『それでいい』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
オムライスの皿には
ふんわりと包まれたオムレツがのっている
一口食べるとほんのりケチャップの甘さ
「それでいい」と思える瞬間がある
もう何も足さなくても
もう何も引かなくても
このままで十分だと思える瞬間
「まだまだ」とか「もっともっと」とか
欲張りになることがある
「もういいや」とか「どうにでもなれ」とか
投げやりな気持ちになることもある
それでも
ときどきはいったん全部手放して
今だけを見つめていたい
オムライスが冷めないうちに
#それでいい
No.44『いい夢を』
散文/掌編小説
ふと、目を覚ますと真夜中だった。どうやら、いつの間にか寝落ちてしまっていたらしい。寝る前に読んでおこうと、布団の中で手にした文庫本。手にした、そのままの姿勢で寝落ちてしまっていた。
「ちゃんと、寝なきゃ」
自分の寝相の良さに感謝しつつ、こないだ摘んだ道端の花で作った栞を挟み、本を閉じる。何度も読み返した愛読書。何度読んでも、違う感想になる不思議な物語だ。
もう、4月だというのに、夜と朝はまだ肌寒く、寝る時は毛布が欠かせない。毛布の暖かさのせいで寝落ちているわけで、そろそろ手放さなければいけないのだけれど。
「おやすみなさい」
誰も聞いてはいないけど、いつものように口にする。さっきは『おやすみなさい』も言わず、いつの間にか眠ってしまっていた。もう一度、
「おやすみなさい。いい夢を」
そう口にする。これでいい。これで、今夜もいい夢を見られるはずだと目を閉じた。
お題:それでいい
それでいい。
消極的な言葉だ。
わたしはよく使う。
相手に不満を伝えつつ、了承する。
自分自身にもたまに使う。
諦めないといけないとき。
それでいいと言ってしまえばその場だけ凌げる。
それでいい
自分が変わっても変わらなくても
やらなきゃいけないこと自分にとっては、
そんなのどっちでもいいことだよね。
仲間をなくして、家族をなくして泣く自分が
恥ずかしいし悲しいけど泣くのは、
自分が決める。
どんなに辛くても
それでいい
佐助
「今度の休みに服を買いに行きたいの。付き合ってくれる?」
仕事の休憩中、キミから届いたメッセージ。そういえば、この前カフェでファッション雑誌を読んでて、この服いいなぁ。って言ってたっけ。そんなことを思い出し
「もちろんいいよ」
と、返事をした。
「あった、これか」
迎えた休日。キミと一緒にショップに行くと、目当ての服を見つけたようだ。けど
「それが欲しい服?雑誌で見てたのとは違うよね?」
選んだ服は、普段キミが着そうにないもの。着たことがない系統の服にチャレンジしてみよう。ってワクワクドキドキしている感じでもない。
「うん。だって、あの服よりもこっちの方がいいって同僚が…」
「そうなんだね。でもキミは、雑誌で見てた服の方が欲しいんでしょ。なら、そっちにしなよ」
「でも…」
「同僚の方が言うように、その服もキミに似合うと思う。けど、欲しいと思ってないでしょ」
「え?」
「だって、雑誌を見てたときはキラキラした目をしてたのに、今はしてないよ」
「………」
「勧められたものを着るのも良いと思うけど、自分の着たい服を着た方が、気持ちも明るくならない?勧められたから仕方ないって気持ちなら、着ない方がいい。服がかわいそうだ」
「………」
「その服は、新しい自分に出会いたい、チャレンジしてみよう。って気持ちになったら迎えればいい。今は、今欲しい物を選びなよ」
「…そうだね」
俺の言葉が後押しになったのか、手にした服を戻し、欲しがっていた服を持って来る。
「うん。いい笑顔だ」
さっきまでとは違い、嬉しそうに笑っている。
