どうして』の作文集

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どうして』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

1/15/2024, 7:47:26 PM

彼の背後に剣を振り上げた敵兵がいて、思わず彼の名を叫びながら、彼を突き飛ばした瞬間、振り下ろされたそれを自分が受けてしまった。
 意識が暗転するその瞬間に目に入ったのは、泣き出しそうなほど顔を歪めた彼の顔だ。気にしないでと口にしたはずだが、果たしてそれが届いていたかどうか。
 小鳥のさえずりでエスメラルダはゆるゆると目を覚ました。ゆっくりと体を起こして大きく伸びをする。変な体勢で寝ていたらしい。あちこちからぽきぽきと音がする。
 サイドテーブルの暦を確認すると、もうかれこれ三日が経っていた。昏倒して丸一日は寝ており、その翌日は痛みで動けなかったが、痛み止めが効いてきたので今日は元気いっぱいだ。
 ずっと寝ていたせいで体力が有り余っている。訓練などの激しい運動はするなと言われているが、雑事ぐらいならしても構わないだろう。彼女はそう思って、医務室から出たそのときだった。
 廊下の向こうから、彼がこちらに向かってやってくるのが見えてしまった。彼は彼女の姿を認めて、これ以上ないくらい険しい顔をする。ひっと彼女は思わず小さな悲鳴を上げたが、へらりとした笑顔を浮かべて、彼が来るのを待った。
「おはよう、フェリちゃん。……もう、こんにちはかしら?」
 彼はそれを無視して、医務室の扉を開けると、彼女を中に押し込んだ。そして、腕を掴むと 彼女が抗議の声を上げるのも構わず、ベッドまで引きずって彼女をそこに突き飛ばした。
「ちょ、ちょっと!」彼女は寝転がって体勢を変えると、起き上がった。「何するのよ」
 エスメラルダを見つめる彼の瞳には、烈火のごとき怒りが渦巻いていた。これから起こることが容易に想像できて、彼女は諦めたようにベッドに座り直した。
「この阿呆が!」彼の第一声は想像の範囲だった。語気の荒さに怒りが滲み出ている。「安静にしていろと言われただろう!」
 彼はエスメラルダの肩を掴んだ。彼は彼女の顔を覗き込んで、俯いた。
「……どうして俺を庇った……?」
 彼の声は震えていた。先ほどの剣幕が嘘のようだ。
「咄嗟に体が動いちゃったの」エスメラルダは困ったように微笑んだ。「理屈とかそういうのは全部後回し。本当なのよ」
 彼が怒る理由はわかるし、自分もそれが愚かしいと思っていた。けれども、いざ、目の前にすると勝手に体が動いてしまったのだ。
 彼女の肩を掴んでいる手に力が籠った。痛いくらいの力だ。
「……もう、お前の命を危険に曝すようなことは止めてくれ……」
 顔を上げて、彼女を見つめる彼は泣き出しそうなほど顔を歪めていた。

1/15/2024, 1:48:10 PM

どうして


(お題更新のため本稿を下書きとして保管)


2024.1.15 藍

1/15/2024, 10:05:56 AM

[どうして]
 どうして、私は勉強するの。 
 どうして、悲しいの?…

 自分自信のことを私は知らない。分からない。なんか、モヤモヤして、頭がいっぱいになる。

 あー、悩みが多すぎて考えられない。頭真っ白だな~

 
No.15

1/15/2024, 10:01:49 AM

どうして

雪が積もる日に朝早く起きれなくて焦る

すぐ部屋を温めたいときにストーブの灯油が殻

前日ご飯炊くの忘れて朝ご飯なし

早く帰りたい日に残業

お風呂にお湯を貯めようとしたらシャワーから水が出て来て滝行

1/15/2024, 10:01:14 AM

「不思議なことを言うね」
「君が言ったんじゃないか」
「冗談だった?いやいや、前にそれでスルーしたら怒ったの君じゃん」
「全部本気、なんでしょ?ちゃーんと覚えてるよ」
「……何、今更。泣いてどうなるとでも思ってるの」
「あ、あとね。コレしっかり君の指紋付いてるから」
「そ。誰でも君のだと分かるよね。皆に見せびらかしてたのは他でもない君な訳だし」
「うん。だから、ちゃんとね」
「一緒に地獄に落ちようね?」

