『それでいい』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
俺の足の間におさまっておとなしくブラッシングされている君は森に住むおだやかな動物のよう。
最初こそ自分で適当にやるとか人形じゃないんだからと言って嫌がっていたけれど、今は気持ちよさそうにうとうとしている。
花の香りがするふわふわな髪。ずっとこうしていたいけど時間がいくらあっても足りなくなってしまう。
「さて、そろそろ。」
「…ん。おわったのか。」
「ブラッシングはね。今度は三つ編みをするよ。
かわいいアレンジを見つけたんだ。」
え、いや、もう、と何やらごにょごにょしていたが
また俺に背を向けた。そうそうそれでいい。
「かわいいお人形さん。これにしてもいい?」
「…うん。それでいい。」
良い休日だ。なんてことない会話。やさしい沈黙。
こういう日常。
それでいい
今日も仕事で失敗した。
でも違う、前までの生活とは違う。
私には帰るところがある。
「あ、主様!!おかえりなさい!」
今日も私の執事が出迎えてくれる。
「ただいま。ラムリ。」
「今日も仕事お疲れ様です!
よく頑張りましたね。」
そう言ってニコニコ笑う彼を見て、
私は、はぁ…とため息をつく
こんな幸せでいいのだろうか、いや、今までが幸せじゃなかった。
いいんだ。幸せになって、これでいいんだ。
………なんて、夢をみて、今日もまた、仕事に向かう。それでいいんだ。
それでいい。
その言葉でようやく及第点に到達したと実感する。
感動。からは遠い。
まだ課題が多くある、と言うことだ。
何処をどうしたら。どうやったら。
「焦らなくていい」
その言葉に無言で答えた。
それでいい
それでいいよ
それでいいんだ
それでいいからさ
もうあの子をさ
何となくで、傷つけないでよ…ッ
そう願ったあの日から、幾年経ったのか。
街は見事に荒れ果て、僕以外に人間はいない。
人の声なんて聴こえない。
動物の鳴き声と、鳴り止まない学校のチャイムと。
それでいいと願った僕の涙が。
永遠の世界に閉じ込められてる。
「それでいい、そう言ったのはあなたでしょ」
作品No.5【2024/04/05 テーマ:それでいい】
※半角丸括弧内はルビです。
「お昼ご飯、何がいい?」
私がそう訊くと、昌和(まさかず)は、
「なんでもいい」
と、気のない返事をこぼしてきた。
〝なんでもいい〟? 不機嫌に問い返したい気持ちを押し殺す。
「インスタントラーメンでもいいかな?」
「それでいいよ」
〝自分がつくるよ〟もない。どころか、〝お願い〟も、〝よろしく〟も、ない。料理は、自分がするべき家事ではないと思ってるのだろう。
「じゃ、私つくるね」
「おー」
そんな昌和の様子に、私はさらに苛立ちを募らせる。ここまで、昌和は一度も私を見ようとしなかった。夫婦になって二十年、子どももいない夫婦なんてそんなものなのかもしれないけれど、なんだか虚しくなる。
塩味袋麺を調理することに決めた私は、昌和に対する小さないやがらせをすることも決意した。
冷凍庫から、冷凍コーンを取り出す。トウモロコシ嫌いな昌和は、これを見たら怒り狂うかもしれないけれど。
それでいいや、と思った。
「『それでいいですか』、『それでいい加減手を打ってくれ』、『それでいいすぎ、とはさすがに言わない』『それでいいように丸め込まれました』。……他には?『それで飯田橋にはいつ着きますか』とか?」
個人的には、せっかく都内の現代風で連載モドキ書いてるから、「それで飯田橋には」書きてぇけどな。
某所在住物書きは地図アプリやネット検索とにらめっこしながら、せっかくの桜シーズンなので、「満開の桜と東京」を執筆すべくアレコレ云々している。
「『それで飯田橋』、飯田、千代田区、神田川……」
物書きは呟いた。
「観光客、マナーとルール……」
外人邦人にかかわらず、ここ数年、撮影を目的とした危険行為を、よく見かけるようになった気がする。
