『みかん』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
→自己主張
小さい頃から、とにかく柑橘系が大嫌い。あの鼻に抜ける青臭い香りが漂ってくると逃げていた。
今でも同じ。
一応、大人の階段を昇る段階で、何度か挑戦を試みてみたが、全くムリ。少しでも料理に使われていたら、もうその料理には手がつけられなくなる。
「あんたの柑橘嫌いは折り紙付きや」とは、母の言葉。
まだ私が彼女の腹の中にいる時のことだ。なぜか彼女はみかんに全く食指が伸びず、食べたくもないのに苦手なマグロの刺身ばかりを食べたらしい。出産後は刺身には見向きもしなくなった。
ちなみに、柑橘嫌いの私の好物は鉄火巻である。自己主張が激しい? いやいや、自分に正直なだけッスよ。
テーマ; みかん
待ってましたみかん!
私みかん大好きなんです!おいしいみかんは皮が潤っていてヘタがきゅっとしまっているやつですよ!
こたつの上にはみかんが一つある。時刻は3時。部屋の中は暖房をつけているがそれでは足らずこたつのスイッチも入れている。冬場はいつもこのセットだ。これで1時間は動けないだろう。私以外にこの沼にハマっている間抜けはもう1人いた。私の妻だ。昼食の皿洗いを終えたあと休憩がてらこたつに入ったらこの様だ。無理もないだろう。こたつを出した時点で私たちの負けだったのだ。それはそうとお腹が減った。昼食にはパスタを食べたのだが
【みかん】
箱で買う。下が重さでダメージ受けてて腐りやすいらしいから箱をひっくり返してから開封して食べるといいらしいね。ちなみに酸っぱいみかんに当たると一時間位萎える。美味しいみかんを食べたいです。
〖みかん〗
「見て!今日もみかんゲット!」
みかんの入った袋を掲げて、親友はニカッと笑った。
うちの学校は、昼休みになると事務室で、野菜やら果物やら花苗やら学校で育てているものを販売している。
販売物によっては、行列ができるほど人気がある。
仲のいい先生より早く並んだとか何とか言いながら、一緒に教室に帰る。
「今日そっちの席でいいー?」
いーよー、と返事をし、机の上を片付ける。
「席借りるねーっ」
と前の席を確保した親友はみかんの袋を持ったまま。
それ今日こそ全部持って帰るんじゃないの?、と聞くと
「もちろんっ?毎回そのつもりなんやけどなー笑」
そういう親友は今日もきっと、お弁当の後にみかんを2つ食べるんだろーな。笑
みかん
学校で太陽みたいに明るい彼女はみかん色のランドセルを背負っていた。
けど、太陽みたいな君はたまにいつもの笑顔が作り物みたいに瞳にモヤがかかっていて、冷たく冷めきった顔だった。
いつの日か、君のみかん色のランドセルは赤く染まり太陽は沈んだ。
横断歩道で、地べたに転がる君を見て見守ることしか出来なかった。
そして、太陽に照らされていた皆の表情は暗く、曇っていた。
あぁ、また、太陽が登りますように。
本物の太陽になってしまった君へ、いつの日か皆に笑顔を。
もう一度、彼女の笑顔が、太陽のように明るい笑顔を見たい。
みかん
みかんで何を連想する?
冬、こたつ、段ボール、アルミ缶?
