『お祭り』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
囃子と太鼓の音が響く。
人混みのざわめきが、遠くに聞こえる。
提灯の暖かい灯りがずうっと続いている。
屋台が遠い。
随分、高いところまで来てしまったようだ。
手首に引っ掛けたヨーヨーが垂れている。
どこまで行くのだろう。
先を歩く、お面をつけた甚平の背中に追いすがりながら、そう考えた。
どこまで登って行くのだろう。
囃子と太鼓の音が響く。
向かっているのはお社の方だ。
お祭り。
年に一度の夏祭り。
古くからこの地域に伝わる、お盆と、神様への感謝のお祭りを合わせた、この神社のお祭り。
午前はお神輿と出し物で、神様への感謝を伝え、讃える。
午後は出店とお囃子と花火とで、ご先祖の霊に感謝し、お盆に帰ってくる霊たちを楽しく迎え入れる。
お祭りは毎年、一定以上の賑わいを見せており、今年は_特に午後の部は_大層繁盛していた。
今年のお祭りは、私も出し物に参加していた。
神様に御供物として、太刀と槍、太鼓と笛を使って、踊劇をやったのだ。
本来ならこの出し物の演者は、十八を過ぎた女性に限られていた。
しかし、二週間前に演者の一人が怪我をして、やむなく十八になっていない女子の中で一番背の高かった、十六の私が出し物に参加することになった。
この二週間は結構大変だった。
怪我をした演者がまあまあ重要な役回りだったため、代役の私がこなさなくてはならないことが、たくさんあったのだ。
出し物の劇を叩き込むために、毎日公民館に通い、毎日練習を重ねた。
台詞を覚え、祝詞を暗記し、振り付けを体に刻み込んだ。
だからこそ、今日、出し物が無事に終わった時は、達成感でいっぱいだった。
念入りに化粧をされて、衣装に着せ替えてもらって、鏡越しにまるで大人のように見違えた自分を見た時は、目が眩むほど緊張したけど。
出し物の後は、たくさんの大人にも褒められて、親からも少し多めにお小遣いを貰えて、一緒に頑張った演者たちで午後の部に遊ぶ約束をして…
午後の部を楽しむつもりで、私は浴衣を着込んで家を出た。
…待ち合わせ場所に着いた時、居たのはお面を被り、甚平を着込み、雪駄を履いた男の子だった。
待ち合わせの時間になって、誰も来なくて。
…そのまま十分が経った後、彼が_目の前の男の子が私の袖を引いた。
確か演者に選ばれたお姉さん方の中に、これくらいの弟がいると言っていた人がいた。
もしかしたら、この子が弟さんかも。
そう思った私は、引かれるままについて行き、鳥居の奥の石段に足をかけた。
それから私と男の子は、お社をめがけてぐんぐん登って来たのだった。
それにしても登りすぎな気がする。
どこまで行くのだろう。
午後の部のお祭りの時は、確かお社には入ってはいけない決まりのはずなのに。
みんなはどこまで行ったのだろう。
そう考えて、ふと顔を上げると、先を登っていた男の子が振り返り、こちらを見下ろしていた。
何故だか、お面の向こうで、彼が笑ったような気がした。
提灯が赤々と、心細げに、幻想的に灯っていた。
辺りはしいん…として、囃子と太鼓の音が寂しげに響いていた。
私と彼を、深い闇が包んでいた。
人の声はもう聞こえなかった。
お祭り
小さな頃、夏祭りには特別な空気があった。なぜかそこだけがキラキラして見えたのだ。
今はどうだろうか。まだ、私は幼い頃のように夏の空気を感じられるだろうか。
日々家
『花火』
四畳半の部屋の片隅で
今日も独り静かに夜を過ごす
どこからか聞こえてくる花火の音が
身体に響いて心地よかった。
お祭り
先日ふとアルマゲドンをまた観たいと思いたちまして
そこからずっと 地球の危機の映画ばかり観てます
【地球滅亡映画祭2024】
ただ今絶賛開幕中!!
