『もう一つの物語』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
もう一つの物語
もう一つの物語って聞くと、今この文章を書いている自分と同じ世界で、別の自分がもう1つの人生を歩んでいるドッペルゲンガーとか、違う選択肢を選んだ自分が、別の人生を歩んでいるパラレルパーワールドとか、全く違う世界で自分と違う人生を、今文章を書いている自分が歩んでいる異世界転生とか、いろんなパターンのもう一つの物語が、空想上でやっぱりもしかしてあるかもしれないって視点で描かれることが多い、と思う。
確かにそんな特別で特異な現象に巻き込まれるんだったら、と気持ちを寄せてしまうこともわかるけど、そんな大層な視点でなくても、もう一つの物語が、自分のそばに、気づけないほど小さいけれど、ちゃんと存在している。
あの時、君を選ぶ選択をしていたら、きっと私達はもっと仲良く出来ていたのかなとか、気軽に友達に戻れたのかななど、最近君と親しくなった季節が近いから、ふと考えてしまう。
クリスマスは会えないけどと言って、街中を彩るツリーが無くならないうちに食事に誘ってくれた君と、面と向かって話すことは、もしかしてないのかもしれない。
ないことが、今ちょっと寂しいと感じるのは、秋が本格的にぬくもりを恋しくさせているせいなのだと思い込むことにしている。
そうしないと、もう一つの物語があったかもしれないと考えてしまうからで、それはきっと、今ある私の選択を、間違ったと考えていることになるからだ。
人は他人を思いやり、自分を大切に、悦を感じて、生きていくことが健康的であるというのが私の価値観だから、間違えて、寂しくて、もしもって想う、ありそうでなかった未来の選択肢は、もう一つの物語として美しいまま、夢に溶かして、秋のぬくもりを、今隣にいてくれる人と分け合うことが、私にとっての、もう一つの物語なのだろう。
でも、やっぱり君のことはずっと尊敬しているから、
生きているうちに、少し成長した私で、笑顔を交わしたいと思うよ。
もう一つの物語
弁当を作って、朝食を作って、皿洗いをして……
結婚生活3年目の日常である。
丹原 美咲(たんばら みさき)は結婚して3年の主婦である。子供はいない。まだしばらく予定もない。
元々は雇われのライターだったものの、夫の強い要望によりやむ無く主婦になった。
「貴女を外に出したくない!」
婚前、彼はそんなことを言った。
「どういう意味よ」
「家にいてくれ!」
「仕事があるし無理よ。明日も打合せがあるの」
「なおさら家にいてくれ!」
駄々をこねる彼の言い分にイマイチ要点を得ない。
「どうしてよ!」
「何だっていいだろ!」
「なんだってじゃ嫌よ! 私、仕事好きなの。沢山の人に話を聞いて、沢山の出会いを記事にしてるのよ。楽しいわ。楽しいだけじゃない。誇りだってある!
貴方だって、『素敵な仕事だね』って言ってくれてたじゃない!!」
「それは今もそうだけど……!」
「じゃあ何が問題なの!」
いま思えば私は馬鹿だった。
結婚を前にした彼の不安を全くわかっていなかったのだから。
そんな馬鹿な私に、
「綺麗だから!!!」
彼は馬鹿正直に言った。
フフフ――
お茶を啜りながら、昨夜に届いていたメールを見る。
ライター時代の後輩からだった。
彼女は私の寿退社を誰よりも懸命に止めようとしてくれた人だ。
「仕事続けましょうよ! 丹原さんならwebディレクターになって、プランナーになって、どんどん昇進できますから!」
って。
随分と会っていない。
こうして連絡を貰うのも、仕事を辞めてから初めてだった。
「あら、そうなの」
どうやらWebプランナーに昇進したらしい。
また、近いうちに独立するからぜひ力を貸して下さいとの事だった。
「……悪くないかもね」
彼女のことだから、きっとそれなりの席と開けた道を私に与えてくれるだろう。
沢山の人に囲まれて、誇り高き仕事をして、相応の報酬を貰う。
そんな未来も、悪くないかもしれない。
でもね、
「私、馬鹿なのよ」
底に残ったお茶をグイッと飲み干す。メールを閉じると、洗濯機のブザーがなった。
もう一つの物語
現実の物語と夢の中の物語が重なってどっちが現実か分からないや
私が生きている世界には無数の選択肢がある。
意識的、もしくは無意識のうちにその中の一つを選んで私たちは生活を送っている。
何も考えずに好きなことだけを選んできても、その裏には真反対の世界があるのかもしれない。
それか、もっと自分にとって最高ない出来事が起こる世界があったのかもしれない。
並行世界があるのなら、そこの世界では私はどう過ごしているのかな。
経験することが違いすぎて、私ではなくなっていて、案外全然違う人になっていたりして……。
いま紡いでいるこの人生の物語の主人公は、この世界での私。
ならば、もう一つの世界の物語の主人公は、私であり私でない人。
実際はどうなんだろうね。あなたならどう考える?
