『はなればなれ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
やっとピースが揃い始めたね
これからの人生、
どんな絵に描いていこうか
みんなと一緒なら
思いもしなかった素敵な絵に
仕上がるだろう
くだらない喧嘩をして、私に反抗するために自ら戦場へ赴いた弟が死んだ。正確には死んでいた。その弟の遺品が届いた。わずかなものだった。その中に、一冊のノートがあった。良くある、学習用ノートである。日記2と書かれているので、きっと当時の生活を記した日記帳だろう。弟がどのような生活をしていたのかが気になり、私は見ることにした。何気なく開いた瞬間に見えたそれらの文字の羅列は私をひどく驚かせた。
死にたい、死にたいが、死ぬに死にきれねえ。痛いのは嫌いだ。生きるのも嫌いだ。どうすればいい? どうしようもない。
七月八日、今日も快晴!戦争日和。いつ死ぬか分からない恐怖。心安らかに眠ってみたい。赤子の頃に母の手の中で死ねばよかった。それで全てが解決。そうしよう。
母が死んだらしい。あの人は綺麗すぎた。この世がふさわしくない。あのような人は生きにくい。だから死んだ。仕方がない。きっと天国へ行った。おれは行けない。人を殺した。それでいて褒められた。笑える。残る家族は沙智子だけだ。沙智子。元気ではねえだろうな。沙智子は汚いから、こんな世界にとても似合う。きっと良く生きる。うざったい。さっさと死ね。馬鹿野郎。
(沙智子、とは私の名前。)
はなればなれだ。姉とも、母とも、世間とも。知ってんぜ。
どうすれば戦争は終わるんだ。きっと終わらないさ。若者が全員死ねば、終わるんじゃないかな。もう限界だ。結局そうさ、いっつもそうだ。さっさと死にやがれ。帰りたい。いいえ、帰りたくない。
戦争への恨み、つらみが延々と綴ってある(沙智子の名前は度々出てくるが、大抵いいことは書かれていない)。字も汚く、紙に血や汚れが染み込んでいて、文章以外でもその情景を想像させられた。
ペラペラと流し読みをしていると、ふと、最後のページに、別の用紙が挟まっているのが見えた。こればかりは少し綺麗で、弟にしては丁寧に封筒に入れられている。大切なものと見える。
その封筒の表には、立花沙智子、という文字が見えた。まさか、と思い、裏を見た。そこには私たちの家の住所が書かれていた。
私は震えた手で、封を開けた。中身は一枚の紙だった。それは下手だが時間をかけた字で、こう綴られていた。
沙智子姉さん。
あなたの元を、いや、あの時は母もいたのですから、あなた方の元を離れてから、一時も心から笑顔になったことはありませんでした。戦争は辛く、惨めで、どうにもなりません。
姉さんには迷惑をかけました、きっと今も迷惑をかけ続けています。ごめんなさい。
僕は死にたくないです。死ぬために戦場に赴いたのではありません。僕は死なないです。もう一度、あなたの元に帰る気でいます。姉さんに恨みがましく、話を聞かせるはずです。
そして、ご存知でしょうが、言っておきます。
愛しています。
この思いはあなたの中に居させてください。
元気に過ごしてくださいね。
それでは。
声も出なかった。ただ乾いた目でその手紙を読み、日記の元の位置に挟めた。そして日記を段ボール箱に入れて押し入れの奥に閉じ込めた。
〚はなればなれ〛
君は遠くに行ってしまうんだね
はなればなれでも、心は繋がってる
だから寂しくなんかないよ
そばにずっといたら、喧嘩したり嫌な部分が見えちゃったりするもんね
たまには距離を置くのも大切
本当の「はなればなれ」にはなりたくないから
はなればなれ
「わたしたちは、死んでも、ずっといっしょだよ」
ミユキ──、数年前に亡くなった俺の恋人。
「ミユキ、お願いだ。もう話さないでくれ」
「ごめんね、せーくん。私達、はなればなれになっちゃうね」
「──そうだな」
