『ところにより雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ところにより晴れ
閉め切った二重窓は分厚く
重い色に堕ちたカーテンで隙間なく光を遮る
日光を嫌うように
時計も置かぬ部屋の壁紙に広がるのは
いつか描いた色褪せた夢
カーテンを一枚脇に開けば
差し込む光はとうに弱々しい
なぜ、威厳を保っていられるのか分からないほど霞む
朝方交わる人すらも空を見上げないのに
次期の晴れ間が見えたら
覚えた笑顔の芽をこんなにも愛おしく育ててくれる
雨っていいよね。
しとしと降る雨もあれば、ザーザー降る雨もある。
雨の音って聞いてて飽きない。
それと同時に私に伝えてくれる。
『今日きっといい事あるよ!』って
雨の日って自分にとって本当に特別な日。
明日も雨降らないかな
#ところにより雨
【ところにより雨】
今日はとってもいい天気よ、と
電話の向こうで君が明るく言う
続けて、ところにより雨らしいけどと笑うのを聞いて
そのところにより雨、っていうのが降ってるよと僕
あら、それは残念ね、と言うので
残念じゃないさと答える
雨が好きなの?と言うから
そういうわけじゃないと返す
今日の〇〇市の天気は晴れ
ところにより雨
雨が降っているのは憂鬱だけど
僕は雨音を聞きながら君の声を聞く朝が
好きなんだ
『ところにより雨』
雨が降る日。
私は大好きだ。
その日は結構いい事が起きる日だから。
だから私は雨の日が好き。
[今日の天気です。今日は全国的に晴れますが、ところにより雨となるでしょう。最高気温は……]
雨が降っている。
朝の天気予報でそう言われたはずなのに、
残酷にも現実は予報通りにはいかないらしい。
全国的に晴れじゃなかったのかよ、なんて吐き捨てるように呟いた言葉は、雨の音にかき消されていった。
田舎の農家の家に生まれ育った俺は、子供の頃から
「雨が降っているのは、優しい神様が私たちのために雨を
降らせてくださっているからだ」と教えられた。
別に俺自身は神様を信じている訳では無いが、もしそうなら
神様は俺の涙を隠すために雨を降らせてくれたのだろうか。
雨のおかげか、周りには人ひとりいない。
目を瞑り、天を仰ぐ。
傘も持たずに出てきた俺に容赦なく雨は降り注ぐ。
でも、涙を誤魔化してくれる雨は今の俺にとっては好都合で。
俺は膝から崩れ落ちるようにその場に蹲り、
声をあげて泣いてしまった。
俺の声と雨の音だけが響いている。
雨が降ったあとに太陽の光がさして、虹が出るように、
きっとまた立ち上がれるから。
だから、今だけはどうか心ゆくまで泣かせて欲しい。
雨はそんな俺を、俺の声を隠すように更に強く降り始めた。
『ところにより雨』
ところにより雨
虹の根元に雨が降る。
古森ひとつを覆う灰色の雨垂れ雲を見上げながら、オーレン、元傭兵、今は農民の男は小さく笑った。
「ここが森でよかったな。こんなおかしな雨雲、国だったら面倒な事になるところだった」
「当代の雨降らしは仕事が雑だよね」
古森に住む魔女、黒い巻き毛のアンジェリカはモスリンの肩掛けをちょっと撫でて鉢植えを手に取る。しかし、嵌め込み窓の歪み硝子を叩く雨粒の勢いに、考え直したらしくまた元の位置に戻した。
この魔女の得意は薬草の育成と調合だ、部屋の大半を占める夥しい鉢植えの数々は、全てこの魔女の財産である。オーレンは時折この魔女の手伝いをして、小遣い稼ぎをしていた。
「今日の仕事、無駄になっちゃったかな」
この火吹き草の鉢植え全部外に出したかったんだけど。小さく呟くその手の鉢植え、赤く萌える火吹き草に水は天敵である、淡くため息を落とす魔女に、手伝いのため呼び出されたオーレンは、
「まぁ俺は、こういうのも悪くないと思うがね」
勝手知ったる台所で魔女のために珈琲を淹れてやりながら、にやりと笑った。
香る珈琲と雨粒と緑の匂いに、魔女は、そうだね、と俯きながら小さく囁く。
聞こえるか聞こえないかの囁きだったが、ゆるい巻き毛の隙間からほんのり薄紅に染まる魔女の耳朶を流し見て、今はそれで充分だとオーレンは満足した。
《ところにより雨》
それってつまり、微笑みうつ病ってこと 雨男すぎて室内でもこうもり傘をさしている 植木鉢に如雨露からやさしい雨が降るよい日和 こっちでは満月が綺麗だよ、君の方ではどうだい……降ってなければいいんだけど
シャラシャラと哀しい音が世界中からするみたい
気分によって、ところによって
あの人が私をみてくれなかった
時だけ、雨が降る
戸惑いながら
はにかみながら
銀色のドレスきた雨が
降りてくる
小さい花
ところにより雨
ところにより雨という言葉を知っている人はいるのだろうか?
