『ないものねだり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ひとの育ちや才能などに羨ましいと思うことは
しばしばあるが、きっとそれはないものねだり なのだろう。
ここにあるものよりここになくて他人のもとにはあるものに目がいってしまうのである。
当然といえば当然かもしれない。
鏡なくして自分の姿は見えない。
鏡があっても鏡にうつる私というものは
虚像であって真実の姿とは言いがたいものである。
自分の姿を見るというのは難しいことなのである。
自分の持っているものに気づくということは
実は一番難しいかもしれない。
それに気づけた人はしあわせなのだろう。
その運も含めて才能だろう。
私はいつまでたってもわからない。
どこに進むべきなのかわからない。
わからないけど立ち止まることもできず
ああでもないこうでもないと彷徨っている。
ないものねだり
自分にないものは魅力的に見える
自分にないから憧れる
自分には無理だと思うから欲しくなる
自分にはないものだから素敵に見える
てもいざ手に入ると…
蛙化現象って多くない?
なんだろね?あれは…
他所のものはよく見えるってことだよね?
いいことにはデメリットもあるわけだ
それを理解していないと
後に後悔する
だけど欲しい
それが人間なのかも知れないね
浅はかだけど
「ないものねだり」は多分一生付き纏う
全く…厄介なやつだね
『ないものねだり』
「もう!私の髪の毛ってどうしてこんなに
枝毛だらけなの!」
「そんな事無いわよ。蘭の髪はとっても綺麗よ」
「おばあちゃんは枝毛が無いから
そんな事言えるんだよ!」
「あら、おばあちゃんだってこんなに白髪で‥
蘭みたいな長い黒髪が羨ましいわ」
「でもおばあちゃんは切れ毛も無いじゃん!」
「おいおい朝から騒がしいな。じいちゃんは
2人の髪があんまりフサフサで羨ましいぞ」
ないものねだり#45
眠れないそんな日もあるよね。
夜しか聞こえない音とかわずかな光とか。
私はたまにそんな夜に出会う。
ゆっくりだけど明日へ向かう空を眺めていろんな悩みとかを夜空に投げるんだ。
嫌々になる前に月に悩みを打ち明けるの。
言葉はくれないけれど見守ってくれてるみたいなね。
月からも言葉が欲しいなとか、そんなないものねだりを言ってみたりしちゃう。
ないものねだり
昨日、母が変になった。
私が病院の付き添いの無い日に働き出したので
話し相手やきめ細かい世話が出来なくなった影響らしい。
認知症が進んでしまったようだ
「私をショートステイに入れる気だろう!」
と、言い、体を硬直させて椅子から落ちそうになったので
肩を掴んだら
「暴力だー!暴力ふるわれたー!」
と、叫び出した。
前から被害妄想が強かったが、とうとう……。
ケアマネに相談したら
「これから、どんどんそういう風になるよ。
土日だけじゃなくて、平日5日働いて自立しなさい。
いくら世話しても、お母さんもいつまでも生きていられないんだから。」
と、母の真ん前で言った。
「これ以上娘と息子に迷惑かけないように……」
と、母の1番地雷を踏むセリフも言った。
この人、契約の時は凄く低姿勢だったのに……。
ケアマネさんはご自身が年配の方で
私の母の世話で困っていると言った時に無視し
母の話だけ聞いて帰った事が有る
そのくせ、母の病院の話は私に聞く
自分の必要な情報だけ私から得て、介護者の相談には乗らないのは卑怯では無いだろうか。
母の介護と、結婚していない兄の家事の世話に追われて自分の事ができず、
「兄には誰のおかげで生きていられると思っているんだ
介護や家事なんか楽だ!
