この国はもっと美しいと思うから」
いつも通りの優しい笑顔で、けれど真っ直ぐなその瞳が真剣さを物語っている。
彼女は真剣に、本気で、その理想を叶えたいと思っているのだろうことは十分に伝わってきた。だが、それは砂上の楼閣だ。
「みんなで幸せには、なれないんじゃないかな」
だからつい、言ってしまった。
彼女の理想を、ただ肯定することだってできた筈なのに。
「幸せは平等じゃない。誰かが幸せなら、誰かは不幸になる。そういうバランスで出来てる世の中だと思うよ」
言ってから、しまった、と思った。ただ純粋に理想を語った人に、それを否定する言葉など掛けるものではなかったと。
「そっか。じゃあ、どうすればいいか考えないとね」
けれど彼女は気を悪くした様子もなく、笑顔のままで会話を続けた。
彼女はみんなが好きだから、こんな風に言われても、否定されても、怒らないし嫌いにもならない。
きっと、彼女にはいい意味の一番は存在しないのだろう。一番好きも、一番大切も作らない。だってみんなが好きだから。
その在り方に、ずっとモヤモヤしている。
ほんの少し前までは、あの日自分が彼女に返した言葉を思い出すことができなかった。
それなのに、事件の担当に決まり、あのフレーズを目にして。鮮明に記憶が蘇る。
幸せは平等ではない。なら、みんなで幸せになるにはどうしたらいいか、考える。
あれからきっと、考えて。彼女なりに、色々な方法を、考えて。ずっと、考え続けて。
「その答えが、これか」
別々の道に進んでも、頻繁ではなくとも連絡を取り合っていた彼女。自分が警察の道に進んだことも話していたし、彼女が理想を追い続けていることも知っていた。
だから、あのフレーズから始まる事件の話を聞いた時、証拠はないけれど、確信はあった。
あぁ、彼女だ。と。
そんなわけで今日、久しぶりに会わないかと連絡をして。今、彼女の自宅に招かれ、こうして二人で食事をしている。
「やっぱり気付いてた。だから呼んだんでしょう」
相変わらず、にこにこと穏やかな優しい笑顔で、彼女は語る。追いかけた理想の答えを。
まず、考えた。人は何故、不幸なのかを。
出した答えは、想いが叶わないから。
ああしたい、こうしたい。あれになりたい、これになりたい。……幸せに、なりたい。
叶わない想いが不幸なら、想いをなくしてあげればいい。でも生きている限り、想いは無限に湧いてくる。それならば、一度終わらせてやり直そう。
「今が駄目でも、次の世界でなら、幸せになれるかもしれないでしょう?」
あの頃と何も変わらない優しい口調で、優しい笑顔で。人を好きなまま、この方法に辿り着き、実行する。
優しい彼女のままで、犯罪者となったのだ。
「好きだよ。ずっと」
今更、彼女の言葉に返せるものなどなく。出てきたのは脈絡のない、ただずっと押し込めていた言葉。
「うん。知ってるよ」
けれどそんな言葉にも、彼女は笑顔を崩さなかった。
曖昧な返事も、予想通り。
「これから、お前の犯罪の証拠を探す俺は、嫌い?」
「ううん。ずっと好きよ」
長い付き合いだ。この“好き”が同じ意味じゃないことくらい分かる。
みんなが好きな人だから。特別なんて作らない。一番好きにはなってもらえない。なら、一番嫌いになって欲しかった。
幸せになりたい人を募集する。その影に彼女の存在を感じたから、事件を任されるように努力してきたのだ。
全ては彼女を追いかけるため。彼女を捕まえるため。
……嫌いを作らない彼女の、唯一嫌いな人になるために。
これは、裏返しの恋心。
だけどそれも、叶わない。
「お酒、飲まない?コープスリバイバー。作ってみたから、良かったら」
「じゃあ、いただくよ」
降りそうになった沈黙を破くように、柔らかな声がする。その提案に頷くと、彼女はキッチンへ向かっていった。
コープスリバイバー。死者を蘇らせるもの、とかそんな意味を持つお酒だ。
アルコール度数はかなり高いが、二人とも酒に強いので問題ないだろう。
「はい、どうぞ」
「ありがとう」
バリエーションに富んだこのカクテルだが、琥珀色の水面を見る限り、ブランデーをベースにしたものを作ってくれたのだろう。
