冷たい空気の中にふぅっと白い息を吐いた。彼は、二階の窓から売り払った肥沃な畑を眺めながら、夕飯の具材を考えていた。人参、じゃがいも、玉ねぎ、ベーコン。ちょうど、小麦色の少年たちが畑にやってきて片手に虫取り網を持って駆け回る。遠目でも見える赤とんぼの群を追いかけていた。作物のない土壌はもの寂しいが、彼の孤独を慰めた。1人になってから一年。彼は、色葉散る寒い夜にはポトフを煮込もうと決めていた。
10/1/2024, 1:51:38 PM