「ごめんね、せーくん。もう、私、ダメみたい───」
「ミユキ!」
その時、ミユキは握っていた俺の手をはなし、帰らぬ人となった。
この時、俺はミユキとはなればなれになった。
はなればなれ
はなればなれ…貴方とは、絶対に離れ離れになりたくない!でも、これだけは、断言出来る。私達には、離れ離れなど有り得ないと。だって、私達は、永遠の愛を既に誓ってるし、二人の小指を結ぶ赤い糸も、日に日に、愛が増し、赤い糸は、どんどん、二人を近付けているから。私達の小指を結ぶ赤い糸は、日に日に能力を増していくから…だから、私達が、離れ離れになる事なんて、永遠に有り得ないよね?マイダーリン?ねぇ、今すぐ、私に愛に来て、「俺らが離れ離れ?はん!そんなの有るハズないだろ!」っていつもより強く抱き締めてよ…こんな冷えて来た夜こそ貴方の温もりをすぐ近くに感じてたいよ…
高校3年間ずっと仲良しだった子がいた。どこに行くにも何をするにも学校以外でも、家族以上にその子と一緒にいた。けどそろそろ進路を固めなくちゃいけない季節になって。あの子は就職、私は進学の道を選んだ。初めて、進む道が違うことになった。それを知った時はなんだかちょっと寂しかったけど、“お互いがんばろうね”ってあの子が笑うから。私も負けてらんないな、夢を叶えるために頑張らなくちゃなって思えた。その辺りから、あんなに一緒だったのになかなか遊べなくなってしまった。こうやって、次の春には話も気軽に出来ない距離になってしまうのか。それを思うと急にとてつもない寂しさに襲われた。
そんなモヤモヤを引きずりながらも私は無事に第一志望に合格し、あの子も希望していた職種に就くことが叶った。お祝いしよう、と言われてファミレスに行った。よく学校帰りにここに来てはドリンクバーでねばってたっけ。そんな昔話も交えながら久しぶりに一緒にご飯を食べた。それが高校生でいる間の最後の2人の思い出だった。
その後あの子は上京した。私が思った通りの、簡単に会えない状況になってしまった。だけど不思議と寂しくはなかった。今生の別れじゃあるまいし、今は電話もメールもある。会おうと思えば会える距離だからっていうのもあるかもしれない。でも何より、お互いに夢を叶える一歩を踏み出せたという事実が寂しさを打ち消してくれているんだと思う。
あの子が東京に行く日に駅まで見送りに行った時、“私たち前に進んでるよね”って嬉しそうに私に言ってきた。泣いてる暇なんかないよ、って言われた気がしてお陰で涙が引っ込んだ。そうだよね。別れを惜しんでる場合じゃない。前に進まなきゃ。寂しい時、気持ちに迷いが生じそうな時、いつもあの子は私を励ましてくれた。大好きな最高の友達。だから、離ればなれになったなんて思わない。どんな場所にいたって、ずっとずっと友達であることに変わりはないんだから。
学生時代の話
クラス替え運 とやらがあるとすれば
私は絶対的に『凶』の持ち主だ
仲良くなった友達とは必ず”はなればなれ”になり
3人組の私以外の2人はまた同じクラスになる
数多いクラブ仲間も他のクラスにかたまり
初めましてだらけのクラスメイトの中に放り込まれる
なので毎年4月は 想定内の落胆からスタートした
そしてその『凶運』は 娘に引き継がれている。。
はなればなれ
仲の良かったふたり
遊ぶ時はもちろん
食べる時、寝る時
他愛もない時もいつも一緒
ふたりはいつも鏡合わせ
まるで双子のよう
同じものが大好きで
お互いのことが大好き
なのに
今ははなればなれのふたり
似ているふたりだから
はなれるタイミングも一緒だった
理由も一緒だった
自分に似すぎてて嫌になったんだ
はなればなれのふたり
それぞれの道を歩くふたり
だけど
お互い大人になったら
いつかまた一緒になることもあるのかな
「えっ!?
"はなればなれ"になったらなったで
また逢う楽しみができると思わない?
ほら、思うでしょ?
