『また会いましょう』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
また会いましょう
また会いましょう、とは言わなかったけど
縁があればきっとまた会える、とは言った
離れがたい気持ちを誤魔化すために
ごめん、あの時心の中では
もう会わないと決めてたよ
「また会いましょう」
そう言ってアイツは自殺した。
髪が長くて声が小さい、いつも縁の太い眼鏡をかけていたアイツ。俺はアイツが気味悪くて、いじめていた。初めは泣いたり失禁したりして面白かったのに、だんだんと反応が薄くなっていった。他のヤツらはそれがつまらなくなってやめてしまったけど、俺だけはいじめ続けていた。やがてアイツから何の感情も感じとれなくなり、ある日突然死んでしまった。俺の目の前で笑って逝った。
それからというもの、毎日毎日手紙が届く。手紙には俺を呪う言葉と、自傷行為の写真が封入されている。俺は気味が悪かった。アイツは死んだ。なのにどうしてアイツの名前が書かれているのか。俺の精神は日に日に追い詰められていった。そんなある日、登校すると、いつもなら笑って話しかけてくる友人が誰1人話しかけてこなかった。それどころか、俺を避けているようにさえ感じられる。その日の放課後、先生に呼び出され、いじめについて言及された。俺は何も知らないと答えた。後から知ったことだが、クラス全員の家にアイツから手紙が届いていたそうだ。その手紙には、俺を呪う言葉が書かれていたらしい。だから、みんな俺を避けて無関係になろうとしたのだ。
日を追う毎に、俺の居場所は無くなっていった。ついには、両親にまで話が伝わってしまった。泣きながら俺に説明を求める両親に、俺は何も言えずただその場に立ち尽くしていた。すぐに俺は地域の有名人になった。歩いていれば、知らない人でも俺を避ける。俺には居場所が無くなった。部屋に籠った。明かりすらも俺を嘲笑っているように思えて、電気をつけるのを辞めた。寝ているのか寝てないのかもよく分からない。家族も俺と顔を合わせようとしない。毎日届き続ける手紙は、ついに部屋の一角を占拠した。吐き気が止まらない。食事が喉を通らない。死にたかった。
ふと、窓を見た。久しぶりにカーテンに手をかけ、そっと開く。光が一斉に入ってきて、目が眩んだ。やっと、救いを見つけた。
次に目が覚めたら、俺を見下ろすアイツがいた。
「また会いましたね」
アイツは笑っていた。
11.13 また会いましょう
また会いましょう
たまにグサグサっと突き刺すことしてきますね運営さんは。
よくもこれをピンポイントでお題にしてきますよ。
皆さんには何気ない挨拶でしょうが、私には盛大なフラグ以外の何物でもありません。
この一言が相手から出たら、もう終わりです。
仕事で言われる分にはそんなことありません。
また会いましょうねー。
さようならー、よりも次に繋がる気持ちが伝わりますもの。
ところが、これがひとたび仕事を離れてプライベートの世界に行くとですね。
正確には私のプライベートの世界ではですね。
120%裏言葉になります。
二度と会うかボケーー!!
実際そんな口調かは知りませんが、これを言われて別れるとまたはありません。
面白いですよねえ。
思ってないなら言わなきゃいいのに。
これはきっと、社交辞令と後ろめたさ故の方便というやつです。
私なら次はないなと思う人には、こんなこと言いません。
素直にまた会いたいなと思うから言います。
何人もに言われて、全員その後音信不通って気にもなるじゃないですか。
知人友人いない私が聞ける相手は職場の人だけなので、あちこちで聞いてみると。
その場では本当にそう思っていたけど、帰り道で冷静になってナシだなってなるんじゃないか説が圧倒的でした。
ホントですかねえ?
私は言い慣れてる社交辞令だと疑ってますよ。
書いていて気づいたのですが、この冷静になってナシ説もけっこう失礼な話ですよね笑
冷静にって、会ってる時は私が幻惑魔法でも使って騙してるみたいじゃないですか。
そんなことまったくないです。
Xとかアプリとかのプロフィールは、身長とか年齢も誤魔化してませんし、顔とかも無加工を載せています。
口下手ですよーとか、普段会う人いないから人付き合い不慣れですよーとか、遊ぶって言われても何したいか浮かびませんよーとか。
期待しないでねと正直に書いてあります。
もちろん体感に個人差はあるでしょうが、実際会ってから知るよりいいと思うんですよ。
まあそんなこと書いてるやつと接したくないじゃないですか。
それでもまれにお声掛けてくれる人が現れて、フラグが立って終了。
また書いていて気づきましたが、怖いもの見たさでみたいなことですかね?
