『どうして』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【どうして】
どうして私は女なのだろう?
どうして女の子はピンクのイメージがあるの?
どうして男の子は青のイメージがあるの?
どうして社長は男の人が多いの?
どうして男の人が育児を手伝うと
イクメンっていわれるの?
どうして性別で諦めないといけないことがあるの?
どうして辛い思いをしないといけないの?
その答えは誰にもわからない。
もちろん自分でもわからない。
そしてまた疑問が思い浮かぶ。
『 どうして?』
「どうして此処にいるとわかったの?」
彼女から奪い取ったカミソリの刃を
黙ってポケットに隠す
「どうして追い掛けて来たの?」
「どうして邪魔をしたいの?」
それじゃあ
訊くのはどうして?
「どうして……どうして……泣いてくれるの?」
"どうして"
言わなくても
わかっているのにね
#どうして
帰り道、知らない番号から電話がかかってきた。
宅急便だろうか。深く考えずに通話に出る。
「どうしてわたしを殺したの」
もしもし、と口にするより早く、耳に届いたのは怨嗟の声だった。
「……気づいてなかったのかよ。アンタ、とっくに死んでたよ」
男は霊媒師だった。
たった今、轢き逃げで死んだ少女の地縛霊を祓ってきたところだ。
「というか、祓ったはずなのにどこからかけてきてんの」
戸惑ったような沈黙があった。まだ男の言葉を飲み込めていないらしい。
ややあって、
「……かみさまが電話貸してくれた」
「いや霊界と現界の直通電話なんてモン、ほいほい貸すな!」
「『貸してないぞ〜取られたんじゃぞ〜というかそろそろ返し』かみさま、うるさい」
入り込んだしわくちゃの声は、少女の言う『かみさま』のものらしい。
女の子に困らされる白髭の爺さんを想像して吹き出しそうになる。神様が白髭の爺さんなのかは知らないが。
「──で? アンタを殺したほんとの犯人に言いたいことある? 伝言くらいなら受けられるよ」
気を取り直して、電話口に問いかけた。
代わりに殺してやる、とかはさすがに言えないが、恨み言を伝えてやるくらいはいいだろう。
幼い少女を轢き殺しておいて厚かましくも逃げ去った犯人には、男も腹に据えかねていた。
「思いっきりおどかしてほしい」
少女が力強く答える。
「さっきみたいに?」
「さっきみたいに」
「了解。んじゃ、犯人が怯える顔を楽しみに待ってな」
そう言って電話を切──ろうとして、ああ、と思い出して再びスマホを持ち上げた。幸い、通話はまだ切れていない。
「──次は、地縛霊になんかなるなよ」
(お題:どうして)
どうして。
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして!!
たすけてよ……っ
そう叫んでも
誰の元にも届かない。
どうしてこんなことになっちゃったんだろうなぁ。
【どうして/2024.1.14】
【どうして】
どうして
いくら考えても
答えは出ない
答えのないまま
この道を歩く
静々と歩いていく
「どうして」
どうしてあの時…
どうしてこんな事に… と
後悔につながる事が多い
だから
嫌いな言葉だ
見ることの出来ない未来を美化した
結果なのだろうか?
それとも
自分を過信し過ぎた
結果なのだろうか?
「どうして」に支配されている時の
自分もまた嫌いだ!
最近あなたはよく私の隣に来る
自意識過剰だとは思うけれど
どうして?
