『それでいい』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
あなたの、いつもの感じが、
僕はほっとする。
あなたが横で笑って、僕が相づち打って
たわいもない会話で終わって。
2、3回同じこと繰り返しても、
つまらないことでけんかしても、
また、一緒にいる。
それでいい。僕には十分、こんな日々が
ちょうどいい。
小さい頃から自分のことを自分で決めるってことをあまりして来なかった。親に「これでいい?」と聞かれたら「それでいい」と答え、自分の意志で選ぶことが無かった。だから今でも何かを選ぶのが苦手で、コンビニに行くときでさえ、めちゃくちゃ時間をかけてしまう。
「ああ、それでいい」
俺は鷹揚に頷く。
「構わない。犠牲?ああ、それは、確実にこっちの方が少ない。」
近年のシュレディンガーの猫理論を元にした世界線及び運命のパターンの解析、AIによる学習と未来予測の技術の発展により、俺たち人類は、“選択”による未来の複数パターンを予測できるようになった。
「だから…そうだ。たとえそれが発覚したとして、俺たちが頭を下げれば全て収まる。大のために小を選ぶか、小のために大を選ぶか、つまりはそういうことだ。」
高度に発展した未来予測は、民衆個人には秘匿され、国よって、人類の全体的な平和維持と文化推進のために、極めて中立的、公的に扱われることとなった。
「誰も俺たちを責めれやしないさ。つまり俺たちは合理的に、人類全体にとってより良い選択をした、実質的なヒーローとなんだから」
俺は今、未来予測によって得られた結果を元に、人類先行教化委員として、公務員として、人類にとってより“マシ”な選択を支持する仕事に就いている。
「だから…それでいいんだ。人が1人2人死のうが世界は滅びやしない。だが、この選択を間違えれば、何千人もの人たちを地獄に突き落とすことになる。」
現在、俺は今…“選択”を実行する部下たちに、電話で指示をしているところだ。
「ああ、だからそれでいいって。…しつこいなお前も。そうだよ。それで全て上手くいくんだ。」
尚も食い下がる部下を俺は宥めすかす。
「いや、それは今更だろう?…それでいい。…いいからやれ。それが人類にとって最善の選択だ。」
「…ほ、本当に、いいんですね?」
「ああ、やれ」
俺の目の前、震える手で電気銃を突きつける部下に、俺はそう言った。
「コイツと付き合って数年、やっと気づいたよ。…こんな機械を開発し、利用する国家なんてのは、別の国家にとっては脅威だ。ようやく気づいたんだ。この機械とそれに関する組織はいずれ、戦争を引き起こす。」
背後にある、未来予測AIを俺は指し示す。
「だから、俺が命令した通りだ。それでいい。この機械の管理者諸共、吹き飛ばしてくれ。」
「…」
俺は今にも泣きそうな部下にそう告げる。
「…これで、人類の平和は維持される。迷う余地はないさ。徹底的にここを破壊しろ」
「…はい。」
部下は震える声で、それでも、なんとか答えた。
「…お前は相変わらずだな。新人の時に返事は大切だと、教えたろう?今の返事じゃ、及第点すら出ないぞ」
「…っ」
俺の笑い声だけが、部屋の中に響く。
「まあ、今日くらいはそれでいい。さあ、頼むぞ」
「っ、はい」
部下の指が、電気銃の引き金を引く。
「それでいい。…最期の部下が、お前で良かったよ」
霞ゆく視界の中で、部下を見る。相変わらずの情けない顔をしているが、それでも、見違えるほどに良い職員となったものだ。
「…ありがとうございました。さようなら……」
情けない顔をした自慢の部下の、震える、か細い声が、最後に聞こえた。
『それでいい』
人と関わることが苦手で、
対して努力もしてなくて、
そのくせ周りを羨んで。
欠点ばかりを気にかけて、
長所も特技も見出せず、
そのくせ自分を変える気もない。
それでいいのだと呟いた。
自分だけは自分を愛することができるのだから、
ありのままの自分を愛してやればいいのだと。
それがいいとは言えなかった。
現状維持には大賛成だが、
現状に満足はしていなかった。
そういうの全部ひっくるめて、
それでいいと思った。
それがいいとは思えないけど、
今はまだ、それでいい。
それでいい
たまには全肯定してみるのもよい
どうしても人と比べてしまうんだったら、
自分ができていないんじゃなくてできる人がすごすぎ
るんだってマインドでいこう
それで自分ができるようになったら自分すごすぎるっ
て一旦思ってみよう
ほどよく開き直るのって大事
完
ピンクの色には抵抗がある。
それ以外で頼む。パステルブルー?