俺が仕事辞めて、代わりたい!」
と、言われて、私は傷つき、追い詰められて
先月、役所の生活困窮者の相談の電話をかけたところ
凄く親身に相談に乗っていただき
兄の件は、男女平等推進委員会に相談して相談する事を勧めていただいた。
ケアマネさんと合わないなら、ケアマネさんの上司に電話して相談するというアドバイスもいただいた。
あまりに相談員さんが良い人で
ケアマネさんにも電話をかけて話し合いをしてあげますと言う事になったが
その後、ケアマネさんはその件には一切触れず
週5で働いて自立しろと言われた。
正論だ。
しかし正論も時に深く人を傷つける。
私がいなければ誰が母の介護をするのだ、ケアマネさんは、母の事など考えてはいないではないか
母がコロナになった時も電話したら
「私に何ができるって言うんですか?」
と、笑われた。
自分が忘れたり、失敗すると
「認知症なんで。」
と、不謹慎な冗談を言う。
私は認知症で暴言を言う父の介護で苦労したので怒りが沸いた。
ケアマネさんの、尊大な態度や目つきで
私が母の年金目当ての引きこもりだと軽蔑しているのだな……と思った。
お金が無いと介護の質も下がる。
無いなりにやって行かなければならないのだ。
ケアマネさんの世話までしなければならないような状態では私にストレスが増えるだけではないのか……。
ケアマネさんはプライドが高く、デイサービスの職員さんの失敗を会議を開いて叱っていたが
それほどの事でもない気がして嫌な感じだなと思ってはいた。
私を見下しても、見下した相手からの情報で金を稼ぎ、良い身なりをして私を見下してるのか、滑稽だな。
私の今の職場は大変だが、私の好きなジャンルのお仕事なので、役には立っている実感はある。
ケアマネさんから見たら私は軽蔑に値する人間だが
捨てる神あれば拾う神ありである。
しかし、介護は本当にやってみないと大変さがわからなかった。
介護が大変で、親に怒鳴っている娘さんを昔、酷いな、もっと優しくしてあげれば良いのに……。
と、思っていたが、酷いのは私であった。
昔の自分は偽善者だった。この世間知らず!と殴ってやりたい。
せつなくて泣いた。
お題『ないものねだり』
久しぶりにTwitter……今はXになったんだっけ、それを開く。
そこでは相変わらずフォローしてる友達が子育てに奮闘している様子が呟かれてて、未だに独身でいる私は思わず「うへぇ」と声を上げた。
呟きの川の中にふと、最近結婚した友人が愚痴を呟いているのを見つけた。
「不妊治療確定だって。なんで私は普通のことが普通にできないんだろう」
おいおい。そんなこと言ったら、私はスタートラインにすら立ててないんだが。普段の生活に出会いは皆無で、人見知りで他人に心を開けないからどうしたって婚活は難航する。
私は最近行ってきた旅行先で綺麗な景色の写真を選択して、生活感あふれるさえずりが流れる川の中に放流した。
「●●行ってきた。すごく見晴らしが良くて綺麗だった」
たいしたことない呟き。別に反応は求めていないが、さっそくいいねがつく。
そこからほどなくして、私の呟きにリプライがついた。
「●●行ったの、いいなぁ。私、子育てで忙しくて。時間があったら行きたーい!」
あんに「独身はいいよね、自由と時間があって」と言いたいんだろうと思う。そんなつもりはないんだろうが、こっちからしたらわざわざ「子育てで忙しくて」と入れるところが私にとって最大のマウントだなと。
「めんどくさ」
一人で声に出す。ポストの濁流に粗大ゴミを流すような真似はさすがにしない。私は「今度家族で行ってみてね」と返すと、そのままアプリを閉じた。
聞きなれたチャイムがなってピリリとした空気が一瞬で緩んだ。
挨拶は省略で、と簡潔に言った物理の先生は足早に教室を去った。
先生もお腹すいてたのかも。だってもう4時間目だし。
ふぅ、と息をついて腕を伸ばしたり近くの友達と購買の約束を取り付けていた人は購買へと駆けたりみんな思い思いの時間を過ごしていた。
かく言う私もその中の一人で先生とはやくお昼が食べたいなとぼんやり思考していた所。
「ね〜また居ないの〜?どこいっちゃったんだろうね〜」
「ん〜わかんない、先生運動神経悪いくせに逃げ足だけは早いんだから!あきらめるかぁ……」
教室の後ろのドアから落胆したような、まるで恋する乙女みたいな声色でそんな話し声が聞こえた。