お礼を言って、早速飲んでみる。
ブランデーとカルバドス、スイートベルモットが合わさった、ほろ苦くも甘い味わいで、とても美味しい。
再び向かいに座った彼女にそう伝えれば、良かったと笑う。
「そういえばこの前、お酒の本を読んだんだけどね。ちょうどそこにコープスリバイバーも載ってて……」
優しく柔らかな彼女の声が、次第に遠くなっていく。
お酒には強い筈だったのに、もう酔ったのだろうか。ここ最近忙しくしていたから、その影響かもしれない。
「立て続けのコープスリバイバー4杯は、死体を再び殺すだろうね、って。まぁ、4杯もいらないんだけど」
思考が鈍る。視界が霞む。グラスを持つ手の感覚も消え、急激に寒さを感じ始めた。全身が震えている気がする。血の気は引いて、唇が冷たい。
もう、何も、分からない。
「あのね、」
完全に机に伏せた彼に向かって、呟く。
もう絶対に聞こえない。それが分かっているからこそ言える言葉。
「好きだったよ、ずっと」
だから今日、連絡をくれた時から決めていた。
想いは叶えられないから。嫌いにはなれないから。
幸せになってもらうために。私は彼を、殺さなければ。
それはきっと、裏返しの愛情だった。
―END―
〔嗚呼もう、うんざりだ!〕
私はそう叫んで、壁を殴りつけた。
教室の喧騒はピタリと止み、皆がこちらを見つめる。
「そ、そこまで怒鳴らなくても良いじゃねぇかよ。
いくらなんでもさ。」
壁を殴りつける程の怒りを焚き付けた奴が、びっくりしてヘラヘラと笑いながら言った。
私はその表情や、仕草にも気が経つ。
〔お前のそういう態度が一番気に障る。ヘラヘラとした、
その頭の軽そうな態度が!何故私が怒鳴ったか分かるか?
元はと言えば、お前が人の悪口を延々と言い続けるのが
原因なのが分かってるの?
私は、ハッキリと悪口を止めろって言ったのに、延々と!
それがどれだけ不愉快か分かる?〕
キツく睨みつけ、私は一息に告げる。
奴は、周りの目も合ってだろう。
そそくさと、教室を出て行った。
私はまだ奴に文句が言い足りない。本人が居ないのを良いことに、有りもしない悪い噂を吹聴している。
友人が、奴の吹聴が原因で少しの期間だが、
周囲から冷たい目で見られ、一時期不登校まで陥った。
その出鱈目な噂を撒いた奴は、不登校になった友人を
バカにする始末だった。
何故あの時、私はすぐにその噂に気付かなかったのだろうか。気付いたあとも、すぐに友人のフォローに回らなかったのだろう。もっと、噂の否定を早くしていれば。
不登校まで陥らなかったかもしれないのに。
やるせない気持ちと、後悔が心臓に纏わり付いてくる。
触手の様に、ねっとりと。ぐるぐると締め付けてくる。
その子は一応を復学できではいるが、半日登校、という状態が続いている。
私にも、今迄と大差無い対応をしていてくれるが、内心、どう思われていても仕方ない。
裏切り者とか、最低だとか。そんな風に思われていて居ても。
あの子は私の事を、もう友達とも何とも思っていないかもしれない。
ごめんなさい、もっと早く気付けなくて。
ごめんなさい。
ある日の風の吹きしほど。
外履きを履きていづと、
時雨降りいだしき。
これより待ち合はせと言ふに、
そはやむべきとも言はむや。
我日ごろ天気の悪しき日は
やるせなき心地ぞになりける。
【やるせない気持ち】#26
『やるせない気持ち』2023.08.24
「まず何から話せばいいのか……」
動画配信サイトのRECボタンを押して、カメラに向かって話しかける。
すると瞬く間にコメントが流れる。
六十もすぎたいいオヤジの生配信に、これだけのリスナーが興味を持ってくれるなんて、物好きだなと思う。
この配信は事務所を通していない、完全に個人的なものだ。
「オレの親友の」
名前を出すと、コメントがにわかにざわつく。何十年経っていても彼のことを覚えている人はいるようで、すこし嬉しい。
しかし、今はそんな事はどうでもいい。
「ある人から、今どうなっているか教えていただきました」
この先のありのままを告げれば、きっと明日には大騒ぎになっていることだろう。しかし、彼の家族のことを考えると言わないほうがいいのかもしれない。