私の部屋でだけですけどw
「お祭り」
お祭りって楽しいよね
美味しい物食べて、楽しい思い出を作って、一日を楽しむ
花火もあるから目で見て楽しむこともできるよね
そんな日常があるってことは本当に幸せだなぁって私は思う。
お祭り
皆で
歌い踊り供物を供え
神を称える
一体感、高揚感
非日常を味わう日
私の街から
1つ祭りが消えた
人口減少によるものだそうだ
「フェス」は増えた
軽やかな響きに
人の流れも変わる
人の本質は変わらないけど
時代の転換期なんだね
お祭り
酒を飲みながら人に交じって歩くのが楽しい日
お祭り
お祭り、お祭りか。
思い出はいっぱいあるけど…
やっぱり一番は鳴子踊りの夏のどでかい祭りのステージで踊った事かな。
パレードめっちゃ暑かったなー
賑やかな祭囃子の音が
聞こえる
綺麗な浴衣で
楽しむ姿
金魚掬ったり
わたあめ食べたり
楽しそう
そう思って眺めている
ガラス越しに
いつも、いつも
ねえ、
この見えないガラス
もう外そうか?
飛び出していこうよ
楽しいと感じる
その場所へ
スポーツの祭典も
お祭りと言ってよいのだろうか
柔道の阿部詩(あべうた)の慟哭は
最愛の人を突然亡くしたような
思い描いていた未来が閉ざされたような
あるはずの権利が突如失われたような
そんな言葉では言い尽くせない
悔しさと哀しさをはらんだものだった
その修練の重みと長さ
私ごときには想像もできない…
一瞬の隙
その一瞬の隙を見逃さず
またその一瞬の隙を生じさせたこと
讃えようにも讃えきれず
恨もうにも恨みきれず
大きな後悔に苛まれたことだろう
お祭りが嫌いだ。
騒がしいし
汚いし
そして高い
全然メリットないじゃねぇか。
何であいつとの思い出が夏祭りしか覚えてないんだよ
畜生。
*お祭り*
夜、浴衣を着ているカップルとすれ違う。甘い香水の匂いと汗の匂いが混ざって吐き気がしそうだ。
ゆっくり肩に手を添えられた感覚がして、一瞬体がぴしりと固まる。
「兄ちゃん、落し物」
「……へ、あぁ……すんません」
もっと声を出しながら肩を叩きでもしてほしい。そんなねっとり触られると幽霊でもなんでも出たのではないかと思ってしまう。……なんてグチグチ思いながら振り返る。
落し物、と差し出されたそれは見た事ない異様なナニカで、声の主の腕は透けていて顔も目なのか口なのか分からない化け物だった。
恐怖から一気に足が走り始める。あの異様なナニカから逃げるために。辺りを見回せば、山の上まで続く小道を見つけた。足が動く限り、小道をかけ登っていく。
小道の先にあったのは古びた神社。いかにもお化けやら狐やらが出てきそうな雰囲気を纏っている。
「……はぁ、はぁ……ちょ、きゅうけ……」
自分を落ち着かせるために独り言を話しながら少し神社を散策してみる。背後でポキリと小枝を踏んだ様な音がして咄嗟に振り返ったがそこには何もいない。
「……え、何そういう展開?無理なんだけど……」
誰に向けて話す訳でもなく、怖さを紛らわせる為に独り言を話し続ける。
「……だれかぁ〜、いたりとか〜……します?……なんてぇ……あはは……」
ゆっくり肩に手を添えられた感覚がして、体がぴしりと固まる。こんな所に人がいる訳ない、はずなのに。
「兄ちゃん、落し物」
さっき聞いた声と同じ声がして、冷や汗がどばり。声の主を認識する前に恐怖からばたりと失神してしまった。
「……さん!お兄さん!」
目が覚める。ゆっくり目を開けると、休憩スペースのテントで横になっていた。
「大丈夫です?倒れられてましたけど」
「……大丈夫っす……」
夢か。どこまでが夢?どこまでが、
「……兄ちゃん、捕まえた」
そんな声がして喧騒の中に悲鳴が響き渡った。
『お祭り』
この顔だけは見られたくなかった。
ふたつの水晶はまともに機能なんてしてくれなくて
大好きな片割れの顔をはっきりと映さない。
足でもいたい、?