その理由だけが知りたい
私はあなたが好きだから
『どうして』
物音で目が覚めた。
ガサゴソと何かを探すような音が、寝室と扉一枚で隔たれたリビングの方から聞こえてくる。
ベッドに伏せていたスマホを裏返すと、画面の時刻はちょうど深夜2時。スマホを握りしめた俺は、音を立てないように気をつけながらベッドから起き上がった。
数時間前に暖房の切れた寝室のフローリングは氷のように冷たく、かと言ってスリッパを履いては音を立ててしまいそうなので、俺は裸足のまま忍び足で扉に近づく。
普段なら静まり返ったはずのこの時間に、不審な物音と暴走機関車のように速い自分の鼓動だけが響いている。
安月給でボロアパートに独り暮らしのこんな部屋に入った泥棒はどんな奴だろうか。
俺はそれを確かめようと、勢い良く扉を開けた。
「誰だ!」
俺がそう声を上げると、リビングの引き出しの中をあさっていた人物が振り返った。
ひどく驚いたようなその顔に俺の方が仰天した。
「あ、ごめん。起こしちゃった?」
驚いた表情も束の間。彼女はそうあっけらかんと言い放ち、いたずらな笑みを浮かべた。
「起こしちゃった? じゃないだろ」
「じゃあ、何て言えばいいの?」
彼女がそう頭を少し傾けると、肩にかかった長い髪がゆっくりとすべり落ちた。そこに悪びれる様子はなくて、むしろ楽しそうに見える。
「そりゃいろいろあるだろ。そもそもこんな時間に不法侵入しておいて」
俺がそう言うと彼女は「いろいろありすぎてどれから話せばいいか分からない」と肩をすくめた。
そんな彼女を見かねた俺が何から質問しようか考えていると、彼女はふいに部屋の時計を見上げた。
「あ、ごめん。そろそろ行かなきゃ」
「行かなきゃってどこに? てか何しに来たんだよ。何探してたんだよ。いや、なんで、なんで……」
彼女に聞きたいことが次から次に溢れてくる。
「なにそんなに必死な顔して。泣くなんて悠斗らしくないよ。涙腺がゆるい私のこといつも笑ってたくせに」
「それとこれとは違うだろ。だって……お前は……」
「悠斗」
真っ直ぐな瞳がこっちを見つめる。
「聞きたいこと、1つ答えるから」
「……なんで1つなんだよ」
「その質問でいいの?」
俺が慌てて否定すると彼女が笑った。
「じゃあ次は本当に答えちゃうからね」
聞きたいことは山ほどあった。ずっとこの時を待っていたはずなのに、いざ彼女を前にすると上手く言葉にならなかった。
「ちとせ」
「うん」
あぁ、ずっとこう答えて欲しかったんだ。何度呼びかけても、何度名前を呼んでも、何も答えてくれなかった彼女に。
「どうして……どうして、俺をおいて死んだんだ……」
掠れた声を絞り出した。
彼女は寂し気な目を少し伏せると、微かに微笑んだ。
「いつかはみんな死ぬんだよ。悠斗だってそう。私はそれが少し早かっただけ。それに」
彼女と再び目が合う。
「それに俺より先に死ぬな、なんてのは自分勝手過ぎるでしょ? 私だって悠斗が先にいなくなるなんて嫌だもん」
昔と変わらないままの彼女は、あの頃のように口をとがらせた。
「でも俺はもっと、ちとせと生きたかった」
俺がそう言うと、彼女は俺に背を向けて窓の外を眺めた。
「うん、そうだね」
月明かりがさす窓辺に彼女の髪が透けた。
「ねぇ、これ持っていっていい?」
振り返った彼女の手には引き出しに仕舞っていた、彼女の髪留め。
「それ……」
その髪留めは俺が彼女にプレゼントしたものだったが、彼女が亡くなる少し前、この部屋に来た彼女はそれを忘れていったのだ。
「実はね、これを忘れていったのを思い出して取りに来たんだ。本当はこっそり持って行こうと思ってたのに、見つかっちゃった」
「不法侵入に窃盗まで。幽霊には法律ってもんがないんだな」
俺がそう言うと彼女は声を上げて笑った。
「それ、ちとせのだから」
「え?」
「だから、それは俺がお前にあげたやつだから、ちとせの自由にしていいって」
それを聞いた彼女は嬉しそうに髪を耳にかけると、その髪をとめるように耳の上にそれをつけた。
「どう?」
「うん」
「うん、じゃなくて」
「その……似合ってる」
「ありがと」
スマホのアラームで目が覚めた俺は、いつも通りの朝を迎えた。
ただ、昨日みた夢の続きを探しているような心地だけは、どこかいつもと違っていた。
ベッドから起き上がった俺は、リビングに続く扉を開けた。
そこは見慣れたはずの、いつも通りの温もりのない部屋。
「あれ……」
なぜか、ここ数年触ることのなかったはずの引き出しがほんの少し開いていた。
モヤのかかった景色の中に、ぼんやりと影が揺れる。
俺はその光景を抱きしめるように、そっとその引き出しの取っ手を引いた。
【どうして】※ソワアリ
アリスはフランソワーズに憧れていた。国としても、それ以上に個人としても。特に彼女のたおやかに舞ううつくしい髪は、長いこと島にこもりきりな貧相な娘を魅了してやまなかった。フランソワーズはそれを知っていた。隣の小娘が自分を追いかけるさまがどこか愉快で、それでいて楽しかった。
だのになんだ、これは。数世紀たって隣の小娘はたちまち世界の覇権を握ってしまったではないか。
【未完】
フラアサばっかりだからソワアリも書きたかったのになにも浮かばないよ......自分に憧れていたアリスをずっと引きずるめんどくさいソワが書きたかった
真実を告げれば
君は悲劇の主人公気取り
望まれた正解を返せば
ぼくを嘘つき呼ばわり
もうどうしたって
下り坂の未来しかないのに
君は口を再び開いて
傷口を深く抉るための問いかけ
『どうして』2024/01/1516
どうして
あなたを忘れられようか・・・
ずっとそう思っていたけれど
忘れなくていい
そう思えた時、やっと
許された気がしたんだ
だれに?
