『すれ違い』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
#13『すれ違い』
貴方と別れてしまったのは
この世が不条理だから
としか言いようがないけれど、
立ち直るのに案外時間はかからなくって
新しい気持ちで生きようとすれば、
忘れさせないかのように
思い出される記憶に
胸が締め付けられるばかり。
ああ、向こう側から来る貴方に
すれ違いざま、
どんな対応をすればいいんだろう
久しぶりに姿を見てこんなんじゃ
やっぱり私、変わってないのかも
それでも前よりもっと
強くなっているはずだから
魅力的になってるはずだから
自信を持って進んでいく
すれ違い
お互いの心…
すれ違い
分かり合えそうで
分かり合えないの…
でも…
ちょこっと
分かり合える部分が
あるなら
それを…
大切にしていきたい
すぅーああまたやっちまった
れんらくの返信忘れ
違うんだよこれは
いそいでて
すれ違い
行きたい場所
食べたいもの
今日の気分
いつだって
君と僕は噛み合わない
お互いに
相手に合わそうとしない
性格だから
君と僕とはいつもすれ違い
だからこそ
たまに気が合った時が
最高なんだよね
不貞行為を繰り返す夫と真面目な妻の間に産まれた
言葉も喋れない頃に母が姉を連れて逃げた
物心付いた頃には殴られた
✕ねばいい、✕ねばいいと何度も繰り返された
齢8にして父を✕した
正当防衛だった
✕すしか無かった
拾われたのだって面白そうだったから
でもそこで愛情を知ったし
温もりを知った
「今更どうしろって言うんだよ」
✕✕歳の少年
不貞行為を繰り返す夫と真面目な母の間に産まれた
毎日泣く母を慰め弟の世話をした
母が手を取り逃げる時
理解も出来ずに弟の身を案じた
案じるだけだった己に心を病んだ
心身壊れる母の背に心を病んだ
繰り返される入退院にまともなんて無かった
私は母も捨てた
仕方の無い事と諭すには心が弱かった
残った希望は貴方だけだった
私と一緒に普通の生活をしよう
「お願いだから分かってよ」
✕✕歳の少女
…
痛かった
苦しかった
辛かった
でも誰にも届かない
僕は成功作だから
耐えられる
耐えられてる
痛くないこと
苦しくないこと
辛くないこと
大丈夫
大丈夫
「…サイは平気です」
✕✕歳の少年
物心ついた頃から身体を開く事が当たり前だった
✕くても苦しくても辛くても
これが世のため人のため
出来ないのなら、耐えれないのなら処理対象と言われた
私は失敗作だった
どんなに泣いても喚いても私は処理対象
弟はそれを見てるだけ
✕くて怖くて✕くて怖くて
だから貴女に救われた時に
撫でられた時に涙が出たの
✕いは未だに分からないけど
辛いって苦しいって嫌だって
言っていいって言われたから
「私の名前はベルよ、ササはもう居ないわ」
✕✕歳の少女
…
この世がつまらなくて仕方が無かった
縛り付ける事にしか脳が無い大人が苛立つ
顔色ばかり窺う癖に影では嘲笑を肴にする子供に苛立つ
ニンゲンが嫌いで仕方が無かった
バケモノになりたかった
だがバケモノは思いの外大変で
ニンゲン離れも程々にすべきと感じた
避ける私を追い掛けて
興味本位で付き合って
ちゃんと教えてくれたから
私に君は不釣り合いだったのかもしれない
「よく聞こえる声で泣くなよ、ハニー。」
✕✕歳の少女
この世がつまらなくて仕方が無かった
求められるから熟して
頼まれるから受け入れる
バケモノだと言われても求められたからしてるだけ
ニンゲンとバケモノの差ってなんだろう
ニンゲンらしくないで言ったら君も俺も変わらない
機械のような自分はニンゲンらしくないらしい
ならニンゲンらしさを教えてよ
生物ってなに?
ちゃんと教えてくれたから
君しか居ないんだろうなって思い込んでた
「なんでアイツばっかり責められるんだよッ!!」
✕✕歳の少年
…
何処か心が空っぽだった
母は自分を産むと同時に亡くなった
父は仕事に明け暮れて家に居ない時の方が多かった
学校にも行けてたし友達だって居た
食事だってきちんと食べれてる
服だって毎日洗濯できるし着てるし
帰る家だってある
でも満たされなかった
周りはそれすらも感じさせない
楽しげに充実した普通を歩んでる
それに比べて自分は?
