『たそがれ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
黄昏時にしか現れぬ境界よ
混沌渦巻き魑魅魍魎が蔓延る異界を開き
異界の住民を、我が身を通し現界せよ
〖憑化〗悪魔憑き
【詠唱っぽいのを書きたかっただけ】
「じゃあね、バイバイ!」
手を振りながら、彼女は去っていく。
さっきまで彼女と一緒に遊んでいたのだが、家の用事があると言って帰っていった。
スキップしながら帰る彼女。
一緒に遊んだのが、よっぽど楽しかったらしい。
だが僕はあまり楽しくなかった。
ずっとあることを考えていたからだ。
『この子、誰だ?』と……
ここはドが付くほどの田舎。
この辺りの人間とは全員顔見知りだ。
だというのに、あの子の事を見たことがない。
あの子はいったい誰なんだろう。
彼女の姿が見えなくなった事を確認し、僕は後ろに振り向く。
そこには、友達のダンとシバがいた。
二人の目をまっすぐ見て尋ねる
「今の誰?」
『もしかしたら二人なら知っているのでは?』という淡い希望を抱き、友人に尋ねてみる。
だが友人たちの反応は思わしくないものだった。
「お前はバカなのか、サブ。
お前が知らないのに、俺が知っているとでも?」
ダンは呆れたように、僕を見つめる。
聞いてみただけなのに、酷い言いようである……
「おいらも知らない。
でもあの子、甘い匂いがしたから、お菓子を持っているはずさ」
シバはよだれを垂らしながら、どうでもいい事を口走る。
まあ、シバには最初から期待してない。
「聞いた僕がバカだったよ。
それよりも、今の内に対策を練ろう。
明日もきっと来るぞ」
そう、彼女が何者かはどうでもいい。
彼女がまた来るのが問題なのだ。
僕は危機感から、作戦会議を促す。
だがダンとシバは、困惑するように目を合わせた。
「別にいいんじゃないか。
悪い奴じゃなさそうだしな」
「おいらも別に。
お菓子くれるならだれでも」
僕のやる気とは裏腹に、二人の言葉は冷めたものだった。
緊張感のない友人たちに、僕は危機感をさらに募らせる
「もっと真剣に考えてよ。
幽霊だったらどうするんだ」
「幽霊って、お前いくつだよ……」
「もしかしてお菓子をくれる幽霊?」
「違う!」
だめだ。
二人に頼ろうとしたのがバカだった。
僕だけで何とかしよう。
「もういい!
俺が何とかする!」
「「どうやって?」」
「それは……
分かんないけど、とりあえず尾行する。
きっとボロを出すはずだ」
「ふーん、面白そうだし、付いて行ってやるよ」
「お菓子くれるといいな」
「全く緊張感のない……」
僕は真相を確かめるため、女の子を尾行することにした。
まだ別れてから時間は経ってない。
走ればすぐに追いつけるはず。
尾行ミッションの開始だ!
だが女の子はすぐに見つかった。
走ってすぐの所に、たくさんの人間が出入りする家があった。
何事かと見ていると、すぐそばに女の子がいたのである。
そして彼女の向かう先には、母親と思わしき女性がいた。
「ママー、ただいま」
「おかえりなさい、あら服が汚れてる。
遊んできたの?」
「うん」
どこにでもある普通の親子の会話。
普通なら騙せるが僕は騙されない
「みんな油断するなよ。
これは罠だ!」
「何の罠だよ……」
「そうだね。
お菓子貰えるかも」
「いいから!
監視を続けるぞ」
僕は親子二人の様子を、見逃さないように神経を集中する。
一見普通の人間のようだが、きっとボロを出すはずだ。
なにかしらのボロを……
「私ね、友達出来たのよ」
「友達?
えっと、この辺りには『子供』はいないはずよ。
誰と友だちになったの?」
「それはね……
あっ、あそこ」
突然女の子に指を差され、体が跳ねる
とっさに隠れようとするが、周囲には何もない。
くそ、やっぱり罠か!
「ほら見てタヌキさん!」
「へー、お友達ってたぬきのことだったのね」
だが女の子と母親は、僕たちの方を見て笑うだけで何もしてこなかった。
「頭が良くて遊んでくれたの」
「良かったわね。
でもタヌキさんたち、何しに来たのかな?」
「うーん……」
女の子はなにやら考え始めた。
僕たちを罠に嵌めといて何を考えることがあるのか?
それとも罠じゃないのか?
人間の考えることは分からん。
「あ、分かった。
私、言ってないことがあったんだ」
だが、分からないことだらけの人間でも、一つだけわかることがある――
「明日もきっと、遊ぼうね」
彼女は、明日もきっと、遊びに来るのだろう。
私は、今。夕陽を眺めながらゆっくり歩いている。親友と喧嘩をしてしまったのだ。私が悪かった、明日謝ろう。と黄昏ながら後悔するのだった。
好きな曲にたそがれ色という歌詞があります。(SixTONES Alright)
(お題と話が違うと思ったらすみません)
その曲やっぱ良いんですよね。
元気だそうっていうか、なんというか。
少し懐かしい感じもしたり。、、
たそがれっていうのは懐かしい感じなのだろうか?
久しぶりの実家は
あまりに退屈だった。
ド田舎にある私の生まれ育った家。
そんなに思い出は残ってない。
多分取り壊されると言われても
ふーん。で終わるだろう。
でも私は
この街が好きだ。
ショッピングモールはないが、
喫茶店くらいならある。
レトロな雰囲気のこの喫茶店は
夕焼けがよく見える。
たまに「たそがれどきだなぁ」
なんて言ってみたりして。
こんな洒落た言葉似合わないけどね。
今日は母の病院の付き添い。
ちょっと成人した風に話してたけど、
実はまだ16ね。
久しぶりの実家って言うのは、
いつも喫茶店寄ってたから
夕方家にいるのが久しぶりってことね。
ちょっとややこしい?
