『とりとめもない話』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
いつの日にか聞いた言葉が頭の奥でこだまする。
人はなくしてから気づくんだって。
あんなとりとめのない話でも、もう二度とできないんだな。
─とりとめもない話─ #143
ええ、そうです、風が急に強く吹き出して、開いてたノートが全部閉じてしまって。同時に木々も揺れだしたものですから、茶色い葉が私の頭に乗っちゃったり、まったくでしたよ。
ははは、とりとめのない話ですね。まあ、私はただ、貴方に話したかっただけですから。
そういえば、昨日カフェから出られた後、何されたんです?───
とりとめもない話
小学6年のころの自分は何かと1人になろうとしていました。とりとめのない話で盛り上がる経験はあったのですが、途端にそいつらがくだらないもののように思えて、本を読んでいたほうが有意義だと考えてのことでした。
心に余裕がなかったのかなと思います。自分は中途半端に頭が回るものですから、今でもいろいろこじらせてしまいます。たまには何にも考えずに生きてみたいです。
とりとめもない話
それを私はあなたとしたかった
何かを行うための連絡事項を伝える最低限の会話しか
私達はできなくって
それが私は本当に切なかった
これ以上の仲にはなれないと言われているようだった
だから、あなたと仲良くなるのは諦めたはずなのに
今でも、夢でとりとめもない話をして
朝起きて素敵な時間だったと思うから
現実でもあなたとしたいと思ってしまうから
今でもまだどこか諦めれていないのかもしれない
【とりとめもない話】
僕が発した言葉は人を不快にするようで
誰に何を言ってみても
黒く塗りつぶされた言葉が返される
僕も相手も嫌な気持ちになるのなら
もう黙っていようと決めたんだ
そんな僕の掟を破り捨てて
きみは僕の話を聞きたいという
僕が話す言葉なんて借り物でしかないのに
楽しそうに聞いてくれるきみをみて
お話することが苦しく無くなった
それから
あの曲とあの曲は実は裏設定で繋がっていそうだとか
この曲は中毒性があって頭から離れないだとか
その曲はきみと僕のことを言ってるみたいで最高だとか
そんなどうでもいいような話ばかりして
今日も日が暮れて星が顔を出す
2024-12-17
ささやき声の話が良い。
互いの頬に、息が当たるぐらいの会話が良い。
2人にしかわからない言語の対話が良い。
鳥のさえずり、虫の音と思わせるほどのお喋りが良い。
八つ時に耳を澄ました恋人たちのこの語らいが、
パフェをすくうわたしにはちょうど良い。
(241217 とりとめもない話)
きっと明日には話した内容なんてほとんど覚えていなくて、また会ったら同じ様な話を繰り返す。多分10年前も同じ話をしていたし、10年後も同じ話をしているのだろう。
側からみれば無意味な時間。けど、そのひとときのおかげでまたしばらく頑張れる。
内容なんてなんでもよくて、そこに集まることが大切。そんな仲間に出会えたことが人生の最大の幸福かもしれない。
「だからね〜……で、……があって……」
「ふーん。……で、……なんだね〜」
隣の席の女子高生たちはとりとめもない話をずーっとしている。
私は人待ちで喫茶店にいるけど、かれこれ一時間は経つ。その間、女子高生のおしゃべりは止まることがなかった。
私も女子高生の頃はそうだったなあとしみじみしていると、待ち人から着信が。
『ごめん! やっと最寄り着いた! 今どこ!?』
「コーヒーとサンドイッチが美味しい駅前の喫茶店」
『OK! 奢るわ!』
元気のいい宣誓と同時に電話が切られる。
さてさて、待ち人が来るまでの数分間、冷めたコーヒー飲みつつ彼女たちの話に耳を傾けていようかな。
こういうとりとめもない話こそ案外いい暇つぶしになるんだよね。
普通なのはいやだな。
“パン”にでもなろうか。
でも“パン”だとなんだか味気ない気がする。
だから僕は“メロンパン”になった。
いや待てよ、
“メロンパン”も普通の“パン”ではないか。
『吐息の残滓』
進んでいるとき
忘れてしまった
こと
振り向いたとき
消えてなくなった