そんなに酷いやつってどんなやつだと興味がわいて、実際会ってみてそのとおりだったと。
でも、それならまたなんて言わないでほしいですよね。
つまらない二度目はないなら、じゃあねくらいでいいじゃないですか。
人気者は大勢を相手にして大変でしょうが、不人気者も普段相手にされずたまの応対は不慣れで大変です。
また会いましょう。
そんなフラグに気づかず鵜呑みにし、次はいつ会えるだろうかと楽しみに待ってしまっていた頃の自分に、次はないんだから期待して落ち込むな、予定組まれないかドタキャンだから無理して休み取るな、と言ってあげたくなる今日この頃。
皆さんはどうでしょう。
日々の駄文を読んでくれている人なら、何となくこいつはこんな感じと感じてくれていると思います。
そんな私ともし会って、また会いましょうと思えますかね?
また会いましょう
7年ぶりに
あなたと身体を重ねた
最後まではしない、ということを条件に
懐かしさと 愛しさでいっぱいに抱きしめた
あなたはそんな私の気持ちも知りながら
あくまで優しく、壊さないように
どこか義務的に扱ってくれました
あなたとは
別れて、また復縁しての繰り返しでした
私があなたではない人と結婚し
1年半後に離婚してシングルマザーとなった後も
あなたとまた出会い、
結婚してしまいました
その後、あなたとの間にできた息子を出産した直後
あなたから別れを告げられました
親権や、養育費を巡り、1年かけて争いました
別れた理由? さあ、よくわからない
いつも私には何の話し合いをせずに
一人結論出して 別れを告げるの
このままでは、自分のメンタルがもたないから
お互いつぶれるからって
え?それって私が、悪いの?
つぶれる前に、ちゃんと相談してくれたら
私が壊れる前に、あなたの本音を聞かせてくれたら
未来は変わっていたのかな
私、本当につらかったんだよ
寂しかったんだよ
あなたの親と同居が無理だったんだと
わかってたんじゃない
こんないい女を振ったこと
後悔させてあげたい
あなたのこれからの人生の延長線上に
私の存在はなかったとしても
別れ際に
また会いましょう、と言います
・また会いましょう
カメラロールを見直すとまだ貴方がそばに居たあの日々が綺麗に残ったままでいる。
もう新しい写真が増えることは無いけれど、それでも貴方はまだここに居てくれる。
私が消さない限り写真の貴方はずっと私に微笑んでくれる。
いつか本当にお別れしなきゃいけないけれど、今はまだ私の傍にいてくれるあの人をこの中では大事にさせていてほしい。
「現在見ている太陽の光は、8分前の光。「おおいぬ座」のシリウスから届く光は、7年前。知ってた?」
彼は病室で、持参したクッキーを食べる私に自慢げに言った。
知らなかったが、どこかで聞いたことあるような話だったので「ネットで得た知識をそんな鼻高々に話さないの」と一蹴した。
いわゆる職場恋愛をし、同棲を開始した直後に、彼の膵臓に癌が見つかった。
彼はとても前向きで明るい性格の為、病人という感じが全くなく、私自身も彼の病気は治るものだと信じきっていた。
彼の両親も私に気を遣い、病気が治らない事は知らされていなかった。
3ヶ月後、私にとっては、唐突に。
彼は亡くなった。
暫くしてから、ひとりでは広すぎるマンションの片付けをゆっくりと始めた。
始めは呆然としながら、動いて止まってを繰り返し、ゼンマイ仕掛けの人形のように彼との思い出をしまい込んでいった。
ある程度高価そうな物は、ご両親に返すように荷物をまとめていく。
それまで触らなかったラップトップのPCを念の為開ける。
私宛の手紙が挟まっていた。
中には「食器棚の上の棚の一番右」と書かれていた。
食器棚の上の棚の一番右を見ると、また手紙が挟まっている。
次は床下収納。その次は洗面台の下、また更にその次はクローゼットの中など、次々と指示に従い手紙を探していく。
彼に導かれるように私は「彼」を探した。
最後は、私が大切にしていたアクセサリーケースの下に封筒があった。
開くと、笑顔の私達の写真が入っており、その裏には、
「また会えたね」
と、彼の優しいまる字で、書かれていた。
題;また会いましょう
「また会いましょう」
カノジョは毎回最後にそう言って僕と別れる。
たとえ、それが建前だったとしても僕はその言葉を信じて
またカノジョ会いに行く。
一方通行な片想い。
だけどそれが心地よかったりする。
なぜ会いに行くの?
好きだから
片想いなのに?報われないのに?