ごめん。無理
コバルトブルー・・・
それでいい
それでいい
野球でストレートは変化しない球だと言う
でも重力に逆らって真っ直ぐ進むのだから
落ちない変化球とも言える
成長もせずに変わらない自分が居る
でも日々移り変わる社会の中においては
変わらないように変わり続けているとも言える
それでいいやと
自分に言い聞かせる
私の性格は人に流されやすくてすぐに許してしまう性格だ。
でもそのおかげで人からは絡みやすくて好かれやすく、いじられキャラで居られる。でもたまに本当にこれでいいのかと思う時がある、こんな性格だから許してはならない事も許してしまう。私は行為中に彼氏が、〜なしでいい?とか〜していい?など言われた時に流れや雰囲気でいいよと言ってしまう。断ってしまったらどうなるのか彼氏がそんな性格じゃないと分かっていても断るのが怖くて流されてしまう。こんな性格でこんな事をしていて色んな人に迷惑をかけることは分かっているのに辞められない。本当に申し訳ないと思いながらも辞められない。人にいじられて好かれるのが好き、そして皆のことが大好きだからこそ辞められない。私は本当に「それでいい....?」
自分のしたいことをする。
自分の言いたいことをいう。
自分が関わりたい人と関わる。
自分が関わりたくない人とは関わらない。
自分の大切な人を大事にする。
自分のことを自分が好きになってあげる。
自分のなかで大事にしたいもの、こと、人を大事にする。
それでいい。
ほんとにそれでいいの?
2つの感情が芽生える。
それでいい
嫌いなクラスメイト、嫌いな親
いつも通りの日常に嫌気がさしてきた頃に。
突然の転校生。
私の生活を一変させた。
外国からの転校ということもありみな会話で苦戦していた。
だが、私だけはその子と会話をしていた。
みんなが苦戦してる事に気づかずそのまま会話してた為、私はクラス、学年の注目の的だった。
そんな生活が心地よかった。
けど、その子が帰国する事になると私の華の高校生生活は終わった。
あぁ、もう一度、もう一度だけ、あの心地よかった生活に戻りたい。
けど、これでいいんだ、元の生活に戻って。
目立つこともなく、いつもの友達と過ごす。
これで、それでいいんだ。
それでいいと
受け入れる、諦めることも大切。
けど、
芯は折れちゃ駄目だ。
暴走した兄が市街地へ向かったという連絡を受け、私はバイクに飛び乗った。
いや、もう兄とは呼べないか。
私の兄の体をベースにした、機械人間が逃げたのだ。
逃げていく人たちの合間を縫い、どんどんバイクを飛ばす。
一度暴走してしまった機械人間を拘束することはほぼ不可能だ。止めるには、完全に機能を停止させるほかない。つまりは死。
そして、私たち警察には暴走した機械人間の強制機能停止が認められている。
大きい音を立てて暴れる機械人間は案外あっさり見つかってしまった。
私はその姿を見るなり、バイクに乗ったまま光線銃を何発か撃った。迷いはなかった。迷わないように考えるのをやめていたから。
光線銃は、こちらに背中を向けていた機械人間にこれまたあっさり当たり、力を失った機械人間はその場に大きな金属音を響かせながら倒れた。
自分に考える時間を与えないよう、すぐに上司に連絡を繋いだ。
上司に報告しながら、その体に近づく。
瀕死の状態だ。顔は依然見えない。
警戒は解かないまま、上司に報告を続けた。
しばらくして。ピッ、という電子音とともに通信が切れる。そして無音。
その時だった。
この状態の機械人間に、元の人格なんて残っているはずがない。
それでも、聞こえた気がした。
「___それでいい」
私は少しだけその場に留まってから、返事をして、ゆっくりバイクに乗って帰った。
「私だって、お兄ちゃんが生きてくれてるだけで良かったのに」
寄り添って考えられていない手紙が届いた。
期待もしてなかったが、更に気持ちが離れた。
わかって欲しいなんて思えない。
きっと10年後も理解などしていない人。
長く一緒にいたけど、崩壊するのは一瞬だね。
もう二度と交わる事のない道を、別々の方向に歩き出した。
それでいい。
同じ景色なんて、最初から見えてなかった。
「それでいい」
それでいい。
もう時は戻せない、戻らない。
もうそれでいい。
後悔しても、遅いし。
それでいい。
それでいい_44
朝が怖い。
怖くて 怖くて仕方がない。
何が怖い?言葉にできない。
それが怖い。
だからと言って 夜は怖くない訳じゃない。
夜は「朝が怖い」と思いながら
涙を流す。
そうしてるうちに 朝が来る。
勝手に。
なんでだろうね。
昼は少し たのしい。
人も時間も 比例して動く。
あぁ。
このままは多分 駄目なんだろうなぁって。
でも また夜は来る。
疲れたなら休む。
嫌なら休む。
それでもいいんだ。
「敗因」
俺だったら、君をそんな風に泣かせたりしない。
だけど、君を心からの笑顔にも出来ない。
友達付き合いが長過ぎたんだ。
ずっと隣にいられると信じて疑わなかった。
もしもあの時……と今なら思うことが、なかったわけではない。
ただ、この関係が壊れることが怖かった。
それに打ち勝つ勇気が持てなかった俺の負けだ。
君が幸せなら、それでいいんだ。
何度も、何度でも言い聞かせる。
君が幸せなら……
────それでいい
それでいい?