こと
全部こころに刻まれる
心地よいパロディ
眠くなるメロディ
人は廻り変容してゆく
さあさあ
お風呂にゆっくりつかろ
労苦の残滓は
くるくる
浄化していってる
後悔と幸せをのせて
ユラユラ
ヒラヒラ
ジンジン
溶けてゆく
大地を感じてゆく
尖った神経も弛緩したね
ピューピューねましょ
【とりとめもない話】
「もしお前が犬になったとしよう」
「は?」
「そうだな・・・犬種はドーベルマン」
「・・・・・・会長」
呆れた様子を隠すことなく呼んだところで大吾の思考は目の前の書類ではなく「峯が犬になったら」なんて非現実的な妄想に染まっている。
「警戒心は高いが、それは洞察力に長けているとも言えるな」
「私は忠誠心も高いですよ。ご存知ですか?ドーベルマンの尻尾や耳は元々あの形ではなく人工的に作られたものなんです」
「どういうことだ?」
「本来の姿は尻尾も長いし耳も垂れている。ですが、人間の道具として扱う際に邪魔になるので切るんですよ」
「やっぱりドーベルマンは無しだ」
大吾は苦い顔をして峯を見る。
峯はしくじったと後悔した。大吾が本部に立ち寄った峯にこうしてとりとめもない話をする時は、疲労が溜まっているサインだと理解している。仕事とは関係のない話をすることで気分転換をしているというのに、胸を痛めたような表情をさせてしまった。
「チワワならどうだ?」
「却下で」
「どうしてだ、可愛いだろう」
「だから嫌なんですよ」
何かを想像したのだろう大吾はおかしそうに笑っている。今度は峯が苦い顔をする番だ。
「さあ、会長。そろそろ書類に目を通してください」
「分かった分かった。可愛いチワワの頼みなら仕方ねぇな」
まだ笑いを含んだ声が放った言葉は聞き流すことにした。
「とりとめもない話」
[俺犬飼いたいなー。]
[プリンって次給食いつ出るんだっけ?]
[歯磨き1年しないとどうなるんだろうな。]
キャッチボールの成り立たない会話。
俺の口から出た言葉は、足音に潰される。
1人でピンポン玉の壁打ちしてるだけ?
1人で球を打ってたとしても、
壁は返してくれているじゃないかなんて、
悲しい事考えながら。
少し俯いた俺は、またあの日々が戻ることを願う。
【#116】
闇が寒いのか、寒いから闇なのかわからなかった。
氷点下の外気に触れたドアノブを握ると、自身の手さえ凍てつくような痛みに手を引く。鍵がかかっているらしい。薄着で放り出されたものだから防寒具を持っていない。徐々に失われる体温に身慄いした。とりあえず靴下を脱いで、それを尻に敷くことによって寒さを凌ごうと体育座りをして頭を膝に預ける。これでもう何回目の闇だ。
なにも、はじめからこんなふうになった訳ではない。
まさか自身の血縁を憎らしく痛めつけてやろうと思う訳ではなく、心が限界になっただけなのだ。他者の分を入れるだけのないくらい水嵩が増していて、だから溢れてしまう。なんて可哀想な人たちだろう。まるで百年の孤独を一日一枚捲っているような馬鹿らしいほど果てしない時間。孤独は孤独を生み出し愛憎は増してゆく。わかっている。愛が足りないから愛を求めて、そして愛の与え方を知らない。身体中に散らばる紫の星は痛みすらないほど慣れきってしまった。家族ごっこして大人になりきれない可哀想な子供に涙が溢れて、冷たさにまた涙が流れる。どうすれば素直に抱きしめ返してくれるだろう。地獄に生まれ落ちた哀れなこども。全部わかっていた。ずっと前の昨日は子どもだったのだから、まだ甘えても良いのだとどうすれば伝わるだろう。不幸は連鎖していく。私だけを置き去りにして物語が進んでいく。哀れな子供が私たちを生み出して、そしてまた新たな愛を知らぬ子が生まれ落ちた。無垢な笑顔は満ち足りていた。聞きたくない事だらけを理解する頃、世界に絶望してしまうだろうか。傍観者で居続けるのも苦しい。道ゆく人たちの不幸そうな顔ばかりが目についた。誰も彼もがこどもの時間がなかったような顔で笑っていて、まるでチープな劇のよう。
ガチャリ。鍵が開く音。靴を履いて一歩踏み出した。
一面が白で埋まった世界にひとつだけ足跡が残っている。
それを綺麗に上から踏みつけて歩き出した。