報われようなんて思っていない
好きだから相手の幸せを願っている
じゃああなたの幸せは?
あなたの幸せは誰が願っているの?
さぁ...身内なら少しは思ってくれてるかもしれない
カノジョに対してはストレートな答えをだしたのに
自分自身のことになると曖昧なのね...。
曖昧な僕だからこそ、はっきりしてるこの好きの感情は特別で大切で、だから大事に育てたい感情なんだ。
「また会いましょう」
好きな人にまた会える可能性がある言葉
その言葉が続くかぎり、また会いに行くよ。
恐
ら
く
は
葬
儀
の
日
取
り
を
書
き
入
れ
る
手
帳
買
う
日
を
延
べ
て
立
冬
わたしは16歳だった。
いつもご本を買うお店の入ったビルがその日、解体されて新しく建て直されることになった。何年もかかる。
とつぜん、わたしには、居場所がなくなった。友だちもなく、高校生活を何で埋めたらいいのか。
わたしは、呆然と鉄の幕のかけられた、昨日までの楽園があった場所に突っ立っていた。
「よっ」
後ろから声がした。振り返ると、赤い帽子を被った転校生がいた。ジャンバーを羽織っていて、私たちの学校にいるような子じゃない。だから、とても浮いている子だ。
「あたし、ここいら、知らないんだよね。あそこのファミレスで奢るから、街を紹介してくれない?」
たじろいだのは確かだ。この子と話すと、学校でもっと変な目で見られるかも。でも、どうせ、いつでも1人だったじゃないか。わたしは、相手の目を見た。彼女は爽やかに笑う。わたしは少し泣きそうにそれでも笑顔を返した。
といっても、わたしもこの街は、先のビルばかりに行っていたので、何も知らない。
「どういうところに行きたいの?」
「んー、とりあえず本屋。ここにあるって聞いたのに……。ほかに、でかいのあるの?」
一応わかる。そして、案内して、本屋にたどり着いた。昔行っただけだけど道は覚えていた。
「ご本、読むんだ?」
「そうね。読まないの?」
わたしは、自分のバックに入っている文庫本を思い出した。誰もわたしに興味がないから、わたしが選ぶものもつまらないだろうと思っていた。でも、もしかしたら……。
「…………」
わたしは、文庫本の題名を言った。あれ、あの題名が思い出せない。
「好きなの?」
「え? う、うん」
相手は、何も言わずに、すっと本棚に向かった。ああ、そうだろうね、とあたしは思う。なにか、脱力感だけがあった。
「これ」
しばらくして、この子はハードカバーの本を持ってきた。
「これな? その文庫の作家がすげー影響受けた翻訳小説。これを読むと、その作家のこと少しわかるぞ」
わたしは、自分の表情がぱああと明るくなっていくことがわかった。
それから、わたしたちは、ご本の話題を、ずっとした。
相手は本当にファミレスで奢ってくれた。わたしは、ドリンクバーを頼んだ。相手はハンバーグだった。
「また、会える?」
わたしは、恐る恐る、聞いてみる。
「学校でも会えるじゃん。なんなら、放課後にも」
メロンソーダをずずずっと飲んで、わたしは胸をキュッと閉める奇妙で苦しい、でも幸福感のある衝動を、持て余すように、しかし、歓迎して感じていた。
わたしは16歳だった。
彼女はいま、大学で博士号を取るために頑張っている。
わたしは、ある企業で働いていて、いずれ独立するつもりだ。
あの日があったから、わたしは歩んで来れた。
また会いましょまう
もう会う事は無いような響きだね(笑)
【ドイツもコイツもタイクツ・ユウツ】
知ってるような、曖昧な今日、
ドッペルゲンガーまた会いましょう
また会う日とはいつなのだろう
また会える日など来るのだろうか
彼(彼女)は微笑みながら言った
【また会いましょう】と・・
そんなこと言う必要もないはずなのに
【また会いましょう】
先日、私は用事があったので郷土資料館を訪れた。
知人とここで落ち合う約束をしたのに知人はまだ来る気配や連絡も無かったので私は郷土資料館を観察する事にした。
歩いて行けば行くほど、周りにはその土地の歴史が見えて来て、この土地には昔の事だが馬が沢山いたからか、その馬を捕る様子なんかが描かれていて、あの土地は女性の人骨がいるなんて事が書いてあった。
「あら、久しぶりね」
誰かとすれ違い、気にせずに歩こうとしたところで声をかけられた。誰だか分からず私は振り返る。
ポニーテールの美人か微人な女で、自分がまるで美人だと言いたそうな顔をしているが、この女が美人ではなく微人である事には違いない。
そしてこんな女にも会いたくなかったのにも関わらず会ってしまったことに運の尽きを感じてはいるが、幸いにも知人には会わせなくて済んだ。
「何年ぶりでしょうね」
「そんな事より可愛くないのは変わらないのね」
「そうですか。私は可愛くなくても生きているので」
「そんなのじゃモテないわよ、一生」
「これからありのままを愛してくれる人が来るので」
「そんな人いないわよ。まあ頑張りなさい」
「ああ、そうですか」
「可愛くない。まあまた会いましょう?」
「あなたには会いません」
微人な女は足早に郷土資料館を出て行く。やはり知人には会わせなくて正解だと思った。あの微人な女は大人という立場を利用して、当時小学生の私に色々言っていったのだから。
貴方に出会った瞬間惹かれた。
スリル満点のジェットコースターに
飛び乗ったようだった。
でも少しも怖くない。
感じるのは幸せな高揚感だけ。
シンデレラはガラスの靴を落とし
王子様がシンデレラを探し結ばれる。
でもそれって、偶然の奇跡?