あと、みかんに種類があるっていつ知った?みかんはみかんだと思ってたけど、たくさん種類があるんだね。
甘いの酸っぱいの好みは沢山あるだろうけど、私は酸っぱいのが好き。口に入れたら顎がキューってするやつ。
最後に手が黄色くなるまで食べたのはいつだろう、思い出せないな。確か、みかんの皮は掃除にも使えるんだったなと思いながらそのままゴミ箱に捨てた。
「みかん」
みかんの皮に爪を立てる
優しく力を込めて半分に割る
皮が裂けて実が剥がれて
果汁が少し飛んだ
ふわりと香る冬のひとコマ
#みかん
甘くすっきりとした柑橘の香りが
この空間と心を充してくれる
色鮮やかなオレンジは光り輝き
幸運を運んでくれる水晶玉みたい
みかん
ってさ美味しいんだけど、
風邪の時に食べて噎せた時が最悪だよね
『みかん』
とても美味しい果物
匂いも良く、甘酸っぱい味。
また食べたいな
みかん
給食で出る小さめのみかん。
あれなに?超甘くて美味しい。
やっちまった。
鼻に皺を寄せつつ、段ボールの中を覗いて、ため息をつく。
はち切れんばかりのフレッシュな甘い柑橘の香りを、香水の如くに振り撒きながら、ぱっつり膨れたまん丸のみかんが詰まっている。
ぽってりとした濃度の高い橙色が、目に眩しい。
生き生きとした、瑞々しい橙、橙、橙、の中に、さりげなく紛れて、はさはさと毛羽だった白と青錆の塊が、隅の方に顔を出す。
腐らせてしまった。
みかんを。
しかも発見が遅れた。
この塊の大きさなら間違いなく4個は感染している。
またあの子に怒られる。
みかんの腐敗は進みやすいし、うつりやすい。
腐ってしまったものはさっさと引き上げないと、接している周りのみかんは全滅してしまうのだ。
とりあえず、腐ってカビに覆われてしまった奴らを処分しなくては。
キッチンにビニール袋とゴム手袋とマスクを取りに行く。
正直、腐ったみかんの感触は苦手なのだ。
ぶよぶよでだるだるで掴めるだけの弾力はあるのに、掴みどころのない、あのじゅくじゅくの柔らかさ。
皺のよったじゅぶじゅぶの皮と、それを覆う、白青錆。
この感触には、いつまで経っても慣れない。
握るたびにゾワッと総毛立つ。
もし、腐ったみかんを回収してくれる業者があるのだとしたら、ぜひお願いしたい。
一回1000円とかでも全然許容範囲。有料オプションで、傷ついたみかんの検分とかもしてほしい。
でも、一回5000円とかならちょっと躊躇するかも。
まあでも、現実、少なくとも今僕が生きているこの世界線には、そんな職業存在しないのだから、腐ったみかんを回収し、箱の中で腐敗を免れたあまねくみかんたちを救い出せるのは僕しかいない。
なんてことだ。
僕はみかんなんて好きでもないのに。
むしろ嫌いだ。
匂いですら嫌い。
しかしやらなくてはならない。あの子のために。
しっかりしろ。
僕は泣く子も黙る博士様にして技術者なのだから、この難問も、華麗にクリアしなくてはならない。
こんなみかんも回収できないようじゃ、時間軸と世界線の関係性を解明し、時間も世界線も自在に移動できるようにした世紀の大博士、二代目シュレディンガーの名が廃る。
僕は耳をイカのエンペラのようにすくめつつ、再びみかんの箱の中身に向き合う。
それにしても、みかんが好きだなんて、あの子はなんて変わっているんだろう。
まあ、仕方ない。
真人間_ホモ・サピエンスは、雑食の中でもとりわけ悪食で、工夫次第でなんでも食べてしまうのだから。
この柑橘系の総毛立つようなゾッとする匂いも、あの子から見れば(正確には嗅げば)、口に唾が溜まるくらい美味しそうな香りなのだろう。
僕、猫人間_フェルス・サピエンスには、全く良さなど理解出来ないが。
しかし、僕はあの子_みかんが好きなホモ・サピエンスの子どもの養父なわけで、そのために、彼女の健全な心身の生育のため、幸せな子ども期を形成する義務が生じている。
だから、僕はみかんを回収しなくてはいけないのだ。
可及的速やかに。この、みかん箱にたっぷり詰まったみかんたちを救い出さなくては。
僕は意を決して、ゴム手袋を履く。
ビニール袋を構えて、手を伸ばす。
みかんの柑橘の香りが箱から立ち上った。
みかん
こたつに入ってみかんへ手を伸ばす。
よくよくもんでみかんを剥いて
食べる
寒い冬、窓の外には雪がちらちら降っている
こたつは猫と取り合いで、犬は外を見て興奮している