<どうして>

1/15/2024, 9:59:45 AM

甲板へ向かう。伸びる影と響く足音に怯えながら、足を進める。
ここに来るのは嫌だが、執務室にいれば誰かしら訪ねてくる。今日は一人で居たかったから、ここまで上がってきた。

寒々しくて乾いているはずの空気が、重く生暖かく感じる。潮の香りはいつしか恐怖の象徴に変わっていた。
手すりを握れば、冷たさが指先を包み込む。布一枚を隔てたところで、夜の寒さは凌げない。

ここはテラではない。月は一つであり、海は凪いでいる。争いこそあれど、比べれば優しい世界のはずなのに。

呼ばれている。腹の傷が痛む。
いないはずなのに、空から、海から、私を呼ぶ声が聞こえてくる。

「違う、私はもう」

その先の言葉もあるのに、絞め上げられた喉首からは掠れた音しか出ない。
立つことすらままならず、柵に寄りかかり、そしてへたりこむ。

「ここにおったがか」

聞き覚えのある声。痛みは走るが、顔を上げる。

「無理せいでえい。大丈夫ちや。わしがおるき」


※未完

2024/01/14

二次(刀剣乱舞)

1/15/2024, 9:45:20 AM

《どうして》

 身分の差を、理解していた筈なのに。
 この叫びは止まらなかった。
 待ってくれ、と考えた時には既に放ってはならない音が口を衝いていた。体が動いていた。
 愛だの恋だのとかいう感情ではない。だが、その女は俺の幼馴染なのだ。
 だから、その想いを踏みにじって漸く成される未来など、存在してはならない。
 俺が、絶対に赦さない。
「——その薄汚い手で触らないで貰えますか、シュレイト男爵」
 強引に横から掴んだその腕は、奴隷商人として裏で栄えたばかりか男爵の位まで授かった男の腕だ。
 富は莫大で、一代でここまで商業を発展させた者はなかったという。
 だから、そんな男と幼馴染の婚約が金で成立した——してしまったのだ。
「アーノルド、やめなさい。この方は私の婚約者として正式に認められた。彼に無礼を働くということは、あなたの主たる私に無礼を働くことと同義よ」
「この男との婚約、エレオノーレ様が望んだことであれば心よりお祝い申し上げます。ですが、そうではない。その御心が踏みにじられない為ならば、私は幾らでも無礼を働きます」
 いつもの通り、会話は平行線だ。
 彼女の表情は焦っている。なにせ、昨晩寝る間も惜しんで俺にこの婚約を納得させようとしたのだから。
 俺も一時は納得した。
 だが、今朝方彼女の父親の話を聞いて、腸が煮えくり返った。
 父親は、娘との婚約を条件に、莫大な資金と奴隷を手にしたのだ。それだけでなく、今後シュレイトに商いの売上の一割を永続的に貰うのだとか。
 つまるところ、彼女は父親に売られたのだ。それも自身の知らぬ間に。
 生憎と、それを知ってもなお、黙っていられる程のかわいい性格はしていない。
 これは、仕方のないことだ。
 そう割り切れたら良かった。
「おい、誰か! この不届き者を連れて行け!!」
「待って! 待って下さい、彼は悪くないの」
「大丈夫、躾られてないコイツが悪いんだ」
「彼は私の幼馴染よ!? お願いっ……」
 恐らく、連れて行け、とは額縁通りの意味じゃない。率直に、殺せ、か。
 薄く笑って、俺は彼女に傅く。
「貴女様の御心をお聞かせ下さい」
「アーニー……?」
「俺と二人で逃げないか、エレナ」
 愛称で呼び合っている時点で主従関係としては問題だろう。隣で守銭奴が怒っているがどうでもいい。
「……アーニー」
「お前の答えが、俺は知りたいんだ」
 手を取って真っ直ぐ目を見ると、
「私は——貴方の隣が、一番好きよ。昔から」
 聞きたかった言葉が彼女の口から零れた。
 それでいい、十分だ。
 返事も何もなく、俺は彼女の手を引き屋敷を飛び出て、裏門へと走る。
「……これ、もしかして計画の内なのっ?」
「どうだろうな。エレナ、馬乗れるか?」
「乗れる! ……みんなも知ってたの」
 追っ手が来ないのは当然、この屋敷の主以外全員が彼女の味方だからだ。
 それぞれ馬に乗り、開かれた門を駆け、森に出る。
「ねえっ……どうしてここまでしてくれるの?」
「言わせんなよ、恥ずかしい」
「どうせ貴方のことだから、あたしが好きとかそういうことじゃないんでしょ」
「なんでわかんだよ」
「幼馴染、何年やってると思ってるのよ」
 懐かしい会話だ。久しぶりの「あたし」だな。
「なんとなく、だな」
「なんとなくでお父様に逆らわないで……勢いで飛び出したのなら兎も角、計画がありそうじゃない」
「……幼馴染だからな」
 それが最初の質問に対する答えなの、と呆れるエレナは、次の瞬間破顔した。
「照れてるし!」
「照れてないっつーの! ほらほら早く行くぞ、待たせてんだから」
「やっぱり計画あるのね。ずっと考えてくれてたんだ……! アーニー」
「ん?」
「本当に、ありがとう」
「幼馴染のよしみだよ、気にするな。エレナ」