とりとめもない、白い闇の中で過ごした子供の話だ。
めくるめく日々は頽廃に満ちて。
生まれた時からの記憶がある人はあまりいないようで、記憶力の良さに苦しむ事もありました。人より理解が早かったので、例えば幼児が理解しないだろうという思い込みからくる乱暴な言葉や態度なんかが焼き付いて離れません。でもみんなもずっと前の昨日はこどもだったのだから、私と同じだと思うようになったら何もかもが許せるようになるのです。
少なくとも、生まれ落ちた時の暖かな腕と湿った空気は本物の愛に違いありませんでしたから。
とりとめもない話
お題『取りとめもない話』
「ねぇ、フェネス」
主様呼ばれてお茶を淹れる手を止めた。
「私のお母さんってどんな人だったの?」
薪の爆ぜる音をBGMに、見たいとねだられてお貸しした俺の昔のアルバムを捲りながら、主様は尋ねてきた。
「主様のお母様は、そうですね……一言で言えば陽だまりのような方でした」
目をぱちくりさせると「なぁにそれ」とくすくす笑った。
「ナックは私のことをそう言うし、しかも抽象的だし……」
わざとらしく頬を膨らませる主様に、ついつい微笑んでしまう。
「そういうところ、そっくりですよ」
「そういうところ? そういうところってどういうところよ!?」
「ナイショです」
お茶が濃くなってしまった。ミルクをたっぷり入れておこう。
こうしてとりとめもなく夜が更けていった……。
『とりとめもない話』
あれが好き。
これが好き。
昨日はこんなことをしたんだ。
あれが嫌だった。
これが楽しかった。
幸せだった。
そんなとりとめもない話をできていたのは
もう過去の話。
貴方はここにはいない。
私のそばにはいない。
貴方のいた毎日は
今はもう幻。
でも、私の記憶の一部にはあるから。
貴方との時間、
貴方の存在は
私の一部。
昨日を思い出しながら
誰かにとってはどうでもいいような
とりとめもない話を
ずっとしていられますように。
貴方も。
私も。
貴方と話していた時間。
幸せだった。
これも
そんな私のとりとめもない話。
夕飯が終わり、ソファに座ってのんびり本を読んでいると、彼が横座りで隣に座った。私の腰に腕を回して肩に顔を埋める。
「横向きましょうか?」
「うん、俺のこと背もたれにして」
身体を横に向けて寄りかかると、彼は体勢を変えずに私の肩にすがる。
「あ、来週のシフト、スマホに送っておきますね」
「分かった〜、休みは?」
「ちゃんと合わせましたよ〜」
「でかした〜」
そう言うと、肩に埋まっていた頭がグリグリされてくすぐったい。
「あははは、やめてください。くすぐったいー」
少しグリグリ続けた後、頬に温かいものがちゅっという音と共に触れる。
「明日、終わり早いよね?」
「はい」
「じゃあ、夕飯は外で食べる? 新しいお店できたみたいだから行こうよ」
「行くー!!」
大きく返事をしながら、背中を伸ばして手を大きくあげる。それは身体を思いっきり彼に押し付ける状態だ。
そんな感じで、とりとめもない会話を続ける。こんななんでもない時間が幸せで仕方がない。
おわり
二一五、とりとめもない話
とりとめもない話
今日も仕事した
子供たちと遊んだ
怒ったりもした
たくさん抱きしめた
みんなで一緒にご飯食べれた
たくさんの笑顔が見れた
こんな日がずーっと続けばいいのにって思った
毎日幸せなんだな
とりとめもない話
生きているとしんどいことばかり
だんだんみんなわかってきた
だからこそくだらない話ができることが
どれだけ幸せなことかわかってきた
悩み相談じゃなくて
とりとめもない話がしたい
でも今日はそんな元気もないから
夢の中で会いましょう
とりとめもない話
母と話してると、混乱する。
主語は何?
主旨は何?
話の着地点はどこ?
とりとめのない話を延々と続ける母。
最近気づいたけど、私も似てきた。
そして自分で話しておきながら自分で混乱する。
とりとめのない話に。
とりとめもない話
学生の時、友達と話してたら
『オチは?』
って聞かれたから
「これで全部。ない」って答えた
『ないなら作れよ』と言われて
それ以来、オチが無いかもって思ったら
ちょっと作って足すようにしている