何がしたいんだろう、何を目指してるんだろう
何も出てこなかった
だから初めて見た美しさに惚れた
欲しいと思った
創りたいと思った
手に入れたいと思った
それ以外要らないとさえ思った
「俺っちにはコレしか無いんスよ」
✕✕歳の少年
優しい両親が居て
朝起きたら遅刻を仄めかされて
焦るのにも関わらず朝食だけはちゃっかり食べて
行ってきますと声に出して
授業ダルいなんて友達と笑い合って
オシャレなお弁当を頬張って
最近流行りのメイクで盛り上がって
疲れるのに楽しい部活を終わらせて
帰宅途中に出会う幼なじみに絡んで
家に帰って旅行の話でもしながら夕飯を食べて
スキンケアで長引く入浴を終えて
ベッドに飛び込みスマホを弄る
そんな普通がずっと続くと思ってた
貴方が美しさに惚れて普通から飛び出すまで
「たまには帰らないと…おじさん不安だと思うよ」
✕✕歳の少女
題名:すれ違い
作者:M氏
出演:🎗💜/🎲🔔/🌧☀️/📸🍤
【あとがき】
冷静に考えれば伝わる言葉とか
第三者目線に立てば納得出来る感情とか
人がすれ違う瞬間ってそれくらいくだらない事が多いですよね
M氏もそんな形で誰かとすれ違う事が多いです
誰かの意見に惑わされて交友を断ったり
言葉足らずな想いをネガティブに受け取って勝手に傷付いたり
きちんと落ち着いて話すだけで解決出来ちゃったりするんですよね
それが出来るのなら人間は苦労しないんでしょうけど
皆さんはすれ違ったな、アレは何とかできたなって思う経験ありますか?
すれ違いとは気付いた頃には手遅れになるものばかりですが
それが後悔になって自尊心を削り始める前に
腹を割って誰かと話すのは大事だと思ってます
ですが正直と歯に衣着せぬ物言いをイコールにするのはオススメ出来ませんよ
言葉は難しいので沢山考えましょう
向き合うってそういう事だと思います
あの時の涙の理由は…
あの時…
あの子は私の長女ですよ…
前の旦那さんと調停までして
別れた時ね…
男と女のすれ違いですねぇ…
子供が…
あぁ…孫ね……
当時ねぇ…
孫がね一緒に泣いてたの…
せめて長女と孫がね…
すれ違いにならないように…
お祖母ちゃんも色々あって大変なんですよ!(笑)
あっごめんなさい…
本橋さんも離婚されてたのよね…
ごめんなさい…
僕の事は気にしないで下さい…!
私から切り出した事ですしね、
僕こそごめんなさい…すみませんでした
本橋さんは変わらずに…
すれ違い。
関西に行くのに
すれ違い。
本当は
逢いたいのに
11月まで我慢。
なるべくなら無い方がいい
出来るだけすれ違わないようにしたい
せっかくの両想いだからね
初めから…そう 出逢った時から
間違っていると知っていたんだ
間違っていたとしても
ダメだとわかっていても
貴女が欲しくてたまらなかった
サヨナラと手を振る貴女の手首を掴んで
細い指先をゆっくりと口に含む
指先から伝わる貴女は
か弱くて 優しくて 罪深い
そして…驚くほどに冷たかった
初めから…そう出逢った時から
すれ違いの僕達だから
交わることなんて
きっと…許されない
友人や恋人とちょっとしたことですれ違いが起こっても、なんとかなるから大丈夫。なにせ僕たちは日々誰かとすれ違っているのだから。
すれ違い。町に出れば、外に出れば、必ず一人とはすれ違う。
そんなすれ違いが、もし、今どき古くて使いたくはないけれど、運命を連れてきたら、どうなのだろう。
今日もいつもと変わらずいつもの町を歩く。
はずだった…。
「あのっ!あの、すみません」
私は誰かに呼ばれた。呼ばれた方へ振り向くと、そこには青年がいた。
「はい……。何でしょうか?」
人通りは沢山ある。何かあったらすぐ逃げ込めるお店もある。
もし不審者だったらすぐ逃げ込なくては。
「あの……、いきなり話しかけてきたすみません。俺、変なものじゃありません。
何処にでもいる大学生なんですけど」
「だから、なんですか?」
「好きです。」
「はい?!」
「一目惚れです。」
「いや、知りません。それに、今会ったばかりの人に好きになられても困ります。」
私はそう言い、足早にそこから去ろうとしたが、彼は諦めなかった。
「あの、少しっ!ほんの少しで良いんです。お話してくれまんか?」
「いい加減にしないと、警察呼びますよっ!」
そう、私が言ったとき…、
「あれ?柳瀬じゃん。何?ナンパしてんの?お姉さん困ってるじゃん。やめなよ」
彼に話しかけてきたのは、今どきギャル。
けれど、とてもしっかりしてそうな女性だ。
「お姉さん。ごめんなさい。こいつ失礼しましたよね。」
「えっ?あ、いや……、」
「柳瀬、良いやつなんですけど、考えなしっていうか、自分の気持ちに素直すぎて周りが見えづらくなる事があるんです。」
そう言うと、彼女は私に近づいてきて、
「あの、失礼を重々承知で言うんですけど、もしよろしければ、柳瀬とお話して頂けませんか?ほんと、少しでいいんです!