#38 もう一つの物語
私が浮気したから
君が恋したんじゃなくて、
君に愛されなかったから
彼に愛を伝えたのだ。
2023/10/30
「もう一つの物語」
いつも物語の最後は悪役をやっつけて終わりだけど、私はいつからか、それに納得ができなくなり、自分でハッピーエンドの裏側を考えては満足していた。
オオカミさんが狩人にやっつけられて、その後奇跡的に下流で助けられて、更生していく赤ずきんの狼の物語など。
1人作ってはみんな幸せの未来を作り満足する。
私なりの童話の楽しみ方。
今日は誰を助けようかな!
本編とは別のもう一つの物語、私だけのハッピーエンド。
「もう一つの物語」
12年間の片思いがやっと実った。
僕は、彼女を一番近くで見ていたし、彼女には僕が必要なんだから当然だ。
これからもずっと君の色んな顔を見せてよ
6歳のとき、「好き」と言ってくれた男の子がいた。
私は言ってしまったのだ...「大きくなったらね」と。
この言葉のせいで彼は変わってしまった。
もう一つの物語
目が覚めたようで、何に囚われていたのか、
囚われていた事さえも知らなかったけれど、
少しずつ自分を知り始めて、
もう一つの物語が、始まるようだ。
【もう一つの物語】
今日の日記を書き終えて、明日のページに栞をはさむ。
もう一つの物語
貴方とあの子が恋に落ちるまでの物語。
その隣でわたしはあなたに恋をした。
僕はずっと趣味で小説を書いていて、実際には書いていないときでも、頭の中で登場人物たちが動いていたりする
頭の中の物語は小説とは別物で、それらは本編のサイドストーリーのようであったり、完結した小説の続きであったり
最近では、いくつもの小説の登場人物たちがそれぞれの物語を生きていて、だから僕はとても忙しいんだ
もう一つの物語
これまでの人生、自分が思うままに生きてきた。
途中で気が変わったことといえば、子供を産んで母親になったということ。
我が人生を自分メインで生きるつもりでいた。
付き合っていた彼氏がいて、9年経っていたから一緒に住むかってなって、なら結婚するかってなって、そしたら生物学?的に子供産むかってなって。
そんな感じで子供を産むことにしたけれど、いざお腹に赤ちゃんができて、生まれてきてくれたら、なんて大事な存在なんだと愛おしくてたまらなくなった。
もともとの物語は、バリバリやりたい仕事を続けて、自分が主人公の予定だった。
今は子供と自分のために、
もう一つの物語を生きている。
もう一つの物語
以前のお題の時にも少し触れたが、
たまに、今と違う選択をしていたら…
と考える事がある。
そこには、それなりのもう一つの人生、
私のもう一つの物語があるのだろう。
パラレルワールド…だっけ?