1/15/2024, 9:42:12 AM

「どうして……」
 私は目の前の黒い物体を前にして、思わず口から言葉が出る。
 どうしてこんなことに……

 いや、分かっている。
 私が悪いのだ。
 私が目を離してしまったから。
 目を離してはいけないと知っていたのに……

 私は目の前にある黒い物体――肉じゃがだったものを見つめる。
 二人の息子たちが、大好きな肉じゃが。
 今日は特別な日ではないけれど、リクエストされたので張り切って作った肉じゃが。
 でも今はただの炭の塊だ。

 肉じゃがに限らず、火を使っている時にその場を離れてはいけない。
 基本だ。
 だけど、テレビから堂本君の結婚というパワーワードが聞こえたら、ニュースを見ない選択肢は無かった。
 そのまま肉じゃがのことを忘れてしまい、しばらくして焦げた臭いがし始めたが後の祭り。
 気づけば、肉じゃがは炭となっていた。

 私は目の前の炭になったになった肉じゃがを見下ろす。
 もうこれは食べられないだろう。
 どれだけ見つめても、炭は肉じゃがにはならないのだ。
 諦めるよりほかにない。

 だが新しく料理を作るための材料が無い。
 また買いに行ってくるにしても、すぐに息子たちは帰ってきてしまう。
 野球の練習を頑張って、お腹を空かせた子供たちが。

 どうすればいい?
 私は自問する。
 解決方法は一つあるが、デメリットが大きい。
 可能ならば取りたくない、最後の手段だ。
 他に方法は無いのか?

 思考を加速させるが、何も思いつかない。
 時間だけが無常に過ぎていく。
 どれほど悩んだだろうか、玄関から物音する。
 子供たちが帰ってきたのだ。
 取りたくなかったが、最後の手段を使うしかない。

 子供たちを玄関で出迎え、今日の予定を告げる。
「今日は外食だよ。シャワーを浴びて汗を流しておいで」
 予定外の出費だが、これ以外に方法は無い。
 下の子は何も疑わず、そのまま風呂場に向かう。

 だが、上の子は何かに感づいたのか、私の顔をじっと見ていた。
「外食なんて珍しい。どうして?」
 『君のような勘のいいガキは嫌いだよ』という言葉が喉まで出かかる。
 危ねえ。
 愛する子供に『嫌い』など口が裂けても言えぬ。

 私は全力で誤魔化すことにした。
「さあ?どうしてだろうね」

1/15/2024, 9:39:38 AM

「どうして」 1.15

「どうしてなの?」
「それはあなたが大人になったら分かるよ」
「どうして?どうして?」
「それを知るのが人生だよ」
「へーん!分かった!」
「お母さんありがとう!」
母「どういたしまして」