まあいいや。
病院の入ってすぐの靴箱の横。
「ご自由にお持ち帰りください。」
と書かれた紙と共に置いてあるのは
一輪の花を飾る用の小さい瓶。
ぐにゃぐにゃとウェーブしていて
とても綺麗だ。
ここの瓶はいつも1つ持って帰っている。
スズランを飾るんだ。
カップが逆さになったみたいな花。
お気に入りの花。
その瓶に
"Good Midnight!"
って書いたラベルを貼って
自分の部屋でずっと眺めて。
時々風が窓から入ってくる。
もう10月か〜。
もみじの葉が散るまで
あとどのくらいだろうか。
伸びゆく影に
首をかしげて
夕日の赤さ
全身で受け
あれはなあにと
歩くあなたの
のびのびとした
小さな背中
ぼんやり見つめ
微笑んで
うつむき歩く
昨日の私
窓際でよくたそがれている人がいる
でもたそがれたいわけじゃない
【たそがれ】
中学の国語の先生から聞いたのは
誰そ彼
向こうから来る人が誰なのか
見分けがつかなくなる夕暮れ時
誰ぞ彼は
みたいな語源で日本特有の綺麗な言葉だと聞いた
確かに!と
大人になったら使いこなしてやろうと思ってたけど
実際に使われてるのは
哀愁を纏った雰囲気
何故だ?
地域性?
夕暮れ時にお別れの話だったかしら?
あぁでも
顔が見えるか見えないかの
距離感なら
何となく分からんでもないや
暗くなる時刻がだいぶ早くなった。
涼しくなるのはとっても嬉しいけれど薄暗くなるのが早いと気分的に急かされて嫌だ。
夕食の用意 洗濯物の取り入れ 玄関の常夜灯
そんなもんか…と言われそうだけれど気が急くのです。
夕闇の中徐々に浮き上がるイルミネーションをのんびり見ながら待ち合わせ場所に歩く…
人生の黄昏と言われる歳になり、そんな頃が懐かしい秋の夕暮れ🌇
ーたそがれー
満潮になった
海を眺めるけれど、
僕の影は映らない。
波が迫ってきては
遠のいていくけれど
僕のことは
濡らさない。
オレンジ色の波は
あの日の黒い波を
隠すように
暖かい面を見せるけれど
中は深く、冷たくて、とても。
僕と一緒だね、なんて
呟きながら、
黄昏時にここにいた頃の
自分に赤い涙を流すんだ
冷たい空気の中にふぅっと白い息を吐いた。
彼は、二階の窓から売り払った肥沃な畑を眺めながら、夕飯の具材を考えていた。
人参、じゃがいも、玉ねぎ、ベーコン。
ちょうど、小麦色の少年たちが畑にやってきて片手に虫取り網を持って駆け回る。
遠目でも見える赤とんぼの群を追いかけていた。
作物のない土壌はもの寂しいが、彼の孤独を慰めた。
1人になってから一年。
彼は、色葉散る寒い夜にはポトフを煮込もうと決めていた。
たそがれ時の赤と青が混じる空
一隻の船が人々に見送られながら港を出発した
沈みゆく太陽に向かって進む船は絵になる
明るい未来に向かって進んでいるようだ
自分に絵描きの才能があったなら
この美しい一瞬を
紙に残せたのに
たそがれ
日本語って美しいよね!
黄昏時って漢字も風情がある。
これから日が短くなる一方で陰極まる
夏の酷暑より全然良いが物悲しくなるね。
黄昏時の森を私は永遠に彷徨う。
何分、何時間、何日、何年経っても、この黄昏時の風景が変わることはない。不思議と空腹や喉の乾きは感じない。まるでここの空間だけ時が止まっているかのようだ。私は歩き続けてどれくらいの時が過ぎたのだろう。何も分からない。私は一体いつになったらこの森を抜けられるのだろう。
西の空が朱色に染まり
陽が隠れる間際の僅かな時間
一日の中で一番綺麗な空だと思う
朝日が昇る時間も綺麗だけれど
夜の帳が降りる瞬間がいい
街ではこれからがお楽しみだと
ネオンが灯り昼と変わらぬ光が溢れる
だけど私は
沈む夕陽を眺める生活の方が好ましい
「たそがれ」
#たそがれ
いつもより遅めの帰宅。
夜ご飯なにかなぁと考えながら歩く黄昏時が心地いい。
たそがれたい日もあるの‼️
常に誰かと帰りたいわけじゃないの!!
たまにはひとりで帰りたいの!!
暗いしこわいけど、フッカル&よく喋る私にもそういう気分の時だってあるの‼️
赤トンボを見つけて立ち止まる
まだまだこどもみたいだなって
思ってるんだろうなぁ
ふと隣を見ると
同じように立ち止まってくれるきみがいた
同じものを同じ気持ちで
ちょっとくすぐったい気がした
そんな黄昏時
黄昏に憧れる
貴方はその先に何を見ていますか
何に思いを馳せてますか
切なくさせる
横顔がきらいです
たそがれで思い出すのは祖父のこと
豪快な笑みには
たくましく生きてきた強さ
積み重ねてきた経験
培われた優しさ
そんなものが交わっていた気がする