私は、初見でこのお題を見た際、頭の中が?で覆い尽くされた。
調べてみたら、天気予報などで予報していた範囲より半分も狭い範囲で雨が降ることを指すらしい。
成程…難しいなと調べていて思った。
そして、新たなことを学べたとも思った。
『ところにより雨』
私の街に雨が降る 亜麻色の屋根にしとしとと
君の街はまだ曇り 雲行きが怪しいというやつだ
天気って面白い ところにより姿を変えて 誰かの街では晴れ晴れと笑っているんだろうな 白茶の毛を濡らした猫が今 せわせわと帰ってきたよ
おはようございます。本日の天気をお知らせします。
今朝は窓からのすきま風と暖房の不調により、室内はあまり暖かくならないでしょう。各自、防寒対策をして向かってください。お昼すぎからは日差しが出ますが、時間が短く、洗濯物を干すにはあまり適しておりません。
では、各地の天気をお伝えします。
まず須藤一樹君は、概ね晴れの状態ですが、冷気による冷えで雨が降る見込みです。特に夕方から夜にかけての冷え込みには注意しましょう。
次に二宮彩歌さんです。昨日から局地的な激しい雨が続いてましたが、だんだん落ち着いてくるでしょう。ただし、まだ天気が不安定なため、念の為に折りたたみ傘を持参しましょう。
最後に高橋一二三君です。高橋君も激しい雨が続いてましたが、だんだん落ち着いてきます。後半は暖かい風が吹いて、曇りではありますが比較的快適に過ごせるでしょう。
今日一日、皆さんお気をつけて過ごしましょう。
以上、天気予報でした。
#5 : ところにより雨 2024年3月24日
" ……ところにより雨になるでしょう "
朝、いつも通りご飯を食べているとその声が耳に入ってきた
「また雨降るのか分からないのかぁ〜」なんて思いながらいつも通りすごす
でも待って、ところにより雨
その言葉もしかしたら世界中に今涙を流している人が沢山いるんじゃないか、
だから地球もそれに合わせて泣いてくれているんじゃないか、
考えれば考えるほどよく分からなくなってくる朝
虹を探しに出かけましょう
ときどき 晴れ
ところにより 雨
ところにより雨
地球規模なら普通
むしろ当然
当たり前
そりゃ何処かは雨
近場でも天気アプリで
ある程度は判る
かなり便利になりました
この季節の雨
冬から春にかけては
かなり手強いね
出掛ける前なら
なんとかはなる
だけど急な雨が厄介
どれくらい降るのか
今はある程度に判るので
その都度、対処しましょう
雨も必要なので
感謝しましょうよ
関係のない場所でなら
降られて困らないんだけど
何処かではある
ここではない
それでも降るのです
起こるのです
何にしたってさ
無くなりはしない
良し悪しは別にして
関東じゃ、そろそろ桜の開花も近いとかで、街行く人たちは華やいで見えるけれど、みんながみんなハッピーなわけじゃない
人知れず悲しい思いを抱えている人だって
急にパラパラと降り出したのは、誰かの涙雨かも
そんなことを考える僕の心も、少し雨
楽しいことには晴れて悲しいことには雨が降るそれが人生
ところにより雨という予報は信じる方だ。雨に濡れるのがとても嫌だし、折り畳み傘はほとんどいつも持ち歩いている。