鯉たちはゆっくり動いているし、蛇は冬眠してる
雪がまた降っている
気温が下がりバターが溶けない
お皿を洗うにも水が冷たくて悴んでしまう
お湯にしようも、なかなか温まらず先にお皿を洗い終わる
雪が降るある日
家族が帰ってきた
普段は静かなのに何処か賑わいが溢れている
初詣をして、おせちを食べる
お墓参りをして、お雑煮を食べる。
こたつに入って、みかんへ手を伸ばす
そんな雪の日
『みかん』
美緒は、みかんの白い筋を取るのが嫌いだった。
面倒だし、手が汚れるので。
「みーちゃん、はい」
康太が剥いてくれたみかんは、筋がひとつもない。
几帳面で、優しくて、控え目な指先が、ほんの少し美緒の手のひらに触れた。
みかんを剥いてほしいと美緒が頼んだことはない。
勝手に、康太がやってくれたことだった。
側にいてほしいと美緒が頼んだことはない。
家が隣だったから、気付けば幼馴染としてずっと一緒に過ごしてきた。
「ごめんね。おれ、……ゲイなんだ」
17回目の冬。
困ったように笑った康太の白い息が消えていく。
「あたしこそ、ごめん」
なぜ謝ったのか、美緒はわからなかった。
なんとなく、予想していたことだった。
それなのに、いざ眼前に突きつけられると、心に氷柱が生えたかのように痛んだ。
「じゃあ、これからも………」
友達としてよろしく───その言葉は美緒の喉に引っかかって、結局かたちにならなかった。
美緒は、逃げ出した。
走った。
肺に冷たい空気が流れ込み、痛い。
───美緒は、男勝りな女の子だった。
───康太は、いつも美緒を「かっこいい」と褒めた。
「おかえりー」
家に逃げるように転がり込むと、母親の呑気な声が台所から聞こえてきた。
───少しでも、ほんの少しでも、チャンスがあるんじゃないかと期待した。
「あたしはバカだ」
リビングの床に崩れ落ちた美緒の目線の先には、コタツの上にみかんがいつもどおり無造作に転がっていた。
お歳暮でミカンを1箱頂いた
そして別件でもう1箱頂いた
そこへ一人暮らしの叔母から
「知り合いが送ってくれたけど
食べきれないから」と
もう1箱もらった
だけど我が家も食べきれん
そこで近所の友達にLINE
もらってくれる人に配って回る
お隣さんにも1袋
そのお隣さんにも1袋
お陰で良い感じにさばけました
こういう時あちこちに
「もらって~」と言える
人間関係がありがたい
【みかん】
題名 みかん
そういえば、5kgのみかん箱が届きました
なんか、みかんって中毒性があって食べすぎると手とかが黄色くなっちゃうんだよね
でも、食べちゃう中毒性
食べるのやめようとしてもやめられないんだよね
みかんって冬しかあんまり出番がないよね
そう思うとちょっと可哀想
『みかん』
この時期なら炬燵でみかんが風物詩なんだろうけれど、お題を見て最初に浮かんだのは夏みかんだった。
昔の国語の教科書に載っていた不思議な話。
タクシー運転手が道路の真ん中に白い帽子を見つける。そのままでは車に轢かれてしまうと親切で退けようとしたら、中からモンシロチョウが飛び立った。
おそらく子供が捕まえて、虫かごを取りに行っていたのだろう。悪いことをしてしまったと、蝶の代わりに自分が持っていた夏みかんを帽子の中に入れておく。
車に戻ると小さな女の子が乗っていて、「菜の花横丁まで」と行き先を告げるが、目的地へたどり着いた時にはその子は消えていて、辺りにはモンシロチョウが飛んでいた。
怖さはなく、どこか温かみを感じる話だった。
帽子の中身が蝶から夏みかんに変わっていたのを見た子供は、どれだけ驚いたろう。
捕まっていたのを助けられた蝶は、お礼のつもりで乗車したのだろうか。
まだ熱が引かない頭でぼんやり考える。水分補給にみかんでも食べるか。
みかん
「……お行儀が悪いですのよ」
「あ?」
「蜜柑の皮、ぼろぼろです」
「け。なんで間食の仕方までやいやい言われなきゃなんねぇんだ」
「丸呑みも危ないですのよ!一房ごとに分けた方が顎にいいです」
「俺の顎はあんたほど軟弱じゃねぇもんで」
「蜜柑の汁が口の端から飛び散るのが汚いんです!」
「知るか、飛び散るような距離にいるのが悪い」
「片付けもしてください自分が散らかしたんですから!」
ごじつかひつします
【みかん】
ひとつ食べれば、もっと欲しいとお腹が言う。
気づけば、手がみかんと同じ色になっていた。