わたしに
わたしはわたしに
忘れることを許せなかった・・・
許したら、忘れてしまうから
わすれたら、永遠にさよならになるから
ずっと怖かったんだ
あなた無しで生きることが
どうして
私には愛する彼がいる
私が「買い物に行くから待っててね」って言った
彼は「分かった。」って言った
私が帰る頃にはもう暗くなってた
「ただいま」返事が無い
2階に上がる「帰ってきたよ〜」
「居るの?入るよ」
「えっ」彼が倒れていた
救急車を呼んで病院に着いた
「先生、○○君は大丈夫なんですか?」
先生は涙をこぼした
私は状況が分からなくて
先生なんで泣いてるんですか?
と聞いたそしたら
「元々この病院に来て診査をしたんです
診査結果が癌だったんです
どうしますか?と聞いたんです
残りわずかの寿命で
〇〇君は彼女と一緒に居たいですと泣いていて
思い出してしまって
僕は彼女さんに教えますか?と聞いたら大丈夫ですって」
「どうして〇〇君は教えてくれなかったの?」
私は泣き崩れた…
謎が解けない
どうしても解決しない
そんな事ばかりが
頭を埋める世の中
人類が地球に生まれた時から
一生叶えられない
ユートピアの星。
だが全てが解決した時
我々は思考を止めてしまうから
一生悩み続けるのが
脳が、言葉がある理由なのかもしれない
–どうして–
どうして。
どうして俺はこんなに何も出来ないの?
どうして努力を認めて貰えないの?
どうして、誰も助けてくれないの?
【どうして/2024.1.14】
君の魔法は綺麗だね。
僕がそういうと、君はじんわりと頬を染めて、でも真っ直ぐ僕を見て、「ありがとう」って言ったんだ。
本当は、魔法だけじゃなくて君も綺麗だねとかなんとか、そんなこと言えれば良かったのかもしれないな。
頑張ってる君は、眩しくて、綺麗で、僕は大好きだったんだよ。
無理しないでね、危ないことはしないでね。
たくさんたくさん、言いたいことはあったのに、何にも言葉になりはしない。だってさ、君はいつだって、「私頑張るね」って笑っていたんだもの。
だから、君の前では綺麗でいたかった僕が、ほんとの僕の邪魔をして、「うん、頑張ってね。応援しているよ」って、それしか言わなかったんだ。
だから、今目の前で泣いている君に、「どうして」って尋ねる権利なんか、僕にありはしないんだ。
どうして言葉をつくしても伝わらないんだろう
どうしてわかり合えないんだろう
ちっとも僕の気持ちを受け止めてくれない君
それなのに、どうして嫌いになれないんだろう
どうして君は、僕の心をとらえて離さないんだろう
胸が苦しい
#7 「どうして」
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
ボツ
私には双子の兄弟がいる。昔は同じ学校に通い、共通の友人を持ち、仲良く遊んでいたこともある。
しかし、それから10年以上が経って、今となっては、私はうだつの上がらぬサラリーマン、向こうは海外に勤める研究者である。私も努力をしていたのに、向こうだけがずっと先に行ってしまって、私には何もない。
始まりは同じだったはずなのに、どうしてこうなってしまったのか。私はずっと劣等感に苛まれている。
3日目【どうして】
どうして「恐怖」に捉われたままなんだろう?
別に命の危険に晒されるとか、虐待や性被害に遭うとか、ひどいハラスメントとか、PTSDになるような怖い目に遭った訳じゃない。
元職場の上司に恐怖を抱いたまま、今に至っているだけ。
今は辞めた過去の職場の上司の態度に、今も捉われているだけ。
あの時、プライベートも苦しんだけど、同じくらい充実したこともあった。
なのに私は人生のわずかな一部分に、16年も捉われている。
どうして?
「どうして」
あの頃の私は、下を向いてばかりいた。
どうして?
だって、世の中くだらないと思ってた。
同じクラスの集団でしかトイレ行かない女子も、
下ネタ言えば面白いと思って騒いでる男子も、
真面目な子にばかり色々頼んでくる先生も、
全部全部嫌で仕方なかった。
でも、その下らなさこそが
人の面白さかもしれない、と今は思う。
どうして?って聞けばもしかしたら
人それぞれ色んな理由があったのかもしれない。
そんなことが理由?と思うかもしれないし、
隠された壮大な理由があったかもしれない。
人はみんな少しずつ違うから面白い。
違いを見つけられないときや、
つまらないときこそ、
「どうして?」