ゆんたろす

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『アモンがまた1人で泣く時が来ないように私がそばにいるよ』

ミルクティーの入ったマグカップを包み込んでる俺の手包み込んで彼女が微笑んだ。




「…またあの時の夢」

あれから数ヶ月経った。
デビルズパレスは今日もまだ見ぬ主様を待っている。
いつものように起きて花の手入れをする日常に戻った。
朝のトレーニングをし、花の手入れをし、仲間と他愛の無い話をする。ボスキさんはまだ俺の心配をしているようだが俺の体はもう元の生活が送れるくらいに回復していた。
もう、あの楽しかった日々は幻想だった、理想だった、夢だったと、必死に忘れるようにする度に、胸が痛くなるため
考えることをやめた。

そんな日に


天使の出現の警報が鳴った。

デビルズパレスの近くで複数の天使の出現。
久しぶりに俺も天使の討伐に参加することになった。
ボスキさんに心配されたが、いつまでもパレスの中でお荷物でいる訳にはいかない。
まだ休んでもいいとハウレスさんに言われたが、無理を言って申し出た。


1匹、2匹、夢中になって鞭をしならせ天使を攻撃する。
自分でも怖いくらい軽やかに動けた。
この姿を彼女が見たらどう思うか、褒めてくれるか、なんて一瞬考えた隙をほかの天使は見逃さなかった


「アモンさん!!!!危ねぇ!!!」

ロノの声が遠くに聴こえる。眩い光に目が眩み、天使の攻撃をまともに受けそうになった時。

『爆破!!!』

ずっと聴きたかった声が聴こえた。

目の前にはずっと会いたかった姿が見える。


『私が来た。…なーんてね。』


-もう一つの物語-

10/29/2023, 1:17:56 PM