友達曰く音楽のあの先生を好きになってしまったらしく毎日その影を探しているのだとか。
ふーん、と適当半分で聞いていれば「あ、今アイツのこと考えてたでしょ。も〜はやく行った行った!」と半ば追い出されるようにして見送られ教室を後にした。
「せんせー、お邪魔します……」
「あ、…もしかしてあいつが言ってた…!」
ドアを開けて開口一番、知らない人の顔が目に入る。
一瞬女性かとも思ったけどこの美貌からして音楽の……先生の近くにいるあの人…。
焦った私は何を思ったのか否定の言葉が口から出た。
人は焦るとよく分からなくても否定してしまう生き物らしい。
「え、……っと違います。」
「えー人違い?…じゃあ俺のファン?」
「それはもっと違います!」
暫く考えた様子のその人がいい案を思いついた!とでもいうかのように顔をあげてそう宣った。
違う。全く違う。どれぐらい違うかと言ったらもうブラジルと日本ぐらい。真逆である。
「え〜?それも違うかぁ…ん〜〜」
頭を抱えて悩み出したその人は美しい姿とは裏腹にいちいち動きがアニメチックだ。
冷酷なイメージが勝手にあったが案外面白い人みたいだ。勝手に苦手意識をもっていたのが申し訳なくなる。
本当のこといってもいいかな、と口を開きかけた時立て付けの悪いドアがガタガタと音を立てた。
「先生!」
「…ちょっと呼び出されちゃって、ごめんね。てか貴方まだ居たの?……変なことされてない?大丈夫?」
「人を変態みたいに言うなよ!」
私を背中の後ろに隠して先生はそう言った。
いつも美人なあの人の顔がクシャッとなって楽しそうに笑う。
先生も見たこともないような表情で笑っていた。
私の知らない先生の一面を垣間見てしまったようで胸がザワザワとうるさい。
「だって貴方ずっと会いたいって言ってたじゃないの。なにかしたんじゃ……」
「お前ほんっと失礼だな〜!」
ひとしきり笑ったその人は今日はここで食うから!とどこからともなくお弁当を出して私の隣にドン!と座った。
だからいちいち動きがアニメチックなんだってば。
「…いいな〜お前、こんな健気に好かれたらそりゃ揺らぐわな、……君がちょっと羨ましいや」
「はぁ?な、なに言ってんの。ほら、はやく食って帰って」
「……全く素直じゃないなぁ、ね?」
笑みを称えたまま私に意見を求めた先生の瞳は心做しか寂しそうであった。
美貌をもって先生と近しい関係にあるこの人が私は心底羨ましい。
でも結局はないものねだりの範疇を超えることは無いのかもしれない。
2024.3.26『ないものねだり』
ないものねだり…
永遠に解けないパズル持っている
今後の僕は時々さびしい
「ないものねだり」
あなたはわたし
わたしはあなた
あなたはわたしの───
わたしはあなたの───
この静寂
あの創造性
この安らかな眠り
あの豊かな夢
この整然とした思考回路
あの賑やかな頭の中の音
この社会の居場所
あのモラトリアム
この意味のある罪悪感
あの意味のない罪悪感
わたしが
あなたが
欲しかった
今となってはないものねだりだけれど
あなたはわたしの
わたしはあなたの
全てを求めていた
求めては消えて
消えては求めて
そうやってわたしは変わり続けるの
『ないものねだり』
人はいつだってないものねだり。
周りを見渡せば。
羨ましい。
それが欲しい。
そう思う。
簡単に手にできるもの。
私には簡単じゃない。
ぐるぐるぐるぐると頭の中。
どこを見ても。
もっていないものばかり。
羨ましくて。
切なくて。
寂しくて。
悲しくなる。
また今日も私はないものねだり。
持っていないものばかりが目について
自分が持つ特別に気づけないままでいた。
貴方はずっと私の隣に立って
そうしてどんなときも手を握っていてくれたのに
ないものねだり
大谷が水原を切った。まさに、泣いて馬謖を斬る、といったところか。
裏金問題で揺れている永田町にも、諸葛孔明がいて欲しいが。果たして。
仮にだが、大鉈を振るったとしても、それが馬謖たり得る材か否かは冷静に見なければならない。なにしろ、この話題の主演は安倍派だ。岸田派はさほど多くない。自ら聞き取り調査を行ってリーダーシップをアピールしているが、さて、どれほどの効果があるか。