「やっぱり、これがいい。これを着たいと思ってたの。同僚に言われたからそれにしようと思ったけど、私はこっちが欲しいしすぐにでも着たい」
「それでいいよ。誰かの意見を参考にするのはいい事だと思う。けど、最終的に選ぶのは自分なんだから、自分の好きなようにしな」
「うん」
「そうやって笑ってるキミが、俺は好きだよ」
顔を赤くして固まるキミの手から服をサッと取り、俺はレジに向かうのだった。
『それでいい』
失くさないように抱き締めて
真っ黒な世界の果ての底で
陽だまりみたいな愛を憂いる
涙の雫が乾くまで傍に居るよ
他人が泣いていようが
他人が怒っていようが
他人が辛そうだろうが
他人が不満だろうが
自分が良ければ別にいい
それでいい
それでいいんだ
他人が泣いていて不満なら
なんとかすればいいし
他人が辛そうで不満なら
なんとかすればいい
ヒーローは皆そうだ
誰かが泣いていると気に食わないから
笑わせにいくんだ
俺には到底理解できないけど
でも
あの子が泣いていたら
隣で見守ってたくなるんだな
それでいい
ただっぴろい白い紙が私の足下に広げてある
いまからここに私は文字を書き記す
何を書こうかはすでに決めていた
私の手には私の背丈と変わらぬほどの大きな筆
たっぷりの墨を含ませて
えいやっと意気込んで筆を紙へと置く
右へ滑らせ次に左
ここはしっかりはねて
ここはしっかりとめる
頭の中ではそうシミュレーションしてあったのに
実際の線は何とも歪で
美しさからは遠くかけ離れていく
それでも一度書き始めたら止まることはできない
私は理想とは違う線を
それでも精根尽くして書ききった
できあがりはやはり想像していたのとは全然違う
けれど
私はこの全然違う線をそれでいいと思った
それがいまの私にできること
いまの私の全てなのだから
【それでいい】
新年度の仕事が始まって、3日経った。
昨年度新卒で入ってきて早々、当時のオツボネな係長に新人いびりされた新人ちゃん。今朝は珍しく自分から、私に初めての仕事のやり方を聞きに来た。
昨日の晩の、先輩からのグルチャのリークで、新人ちゃんが当時の――今はもう別部署に左遷させられた係長に、トラウマ持ってるって情報は見た。
よーしゃしゃしゃ。怖かったでしょう。
この、センパイの、怖くない私が、優しくサポートしてあげるからね。大船に乗って云々。
……職場の上司ってなんでこんなに下っ端使い潰すことしか考えないんだろう(虚ろ目)
と、思っていたら。
「すまない。ひとつだけ、助けてくれないか」
大量のバインダーを抱えた先輩が、書類保管庫兼務な金庫から自分の席に戻ってきて、ちょっと疲れたような、あきれたような顔を向けてきた。
「新年度早々やられた。2週間で仕上げろだそうだ」
ゴマスリ係長直々のお達しさ。先輩がそれとなく、係長の席でふんぞり返ってスマホいじってるオッサンを視線で示した。
「さすがゴマスリ」
「『若いからこういうの詳しいだろう』、だとさ」
ゴマスリ。後増利係長。新人いびりがバレて別部署に飛ばされた、尾壺根係長のかわりに来た中年オヤジ。
その名のとおり、上にゴマすることしか頭に無くて、面倒な仕事は全部部下に丸投げしてくるって評判。
ウチの部署に来て最初のターゲットは先輩らしい。
ホントに職場の上司ってなんで下っ端使い潰すことしか考えないんだろうう(チベットスナギツネ感)
「私の力量を、よくご理解なさっての激励だろうさ」
なんといっても、係長殿はごますり業務が非常にお忙しくていらっしゃるから。私達がお支えしないと。
小さな声で、それはそれは、しれぇ〜っと心にも無いことを言う先輩。
「ゴマスリにコレ任せたら絶対データ飛んで大惨事だから、ってのもアリ?」
バインダーをひとつ手繰って、中を見て仕事内容をちょっと把握して、ポツリ感想を呟くと、
「……データ飛ぶだけで済めば良いがな」