1/15/2024, 9:35:28 AM

どうして 思考する言葉
納得するまで堂々巡りするまで
やめ時を探す言葉

どうして

1/15/2024, 9:33:01 AM

どうしてわたしは始めないのだろう 。

 目の前には広げられたノート、参考書 。


 
 ペンを持とうとするとどうしてもいやになって 。

 それで 。

 ペンの代わりに手に取るのはスマホ 。



 またいつものようにSNSをチェックして、
 ゲームを開いて、それで …

 気づけば短針は9を指している 。




 どうしてわたしは始めないのだろう 。

 
 いつか自分に問わなくなる日は来るのだろうか 。


 
 # 1 『 どうして 』

1/15/2024, 9:32:05 AM

なんで、どうして



そう思うことなんて

山ほどある



どうして

それは何を思い、思うこと。?

理由を聞こうとしている心もあるだろう。

でも他にも心がある気がする。


心の底で思うこと。

どうしたって他の心を

書き出せない。



それは

どうして。




「どうして」




昨夜、文章書くの忘れてました💦
次のお題が更新されるまであと30分!
これは…セーフ?笑

1/15/2024, 9:07:45 AM

どうして


私の「どうして?」は、
不安と怒りに満ちていて、
今日みたいな疲れた日には、
余計に辛くなってしまう。

だけど、あなたの「どうして?」には、
明るさと未知があるんだ。
いいな。



#147

1/15/2024, 9:00:25 AM

「どうして?」っていうのは、「何をしたからなの?」っていうことだよね。
 
 どうして爪は伸びるの?
 どうして過ごそうか?
 どうしても欲しいです。とかは
 何をしたから爪は伸びるの?
 何をしてすごそうか?
 何をしてでも欲しいです。って

通じるから、あってるっぽいよね。

気にせず使っていると何も感じないけど、
言葉がどうやってできたのかを知っていると、その言葉が使われている文章全体が、上品で知的になる。言葉に重みが増す。
だから、古文とか(詳しくないけど)昔の人が書いた文とか、好きです。
あと違う言語を学ぶとわかることもあるよね

ああー、なんか勉強したくなっちゃった

1/15/2024, 8:40:36 AM

お題「どうして」

帰りのバス停
目的地行きのバスに乗る前に行き先の違うバスが先に来る

ある日スマホを見ながら一台バスを見送って次のバスを待っていた
乗らなきゃと思って顔をあげると乗りたいバスじゃない

いつも先に来るバスはどうやら遅れて来たらしい
そして私はバスに乗り遅れた…

いつも一緒に乗ってる他人さんたち
どうして誰も「乗らないの?」って声かけてくれないんだ
知り合いじゃないけど顔見知りじゃぁないか

と愚かなミスを悔やむのであった

1/15/2024, 8:39:22 AM

どうして?


どうしよう…ん〜
前にも思ったことまた言うことになりそう(笑)
うん、たまに来るこの適当な感じのお題見ると
AIが決めてるのかなってつい思っちゃうんです(苦笑)
運営様もう少し頑張って考えましょうよ♪
せっかくいいアプリなんだから♪

↑思ったことは書かずにはいられない性格(笑)
すんません




「どうして」


どうして朝は来てどうして夜は暗くてどうしてキミは星が好きなの
この世には謎が多くて一度切りの人生じゃ足りないくらいの
ワクワクがあるから時々は神様に願ってみるの
どうかボクの鼓動が止まる瞬間には全ての謎を教えてください

どうして風は吹いてどうして雲は白くてどうして月は丸いの
こんな世界だから一度切りの人生でも満足するくらいに
産まれてこれたことに感謝してしまうの

嘘一つない青空に叫んでみたり焼ける夕空に見惚れてみたり
月に潜むウサギさんを見ながら餅を食べたり
こんなステキな世界だから時々は神様に感謝してみるよ
沢山の贈り物をありがとう