違う時空で並行して存在する世界。
あれって、決して交わることのない世界が
バグって会う筈のない人と出会ったりするよね。
あっ。もしかして、ドッペルゲンガーもそうだったりして。
やっばり、考え出すと楽しい。
paki
「トリックオアトリート!」
元気に言い放つバカにどう答えようか悩んでいる。
一応、菓子持ってる。
けど、こいつがなんの悪戯するかも気になる。
良くて可愛いヤツ。
悪くてぶん殴られる。
もしくは...菓子渡す、か。
「トリックオアトリート!」
仮装完璧!準備も楽しくて本番はやる気満々で飛び出した今!たった今気が付いたんだけど。
ヤッベ。
イタズラって何するん。
ちゅーとか。
いやいや、でも。
ほっぺくらいなら良いんじゃない!?
む、無理無理無理無理無理。
平手打ちするっ、絶対する!
恥ずかし過ぎる!
ーーー
もう一つの物語。
「なぁ、お前どっちに賭けるよ。」
「ビンタに100円!」
「いちゃらぶに100円!」
「ビビって菓子に300円。」
「お前は?」
「俺。行って来るわ。」
「ぅえ?」
「アイツのポケットのブツぶん取って、背中殴ってtrickつって嫁に押し付けて来るわ。」
俺達親友だろ。
モダモダしてるバカヤローの背中を殴り付けても許してくれるよな。
#もう一つの物語り
もう一つの物語
今夜も遅くなったな…そう呟き乍ら、玄関の鍵を開けた…真っ暗な家の中は、少しひんやりして、只今と言う自分の声が虚しく帰ってくる…
本当は…なんて虚しい事を思い乍ら、灯りを点した…もしもあの日、君との約束を果たしていたなら、この空間も、もう少し違った風景になっていたかも知れない…どうしようも無い、堂々巡りを繰り返してしまう…
『アモンがまた1人で泣く時が来ないように私がそばにいるよ』
ミルクティーの入ったマグカップを包み込んでる俺の手包み込んで彼女が微笑んだ。
「…またあの時の夢」
あれから数ヶ月経った。
デビルズパレスは今日もまだ見ぬ主様を待っている。
いつものように起きて花の手入れをする日常に戻った。
朝のトレーニングをし、花の手入れをし、仲間と他愛の無い話をする。ボスキさんはまだ俺の心配をしているようだが俺の体はもう元の生活が送れるくらいに回復していた。
もう、あの楽しかった日々は幻想だった、理想だった、夢だったと、必死に忘れるようにする度に、胸が痛くなるため
考えることをやめた。
そんな日に
天使の出現の警報が鳴った。
デビルズパレスの近くで複数の天使の出現。
久しぶりに俺も天使の討伐に参加することになった。
ボスキさんに心配されたが、いつまでもパレスの中でお荷物でいる訳にはいかない。
まだ休んでもいいとハウレスさんに言われたが、無理を言って申し出た。
1匹、2匹、夢中になって鞭をしならせ天使を攻撃する。
自分でも怖いくらい軽やかに動けた。
この姿を彼女が見たらどう思うか、褒めてくれるか、なんて一瞬考えた隙をほかの天使は見逃さなかった
「アモンさん!!!!危ねぇ!!!」
ロノの声が遠くに聴こえる。眩い光に目が眩み、天使の攻撃をまともに受けそうになった時。
『爆破!!!』
ずっと聴きたかった声が聴こえた。
目の前にはずっと会いたかった姿が見える。
『私が来た。…なーんてね。』
-もう一つの物語-
もう一つの物語では「死にたい」なんて言葉出ないんだろうな、
もうひとつの物語
私はこの世界で生きている
今の私はたった普通の人間
だけどね、
夢の世界とかゲームの世界では
すごく目立っている
何でだろう
人間は空想の世界と現実では
そんなに違うのだろうか
分からない…
「マリアが私達の血の繋がった子どもじゃなかったって、私達が洗脳されていたって、それでもあなたは可愛い私たちの娘よ!」
「ママ……」
「そうだ、帰ったらマリアの大好きなケーキを作ろう。きっと美味しいよ」
