さくら ゆい

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【また会いましょう】

先日、私は用事があったので郷土資料館を訪れた。
知人とここで落ち合う約束をしたのに知人はまだ来る気配や連絡も無かったので私は郷土資料館を観察する事にした。

歩いて行けば行くほど、周りにはその土地の歴史が見えて来て、この土地には昔の事だが馬が沢山いたからか、その馬を捕る様子なんかが描かれていて、あの土地は女性の人骨がいるなんて事が書いてあった。

「あら、久しぶりね」

誰かとすれ違い、気にせずに歩こうとしたところで声をかけられた。誰だか分からず私は振り返る。
ポニーテールの美人か微人な女で、自分がまるで美人だと言いたそうな顔をしているが、この女が美人ではなく微人である事には違いない。
そしてこんな女にも会いたくなかったのにも関わらず会ってしまったことに運の尽きを感じてはいるが、幸いにも知人には会わせなくて済んだ。

「何年ぶりでしょうね」
「そんな事より可愛くないのは変わらないのね」
「そうですか。私は可愛くなくても生きているので」
「そんなのじゃモテないわよ、一生」
「これからありのままを愛してくれる人が来るので」
「そんな人いないわよ。まあ頑張りなさい」
「ああ、そうですか」
「可愛くない。まあまた会いましょう?」
「あなたには会いません」

微人な女は足早に郷土資料館を出て行く。やはり知人には会わせなくて正解だと思った。あの微人な女は大人という立場を利用して、当時小学生の私に色々言っていったのだから。



11/13/2024, 5:58:41 PM