使わなかったなぁとがっかりするより、持っててよかったと安堵する方に重きを置いているのだ。
おかげで我が家にビニール傘は一本もない。
今日は現実的な話でもいいんやけど心の方でいこおかなぁ。例えば心の中も晴れてると思うけど隠れて雨が降っているかも。内容は薄いけどいつも明るい人ほど心の奥で泣いていたり雨が降っていたりするかもしれない。だから元気なんだからを理由に無理をするのは良くない。
美味しいものを食べている時、好きなテレビ番組を見ている時、推しの歌を聞いている時、好きな人と並んで歩いている時。――不意にそれは訪れる。
「なんでこんなに世の中は面倒なんだろう」
「なんでこんなに人の視線が気になるんだろう」
頭の中にむくむくと湧き出す黒雲。
それはあっという間に体中を広がって、やがて胸の一隅を占めていく。
そうなるともう駄目だ。
打ち消そうと楽しい事を考えても、黒雲はどんどんどんどん広がって、楽しかった気持ちを塗り潰していく。
季節のせい、体調のせい、何とか理由づけが出来ればまだマシな方で。
そういう外的要因が無いのに黒雲は突然湧いてくる。
叫んでどうにかなるならいい。愚痴ってどうにかなるならいい。
そうならないから困っている。
何にもないのに憂鬱で、充実しているはずなのに空っぽで、不自由はないはずなのに息苦しくて、説明出来ない苦しさに苛まれる。
こういう時を〝魔が差す〟瞬間というのだろう。
「それで殺されたんじゃ被害者は浮かばれませんわ」
嗄れた声で言いながら、年上の部下は腰をあげる。
「まぁねえ。でも、往々にしてある事だから」
差し出された血塗れの財布を受け取る。
「まだ若いのにな。かわいそうに」
「若かろうが歳取ってようが殺されるのはかわいそうな事ですよ」
「·····いやに棘のある言い方だね」
「そうですか」
――あぁ、そうか。
〝魔が差す〟瞬間ってのは、仕事が何であれ訪れるものなんだ。
部下の手に握られた拳銃の、黒くぽっかりと空いた穴を見ながら他人事のようにそんな事を思った。
いつの間にかポツポツと、冷たい雨が降り出していた。
END
「ところにより雨」
しれっと探り合い。
2024/03/24㈰
雨でした。
イベントへ向かう電車の中、
長刀かなにか、わからないけれど
武具を持った男性たちがいた。
これから、稽古場に向かうんだろう。
雨の日だから、大変だね。
全員、傘を持っていなかった。
長い刀を持っていると、傘はさせないもんね。
古式ゆかしい武道をするのも、
精神的鍛錬になった良いだろうなあと、ぼんやり思った。
バスを乗り継いで、イベント会場へ。
周囲の人達から、僕に対する嘘くさい話しを聞かされて、僕も微笑んで
「本当ですか?」なんて答えたけど、心の中は、騙されないぞって気持ちを固くした。
そうして帰って来た。
疲れたって、帰宅後に7回は言ったな。
みんな楽しそうだったけど、
関わりになってはいけない人達。
これからの僕にとって。
今日良かったことは
バスの運転手さんと
乗り合わせた乗客の女性から
親切を受けたこと。
運転手さんの対応に合わせて、
乗客の女性が、更に親切にしてくれた。
捨てる神あれば…ですよ。
パンも買えた。
おやすみ。