けがした?
不安そうにこちらを見つめているであろう片割れ。
ごめんね、そんな顔させたくて誘ったんじゃないの。
そんな顔させたくて、浴衣を着てきたわけじゃないの。
少しでも君にかっこいい、って思って欲しかった。
それだけなの。
抱えてしまった歪な思いは、こんな時でも自分を邪魔して。
こんな時でも自分から正常を奪っていく。
ごめん、ごめんね。
明日からはまたさ、ただの片割れに戻るから。
今だけは、この花が散るまでは
すきでいてほしいの
〚お祭り〛
花火大会や夏祭り。
お祭りと言うたら、大騒ぎ。
あの年あの夏、あの夜に。
踊って転んで、楽しんで。
いつもと違う夜探し。
夜に狐、現れる。
あの日の事は忘れれない。
想い出祭りの、夜探し。
お祭りのお決まり
煌びやかな神輿を眺め
アンパンマンカステラを2袋買って食べる
たまにブルーハワイのかき氷
あとはたこ焼きと焼きそば…
食べてばっかり😋
✴️102✴️お祭り
【お祭り】
ヒューーーードン!
「きれい…((ボソッ」
一人暮らしのアパートから見える花火をひとり
寂しく眺める。
あの人と見たかった花火をベランダで見る。恋人が
いるあの人と2人で行くことはできない。
女の私とは行けない。そう分かってはいるけど。
それでも、私は貴方とお祭りに行って花火を見た
かった。
ぼくのお兄ちゃんは優しい。昔からずっと、お互い高校生になった今もぼくをたくさん甘やかして可愛がってくれる。
「お兄ちゃん、近所でお祭りやってるんだって!一緒に行こう!」
「え、今から?」
目を丸くするお兄ちゃん。当たり前だ、さっき晩ご飯を食べ終わったばかりで、そろそろお母さんに早くお風呂に入れと怒られる頃合いだろうから。
「なにかしたいことでもあるの?」
「うーん……強いて言うならかき氷食べたいけど、別に特別したいことはないなぁ」
「? ならなんで……」
「久しぶりにお兄ちゃんと遊びに行きたいだけ!」
とびっきりの笑顔で答える。そう、ぼくはお祭りにこだわっている訳ではない。ここ最近忙しそうだったお兄ちゃんと遊びたかっただけなのだ。忙しそうだったならゆっくり休んでもらうべきなんだろうけど、本当に疲れていそうだったらさすがに誘ったりしない。
ぼくはお兄ちゃんに愛されているという自負がある。自惚れでも自意識過剰ないと、自信を持って言える。だからこんな無茶を言うのだ。ぼくのことが大好きな優しいお兄ちゃんが、ぼくのお願いを無下にするはずがないと。
「……もう、しょうがないなぁ」
呆れたような表情の奥に見える、ぼくだけに向けられる慈愛の眼差しが、昔から大好きだった。
「急だし、あんまり長居はしないからね」
「うん!ありがとう、お兄ちゃん!」
優しい優しいぼくのお兄ちゃん。大好きな自慢のお兄ちゃん。高校生にもなってこんなに兄にべったりだなんて、普通は恥ずかしいことなのだろう。でも、もう少しこのまま。お兄ちゃんが一人暮らしをするとか、いつか離れるときが来るまでは、このままでいたい。
「早く!早く行こう!」
「先にお父さんとお母さんに言ってから!」
「そんなに大きな声で話してたら丸聞こえよ。あまり遅くならないようにね。気をつけて行ってらっしゃい」
「ほら、ちょっとだけど小遣い。楽しんでこいよ」
「わ、ありがとう」
「お兄ちゃん、早く早く!」
「わかったから!」
「ふふ、相変わらず仲が良いわね。お兄ちゃん、よろしくね」