それを思うと、言葉が続かない。喉が締め付けられ、心臓がバクバクと早鐘をうつ。
黙ってしまったオレに、リスナーが心配の言葉をかけてくる。
言うか、言うまいか。
流れるコメントのなかに、ある名前を見つける。その名前は、彼の口癖だった。
『話してください。ありのまま』
その人からのコメントは、呪詛のように思えた。きっと彼の家族だろう。
オレは意を決して言葉を続ける。
「亡くなっているそうです。今から二十年前、あの事件の後に」
そこから先は、とにかく自分でもめちゃくちゃだった。
事務所や友人たちから電話が鳴りまくり、コメントも荒れに荒れた。
それでも、オレは止まらなかった。このやるせない気持ちを、八つ当たりのようにぶつけ続けたのだった。
明日はメディアが荒れる。
だからどうした。オレの知ったことでは無い。
テーマ:やるせない気持ち #284
やるせない気持ちでいる。
受験生なのに勉強一つしていない。
小説ばかり書いている私に。
やるせない気持ちでいる。
それをわかっているのに
動き出せない私に。
苦労するのはわかっているのに。
気付いた時には、どうしようもなかった。
「ああ…、あ…ああ…!」
人を殺した。
なんということだ。
どうすればいい、何をすれば……
ああ、そのまま、
やるせない気持ちだけが残った。
_2023.8.24「やるせない気持ち」
話し手が殺したのか?
殺されている現場を見ているのか?
はたまた殺されている最中だったのか?
「どうでしょうね」
失笑。
駐車場でロッカーに車のカギを忘れた事に気付く。
引き返すと あれ?どうしたの?の波状攻撃。
5分前の自分にやるせない気持ちを持ちつつ
笑って攻撃を避けて来た道を戻る。
ああ、いい運動になった。
『やるせない気持ち』
昨日お兄さんが空になった。
大好きだったお兄さん。
私のたった一人の味方だったお兄さん。
私はお兄さんの作ったご飯が好きだった。
もう食べられない。
この間まで、食卓を囲んでいたのに。
私のせいで。私を庇ったから。
一生このやるせない気持ちで生きていかなきゃいけない。
苦しい、寂しい、何もできなかった。
私はお兄さんの写真の前にオレンジのスイートピーを置いた。
愛されなかった私にとってあの日々は幸せだった。
たとえそれが犯罪だったとしても。
『やるせない気持ち』
のタイミングは幾度となく訪れる
後悔も山のようにしているし
どちらも現在進行形だ
悔いのない人生とは
どのように生きればいいのだろう
答えは見つからないが
最近気づいた事がある
口は災いの元
やるせない気持ち
あんなに頑張ったのに、
どうしてあいつの方が上なんだよ、
全身の血がカッっとなって、
怒りが湧いてくる。
俺は何しても無駄なのかよ!!!!
ふざけんな!!!
次に見えたのは、自室の天井だった。
そして俺は、勉強机へと向かった。
やるせない気持ち
もう3年前の話
当時一番の親友だった人だったのに急に話しかけられなくなった
道ですれ違っても無視。こちらが挨拶したら返してはくれるけど必要最低限のことだけ。
私、なんかやったっけ、って思い返しても何も思いあたらない。つい昨日までは普通に話して、笑って、冗談も言い合える仲だったのに
3年経った今でもやるせなさでいっぱいだ
素直になれない君は
潔世一(攻)
糸師凛(受)
書く習慣/142日目。
「 やるせない気持ち 」…
やるせない、意味は…
憂い・悲しみを紛らわそうとしても、
晴らしどころが無い。
どうしようもない。
ー̀ ꒳ ー́)「YOそこの道行く兄ちゃん姉ちゃん」
🦵🦵ドスドス
^ω^)「突き進むスタイル、確立、独立、時代の反響、一人の絶叫」
ー̀ ꒳ ー́)「この亀社会に生まれたオレ達若者、それでも耐えぬくオレのスピリット、デメリット」
^ω^(「これって友情?愛情?こち亀 参上」
この矛盾の中で生きてる僕たちの苛立ち
許せなく、やるせなく、亀助け、人生…
さぁ立ち上がるなら今 、道進むなら今
EYAーー♪
( ^ω^ )…
知る者「なんで亀ラップなの?
