『お祭り』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
お祭りに心が踊る。小さな悩みも大きな悩みも吹っ飛ばそう! お祭りにはそんな明るく強いエネルギーが溢れている。
本当は、こんなはずじゃなかった。
どうして、こんなところに来てしまったのか。
――死ぬのは、いやだなあ。
私の背中を 一筋、つーっと汗が伝った。
まあ、でも。
こうなってしまったら、もう仕方がない。
私は諦めて、暗い空を見上げた。
その瞬間。
ドンッ、と大きな音が一つ。
私の全身は震え、その場に座り込んだ。
#お祭り
前歯で齧り取ったリンゴ飴の味がわからないくらいに高鳴る心臓の鼓動は、神輿の子供が叩く力強い太鼓の音とシンクロしていた。
いつもはピアノを弾く大きくも繊細な手に包まれたわたしの手は、亜熱帯のような熱気と緊張の湿度にまみれて湿っている。
─────クラスの誰かに会わないだろうか。
そんなことばかり考えていると不意に耳元でいい声が囁く。
「俺から離れないで」
お祭りは大好き。
夏らしくて大好き。
テンションを上げて楽しんでいく。
「夏祭り」
あの日、君とみた花火は淡い思い出となり
僕の心の中でいつまで生き続ける
たとえ隣に君がいなくても
祭り上げられているのは神か子か
/お題「お祭り」より
僕が東京に行く前に祭りに誘えて良かった。
最初で最後になるのかな。
金魚すくいで君が袖を濡らしかける。
「楽しいね」って笑いかけるその笑顔。
愛しい。
君は花火を見ながら、扇を仰ぐ。
君の横顔がずっと好きだった。
花火に照らされる君の横顔の輪郭をなぞる。
すると君の口が開いた。
「*─────
──────────き。」
周りの喧騒と花火の音で聞こえなかった。
「またね。」
そして去った君。
君から水滴が落ちて光った気がした。
警察の刑事部の見学に行った。鑑識で指紋や足跡の採取をした。証拠を揃え、裁判所に令状をもらい家宅捜索までの流れも体験させてもらった。ただの説明会と思っていたけど、良い体験ができた。
辺りが暗くなりはじめた夕方から
お気に入りの浴衣と帯を身につけ、お祭りに繰り出す。
慣れない下駄は靴づれを起こすから、
大人しくサンダルを選んだ。
会場が近づくにつれ大きくなるお囃子と、
暑さだけでない、人の熱気が体温を上げていく。
先まで並ぶ屋台に目移りしながらも、人波にのまれないよう見慣れた背中を追いかける。
クラスメイトに出くわして、挨拶を交わすのも醍醐味の一つ。
提灯の山車を見ながら、改めて“夏”が来たことを確認する。
あの独特の高揚感は、特別なもの。
観光地ではない、田舎の祭りの雰囲気が好き。
117:お祭り
お祭り
大人になってもワクワクする
お囃子の音
出店の光
盆踊り
出店で買った食べ物は
大人になっても特別で
何故だかとても美味しく感じる
下手くそだけどやってしまう金魚すくい
欲しい物はとれないけれど本気になってしまう射的
子供のようにはしゃいでしまう
唯一はしゃげる日
祭りが終わると
夢から覚めた時と同じような感じ
また来年か…
お祭りが楽しめなくなったのはいつからだろう。
屋台の食べ物もチープな気がして。
それでも貴方がいた時に買ってくれたカキ氷は甘くて冷たくて美味しかった。
久しぶりに一人ぼっちの夏。
隣にだれもいないお祭りなんて、楽しいはずがないよね。
お祭りといえば地元の花火大会
あれは私が小学生の頃だっただろうか
母と兄と一緒に花火大会に出かけた
それが終わった頃からポツポツと雨が降り出し
あっという間に本降りとなってしまった
持ってきたビニール傘をそれぞれ差して早足で帰っていると
途中で車椅子の方とそれを押す方の二人組が
この雨の中、どうやら傘を持っていないのか
濡れながら進んでいるのが前方に見えた
母が「傘1本あげようか!」
と大きめの声で言ったのが激しく降る雨音の中にやっと聞こえた
私が「そうだね!」と言って
その二人組に追いついたときに
「傘、良かったらどうぞ!私たちは大丈夫なので!」
と差し出すと、
ありがとう、ありがとう、と何度もお礼を伝えられた
少し恥ずかしくなった私は
その二人組に小さく手を振って
また早足で傘を差す母の元へ戻った
聞こえなくなるまで
ありがとう!が聞こえていた
山車に御神輿 お囃子に掛け声
出店の賑わいに人々の熱気とざわめき
祭りは祀り
神に感謝と信仰を捧げる日
ただ浮かれていては危ないよ
賑わうところには魔も集まる
ほら逢魔が辻に気をつけて
知らぬ間に闇へと連れてかれるよ
「お祭り」
─── お祭り ───
この1週間は特別に街中が賑やかになる
確か150年だったかな
明るい時間からお酒を呑んで楽しそう
小さな子供も大人もお年寄りも
みんなが喜び浮かれてる
外の国から訪れる人もいるんだって
時間とお金を使ってご苦労様
暗くなるにつれて街の華やかさも
人々の歌い踊る音も増していく
ねぇ先生
この世を去ってから祝われるのは嬉しいですか?
