『ところにより雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
テーマ:ところにより雨 #132
「〇〇の地域に、ところにより雨が降るでしょう」
テレビを見ているとアナウンサーが言った。
その「ところにより」がこの地域なのが憂鬱になる。
雨は嫌いだ。
ジメジメしているし。
雨の音は集中力を切らしてくる。
おまけに外に出ると濡れるし、
そんな外で遊ぼうと言ってくる友達もいない。
「ところにより晴れ」にしてほしいなんて、僕は思う。
そんな僕には変わった友達がいた。
『雨降ってるね〜』
なんてわざわざわかりきったことを、連絡してくるやつだ。さらに
『雨、好きなんだよね〜』
などと言ってくる。
勘弁してくれよ。共感できないことを……。
ただでさえ天気悪くてだるいのによ……。
そんな僕のことを察していないのか続ける。
『雨の音ってきれいだよね』
ただの集中力を切らす音じゃないか。
僕はそう思い、思ったとおりに返すと秒で返事が来る。
『雨だからってマイナスに思っているからそういうことを思うんだよ。雨だって晴れに負けじと魅力的よ』
そんなことを言われてもなぁ…。
『だって、傘に当たる雨音と窓に当たる雨音って違うじゃない? そうじゃなくても風の吹き方や雨の強さだって違う。そういう自然の音が好きなんだよ』
ふーんと思いながら、ベランダの方へいき雨を見る。
面白くもなんともない雨が降っている。
でも確かにいろんな音が耳を澄ませば、聞こえてくる気がする。変わったやつだが、コイツといてつまらんことはないんだよな。
降り続く雨音を聞き、案外悪くないかもなと思っている自分がいた。
ところにより雨となるでしょうみたいな予報で雨にあたったことがないし、大体雨が降ってても私が出かける時には晴れるのでまあまあ晴れ女感はあるけど個人的には土砂降りの雨の中、傘ささないで帰宅するのが大好きだったりする。
ところにより雨
雨のところ見つけにいこう。
雨は新鮮な感じがする
冷たいし、音なるし、暗くなるし、
虹が見えたらラッキーだよね
それから、ナメクジ好きだから
見つけられたら嬉しいな。
ゆっくりゆっくり歩いてんの
めちゃかわいい
あと湿って足あとつくところもかわいい
まわり雨降ってるのに
雨降らないお花畑とかあったら
幻想的だよね
スマホから
流れる予報
きみの声
『ところにより雨』
振るなら降って
【ところにより雨】
思えば、晴れている時の方が少なかった。
燦々と輝く太陽が顔を出していたのは、ほんの少しの間で。
それ以外は、いつだって曇っていた。
それなら、それだけなら良かったんだけどね。
どうしたって、嵐が来ることだってある。
どしゃ降りの雨があったこともある。
猛吹雪に見舞われて、途方に暮れたことだって。
けれど、どうにも現実味がないままで。
晴れ、雨、曇り、雪、霙、雷雨……。
表す言葉はいくらでもあるのに、全部、全部、”ところにより雨”でしかなかったんだろう。
ところにより雨
日本列島は細長い。
あるところでは、満開近い桜を散らす花散らしの雨。
あるところでは、まだ桜も咲かず快晴。
花に嵐のたとえもあるぞ。
桜前線。
ところにより雨。
ところにより雨ということは
ところにより雨ではないということ
心も晴れている時もあれば、ブルーな時もある。
いつかは晴れるのだから、落ち込まずに
自分だけの人生を謳歌しよう。
雨の振り次ぐ中で、雑踏の中で目を見開いてもたいした痛みは伴わなかった
水くさい匂いに塗れたとき、まぶしい夏が胸のそばに今さら溢れかえり、ふと我に返った
君の好意を受け止めきれないことただそれがわたしの背負う罪で汚点で痛みだった
「ところにより雨」
そんなニュースが流れる
「気にすることないぜ」
そう。苦笑いする彼
「そ、そうだよね」
私も苦笑いをする
私たちは
この人の感情なのだから
ところにより雨
もし、雨が''飴''になって、降ってきたら
楽しいなぁと考えたことがある。
雨嫌いな子を減らせるんじゃないかって……
でも傘をさして、貫通し
飴に当たり怪我をする人が多いそうから辞めた笑
悲しみの
雨で
濡れないよう
いつも
いつも
私のいる場所には
守ってくれる
貴方の傘が..