こいつ、悪いやつじゃないですし、どちらかと言えば、良い男なんです。
私は、林田 真夏(はやしだ まなつ)といいます。柳瀬とは同じ学部で同じクラスです。もしこいつが変な事してきたり言ったりしてきたらすぐに知らせて下さい。
これ、私の連絡先です。」
そう言うと、彼女は自分の連絡先を私に渡し、よろしくお願いします。といって去っていった。
私は彼女に免じてこのあと柳瀬君とお話したのだけれど、彼女の言う通りとても素敵な青年だった。
後に私は、彼と付き合う事になるのだけれど、彼女、真夏ちゃんは、今では私の良き相談友達だ。
すれ違い
すれ違い
出会うことが運命だというのなら
出会わないのもまた運命なのでしょう。
運命は今日も
すれ違い
すれ違い
運命が交わるのは何処
人が仲違いする時は
どこかで
なにかが
ずれてしまった時だと思う
それは
勘違いだったり
誤解だったりもするし
価値観の違いだったり
色んな可能性で
すれ違いもする
もちろん
仲が良いからこそ
すれ違うこともあるんだけれど
すれ違いばかりで
本当にお別れなことも……
すれ違ったあと
時々
振り向いて
相手の背中
見つめられたら良かった
そう思うことも……あるんだよね
(2023.10.19/すれ違い)
すれ違い。
タイミングが大事なのか早いほうが良いのか。タイミングなんて過ぎ去ってから出ないとわからないし、逃したときには後悔する。もっと早くしていれば。でも早いことの欠点は未熟であること。もう少し待っていれば、成長できれば。結局成功しないと早かれ遅かれ後悔する。でも早いほうがまだ挽回のチャンスが狙えるのでは?
霧の海が広がっている森の奥。道筋で不気味に灯る黒い炎を追いかけて早三分。木林が急に終わったと思いきや、がきんと折れている先が尖った黒の柵が目に入る。視線を上に……柵に囲まれた壊れかけの豪邸があった。男はここまで来たからには引き下がることは出来ないと思い、ががが……と音を立てる扉を開けた。そこには仮面をつけた男性と女性がいた。赤い椅子、その間にある茶色のアンティークテーブル。煌めくシャンデリア、庶民には分からない貴族のセンスの写真。ガラス張りの棚にはワイングラス、皿、コップ……男は中と外の違いに目を点にし、家の外に出た。だがさっき見た家の見た目と同じ。男は諦めて中に入り、黙りこくった二人が何か反応を示すまで佇むことにした。男性の仮面は何も描かれていない素朴な白。女性は黒に赤に金と、貴族かと思わせる豪華な仮面。二人は男に気付く素振りもなく、なにかを話し始めた。話を聞くに、女性は目の前に座っている男性に殺されたと言っている。男性は君を守る為だと保身している。その返しに憤怒した女性は靴の先端で男性の頭を殴る。だが男は怯むことはなかった。それに頭から血が流れていなかった。
あのね、私は覚えているのよ。あの時最後に見た光景を!血だらけの私にナイフを突き刺す貴方の姿が!
君は誤解をしていないかい、私は本当に殺してなんざいないんだ。
嘘に決まってるのよ、私がどれほど痛い思いをしたか分かってるの!ねえ、そこの人間もそう思うでしょう!
女性にいきなり呼ばれ、男は返事もせずに家から出ていった。腰が抜けるぐらいの衝撃だったが、なんせ殺人現場の被害者と加害者が喧嘩しているところになんて長居したくなかった。男はあの森に二度と行かないことにしたらしい。
男は最後に呟いた。
───あの二人のすれ違い、いつ終わるんだろうか。
【83,お題:すれ違い】
どんなに相手を大切に思っていても、必ず相手が同じ気持ちとは限らない
どんなに相手を信頼していても、必ず相手が同じ信頼を寄せてくれてるとは限らない
人と人が完全に互いを分かり合うのは不可能、必ずどこかでズレが生まれてしまう
それにいち早く気付き、互いが満足できる結果に治せるのならばこのズレも悪いものではないのだろう
だが、一番怖いのは
人は、大切なものほどその異常に気が付けないということだ
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いつからだ?お前と視線が合わなくなったのは
いつからだ?隣を歩く温もりが遠ざかって行ったのは
いつからだ?いつからお前は
そんなに憂いを溜めた目で笑うようになった?