自分の暴挙で事故り自爆したところで、それは個人の自業自得だが、それで、いいのだろうか。
――――――
せっかく桜も満開になったのに、天気予報がイジワルで、向こう数日雨雨々。いかがお過ごしでしょうか。
晴れだろうと雨だろうと花粉気になる物書きが、こんなおはなしをご用意しました。
最近最近のおはなしです。都内某所のおはなしです。
某稲荷神社は森の中にありまして、
そこはなんと、不思議な狐のチカラと、御神木の花粉知らずなヒノキのご利益で、スギの花粉もヒノキの花粉も、勿論イネ科もブタクサなんかも、悪い花粉は全部、ちっとも悪さをしなくなるのでした。
稲荷神社の敷地内にソメイヨシノはありませんが、代わりに今の時期は、山桜やスミレなんかが見頃。
ニリンソウやフデリンドウも、そろそろでしょう。
花粉症持ちにとって、そこは貴重なオアシス。
セイヨウタンポポとニホンタンポポは、互いに互いを害することなく仲良く並び、花粉症から一時的に自由になった参拝者を、静かに観察しておったのでした。
「都合が良過ぎる」?それでいいのです。
「非科学的過ぎる」?それでいいのです。
所詮フィクション。細かいことは気にせぬのです。
さて、そんな稲荷神社の敷地内に、一軒家がありまして、そこでは人間に化ける妙技を持つ化け狐の末裔が、家族で仲良く暮らしておりまして、
そのうち末っ子の子狐は、去年まで餅売りをして、
善き化け狐、偉大な御狐となるべく、一生懸命修行をしておったのですが、
最近になりまして、郵便屋さんごっこも始めた次第。
詳細は過去作3月5日投稿分参照ですが、ぶっちゃけスワイプが面倒。こちらも気にしない、気にしない。
稲荷神社在住のコンコン子狐、久しぶりに郵便屋さんごっこサービスの対象者さんからお手紙受け取りまして、郵便屋さんコスなポンチョを羽織り、郵便屋さんコスなバッグをお腹にマジックテープでくっつけて、
丁度神社に参拝に来てる「送り先さん」へ配達。
送り先さんは、名前を藤森といいました。
冒頭あれだけ花粉花粉と書きましたが、雪国出身の藤森は、何の花粉症も持っていませんでした。
びゅーんと突撃して、くぅくぅ甘えて吠えて、子狐はコテン、藤森にお腹を見せます。
そこにはお手紙入りのバッグがちょこん。なかなかよくできたポンチョです。
「後輩からの手紙か」
藤森は恋愛トラブルチックな諸事情で、自分の職場に先月就職してきた元恋人相手にかくれんぼ中。
長年一緒に仕事をしてきた後輩に危害が及ばないよう、その後輩にも異動先や居候先を告げず、
3月から新しい部署、新しい部屋で、仕事なり生活なりをしておりまして、
後輩とはグループチャットと、このコンコン子狐郵便サービスで、連絡を取り合っておったのでした。
「どれどれ。……『拝啓先輩 先輩もしかして今総務課? 敬具』?」
相変わらず、手紙というより、チャットの中身のような文章だな。短い文章を見て穏やかに笑う藤森。
手紙を届けてくれた子狐の腹と頭を撫でます。
支店在籍の後輩は、昨日全支店・全部署向けに送信されたのメールの、「誰がその文章を作成したか」に気付いたのでしょう。
本店総務課から来たメールに「藤森」を感じ取り、藤森のかくれんぼ先を総務課と予想したのでしょう。
「それでいい。当たらずも、遠からずだ」
かくれんぼの元凶たる「藤森の元恋人」とのトラブル解消はまだ遠く、藤森に手紙を寄越した後輩となかなか会えない日もまだ続きますが、
それでも、後輩が「自分の先輩は、だいたいこの部署近辺に飛ばされた」と勘付き始めた。
それでいい。藤森は穏やかにため息を吐きました。
今はそれでいいのです。トラブルが解消して、かくれんぼの必要が無くなれば、そのときこそ全部「実はな」と笑って暴露できるのです。
「少し待っていろ。返事を書くから」
尻尾をビタンビタン振り回す子狐に、藤森は優しく語りかけました。
チャットの中身のようだと茶化した後輩の手紙に対して、藤森は明朝体のような筆跡と真面目さで、
手紙というより報告書だの引き継ぎ書だの、社内文書だののようなお返事を書きましたとさ。