でもね
たまには
私も
貴方の
傘になりたいの
大切な
貴方の傘に
言葉は届いたのだろうか
届かなかったのだろうか
想いはこめた言葉だった
答えはわからず
幸せであれ
君の今居る場所はどんな天気だろうか。
晴れてるだろうか、雨が降っているだろうか、それとも
曇っているだろうか。
風は強いだろうか、逆に吹いていないのだろうか。
乾燥しているだろうか、それとも湿ってじめじめしているだろうか。
暖かいだろうか、涼しいだろうか。
僕は君が今どんな環境を生きているのか想像するのが
楽しくて仕方ない。君の生きる世界を想像するのが凄く
楽しくて、それと同時に君の隣に立っている僕を想像してみたくもなる。
僕が今立っているこの場所は雨が降っている、湿った風が吹いていて蒸し暑い。正直最悪だと思う。
でも、君の立っている場所は晴れていて、風もなく涼しいかもしれない。というかそうであって欲しい。
「所により雨」って言葉。
雨が降ってるのは極わずかな範囲。
きっと君の所は晴れていて僕の所は雨が降ってる。
僕はその"極わずか"を引き当ててしまったのかもね。
天気に例えたけどさ。心配事が起きるのって"極わずか"な確率なんだ。君が心配してる事の殆どは起きない。
だからどうか、胸を張って堂々と挑戦しておいで。
きっと待ってるのは青空で、もし雨空だったら
「ついてないなー」で済ませれば良いから。
『何かに挑戦する貴方に1点の雲のない空が
広がっていますように』
-とある少年の独白-
ところにより雨
夢が見つかって
尊敬する人に出会えて
眩しいくらいの晴れ
でも
私にはカリッと欠けた部分がある
心に雲がかかる
雨がぽたぽたと
間を滲んで
入ってくる
ところにより雨
―ところにより雨―
「…
午前中は曇りの地域が多いですが、
午後はところにより雨の見込みです。
最高気温は先週と比べ低い地域が…」
と、指示棒を手にした天気予報士は
淡々と予報を告げていく
ところにより雨
結局その日は何も降らなかった
遠い空を見渡しても
雨雲なんて見えなかったが…
ところにより雨
こころにより雨
雨模様なのは、私の心か
本日、晴天。舞い散るは花、降るは淡色。
遠のく背中、君の振る袖。
狐も続いて後を追う。頬を伝うは温い夢。
飽く晴天の空、ところにより雨。
ーところにより雨ー
最近、すっかり暖かい。
冬が溶けて、春が咲いていく。その、狭間の季節だ。
今日は晴天。通りがかりの公園で、ちいさな子どもたちが遊んでいる。
あちらでは、白い犬とその飼い主らしき人が、のんびりと散歩をしている。
穏やかな午後の昼下がり。
青空を見上げて目を眇める私の頭上にだけ、雨雲がある。
つい昨日までの六年間、ずっとずっと好きだったのにと、心の中に雨が降る。
『ところにより雨』
2週間ぶりに先生に会えた マスクしない笑顔がなんだか新鮮だったな
帰りに手を振ったら振り返してくれてあーもうこれで前に進まないとなって思えた
先生へ 少しでもいい 新しい環境になっても思い出してくれたら嬉しいです またね
国境の長いトンネルを抜けると外は豪雨であった。
川端康成よろしく雪国であった方が風情はあるが、実際の利便でいえば、まあ雨の方がよろしい。
列車が駅に到着する頃にも雨は続いており、駅舎の出口に人がたまっていて難儀した。
「こら、雨雲さんが誰かを追いかけとるわ」
「雨雲さん、どなたかお探しじゃのう。はよう見つかるとええが」
地元の人らしい爺さん方がカラカラ笑いながら言い合っている。
尋ねると、雨雲さんとよばれる神社があって、ちゃんとした名前は覚えていないが龍神様が祭られている。雨雲さんは土地にやってきた人間に気にいらんものがいると、神社にお参りにやってくるまで通り雨を降らすのだという。
お参りに行った途端に雨がやんだら、その人間が雨雲さんが気にいらんもの、ということになるらしい。
「気にいらんのに参拝せねばならんのですか」
「そらキミ、いっぺん顔見せい!挨拶しに来たら勘弁したるわってことやろ。温情、温情」
「罰が当たるわけでもなし、お客さんにはみんなお参り、行って貰わな困るわ!」
天候と反対に陽気な様子でカラカラ笑って、爺さんたちは慣れた様子で駅舎を出ていった。
話が本当なのかは自分にはとんとわからないが、宿に荷物を置いたあと件の神社にお参りすると、参道に入った途端に雨はスンとやんで空はカラッと晴れ渡った。
なるほど、温情、温情。
ところにより雨
朝────
私はテレビをつけ天気予報を見た。
"今日は、ところにより雨が降るでしょう。"
天気予報士がそう言っている。
その言葉を聞き、
別に大丈夫だろう。傘は要らないだろうと⋯
そう思った自分を後悔する時が来るのだろうか──。