俺の人生はクソだ。ゴミ屋敷のニートの40代じいい
ろくに勉強もできず、ずっとギリギリで生き抜いて、
金もギリギリ。少し前家賃払えなくてネカフェに行こうとしたら
バッたり会った。そこで自分のことを少しだけ話した。
笑えるネタになると思い、話をしたら、
「お前、それでいいのか?」
そんなんもうわかりきってんだよ。クソが
ぼくにとってきみという男は絶対なんだ。美醜も善悪もきみ次第。「自分がないやつだな」と顔をしかめる人がいるのも事実だが、それは間違った認識だ。きみはぼくの確固たる意志の下でのみ絶対的な存在となり得るのだから。
「ねえ、見て」
昼下がりの美術室にきみと二人。美術部員たちために設けられたロッカーを物色していたきみが一冊のスケッチブックを手にこちらに駆け寄って来る。表情にも声音にも一つも邪気がなかった。この部屋のすべてがきみのものであるかのように思えた。
「悪趣味だと思わない?」
そう言いながらきみが差し出すスケッチブックにはきみの横顔が繊細なタッチで描かれていた。美しい絵だった。
「きみのファンなんだよ、きっと」
「“にわか”ファンだね」
目の前に転がっていた絵の具の束に手を伸ばすきみ。君が選んだのは赤色だった。
「あんまりいい気分じゃないや」
無垢さを保ったまま、きみの横顔に赤色を塗りたくり始めたきみ。ぼくは黙ってただじいっとその光景を眺めていた。持ち主のことを思うといたたまれない気持ちになるけれど、きみが気に入らないのならしょうがない。
「悪いことしたかな」
「別にいいんじゃない?それで」
健気な美術部員には同情するけれど、きみにとって好ましくない人間ならば、それはほもうぼくにとって尊重の対象ではないのだ。
"それでいい"
昼過ぎ、春物の靴を買いに来た。
既に選んで会計を済ませたらしい飛彩が歩いてくる。
「まだ悩んでいるのか?」
「ん……」
正直、サイズがある物ならどれでもいい。だがこの棚にある靴全て、サイズがある。
もういっそ指差しで選ぶか。どれにしようかな神様の……。
「これはどうだ?いつも履いている物と似たデザインで良いと思うが」
真ん中の段の、俺の右側に鎮座していた靴を手に取って提案してくる。
確かに今履いている靴と似たデザインで、履きやすそうだ。それに、近くに置いてある靴達と比べて軽そうでもある。
「じゃあそれで」
しゃがんで飛彩が手に取った靴と同じ番号の、自身に合うサイズが記された箱を手に取って立ち上がる。
「……本当にそれでいいのか」
訝しげな顔を向けて聞いてきた。
「どういう意味だ」
「そのままの意味だ。貴方はこだわりとか、重要視する所とか無いのか」
「ねぇ。『これがいいな』って選んでも、サイズが無きゃ意味ねぇだろ」
「確かにそうか」
俺の言葉に頷きながら、小さく呟く。
足のサイズと身長は比例している。
身長が平均より高いので、見本としてディスプレイされている物はまず小さくて合わない。
なので、気になるデザインの物を見つけてもすぐには手に取らず、棚の下に積まれている箱から合うサイズの物を探さなければならない。
だが、平均より大きなサイズは無い場合が多く、 探す手間がとてもかかる。
だから、こだわりなど無い方がいい。
「この棚にある靴は全部サイズがある。だから迷ってたんだよ」
そこにお前が提案してきた、と続けると、少し俯かせていた顔を上げてこちらを向き、俺が手に持っている箱を一瞥する。
「なら、本当にこれでいいんだな?」
「あぁ」
お前が選んでくれた物だし、とギリギリ聞こえていないであろう声量で言うと、ここで待ってろ、とレジへ向かい会計を済ませ、靴が入った袋を片手に戻る。
「……では、帰ろう」
「だな。他にこれといった用事はねぇし」
緩慢な動きで店の外に出て、ゆっくりと街の中を歩いた。
海の音が聞こえる 貝殻 から
話し声が聞こえてきたのは数日前の事
昨日、勇気を出して話し掛けてみた。
どうやら、あちらは戦争が起きているらしい。
この不思議な貝殻を巡って…
姫と呼ばれる君は貝殻を持って必死に逃げていたが
ついに今日捕まってしまったようだ
民の命と引き換えに貝殻を要求されているが
貝殻を渡しても君の命と民の命どちらも助からない事を君は知っている…
「それでいい…」最後に聞こえたのは男の重い声
『それでいい』 2024.04.04