どうしてボクは産まれたのどうしてキミは産まれたの
どうして命は温かいのどうして涙は流れるの
どうして笑顔は優しく見えるのどうして…

きっと誰もが幸せになるために産まれたの
命が温かいのも涙が流れるのも笑顔が優しいのも
心に小さな灯火を宿してるから

時々は神様に願ってみるの…
あたたかな命も涙も笑顔も幸せの始まりだから
この灯火をいつまでも絶やさずにいられますように

1/15/2024, 8:34:59 AM

【どうして】

どうしてこんなぼーっとした自分のままなんだろう、

もう20年も生きて、それでも全く独り立ちできず、家族に頼ってばかりの自分に苛立ちが募る。

1/15/2024, 8:15:51 AM

どうしてそんなに長く人を愛せるのか?

それはひとえにあの人を愛しているから。

そんな答えしか、私はもっていないから…。


【どうして】

1/15/2024, 7:54:01 AM

朝、何時もの時間に君を見送って朝食の後片付けをしようとキッチンの流しに向かい、ふとした拍子に顔を上げた時だった。

真っ黒いスマホケースが目の前のカウンターに、ちょこんと乗っかっている。君のだ。

わすれものっ。

一瞬フリーズして、それからアワアワと泡まみれの両手を洗って手早く水分を拭き取ると、君のスマホケースを鷲掴みにして玄関までの短い廊下を駆けた。

テーマ「どうして」

1/15/2024, 7:53:59 AM

「でさ、もうそっからみんなやる気なくなっちゃった」
「なんだそれ。明らかに担任のせいだろ」
「でしょー?うちら何にも悪くないってのにさぁ」
イオリは夕飯を食べながら今日あったことを話す。俺は先に食べてしまったから今は聞き役に徹している。今日、クラスであったことをひたすら話し出す彼女。何でも担任の女教師がマジで頼りにならないらしい。その愚痴を延々と聞かされている。けど別にうんざりする気持ちにはならない。むしろ、懐かしいなと感じてしまう。大学生になると、クラスで取り組む行事とか担任の先生っていうのがなくなっちゃうから。青春してんだなぁ、とさえ思えてくる。
「ちょっとアズサ。ちゃんと聞いてるー?」
「聞いてる聞いてる。けど、早く食べたほうがいいんじゃね?見たいテレビあるんだろ?」
「そうだった、それまでにお風呂入っちゃいたいんだ」
そこから急いで食べ、「ごちそうさま」と言いながら皿をかたし出す。俺が洗うからいいよ、と言うとイオリは嬉しそうに笑った。さっきまでの不満げな態度は何処へやらで鼻歌交じりに洗面所のほうへ消えていった、と思ったら彼女の驚嘆する声がした。すごーい、と叫ぶ声が聞こえる。どうやら湯船を見てくれたようだ。彼女が喜ぶと思って泡風呂を作っておいてあげた。こないだ一緒に出掛けた時に買ったアロマキャンドルも用意しておいた。イオリの好きなもの、喜ぶものは何でも知っている。どうすれば笑ってくれるのか、世界中で俺が1番分かる自信がある。
泡風呂に感激したのか、今日はわりと長い入浴時間だった。イオリは慌ててリビングに戻って来る。髪はまだ、生乾きだ。
「それじゃ風邪ひくぞ」
「だって見たいテレビ始まっちゃうんだもん」
火照った顔でソファのど真ん中に座りリモコンを操作している。そのそばに冷たいルイボスティーを置いた。
「ありがとう」
にっこり笑ったイオリの隣に腰掛けたら端へ寄ってくれた。
「ほら、まだ濡れてるって」
「拭いてー」
「ったくしょうがねーなぁ」
口ではそんなこと言うけど微塵も思っていない。この髪に触れられるきっかけを探していた。呑気にテレビに夢中になっている彼女に気づかれないように、タオルでその長い髪を包みこんだ。
キミの喜ばし方も、甘やかし方も俺が1番知っている。この先もキミを守ってゆける自信がある。その気持ちは誰にも負けない。

なのに。

なんで。

どうして、


俺ら“兄妹”なんだろう。

この現実を怨まない日はない。

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