もっと良い選択肢があるけど、それが見つからないような感じ。
それよりも、それが良いと言ってくれた方が動く方も気持ちが良いと思う。
それでいいと思う。
お金持ちにならなくたっていい。
並の生活。並の日常。
並の家族に、そして並の恋愛をする。
それで良いんだ。多くは望まない。
生きてさえいればいい
息ができていればいい
生きるための場所があればいい
眠るための場所があればいい
生きるための食物があればいい
喉を潤す水があればいい
生きるための衣服があればいい
自分のための戦闘服があればいい
幸せじゃなくてもいい
苦しんでもいい
嫌われてもいい
迷惑をかけてもいい
周りに何を言われても気にしなくていい
死にたいと思ってもいい
死にたいと口に出してもいい
ただ、死ななければいい
命を繋ぐことだけを優先していい
生きることだけに必死になればいい
あとは何も考えなくていい
生きてさえいればいい
それだけでいい
それでいい
周りに何を思われても、何かを言われたとしても
結論は自分が決めることだから。
それでいい。上手くいかなくても、やってみて後悔しなければ挑戦したらいい。
私は、私だから。自分で決める。他の人の意見なんて
聞かない
それでいい(4月8日)
君の決断は間違っていないよ
周りからどう言われようと
僕はずっと君の味方
君の存在を否定する人は許さない
だって同じ人間だもん
君は君のままでいい
君はそれでいいんだよ
自分のペースでゆっくり生きていけばいい。生きていればいい。それだけで充分。それだけでいい。それでいい。
「あたし、青年雑誌でエロ漫画書いてるんだけど」
「まさか、久しぶりに会った真っ昼間のファミレスでそんなこと言われるとは思わなかったわ」
愛美は向かいでメニュー表を開く祐希奈につっこんだ。
「毎回ネタに困るんだよね」
「えっ、続行するのその話」
「愛美は大きいのと小さいのどっちがいい?」
「え、あ…女の方のこと?それとも男の方?」
「は?パフェのことだけど」
「今の流れで何故メニューの話になった!?」
「ファミレスでパフェの話するのは普通だと思うよ。うーん、パフェはやめてカツ丼定食にしようかな」
「そこじゃないし、悩むメニューのチョイスが全然違うんだけど」
愛美は頭を抱えてジト目を向ける。
「ネタに困るっていうからてっきりその話かと」
「まあねー。困ってるよ。おっぱいからビーム出すか、目からビーム出すか」
「待て、それは本当にエロ漫画か?」
「主人公のペットをコモドオオトカゲにするかウーパールーパーにするか」
「心底どうでもいい設定だから。ってか犬とか猫にしようよ」
「でも飼ってるペットの擬人化エロとか定番じゃない」
「コモドオオトカゲじゃ別の意味で食われそうで怖いわ」
うーん、どうしようと悩む祐希奈に愛美はため息をついた。
「私にはよくわからないけど、そんな奇をてらわなくていいんじゃないの?」
「だってありきたりになっちゃうし」
「祐希奈が好きなものでいいんだよ」
「好きなもの、かあ」
「うん、それでいいんだよ」
祐希奈はしばらく悩んだ素振りをしてから「うん、わかった」と決心する。
「カルボナーラ食べる」
「だからメニューの話じゃないっての」
「あとおっぱいからビーム出す」
「書きたいものそれなんかい」
仕事初日は失敗ばかりで、自己紹介すら緊張してまともに出来なかった。
他の同僚達は要領がいいのか、うまいこと職場に溶け込んでいってる気がする。
初日からこんなに取り残された気持ちになるとは予想してなかった。
もう少し、うまくやれると思ってた。
帰宅して夜、コンビニ弁当を食ってたら不意に虚しくなった。
耐えきれず、地元の友達にLINEする。
調子はどうだ?と。
楽しげな絵文字を使ったら、何だか余計に虚しくなってきたが、すぐに友達からの着信があった。
文字面を打つのが嫌いな奴だった。
どうもこうも、うまくいかねーことばっかだよ。
学生気分じゃバカにされっから、必死で背伸びしてっけどな。
そっちはどーなんだ?
