『ずっと隣で』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ずっと隣で
不安はずっと隣で囁いてくる。
不安はずっと真後ろに、真ん前に、身体の中に、どこにでもついてくる。
この世でこんなに私のことが好きなのは不安くらいだろう。
不安にされている片想いが、怨念みたいなそれが、今日も首を絞めてくる。
肩に回された腕の重みや、服越しに伝わってくる体温。
勝気につり上がった口の端。その唇の形の美しさに、僕は何度も恋をしているのです。
同じ母の胎から、同じ日、同じ時間にうまれたというのに、僕と彼は少しも似ていませんでした。眉の濃さ、瞳のかたち、鼻の高さに、耳朶の厚み。僕とは正反対の彼の全てが、いつも輝いて見えていました。
憧れる日もありました。羨む日もありました。憎む日もありました。二段ベッドの、彼が眠る下。何も知らない呑気な寝息を聞きながら、涙を流す日もありました。こんなに違うのに、彼と僕に流れる血だけは同じでした。
──それらは確かに“呪い”でした。
僕はこの呪いを背負って生きているのです。誰に言うことも無く、決して悟られることのないように。
肩に回された腕の重みや、服越しに伝わってくる体温。
勝気につり上がった口の端。その唇の形の美しさに、僕は今日も恋をしているのです。
#ずっと隣で
幼い頃、私には小さな相棒がいた。
記憶もないくらいに昔、遊園地で買ってもらったうさぎのぬいぐるみ。白くてふわふわでピンクのリボンがついていて、抱っこするとくりっと愛らしい目でこちらを見上げてくれる。私がその子の手を掴むとその子も腕を上げ、ベッドに横たえてあげると静かに眠り、話しかけると黙って聞いていてくれる。その子は私の操るままに動いて、いつでも私のそばにいてくれた。
そして、私が操ってあげなければ、その子は何もできなかった。
ご飯も睡眠もお出かけも、私がその子を抱っこして連れて行き、面倒を見てあげる。私は幼いながらに、この子にとって私が世界の全てであると感じ、私が守ってあげなきゃと無意識に使命感を抱いていた。
そのうちに、私は幼稚園に入ることになった。幼稚園へはぬいぐるみを持ってきてはいけない決まりになっていて、私が泣きながら母に訴えてもそれは変えられなかった。
仕方なく家で留守番をさせて通い始めると、幼稚園は私が思っていたより楽しい場所で、新しい友達が何人もできた。家に帰ってからも幼稚園の先生に習った歌を歌ったり、友達にあげるための絵を描いたり、新しい友達を呼んで遊んだり。私の世界にいくつもの新しい人間関係が生まれて、唯一無二だったぬいぐるみはただの選択肢の一つになっていった。次第に友達と遊ぶ時間が増えて、ぬいぐるみは記憶の片隅に追いやられることとなった。
洗濯物を畳みながらテレビで「ぬい撮り」についての特集を見かけ、私は真っ先にそのぬいぐるみのことを思い出した。結婚して家を出る時何となく引っ越しの荷物に入れてしまって、新居の押し入れに収納したままになっていたような気がする。私はふと思い立ち、押し入れからぬいぐるみを取り出した。
それはあの頃と同じ姿のままで、私が成長した分だけ小さくなっていた。抱きしめたら腕の中で押しつぶされてしまいそうで、私にはもうこの子を守ることはできないと悟った。けれど私には今、他に守るべき存在がいる。
ママ、それなあに?