ちょっと声デカいぞ。先輩が人差し指を唇に立てて、しっ、とあきれ顔を少しだけ崩した。
「ゴマスリもデータとパソコン勉強してほしい」
「スキル習得より大事な仕事が山ほどなんだろう」
「勉強、して、ほしい」
「毒抜きはいつもの低糖質バイキングで良いか?」
「それでいい……」
#それでいい
将来の自分
私は考える、本当にそれでいいのかを
夢のある仕事をして生きなくても
夢のある生き方はできるもので
堅実に将来を決める
それでいいんだね
先生が言う
それでいい
それがいい
【それでいい】
「はい、深く呼吸して」
時乃は静かに深く鼻から吸い込み、長く口から吐いた。空気の通る時間が長く感じて、吐き出した途端に少し咳き込む。
「んー、もう一回」
背後から時乃を抱き込む男の声が、僅かに笑ったような気配を含んだものになった。もう一度吸い込んで吐き出す。今度は咳き込まずに済んだ。もう一度、と呟く声に呼吸を繰り返す。酸素を取り込むたびに重かった体に澄んだものが満たされる感覚。ぼんやりした頭がハッキリとしてくる。
確か、市街戦が突然始まって巻き込まれたのではなかったか。生体兵器で争うようになってから、人間体に擬態した兵器を送り込む手法が見られるようになった。今まで防衛エリアの市街地では起こっていなかったが、そうか、もうだめなのか、と時乃はようやく像を結んだ視点で周囲を見回した。背後の男の姿は見えない。腰と腹を支えるように抱き込む腕はコンバットスーツとプロテクターに覆われている。
「口を開けて、声を出すんだ」
頷いたときに僅かに頭が重く感じた。ひらひらしたものが感じられて、いよいよ不味いか、と覚悟を決める。皮膚が剥がれたかもしれない。
ざーっと、ノイズのような声が漏れた。痛みがある感じはないが、声帯が焼けたのかと思う。しかし男の声はもう一度、と促してきた。
ざー、ざー、と繰り返していくうちに、微かに、あー、という音になってきた。
「それでいい、もう少し」
「……あー」
ようやく、音らしいものが出た。すると背後の男は腕を解き、時乃の前に歩みだす。
時乃はコンバットスーツから彼が何者なのか把握していた。何しろかのスーツは時乃か自軍の生体兵器部隊に支給したものだからだ。
ライオンの頭をした男は、敬礼して笑みを浮かべる。
「祖江村時乃科学国防大臣、大変失礼いたしました。緊急事態のため、部下に動画を残させた上で、御身に生体兵器化薬剤を投与し、命を守らせていただきました」
おやおや、と時乃は肩を竦めた。科学国防大臣といえば、人間を獣に堕とした嫌われ者だ。生体兵器部隊も反感を持つものが多いと聞いている。
「見捨てればよかったものを」
「はっは、何をおっしゃいます、あなたの尽力で、どれだけ国土を取り戻せたことか。少なくとも獅子隊はあなたを尊敬しておりますよ」
自虐的な吐き出しに、ライオンは堪えきれないとばかりに笑った。
「では、庁舎へご案内しても?」
「ああ、それでいい」
歩き出そうとして、関節の形が変わっていることに気付く。手には肉球もあり、何かしらの肉食動物になったことは分かった。
ライオン頭に急かされるまま、庁舎を目指す。見れば既に的兵器は制圧されて、火災も概ね鎮火済みだった。
YouTubeで見た昔のCMの動画。
制服姿で歌って踊る彼女たち。
そんな時間はとっくに過ぎて、私はもういい大人だ。
自然と涙が溢れていた。
今さら何を比べているんだろう。
青春が10代なんて誰が決めた。
今から、この一瞬からでもいい。
泣きながらでも、ネガティブ思考でも。
明日からの人生を突き進んで輝け私。
それでいい。
それでいいじゃないか。
人生なんてわからない事だらけだから…
「ああ、はいはい、それでいいよ。ご苦労さん。」
(それでいいとはなんだ!それでいいとは!)