細かい話になるが、この聞き取り調査なるものはいかなる形態のものなのか。ガリア戦争時、命令違反を犯した兵に対し、カエサルは軍法会議を開いて厳しく処罰したとされている。当時の軍法会議が公開か非公開かは僕にはわからないが、会議、と銘打つ以上、ある程度の人数を前に処罰を決定したのではないだろうか。
何を言いたいかというと、今回の聞き取り調査も、公開で行うのが良いのでは、ということだ。何も執行部数人だけでやる必要はない。全て国民に公開して、聞き取りの様子を見てもらえばいい。それができないなら、この聞き取り調査なるものの価値も、その程度のものとなるのではないか。
とは言うものの、諸葛孔明やカエサルなどの傑物がそうそう永田町にいるわけもなく……。わかってはいるのだが、それでも、と願ってしまう。
さて、洗濯物を干そう。今日は晴れ。明日、明後日は不安定らしい。永田町の空模様がどうあれ、僕は僕のやるべきことをやろう。
夕方のチャイムが鳴り、みんな帰っていく。
「帰らないのー?」
「大丈夫。迎えが来るから」
「ふーん。じゃあまた明日ね」
手を振り、元気に走っていく後姿を見送った後、私は一人公園のブランコに乗ってじっとしていた。
温かい家。待っている両親。美味しいご飯。眠りに就いたらまた明日、楽しい一日が始まるんだろう。
私は持っていない。……羨ましい。でも、どれだけ羨んだって、私はそれを手に入れられない。ないものねだりだとわかっている。私は、独りだ。
「あ、いたー!」
「何やってんですか。帰りますよ!」
ただぼーっと地面を見つめていたら、元気よく声を掛けられた。
顔を上げると、よく見知った姿があった。
「また遊んでたんですか?」
「もう暗くなりますよ。帰りましょう。僕らの家に」
そう手を差し伸べてくる。
ちゃんと私を迎えに来てくれた。
温かいものが胸に広がっていく。
「……ねぇ、私達って家族なのかな?」
そう問い掛けてしまい、はっとする。
もし、これで家族じゃないと言われてしまったら――
「当たり前でしょ!」
「僕らはそう思っていますけど」
「…………そっか」
嬉しくなって、思わず顔が綻ぶ。
「さぁ、神社に帰りましょう。神様」
「うん、ありがとう。狛犬達」
私の手を引いていく家族。まるで両親のように。
普通の家ではないけれど、私しか持っていない大切なもの達だ。
『ないものねだり』
往く途は深い霧で隠していて
その先も
せてめ小さな砂の城を作れるように
ないものねだりは分かっているから
日の光から私を隠して
神様が囁くから
出逢うべくには出逢うから
帰り路のないその途を往くまでは
「白馬の王子様」の夢を見させて
ないものねだり(お題)
仕事もいいけど
恋愛したいな。
出会った人と
イイ感じ!
付き合うかな?
恋人とデート
楽しかった。
もっと一緒にいたかったな。
恋人と同棲。
楽しいけど―――
プロポーズは
いつ?
やっと
プロポーズ!
結婚まで
やることいっぱい?!
入籍。
結婚式は?
新婚旅行は?
不妊治療する?
価値観の擦り合わせが
上手くいかない。
過去のわたしが
欲しかった
未来に
今、立っている
はずなのに
今、無いもの
に意識が向く。
わたしって
欲張りなんだなぁ。
#ないものねだり
戦争はあるはずのない権力、戦力を追い求め争う。
愚か、滲めだ。そう、全人類は...
〘ないものねだり〙◦∞◦👍
色白で
細くて
しなやかな
指先が欲しかった
ないものねだり
ないものねだり
気になるあの人。
私にはないもの持ってる。
綺麗な顔に、綺麗な人柄。
いいな。欲しいな。
あの人はケンキョで慎ましい。
私だったらもっと上手く生きてあげられるのに。
気になるあの子。
私にはないものを持ってる。
恵まれた家庭に、親からの愛。
いいな。欲しいな。
あの子はゴウマンで横暴。
私だったらもっと上手く生きてあげられるのに。
「ないものねだり」
あまり、人には言わないようにしてる。
ないものねだりってお題を見て直ぐに浮かんだ。
ちゃんとした父親が欲しかった…
幸せな家族が欲しかった…
そんな、私もシングルマザー
皮肉
#8
自分に無いものを全て手に入れたとして、私は私のことを好きになれるのだろうか。『何も無い自分』に憧れてしまうのだろうか。自分からは遠い存在に憧れるのは人間として正しいのかもしれない。でもだからといって自分がそれより劣っているとは限らないのだ。今の自分を誇れるようになりたい。
(テーマ:ないものねだり/コンルリ)