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「おいっ!...待てよ!」
薄暗い路地の裏、めったに人が来ないこの場所で声を荒げる
ビクッと肩が震えて止まった、絶対に見間違えようのないその背中
「お前...なんで...」
一歩踏み出すと、その途端に同じ歩数下がり こっちに来るなと、目線で伝えてくる
その目は真剣で、お前なりに覚悟を決めていることが伝わってきて
俺の足はそれ以上先には進めなかった
「......どうして殺しなんか始めた?お前血ィ苦手だったろ」
お前の事ならきっと俺が一番理解してる、だがこれだけは分からない
「なんで親まで殺して姿を消した!?...今や世間ではお前が殺人鬼だってニュースまで流れてるんだぞ!」
じっと俺の言葉を受け止めるように、目を伏せて耳を傾けている
やがて開かれた瞳は、お前のものとは思えないほどどす黒く濁っていた
一歩後ずさる、ずっと側に居たのに知らなかった
一緒に沢山馬鹿やって、一緒に叱られて、でも振り向いた顔は困ったように笑ってて
でも本当は、そんな顔してたのか...?
「...僕は...僕はね、この行動が正しいなんて微塵も思ってない」
「ッ!だったら...」
「でもさッ!!」
苦しかったんだ、蚊の鳴くような細く弱々しい声でお前は言う
「朝起きて、飯食って、夜布団入る時もずっと!
頭の隅にあるんだ...ぐちゃぐちゃした、呪いみたいな何かが」
苦しそうに頭を抱え下を向く
顔は見えないが、今にも泣き出しそうな子供のような声だった
「これがなんなのか僕にも分からない、気持ち悪いったらありゃしないよ
僕自信にも分からない何か、僕ではないナニか、そいつが前に言ったんだ」
『全部壊シてしマおう』
「怖かった、抑え込むのに必死でお前に相談も出来なかった
ある日3日くらいかな、意識が無い日があったんだ、僕が姿を消したあたりだよ」
確かにあった、3日間家にも帰らず行方不明になってた時期が
そして、その後すぐ...
「ビックリだよね、気付いたら家のなかで、ぐちゃぐちゃの...親だった肉塊の前で立ってるんだから」
深く息を吸って吐いて、静かな深淵を写したような目で俺を見てお前は言う
「お願いがある次会ったら、その時は僕を殺して欲しいんだ
僕は今指名手配犯だし、別にここで殺しても構わないけど...」
フッと、口角が上がる
「僕は今、初めて自分の人生が楽しい」
皮肉にもそれは、俺が見てきた中で一番美しい笑顔だった
「じゃあね」
くるりと踵を返し、弾むような足取りで路地の闇に溶けていく元親友
追うことも引き留めることも出来ず、その場に縫い止められたように不格好なポーズで停止する
いつから、すれ違っていたのだろう
もし、俺が気付けてたら
お前はこんな行動には出なかっただろうか?
もし、俺が気付けてても
お前はこの行動に出ただろうか?
引き留めようと無意識に伸ばした手がストンと落ちる
もう手が届かないとこまで行ってしまった、手遅れか
「独り善がり、ねぇ...」
なんとも言えない気持ちのまま帰路に着いた
その日以来、お前が俺の前に現れることはなかった
たしかに縁があったはずなのに
何故か”すれ違い”を重ねてしまう
この出会いの意味はなんだろう
何度ものすれ違いが重なるうちに話をしなくなっていった。
学校楽しくなくなったな。
私の、何がいけなかったの。
私を、嫌いになったの。
あなたを遠くから見つめるだけになってしまって、こんなにも苦しいなんて。
おかしいな、独りぼっちは慣れたはずなのに。
お願いだから、せめて私が話しかけたら愛想笑いでもいいから笑ってくれる?
…嘘。やっぱりそんな笑顔見ても余計虚しくなるだけだから。
すれ違ったまんまでいいわ。
最初は小さなすれ違いだった
それが段々小さいすれ違いでも
大きなすれ違いになって遂には
すれ違うこともできない関係になった。