お前のこったから、職場で気後れして孤立してんじゃねーのか?
出しゃばらないのがお前のイイトコだもんな。
懐かしい声がする。
弁当の残りはそのままに、缶ビールを開けた。
そーいや、この間、お前の親父さんに会ったよ。
たまには電話してやってくれって…あいつは人に頼るのが下手だからって。
そんなお前から連絡してくんだから、初日は散々だったんじゃねーのか?
でもさ、そんでいーんだよ。
始まりは人それぞれなんだからさ。
散々だったのはお前もだろ、と突っ込んでやろーと思ったが、ここは、励まされる立場でいることにした。
覚えてるか?
俺達が小学生だった頃。
何やってもうまくいかなくて、クラスで孤立して、学校で孤立して、上級生に睨まれて。
俺なんか、母親にも見捨てられてさ。
お前は島を離れて引っ越して行くってゆーし、いろいろとツラかったけど、お互いちゃんと前に進んでたよな。
そんでここまで来たんだ。
この、ダンボール箱の中のどこかに、あの日の遊戯王カードがあるはずだ。
島を出る時にお前がくれた、俺の宝物。
そーいや、お前に送りたいもんがあったんだ。
LINEで送れんのかな。
ちょっと待ってろ。
しばらく時間をかけて、使い慣れないLINEでお前が送ってきたのは、あのお別れの日に神社の境内に隠した、二人で肩を組んで撮った笑顔の写真。
俺達が大人になっても、こんな時代があったことを忘れないように、と。
いやー、今日の仕事がツラくてさ、思わず帰りにあの神社に寄って、この写真をスマホで撮ってきた。
これ見ると、こんなバカでも大人になれたんだな、って安心するんだよ。
もちろん、お前の方な。
そっか…。
おいおい、ツッコめよ。調子狂うだろうが。
不意打ちの写真に泣くのを堪えるのに必死で、それどころじゃない。
あの日の境内では堪えきれなかった涙を、大人になった今は何とか抑えることが出来ている。
これも成長ってやつか?
お前はさ、あの日、親の都合で海の向こうへ越して行ったけど、それでも今がある。
こうして仕事を始めて、その初日に俺とお前が話してる、今がさ。
何も間違ってないだろ。
だから、それでいーんだよ。
俺もお前も、これでいいんだ。
何がいいんだよ。訳わかんねえ。
やっとツッコんだな。それでいいんだ。
涙腺は崩壊寸前だが、まだもう少し、堪えられる。
せめて、この電話が終わるまでは、持ちこたえて欲しい。
あの夏、二人で上級生に立ち向かった武勇伝を、壊したくない。
それでいい
あなたが選んだ選択だから「それでいい!」
こう言えるのはあなたが悩んだり、努力したり、毎日頑張ってる姿を見てきたから…
あなたならきっと選んだ道で頑張れるし、例えダメだったとしても泣きながらも立ち直れるのを知ってる…
だから「それでいい!」あなたの思うようにあなたの人生を進め!
いつも君と親友ににありがとう。
大好き…。(*´ω`*)
それでいい。
僕がそう言うと、彼女は不快という色を隠さずに自分で描いた絵と僕を見た。
何がいけないのだろう。
期限は設けていない、ただの口約束だった。
ただ、側にいて作品ができあがっていくのが見たかったのだ。
だから、彼女の求めるものがどこにあるかなど、僕には興味がなかった。
彼女は完璧な作品を作りたかったらしいが、僕が求めていたのはその過程だ。
彼女の求めるものに対する真剣さ、足掻き、一部に対する満足な表情。手や目線の動き。すべてがそれ「で」いいのだ。
そのすべてのまま、君よ。
変わらないで。
私がまだ小さい時
自分で決断できなかった頃に
家族を酷く怒らせたことがある
はっきりとしたものを知らなかったりで
家族が挙げたことに対して
「うん、それでいいよ」
と返せば、
“それで“ってなに?
