「あたし、青年雑誌でエロ漫画書いてるんだけど」
「まさか、久しぶりに会った真っ昼間のファミレスでそんなこと言われるとは思わなかったわ」
愛美は向かいでメニュー表を開く祐希奈につっこんだ。
「毎回ネタに困るんだよね」
「えっ、続行するのその話」
「愛美は大きいのと小さいのどっちがいい?」
「え、あ…女の方のこと?それとも男の方?」
「は?パフェのことだけど」
「今の流れで何故メニューの話になった!?」
「ファミレスでパフェの話するのは普通だと思うよ。うーん、パフェはやめてカツ丼定食にしようかな」
「そこじゃないし、悩むメニューのチョイスが全然違うんだけど」
愛美は頭を抱えてジト目を向ける。
「ネタに困るっていうからてっきりその話かと」
「まあねー。困ってるよ。おっぱいからビーム出すか、目からビーム出すか」
「待て、それは本当にエロ漫画か?」
「主人公のペットをコモドオオトカゲにするかウーパールーパーにするか」
「心底どうでもいい設定だから。ってか犬とか猫にしようよ」
「でも飼ってるペットの擬人化エロとか定番じゃない」
「コモドオオトカゲじゃ別の意味で食われそうで怖いわ」
うーん、どうしようと悩む祐希奈に愛美はため息をついた。
「私にはよくわからないけど、そんな奇をてらわなくていいんじゃないの?」
「だってありきたりになっちゃうし」
「祐希奈が好きなものでいいんだよ」
「好きなもの、かあ」
「うん、それでいいんだよ」
祐希奈はしばらく悩んだ素振りをしてから「うん、わかった」と決心する。
「カルボナーラ食べる」
「だからメニューの話じゃないっての」
「あとおっぱいからビーム出す」
「書きたいものそれなんかい」
4/5/2024, 3:00:35 AM