なんで亀ラップなの?」
^ω^)「何でって…毎日内容を59秒考えるの面倒になって、やるせないからだよ」
君達「後1秒くらい頑張れや」
・・・さて、
私にだって、やるせない気持ちはある
推しの為に貯めたガチャを、
新しく来た新人キャラに費やしてしまって…
40連して爆死した時の悲しさ
うぅ…
まぁ、それ以外で…見かける
「 やるせない気持ち 」皆んなある
勉強やスポーツ、ゲームに、
頑張って来た事や…
恋愛だって…
悲しくて…悲しくて…
( ^ω^)📱あ?!
女々しくて!
女々しくて!
辛いよぉぉ〜〜♪
【 女々しくて♪ 】
( ^ω(🎙️(c=(゚ロ゚ダマラッシャイ…
完
では、また明日…
人生やるせない事だらけ
やるせない気持ちなら、何度もしてる。
私は、君に触る事ができないから。
ううん。この言い方はちょっと違う。
正しく言うなら、
「触ることが出来なくなった」だ。
「このはー、このはー?居ないのー?」
このやり取りはいつもの事。いつもの二人でのちょっとした遊び。
「このはー?おーい、もう出てこないなら、俺はもう帰るよー。」
「!、ま、ま、待てっ!」
私と君は目があった。なんだ、帰ろうとなんてしてないじゃないか。
「ふっ、みーっけ!」
「こいつ………、騙したなっ、…」
「あはははっ、中々出てこなかったから、お返しだよ!」
私と君、奏汰は毎日こうして会っていた。小さい頃から大きくなる今までずーっと。
「このは、俺、言わなきゃいけない事があるんだ」
「うん?何だ…?」
奏汰がこんな風に静かに言うときはあまり良いことではない。大体は悩んでいたり、困っているだ。
「何だ?なんか困った事でもあるのか?」
奏汰は一瞬目を大きくしたように思えたが、直に普通のいつもの顔に戻った。
「うううん。何でも無い!」
「何なんだっ、」
いつもと変わらない、奏汰との日々。けれど、それは突然訪れた。
「このはーっ!このはーっ!どこだーこのはー!」
いつものやり取り、いつもの遊び………の筈だった。
「ここだ奏汰っ!」いつものようにバッと奏汰の目の前に飛び出す。驚く奏汰の顔が目に浮かんだ。…………けれど、奏汰は……、
「このはー!どこだー!!か、隠れてないで……っ、早く、早く出てこーい!」
奏汰は、私の姿が見えなくなっていた。
目の前に居るのに、私が見えない奏汰。
あやかしの、私が見えない奏汰。
「こ、このは……っ、どこ……、っはやく、早く姿…………、」
奏汰はこれっきり、姿を見せることなくなつた。奏汰は分かっていた。いつか、自分が私の姿を映すことが出来なくなる事を。
それを私に伝えようとしてくれていたのに、私はまともに耳を貸さなかった。
私は今でも、また、奏汰が此処にやってくるのを待っている。例え見えなくなっても、どうしても伝えなくちゃいけない事があるから。けれど、力が小さい私はここを動く事が出来ない。奏汰が此処に来てくれるのを待つしかないのだ。
歯痒く、辛い毎日。それでも信じて待つ。
奏汰にはもう見えなくても、触れて伝えたい思いがあるから…。
「奏汰、私は、奏汰の事が好きでした。
」
やるせない気持ちを抱えても。
1秒後には新しい気持ちで。
こくんと飲み込んだ
味がしないカタマリ
胸の奥にいるみたい
抱きしめて眠ったら
無くなればいいのに
いい子いい子したら
消えたらいいのにな
そんな時もあるけど
自分の中の気持ちは
飲み込まないように
引き摺らないように
しかたがないからと
諦めたりしないでね
必ず打破出来るから
『やるせない気持ち』
やるせない気持ちは風に揺れて消えて、夢の中で出てきた貴方は微笑んでいた。
やるせなさを海において心を風に乗せて飛ばした手紙は今貴方に届いていますか?
8月13日に家で待ちます。