それとも計算?
「また会いましょう」って想いながら
「楽しい一日をありがとう」と
言って貴方と別れる。
家時に着くまで想像してしまう。
貴方が私のイニシャルが入ったピアスを
差し出して言うセリフを
ある夏の夕方六時。
黄昏の中涙を流す。
あなたは自転車事故で居なくなってしまったのに。
もうここには誰もいないのに。
私は、それに気がつけず立ちすくんでいた。
だって、何があっても「また会おうな」って言って一緒に居てくれたあなただ。
こんなことで、こんなことで居なくなるはずがない。
そう信じることしか私には出来ない。
いや、本当はわかっているのかもしれない。
居なくなってもう会えないことも、全部。
それでも⋯
「また会いましょう」
あなたがどこかに居るのなら、この言葉くらいは聞いてくれるだろう。
また会いましょう
私は付き合ってた人とは友達にはなれない
たまに、付き合ってたけど
また友達に戻るって聞くけど
私にはそれは出来ないからすごいなって思う
ただ、別れた人とまた会うことになったら
別れた時よりいい女になっていたいな
違うな
一緒に居た時より
幸せになっていたい
また会いましょう
さようなら素敵な貴女、明日の空が何色だろうとまた会いましょう。さようなら華麗なる貴女、その白無垢を忘れた頃また会いましょう。さようならいとおしい貴女、いつか虹の向こうでまた会いましょう。
一方通行な台詞かもしれない。
だけど偽りで終わらせず、
願いや希望を捨てずにいたい。
ただただ貴方の幸せを願って、
その時まで静かに待っていたい。
相手にはきっとこの気持ちは届かない。
そんな私の憂いも全部抱きしめて眠りにつく。
「また会いましょう」
わたしとあなたをつなぐ言葉に
今日だけはうまく応えられなかった
あなたと過ごす時間はとても楽しくて
どうしようもない自分を忘れさせてくれる
けれどこのままではいけない
いつかは向き合わなければならない
見たいものだけを見ることで
後から困るのは自分なのだから
誰も助けてなどくれないから
変わらなければと
そう思っているのに
作品3 また会いましょう
チャイムがなる。
んんーっと大きく伸びをして気合を入れ、重いカバンをよいしょと背負う。いつもみたいに急いで教室を出て、せんせーがいる教室へと向かう。
せんせーがちょうど教室に入るのが見えた。
「せんせー!さよーなら!」
「はい、また明日。じゃないですね、きみですか。こんにちは。時間も読めないんですか?」
「ノリ悪いなー。いいじゃん別に。放課後じゃん」
「でもこれから部活でしょう?」
「それはそうだけどさー」
せんせーがガチャガチャっと教室の鍵を開けた。この教室は誰にも使われていない。故に、我らがアニメ研究同好会が勝手に使っている。俺はその部員でせんせーはその顧問だ。
このめんどくさがり屋のせんせーが、なぜ顧問をしているのか、疑問に思い聞いたことがある。
なぜ、僕みたいな人が顧問をしているかって?なかなかに失礼な言い方ですね。そうですね、強いて言うなら、学校という職場でも娯楽に触れられるのが嬉しいから、ですかね。
当然、軽く引いた。全く、こんな大人にはなりたくない。
アニメ、と言っても、俺もせんせーもアニメはあまり観ない。そのかわり、映画をたくさん見る。
映画なら、アニメ映画はもちろんのこと、恋愛やミステリなど、ジャンル問わず様々なものを観る。ただ、俺もせんせーもホラーだけは観ない。俺は別に怖いわけではないけど、せんせーがホントニムリナンデスゴメンナサイアッコレミマショウアオイタヌキミタイナネコノオハナシトテモオモシロイデスヨ。ネ?ネ?なんていうから、観てないだけだ。別に、怖くなんかこれっぽっちもない。ほんとに。
「では、今日はこちらの作品を観ましょうか。天才ハッカーが主人公の映画です。ほら、君が前から観てみたいといっていた。」
と言った先生の声で、意識が思考の海から戻ってくるのに気づく。かっこよく言ってみたが、ただボーってしてただけだ。
「え、せんせいこれって」