「うん」
「「行ってきます!」」
『お祭り』
君とお祭りに行けたらどれほど楽しかっただろうか。
そんなこと願ったって叶わないけど。
外で、ドン、ドン、という音が聞こえた。
花火大会か。M町の花火大会だな。
それはそうと、近所の祭りを思い出した。
今年も行かなかったな。いつあったんだろう。
いろんな露店に、いろんな人。
やはり、祭りといえば夏の風物詩だと思う。
「お祭り」
【極夜】
あ、花火上がった。
僕は家のベランダから大きな花火を眺めた。
赤と黄色、それと白を含んだ流線状の光たち。
花火は英語でfireworksというけれど、確かに火が働いているように思う。
火が自分の意思で動いている。
僕はコーラを一口飲むと、部屋に戻った。
窓を閉め切っても、花火が打ち上がる音は貫通してきた。
昔はこの音が苦手だったけど、今ではなんてことない。
僕はパソコンを開くと、作曲に取り掛かった。
アコースティックギターの録音はできそうにないから、新しい曲の構想でもしようか。
僕は新しいプロジェクトを開いて、手始めにドラムの音を打ち込んだ。
ドッ ドッ ドッ ドッ
チッ チッ チッ チッ
タン タン
ヘッドフォンを通じて小気味よいドラムの音を聴く。
思えば、誰かと花火大会に行ったことはないな。
僕はふとそんなことを考えた。
最後に行ったのはいつだっけ。
中3のとき、家族と行ったっきりではないか?
友達や恋人と花火を見たことなど1度もない。
学生時代(今も学生だけど)は学校でひとりぼっちだった。
いじめられていたわけではないが、人よりも才能のない僕は友達を作ることができなかった。
勉強ができるやつ、人と話すのが得意なやつ、歌が上手いやつ、絵が上手いやつ、性格良くて優しいやつ、など。
僕の周りはスペックが高かった。
それに対して僕は、勉強もそんなにできず、人と話すのが苦手で、歌は下手だし、絵も下手だし、性格は捻くれている。
僕に取り柄などない。
そう思っていた。
だけど、あるバンドの曲を聴いたことで一気に変わった。
かっこいい。
この人達みたいになりたい。
初めて抱いた憧れだった。
バンドを組むにはコミュニケーション能力が足りなかったので、作曲してみることにした。
いわゆるDTMだ。
加えて、ギターも始めてみた。
最初は難しかったけど(そして今も難しいけど)、何だか楽しく感じたのだ。
そうして今、ひとりぼっちの1/3人前ミュージシャンは6年目に突入している。
そんな僕だが、2年ほど前からネットに動画投稿している。
そしてびっくりするのは、再生数が100回以上の動画がほとんどだということだ。
素人にしてはかなり高いほうではないか?
しかし、500回の壁は高い。
1000回など夢のまた夢だ。
なので、親からは就活を急かされている。
大学2年生なので猶予はあるが、人生の夏休み中が終わるのもそう遠くはない。
おまけに、友達や恋人は全くできていない。
なので、花火大会やクリスマスは家で静かに過ごすしかないのだ。
華のない人生だなぁ、
僕はずっと負けた気がして悔しかった。
ずっと僕には、ある種の劣等感がつきまとっているのだ。
そして孤独感も。
疎外感も味わってきた。
外に咲く花を眺めながら、僕は思う。
誰かと眺める花火はさぞかし綺麗なんだろうなぁ、と
僕は目の前のパソコンに視線を戻し、ドラムの音を打ち込み続けた。