「パパ……」
「マリアちゃん、行こう!」
「うん、行ってきます!」
そしてマリアはみんなの願いの力を集めて強大な悪の組織を倒し、世界に平和をもたらしましたとさ。
ここからはもう一つの物語。
「どうしても取り戻したいものってあるだろ?」
静かな監獄で、青年は魔法警官へ聞いた。
「俺にもそれがあってさ」
何を、と聞こうとして警官は囚人との私語が禁止されていることを思い出し口を噤んだ。
「国の要たる魔法少女。なんで俺がそいつらを殺そうとしたと思う?」
「……お前は愉快犯だと聞いているが。」
「あ、やっと話してくれた。愉快犯?全然違うよ」
「じゃあお前の動機は何なんだ。」
今日聞いた話を上官へ報告すれば、もしかすると魔法少女暗殺未遂事件の解決の糸口になるかもしれない。
警官は話を聞くことにした。
時計の音とテレビの音声だけが聞こえる部屋で、少年は何もせずに寝転がっていた。いくらテレビでニュースを見たって、親のことは何も分からない。
少年の親が失踪してから5日。体力の限界であった。
その時、声が聞こえてきたのだ。
猫のようなものは自分を悪魔だと言った。
悪魔は色々なことを教えてくれた。
魔法の使い方。お湯の沸かし方。食器の洗い方。
しばらく悪魔と暮らしていた時、たまたま街で親と出会った。話しかけても向こうは首を傾げるだけだったが、彼女達が親で間違いが無いのだ。だって名前が一緒で、好きな食べ物が一緒で、得意料理だって同じなのに。僕の名前だけ覚えていなかった。あの時はとても悲しかったよ。それからどうにか説得を試みていたら向こうから「パパ?ママ?」って声が聞こえてね。
それが、君達が言う魔法少女マリアだったんだ。
その夜に悪魔が僕のお父さんとお母さんは洗脳されてる事に気づいたんだけど、その魔法をかけた人のヒントは何も無かった。でも普通こう思うはずだ。
「魔法少女マリアが僕の親を奪った。」
「だが、その人物がマリアだと決まっていないだろう。魔法少女暗殺をして良いことにはならない。」
「ああ、確かにその魔法は確かにマリアじゃなくてマリアについてる天使の仕業だったんだけどね。何も分からない少年がそんなこと考えられると思うかい?」
「…無いな。」
「わかってくれて嬉しいよ」
それから暫く経って、君達の言う悪の組織が設立された。そこの人達はみんな魔法少女に何かを奪われた人達だった。でも奪われたものを取り戻そうとしたって、僕達以外はそもそもそうであったと認識できない。例えば、僕の親みたいに。それから、僕達…俺たちは仲間を集めた。魔法少女に恨みがある人を沢山スカウトした。あの頃は楽しかったな。本当の家族みたいにみんなで設立記念パーティー……パーティーと言ってもコンビニのお菓子とかだったんだけど、美味しくて、楽しくて、それで……
「ごめん待ってくれ。このパートは要らなかったな」
「いいや、悪の組織については情報が少ないんだ。」
だから早く話して、と言おうとした口を遮られた。
「囚人相手に鍵を開けちゃあ駄目だろう、こんな風に逃げられてしまうぞ」
息ができない。くびをしめられている?
すんでのところで首にかけられた指の力が抜ける。
「楽しかったよ看守さん、もう会わないことを祈っている。」
窓の外に停止している小型飛行機に乗った彼はこちらを1度振り向き、飛び立って行った。
「こりゃあ減給かな……」
君が生きていればもう一つの物語が見れたのかな?幸せだと笑って花畑に寝転ぶ姿が瞼に移る。あの頃に戻りたい。
どれだけ薬を飲んでも吐いて冷めれば夢で見た貴方は居ない、笑顔で語りかけてきた貴方は居ない。あの笑顔の裏に何があるのかなんてものはあの時分からなかったんだ。
気が付けなかった馬鹿な私を許してくれ、どうかもう一度眠った時にもう一つの夢が見れるよう薬を飲む。