心の中で憤慨しながらも「ありがとうございます。」と口先だけの謝辞を飛ばす。
せっかく時間も労力もかけて作り直した企画書を無下に扱われてショックではあるが、上司に文句を言われず企画が通ったのなら問題は無い。
とりあえず自分の席に戻り、ため息混じりの深呼吸をしていると目の前の電話が鳴る。
「もしもし、営業三課、真柴です。」
いつも通りの間の抜けた定型文で対応すると、
「おいおい、そんな適当な挨拶でいいのかよ、真柴。」
とよく聞き慣れた声が心配よりも呆れが多く含まれた返事をする。
「内線しかかかってこない電話で7割はてめぇのとこの事故案件だ。挨拶も適当になるさ。勝村部長様。」
先程のストレスを軽く込めて皮肉って返してみれば、「あぁ、まぁ、そうなんだがな…」となんとも歯切れの悪い受け答えにさすがにほんの少しだけ可哀想に感じた。
「それで今回はどんな案件なんでしょうか?」
間に耐えられなかった俺はこちらから切り出していく。
そうすると水を得た魚のように「いやそうなんだよ!実は部下の企画が取引先に気に入ってもらったのはいいんだけど、内容が少し甘いもんだから本人に聞き取りをしたら、これがまた「考えてませんでした」のオンパレードなのよ!!」と一気に内容をぶちまける。
(つまりいつも通りじゃねぇか…)と心の中で溜息をつきながら、取り敢えず話の流れで説明されていく企画内容を細部までメモしていく。
そうして5分程度説明を受けた後に「いつもいつもすまないね!だけど今回も頼むよ!」と勝手に締めくくられ電話切られた。
一方的な電話に少し疲れながら、さっきもした気もするが、ため息混じりの深呼吸をする。
俺の仕事は基本的に営業の企画書を清書してより良いものにしていくこと。といえば聞こえはいいが、つまりは雑な企画書を作り直してマシなものにする、営業の尻拭いみたいな仕事だ。
しかも企画書を作り直した所で営業から感謝はされど手柄は全部営業がかっさらって行くのでコピーライターみたいな影の仕事だ。
でもそれでいい。
俺は元々現場の設営や対応の仕事をしていて、その次の人事で営業もやったがそれなりの成績をたたき出している。だが、1番気に入っているのは今の仕事だ。
変に肩ひじを張らず、頼まれた案件を自分のペースでこなしていく。
誰かと協力せずとも1人で完結する仕事。
だからこの部署だと本当に気が楽だ。
「さてやるか。」わざわざ口に出して気合を入れる。
誰かに指図されることも発破をかけられることもなく、今日も淡々と企画書と向き合っていく真柴だった。
『それでいい』
普通の毎日それだけでいいや。
今はね。
パワーが、溜まってきたらまた頑張ってレベルアップしたら変われるかな。
大丈夫。今は今で生きよう。
それでいいって言われたい。私に期待を抱かず、仕方ないって妥協して欲しい気が楽になれば、私は私でいることができる。
でも、満足感からのそれでいいは、嫌だ。あんたが良くても、私は良くない。
私は、ここまでしかできない。それでいい?
ああ。もういい。それでいい。
諦めることは、相手を、私を、救うことになるかもしれない。
幼なじみが私の親友と付き合った。
本当は私が付き合いたかった。
私の方がずっと前から好きだったのに。
なんで私より親友を選ぶの。
でも貴方が幸せなら私はそれでいい。
だから邪魔をしないように
独りで飛び降りた。
「それでいい」
それでいいのだ〜
バカボンのパパを思い出す。
人生(この世)は一瞬
死後(あの世)はめちゃくちゃ長い
この世に遊びに来ただけ。
頑張らなくていい
全て楽しべばいい
嫌ならやらなくていい
気楽に生きよう
この世は一瞬の出来事なんだから。
健康診断引っかかったので、真剣に痩せなきゃです
やる気スイッチ押さないと!!
今日は朝早く起きて公園でのんびりするつもりだった。リビングの掃除をして、綺麗になった部屋でコーヒーを飲みながら好きな音楽を聞いて本を読んでいたらいつの間にかお昼になってしまった。予定とは違ったがそれでいいと思った。
あなたが幸せであれば
それでいい
幸せであって欲しい人
この恋は叶わないのだから
いっそのこと
女性の影をちらつかせてよ