そう
きっと、その時の家族の怒りは
積もり積もったものが溢れてしまったんだって
大人になったこの歳になって気づく
それも
接客業していた時の仕事を通してだったり
知り合いが増えてから
私がしていたことを後悔、反省することができた
家族に
あの時は意見ちゃんと言えなくて
ごめんねって言っても今更って
笑いながら返されちゃうかな…
[それでいい]
私は人より意思が弱い。それは自分でもわかってる。あぁ、意思が弱いっていうのは発することが出来ないんじゃなくて、元々頭で考えて無いってこと。
皆には明確に有るものが私には作り出せないって、ただそれだけ。
「____と、葉瀬(ようせ)ちゃんはどっちがいい?」
「あっち」
「えぇ?お母さんはこっちの方がいいと思うんだけどなぁ。でも決めるのは葉瀬ちゃんだからねぇ......本当にあっち?」
「......どっちでもいい」
「じゃあ...こっちにするね。いい?」
「うん、いいよ。それで」
いつもこんな感じだよ。お母さんは私が選ぶと大体嫌な顔をするから、最終的に任せてる。
本当どうでもいいから、どうでもいいから適当なんだ。
修学旅行の行き先だって、私が行きたかった所は1つも入ってなかった。それも特に気にしなかった。何か言うと後で面倒だし。
だから修学旅行の思い入れなんて特に無い。
それからも、なんとなくそれでいいで生きて来られた。
誰にも言ってなかったし、ずっと気にしてなかった。
けど。
「え、これ確か葉瀬苦手じゃなかった?」
って言われた。
「え?」
「そうなの?葉瀬ちゃん言ってくれれば良かったのに」
「そうだよ。無理する必要ないし」
「...い、やいや!別にそんなでもないし、チャレンジ~ぐらいだよ!それに皆これ食べたいでしょ?それでいいから。私は大丈夫だよ」
昔、お母さんに『葉瀬は好き嫌いが多いから、多少嫌いでもそのお店に行くんだよ。じゃないとその友達に迷惑かけるよ』と言われていた。だから弁解したのだが。
「折角なら皆が食べたいもの食べたいじゃん。無理しないでよ」
と断ち切られてしまった。
「え、えー...」
「葉瀬は食べたいものとかないの?なんでもいいんだよ」
「いや特に...皆が好きなもの食べよ、私もそれでいいよ」
「......俺は」
「?」
「俺は、葉瀬の『それがいい』って言葉が聞きたいな」
なんか少し悲しそうなのは、私が何も言わないから?
(そんなこと言われたってなぁ...)
「...た、拓也(たくや)これって...!!」
「うん......玲人...やっぱりだったよね...!?」
拓也と秋(あき)は顔を見合わせて何やら確かめあっている。なんか盛り上がってるけど何の話だろう。
「玲人もやっとか~」
「ちょ、違うから!2人共!!」
なんか玲人も混じってる。
これは私が言わなきゃ終わらないやつなのかな。
(確かに食べたいものはあるけど、言っていいのかなぁ...)
ちら、と確かめるように玲人を見るとこちらに気づいたのか自信満々に笑ってみせた。
「......うーん、じゃあ......これ、かな」
そうやって指を指すと、玲人は何故か嬉しそうに笑った。
「じゃあここにしよう!2人もいいよね?」
「しょうがないな~玲人は」
「は?なんで俺?」
「そうだね、これはほぼ玲人のお願いだね」
「ちょ、も、そういうのいいから!」
なんだかよく分からないけど、私が指差した店で良かったらしい。
「じゃあ行こうよ」
なんで玲人が私よりも嬉しそうなのか、この時はよく分かってなかった。
お題 「それでいい」
出演 葉瀬 玲人 拓也 秋
朝起きて、着替えて、朝ご飯を食べて。
仕事をして、帰ってきて、疲れて、寝て。
代わり映えしない毎日だけど、それでいい。
出会い、別れ、そんなものないけど、それでいい。
それがいいの。
代わり映えしなくたって、世界は回ってる。
誰かにけなされたっていい。
自分は、貫くもの。
私は、もう、弱くはない。
2024/04/05 〈それでいい〉