とーってもワクワクするわね」
そう言って天国に行った妻に
早く逢いたい
けれど
逝ったら逝ったで怒るに違いないんだ
彼女はそういう人だから
#はなればなれ
人とはなればなれになるのは嫌だ。
大切な人とはなればなれになるのはもっと嫌だ。
日に日に、年の終わりを感じるこの頃。それと同時にさびしさも感じる。年が変わってしまうことへのさびしさと……別れの季節が近づいていることへのさびしさ。
とっくのまえにわかっていたこと。けれど、わかりたくなかったこと。
半年前はまだまだと余裕でいたけれど、本格的な冬に入り始めた頃、別れが近づいていることを寒さが急に訪れたと同時に、急に感じた。半年前のあのときはまだ余裕だったけど、今は心のどこかで焦りを感じている。その焦りを、さびしさを表面に出さないようにするだけでも精一杯なのに、辛いのに、あなたに1時間、1日会えなかっただけでも泣きそうになる自分がいる。あなたに会えても泣きそうになるけれど、会えなくて泣くのと、会えて泣くのでは意味が全く違う。昨日は会えなくて不安しか募らなかった。けど、今日は会えた。会えた瞬間、安心感が一気に心に広がった。涙がこぼれるかと思った。
でも、これからはずーっと会えない日々が続くのだ。しかも、国を超える距離だ。1年も会えない日々が続く。
耐えられる自信がない。1秒でもあなたを思わずにはいられないのだ。会えない毎日が1日続くなんて、耐えられるはずがない。辛くないわけがない。
嫌だ、嫌だ、嫌だ……。そう言っていても、もう変えようがない運命(さだめ)なのだ。
はなればなれがこんなに嫌だと感じたのはあなたが初めてだ。他の人とはなればなれになることはなんとも思わなかった。
また会えたら、色んな話をしたい。何を話そう?
はなればなれになるのは嫌だ。けど、長く離れた分、また会うのが楽しみ。今からでもワクワクしてしまうのだ。
あなたは私とはなればなれになることをどう思うのだろうか?
#はなればなれ
心がはなればなれになっても
私は君の傍にいる
体がはなればなれになっても
私はずっとここにいる
人格はきっと
ここに
魂は永遠に
ここに-
それが私の
呪いなのだ
役目を終えた傘から、ポツリと水滴が落ちる。
全てが終わる時は、こんな感じなのだろうか。
[はなればなれ]
いつか子供は大きくなり
田舎じゃイヤだと都会に行って
仕事が忙しい、家庭があるからと
実家に戻らなくなっていく
なんだかさみしい
…まだウチの子、4歳だけど
はなればなれ
出会いと別れ
人生には多々あるけれど
心地よくて
ずっと続くと思っていたのに
はなればなれになって
残念な心持ち
縁とは不思議なものであるから
どこかでまた交わるかもしれないけれど
今はただ
喪失感と向き合うのみ
アナタが元気で笑顔であるといいなと
ただ願うのです
今は
はなればなれ。
これで文を作るとなると…
例えば
親子散り散りにはなればなれ。
…不幸が起きたとしか思えない、暗い文になってしまった。
もう少しライトにしよう。
学校卒業とともに友人とはなればなれになってしまった。
ありがちな文ではあるが、卒業の喜びよりも寂しさの方が勝っている文だなぁと改めて思う。
はなればなれという言葉の持つ未練のようなものが
寂しい文章にさせるのだろうか。
はなればなれで晴れ晴れとした文を考えようと思ったが、胸がすくような文よりもしっとりとした文ばかりが思い浮かんでしまう。
一つであったものが、離れていくという状況に
人は寂しさや人生の孤独を再確認するのかもしれない。
私と彼をはなればなれにした彼女。
一生許さない。
今度は私が、彼女と彼女の大切な人をはなればなれにしてやる。
彼女が私にしたように。
猫を飼ったことがある
その頃の彼の愛猫の名前が
夏目 (ナツメ) だったので
わたしの猫には龍之介と名付けた
夏目漱石さんと芥川龍之介さんから
付けた名前だったが
夏目も龍之介も
どちらも早死だった
後で知った事だが
夏目漱石さんは38歳で
芥川龍之介さんは35歳で
二人共若くして亡くなられている
宇野千代さんや
瀬戸内寂聴さんに因んだ
名前にしていたら
長生きしていたのかも知れないと
思ってみたりもした
龍之介の子猫の時の
お腹の柔らかさと温もり
ほわほわの感触は
今でもはっきりと
この掌に残っている
いつの日か
また子猫や子犬と一緒に
暮らせたらと思う
# 子猫 (323)
もうすぐはなればなれだね
貴方がほんとに好き、、
私の恋も一緒に消えていく...。
いったりきたり
こころのなかを
いったりきたり
おもいきってね
うちあけたんだ
キミのことば、
わかりあえない
わかりたくない
どっちでもいい
かわらないキミ
わからないボク
キミも、ボクも
おんなじなのか
どっちでもいい
わからないまま
わからないふり
こころのキズも
うまらないまま
よりそってほしかった
にんげんの、きもちに
『はなればなれ』
あなたと離れ離れになるくらいなら
このまま一緒に身を投げよう
わたしは本気でそう思っていたのに
あなたはわたしの手を振り払い
慌てたように去って行った
【はなればなれ】