私がぬいぐるみを眺めていると、5歳の息子が隣へやってきて、服の裾を引っ張りながら私を見上げた。
ママの大切なものよ、と伝えると、いいなあ、と呟いて息子はそれをじいっと見つめた。生まれた時からずっとこの子を見ているから、目を見ればこの子の考えていることは大体わかる。私はしゃがみ込んで息子と目を合わせ、大事にしてくれるならあなたにあげる、とぬいぐるみを差し出した。息子は大事にする!と元気に言い放ち、ぬいぐるみを優しく抱きしめた。
今の息子にとって、このぬいぐるみは一番必要な存在だと思う。
数日前に初めておつかいをさせてみたところ、それ以来息子は幼稚園へも送り迎えなしで行けると言い出した。いわゆる親離れと呼ばれるものなのだろう。その目は決意に満ちていたけれど、少しだけ不安げで寂しそうだった。
息子もいつか、私から離れて自分一人の力で生きてゆくのだろう。世界はあなたが思っているよりずっと広くて大きくて、打ちのめされてしまうこともあるかもしれない。
だけどあなたがそれを乗り越えられるまで、そして自分の守るべき存在を見つけるまで、このぬいぐるみが、そして私の心が傍にいて見守っている。大丈夫、あなたは一人じゃない。
『ずっと隣で』
〜ずっと隣で〜
ずっと隣で笑っていたくて
ずっと隣で君の笑顔を見ていたくて
お別れなんて嫌だで
永遠なんてないことを知った
当たり前が幸せだったことを知った
沢山の涙の代わりに
沢山の希望を届けるよ
いつかまた会えるその日まで
私は強く生きていく
君との思い出を糧にして
君との出来事を勇気にして
君の笑顔を希望にして
だから前を向いて歩いて行く
ずっと隣で笑っていて。私から離れていかないで。
何もかも貴方に捧げるから。
あなたが私の全てだから。お願い。お願い。
‐ずっと隣で‐
♯8
本を読んでいる。昨日から読み始めた、ミステリー。
ふと顔を上げると、スマホをいじっている横顔が見える。
本の中の犯人探しとか、トリックとか、気になるけれども。
本を置いて腕を伸ばして、そっとあいつの二の腕をつつく。
「ぎゃー」
棒読みの、普通の音量の悲鳴が出てきた。
「悲鳴かな?」
「つつかれたので、ダメージ喰らったってことで」
会話しつつも、スマホから目を離さない。
ちょっとイラッとしたので、もう一度つついてみた。
「ぎゃー」
そんな昼前。
もう少ししたら、昼ごはん何にするか聞こう。
こんな日が、ずっと続いている。
また1から
勇者「ふぅ…やっと魔王を倒すことができたぁ…、色々な犠牲があったからそこ、この平和ができたんだろうな…」
そして勇者は自分のふるさとの村に帰った。
だけど、勇者は"何故か"また平和が壊れてしまった。
勇者は察した。
勇者「あ…セーブするの忘れてた…」
ずっと隣でいてほしいような人は中々いないものだと思う。
ずっとあなたの隣にいることはできない。でも見せて欲しい、あなたの元気な姿を。それだけで私は安心するから。
ずっと隣で歌ってた
あの木の下
僕の隣
僕がうたた寝してた時も
僕が泣いてた時も
僕が笑っていた時も
ぼくが恋をしていた時も
君はずっと隣で
隣で…隣で
何をしてたんだっけ
あなたの横顔をいつだって見てきた。
ずっと隣にいたから。
だから私、知ってるのよ。
あなたの目が誰を追ってるか。
眩しそうに目を細める、好きだった仕草ですら
私に向かないから憎くてたまらない。
現実では難しい事も
思い出としてなら叶うんだ
二度と会えない誰かの事を
ずっと想っていられるし
更に記憶は美化されやすい
#ずっと隣で
私の隣で眠る彼を見つめる
彼とはじめて出会ったのは少し前のことだ
私の家にはよく人が訪れた
彼らは無断で家に侵入しては
動画を撮ったり落書きをしたり
散々荒らして騒いで満足したら帰ってゆく
ここへ来る輩はほとんどがくだらない連中だ
彼を除いて 思えば一目惚れだったのかもしれない
険しい顔をしている彼を仲間の一人が冷やかした
「おまえびびってんのw?」
「違う、ここ本当にまずい。早く帰ろう」
彼の顔も彼の目も彼の声も彼の魂も
私の心を捉えて放さなかった
彼の事をもっと知りたい
それから私は彼についていった
気づいて欲しくてわざと物を動かしたり
彼の体に跡を付けてみたりした
起きてから鏡を見た時の彼の表情が忘れられない
ある日のこと 彼はお寺へ赴いた
「なんとかなりませんか」
住職は私の方をちらりと見た後に目を伏せた
「…できるかぎりの事はしてみます」
それから儀式のようなものが始まった
正座になり目を瞑る彼とブツブツと何かを唱える住職
私はこの空間がどうにも落ち着かなかった
住職は額から汗を流しながら私に語りかけた
「彼を解放してやりなさい」
なぜ?どうして?そんなのいや
彼と離れたくない 彼のそばにいたい
もう一人になりたくない!
気が付けば住職は床に倒れていて
冷たくなった住職の傍らで彼は呆気にとられていた
それからも私はずっと彼のそばにいる
日に日にやつれていく彼の横顔を見つめた
あぁ そんな顔も素敵
多くは望まないから どうか
これからもあなたの隣にいさせて
お題「ずっと隣で」
キミがボクの隣にやってきて仕事を始めた時からだろうか
それとも食堂で席がないからとボクの隣へと座って食べたときであろうか
はたまた朝の満員電車でたまたま隣にキミが居たときからだろうか
どれにせよキミが隣に居たことでボクとキミの歯車はかち合って回り始めた
その場にいなくても
キミはボクのそばに居る
ボクもキミの隣に居る
ずっと隣で
嘘つき!