「ええ、この前あなたが観たいと言ってたやつですよ。さっきも言ったのに聞いてなかったのですか?」
「ごめんごめん。」
急いでカバンの中から、DVDを入れるためのパソコンを取り出す。完全に俺の生活が反映されていて、好きな映画のシールや兄弟にされた落書きなどがこれでもかってほど敷き詰められていて、何ていうか、控えめに言って、
「やっぱ汚えなこのパソコン。どうしたらきれいになるんだろ。」
思っていたことが口からこぼれる。
「でも、味があっていいですよね。僕は好きですよ、こう言うの。」
思わず先生の方を見る。
「え、急なイケメン発言。惚れてまうやろがい。」
「はいはい、そうですね。ほら、早く観ましょう。」
横からせんせーの手が伸びてきて、マウスをカチカチッと押す。映画が始まった。
フーッと感嘆がもれる。
「控えめに言ってさいこーだった!特に角砂糖を使ったあのシーン!あれめっちゃ好きだった!」
「ハッカーたちがネット上で集まるのを、電車の中というもので表現するなんて、なんて素晴らしいアイデアなのでしょう!完全に僕のために作られた映画ですね!」
「これで2時間もないんだよ!最高じゃん!」
「そしてこの題名!とんだ皮肉ですねいいですよこういうの大好物です!」
いつもみたいに、互いが思った感想を相槌もなしに、聞き合いもせずにひたすら言い合う。この時間が、たまらなく好きだ。
ふと、時計を見る。やっばこんな時間だ。せんせーの方をみると、同じく気づいたらしい。
「おや、もうこんな時間に。ほら、子供はもう帰ってください。」
「誰がガキだよ!」
なんてタメ口で言い合えるのも、せんせーだけだ。
重いカバンをよいしょと背負う。一度ふざけてよっこいしょういちなんて言ったことがあるが、せんせーにゴミを見るような目で見られたから、もう二度としていない。面白いのにな。
「それじゃせんせ!」
「はい、さようなら」
「もーちがうでしょ!」
ハンドルを握った真似をして、せんせーに圧をかける。
「まだやるですかあれ?飽きないですね」
「いーからはやく!下校時間過ぎちゃうよ」
「はいはい別れの言葉はなしかー?」
せんせーめ。棒読みでしやがる。
「フルスピードで走るのが俺の人生だった!」
まあ、これが言えて満足だから良しとしよう。
「全く、いつまでこれをやるんですか。恥ずかしいとかないんですか?」
「いいじゃん楽しいし!ね、せんせ!」
タタタッとドアの近くまで行く。
「また明日ね!」
「はい、また明日会いましょうね。」
せんせーが言い終わらないうちに、俺は教室を飛び出した。
相変わらず元気なものですね彼は。僕は、教室の窓を開け、はーっと息を吐く。真っ白だ。もうこんな季節になってしまったのか。枯れた葉っぱが教室の中にヒラヒラと入ってきた。
彼は体調を崩してしまったりしないだろうか。いや、バカは風邪ひかないというから大丈夫ですね。
彼は来年受験生。1年後のこの季節にはもう“また明日”なんてこと、言い合えないのでしょうね。
楽しいこと時間も、あとすこしでおわってしまうのか。
それが、僕には少しだけ、寂しい。
けれど、きっと。彼のことだからメールでやり取りしてくれるでしょう。そしてたまに会って、互いにそれまでに見た映画を勧めあって。帰るときには“また明日ね”と“また会いましょうね”が行き交うはずです。
そんな未来を、僕は別れのたび期待している。
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読んでいただきありがとうございました。
途中に出てきた映画は『ピエロがお前を嘲笑う』という、実際にある作品を見ているという設定です。特にこのお話と共通点はないのですが、彼らと同じ気持ちを味わえるので、一度見てみてください。おすすめです。
本当はワイルドスピードの名言を入れたことで「俺」を事故にあってしまうようなお話を書きたかったのですが、難しかったので断念しました。
ここまでわざわざ読んでいただき、とても嬉しいです。
願わくは、あなたとまた会えることを。