先生の功績を実力を
どれだけの人が本当に理解しているんでしょうね
今日は家族3人と姉でお祭りに来ている。
いっぱい屋台などが並んでいて姉と僕は、射的をしたりして楽しんだ。
姉と僕は幼少期の頃年が離れていたので、
一緒に過ごした記憶が少なかった。だから、
姉と、1年を一緒に過ごしたいと思った。
「夏と言えば花火でしょ!」
誰かのその発言で、今日急遽花火大会に行くことになった。
もちろん浴衣は絶対条件で。
「あれ良くない?フルーツ飴だって!」ひとり、藍色の髪の機械技師が言った。
鮮やかなマゼンタの瞳が、フルーツ飴や綿菓子、チョコバナナ等の甘味類が集まった一角をしっかりと捉えている。
「一緒に買いに行きますか?旭くん。私も食べたいですし」と、黒い結い髪の魔導師が瞳を細めて笑った。
「じゃあ僕も!」またひとり、蜂蜜色の瞳が特徴的な彼と紫色のインナーカラーが特徴的な兄弟ふたりが同時に。
その三人の買ってきたフルーツ飴や綿菓子は、最近の流行のど真ん中という感じで、いちごやブドウ、さらにはマシュマロなどがきれいにつやりとした飴でコーティングされていた。
僕はメジャーな林檎飴を魔導師から貰った。
薄い飴を一口齧ると、林檎の甘さと爽やかさが広がった。
それから数時間後、辺りはすっかり暗くなって、花火が見える王道のところに人が集まるのが見えた。
対して僕たちは人混みが苦手な奴らが多すぎるから、鑑定士の彼が知る昔からの穴場スポットで見ることにした。
赤、青、緑、黄色、白と、色とりどりの花火が空に模様を描いては消えるを繰り返す。
最後にとびきりの大玉の花火が打ち上がったときは皆揃って声を上げた。
数年ぶりの夏祭りは、忘れられないほど僕にとって美しい思い出になった。
花火の音だけ聞いている今夜は
行かないあなたもいないんだし
♯お祭り
お祭り
祭囃子だろうか、聞きなれない音が聞こえてきた。
でも、こんな夜中に?
ふと気になってカーテンを細く開ける。
最近LEDライトに交換された街灯に煌々と照らし出された路上には、確かに祭りの行列がそぞろ歩いていた。
人でないことを除けば。
チキチン、と鉦が鳴る。
狸が腹鼓をポンと打つ。
手ぬぐいをかぶった猫が軽やかに踊っている。
顔を上げた一つ目小僧とガラス越しに目が合う。
めかし込んだ狐が人のような仕草でおいでおいでと手招きする。
手招きに誘われるまま、裸足で外に出て行列に加わる。
いい気分で祭囃子に合わせてひらひらと踊るうち、手足の形が変わって行くのがわかる。
そこから先の記憶はない。
……夜中に祭囃子が聞こえても外を見てはいけない。
魅入られて人でないものになってしまうから。
『お祭り』
じいちゃんに連れられて、孫達は祭りを楽しんだ。目当ては屋台のじゃがバター、焼きそば、かき氷、ヨーヨー釣り、くじ紐など。じいちゃんにおねだりし、みんなでキャッキャッと笑った幼年期。
友達と小遣い片手に走り出す。祭りで会う別のグループの友達とも合流し、射的や水風船でケラケラ笑う。好きなあの娘もどこかにいないかなとドキドキしながら楽しんだ少年期。
隣で笑う浴衣の彼女に胸がドキドキ。打ち上げ花火、観ているうなじと横顔が気になり、チラチラ横目で見つめて照れ笑いする青年期。
太鼓や踊りも見たいけど、チョロチョロ動く娘が可愛く、娘に連れられ屋台を回る。いつもは固い財布の紐も自然と緩み、チョコバナナ、綿あめ、金魚の入ったビニール袋を手に歩き疲れて微笑む中年期。
どれも、特別な一日で、きっといつまでも忘れる事のない大切な思い出。
私は、あと何回、あと何個、お祭りの思い出を作れるのかなぁ。
君と浜辺で見た花火。お祭りは人が多くてやめたけど、花火は見たいんだって頑固だったよね。屋台で買った焼きそばを食べながら、話をしたね。
より返してくる波が私の何かを襲ってくる。これは不安か?それとも愛か? 夕凪の中太陽だけが落ちていく。
パッと光って咲いた花火をただ見ていた。
「あと何度君と同じ花火を見られるかな」って笑う顔に何ができるだろうか。より返してくる波に焦りの音がする。何度でも君を呼ぶから、もう二度と悲しまずに済むように。 はっと息を飲めば消えちゃいそうな光がまだ胸の中に残ってる。離さないで、離れないで、もう少しだけこのままでいて。
あの日見渡した渚を今でもふと思い出す。君が砂の上に刻んだ言葉と、後ろ姿。なつかしいな。普通ならきっと終わらないであろう夏が曖昧な気持ちを君と繋いでくれた。 この夜が続いて欲しかった。
夏祭り