わたしわたしの|傍《そば》に
ずっと隣りに居るっていったじゃない!
一度!わたしわたしの前から消えたと
思ったら
また、現れて
その時に約束をしたでしょう!
今度はずっと隣りにいるからって!
なのにどうして
また、姿を消したの!
ずっと隣りに居たかったのに?
えっ?
悪いのはわたしわたしなの?
どうして、わたしわたしから
離れて行ったの?
もう分からなよ。
嘘つき!
わたしわたしは毎日
貴女の事を考え
思えば、自然に涙してる。
もう、戻れないの?
教えて下さい。
──────────────────
別に消えた訳じゃ〜ないよ。
貴女が心の扉を開けてくれれば
また、元に戻れる。
わたしは不安だったの
本当にこのままでいいのかってね。
その不安を貴方は取り除いてくれたの?
くれなかったよね。
だから、今は少し距離を置いた方が
良いかなって、思い
こうするしか方法は見つからなかったの
分かってくれるかな?
──────────────────
わたしわたし
そんなの分からない!
どうして良いのかも分からない?
ねっ!
わたしわたし達は
もう、終わりなの?
教えて下さい。
────────────────
教える?
教える必要はないと思うよ。
ずっと隣りに居たいのなら
戻ればいい事。
それをしないのは
貴女がわたしに
隠し事をしているからだと思わないの?
その重い心の扉を
めいいっぱい、押せば
きっと見えるはずだよ。
そしてその時い言えばいいの
ずっと隣りに居させて下さいってね。
難しい事でもなんでもない。
ただ、ずっと隣りに居たいって言うだけ。
その時が来るまで、わたしは
あの日のままだもん。
めぐみより
“ずっと隣にいるよ”って、なんて心強い言葉でしょう。一人辛い時、寂しい時、そんな言葉をかけてくれる人がいたなら、きっと私、どんなことでも乗り越えられる。大切な人が泣いていたら、私も、そんな頼もしい言葉を言える人になりたい。でも、もし恥ずかしくて言えなかった時は、せめて隣に腰掛けて、手を握って、抱きしめて、“私はそばにいるよ”って伝わるように、一生懸命頑張るよ。
君はよく1人で泣く。
声を押し殺して泣くんだ。
多くの人は、君も含め、
私を見ることも、私の存在を知ることもない。
だから君は知らないだろう。
私が君を思い、そばにいることを。
君のために私にできることは他にあるのだろうか。
1人で戦っている君のために。
私はモノに触れることができない。
特殊な能力を持っているわけでもない。
私は君のそばにいることしかできない。
君の幸せのために祈ることしかできない。
だから今日も君のそばにいるよ。
君の未来が少しでも明るくなるように祈るんだ。
テーマ:ずっと隣で
キミと付き合いだして
毎日が楽しくて
一緒に笑って
一緒に泣いて
身体を重ね
思い出ばかりが増えていく
1年後の未来が楽しみで
目を閉じると脳裏に浮かぶ
キミと過ごしている世界
#ポエム
ずっと隣で笑いあっていたい。寄り添いあいたい。
でも私が君を傷つけてしまった。
それだけじゃない。君を失望までさせて、家庭を壊すほどのことをした。
君が怒るのも無理は無い。
でも、もう一度話し合い、この先も頑張るとお互いが確認しあった。
それでも。
それでも。
君は普段通りにしてるけど、無理してる気がして。
私も無理してる気がする。
それが伝わってたらどうしよう。
ずっと隣にいてくれてた、君達がいなくなったあの日から私は弱くなっちゃったよ
だけど母として強くならなくてはいけないなんて思ったあの日から早いもので4年経ったんだね
もうこの世にはいない君達を思って今日も生きてる
君達からすれば『殺しておいて母親面するな』なんておうかもしれないけど私にとっては世界のどこを探してもいない血の繋がった娘?息子?なのだから
母は君たちの事を思い出すと悲しくなる
ごめんね産んであげられなくてごめんねダメな母でごめんね弱い母でごめんね
3人には何もしてあげられなくてごめんね
母を名乗る事も許されないこの関係に名前をつけるのならなにになるのだろうか?
君達を亡くした悲しみを私は『呪い』と呼び
父は君達の事を忘れてしまっているのであろう
いつまでも忘れない世界一…いや宇宙一大切な我が子達
中絶の苦しみは自分には1番辛くなる選択だった
心優しい人が苦しむ選択だと私は思う
苦しみの大きさは人それぞれだと思う
『望まない妊娠なら別に悲しむ事はないでしょ?』とか思うかもしれないけど悲しまない親なんていない産まなかったとしてもお腹の中で大切にしていた1つの命なのだから…