『いつまでも捨てられないもの』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『当たり前と常識』
例えば、目の前で友人が手首を切り始めても
例えば、オーバードーズして粒を噛み砕く音
例えば、交通事故や病気で植物人間になった人生
例えば、DVだと気づいても止められなかった隣人
例えば、見えない者が見える同志に出会う確率
例えば、朝と夜が逆転したのにやり過ごす毎日
例えば、飯の準備がされていて、寝る場所があって
例えば、キリのない可能性をあげている奴とか…
…◯してやろーか?お望み通り。とか思っちゃう人
あとがき
その生物、それぞれの当たり前や常識を
数十年しか生きていない私たちがとやかく
言うのはおこがましいと心の片隅に置いていたり
いなかったり?
近い話でいうと男性は短髪!みたいな当たり前も
ここ数百年の話ではないかと…
いつまでも捨てられないもの
君からもらった懐中時計は随分と古びた。
メッキがはげ、緩くなった蓋、巻けなくなったネジ。
懐中時計としての役割はとうのとうに果たせなくなった。
ネジが巻けなくなったのは3年前。
それでも、君から貰ったというだけで
この時計はお守りにもなる。
隣に君がいなくとも、君が僕にくれたという事実を
この時計は教えてくれる。
未練がましい奴だ。
いつまでも引きずってる奴だと思われても構わない。
優しく懐中時計を胸に抱きしめる。
鼓動も伝わらないひんやりとした感覚は
冷たい現実を突きつけるかのようだった。
語り部シルヴァ
いつまでも捨てられないもの。
心に残っているもの。
目には見えないけど、ちゃんとあるもの。
人間関係の苦しみは、承認欲求が満たされないことや、被愛欲求、すなわち愛されたいという欲求がみたされないことに由来する、なので、そんな苦しみから逃れるためにそうした欲求から自由になることを目指してみたり、そもそもそうした欲求は無くすことのできない欲求なとであるから、どうすればそうした欲求を満たすことができるかを考えるべきではないかと考えて、「愛されたいと望むなら、他人を愛することを学ばなければならない」などとノートに書き込んでてみたりした学生時代。
そして、所謂社会人となり、苦しみとは思うようにならないことの謂なのであり、世の中や社会とは自分では如何ともし難い他者たちといるところなのであるから、まさに一切皆苦で、思うようにならないことはデフォルトとして生きていくべきだ、社会とは、思うようにならない場所のことなのだ、などと達観したふりをする。
結婚して子供ができたり、職場の中で、いつのまにか自分が一番上の立場に立っていて、外から見たら、褒められたいとか、愛されたいといった思春期的な感情などとっくに卒業してるようにみえるだろうし、そうあるべきだろうとは思うのだが、14歳頃に考えていたようなことを未だ続けている自分に愕然とする。
私のような人間は、マザーテレサの次のような言葉を日々呟き、噛み締めるべきなのだろう。
イエスよ、私をお救いください
愛されたいという欲望から
ほめられたいという欲望から
名誉を得たいという欲望から
称賛されたいという欲望から
人よりも好かれたいという欲望から
相談されたいという欲望から
よく思われたいという欲望から
人気を得たいという欲望から
屈辱を受けるという恐れから
軽蔑されるという恐れから
非難されるという恐れから
中傷されるという恐れから
忘れ去られるという恐れから
ひどい扱いを受けるという恐れから
嘲笑されるという恐れから
疑われるという恐れから
Deliver me, O Jesus,
From the desire of being loved,
From the desire of being extolled,
From the desire of being honored,
From the desire of being praised,
From the desire of being preferred,
From the desire of being consulted,
From the desire of being approved,
From the desire of being popular,
From the fear of being humiliated,
From the fear of being despised,
From the fear of suffering rebukes,
From the fear of being calumniated,
From the fear of being forgotten,
From the fear of being wronged,
From the fear of being ridiculed,
From the fear of being suspected.
いつまでも捨てられないもの。
それはやはり、親友とのやりとりの手紙だな。小学生の時の親友からもらったフェルトの枝豆🫛。
あとは年賀状。かなりの年数分。
そして、病院のレシートを貼っているスクラップブック。年季が立ち過ぎなのに。
で、1番たちの悪いのが、痩せてる時の服。
痩せたら着る!これ、なかなかの歴史を刻んでます。トホホのホ。笑
いつまでも捨てられない物。
子供の頃、幼稚園や小学生の時、
将来の夢を聞かれた。
ヒーローになりたかったり、
スポーツ選手だったり、
皆夢があった。
僕は小学生の時、友達が欲しかったから
一番人気のある子を見ていた。
その子は器用で、特に絵を描くのが上手かった。
だから僕も絵を描きだしたんだ、
やがてそれは夢になった。
皆から認められ、
皆と友達になる為に。
29歳の夏。
僕はまた出版社に持ち込みをした。
ズタボロに言われ、悔しくて泣きそうになった。
年齢的にラストにしようと書き上げた作品は、
自分の中では最高傑作だったが、
3ページも読んだら結末まで見えるぐらいに
ありきたりだと酷評された。
成る程、いやしかし、王道とは
そう言うことでは?
そう言い返すと、溜息を吐かれ、
だから無駄に歳とったヤツはダメだと
怒られた。
前回。
斬新な作品を持ち込んだ時は、
意味不明だ何だと怒られ、
いい歳なんだし才能無いんだから
もっと王道の作品を、と言われたのに。
僕にどうしろって言うんだ。
家に帰り、
コンビニで買ってきたビールを煽る。
やめちまおうか。
何度も考えた。
来年には30歳。
今更何が出来るのか。
僕の人生にはもう、王道なんてないのに、
夢にしがみつかないで生きていける程
聞き分けが良いなら最初から夢なんて見ないさ。
今更捨てられないんだ。
明日からまた新しい作品を描こう。
次が最後。
次が最後。
次が最後。
次が。
次が。
次。
次。
。
遅咲きの漫画家は、そんなに多くないだろう。
其処に行くまでに諦めてしまうからだ。
しかし、それも正しい人生。
どうしても捨てられない物を
捨てられた事は、勇気ある行動だ。
それでも、諦めずしがみつく事でしか
手に入らない物がある、いやあった。
僕は漫画家だ。
WEBでの掲載になるが
世間では先生と呼ばれる。
だけどまだ、僕は夢の途中だ。
捨てられない物を宝物みたいに、
心に抱き、今日もペンを握る。
夢みたいな、王道の人生だろ?
Childhood
いつまでも捨てられないもの、なんて、誰にでも一つくらいあるんじゃないの?
それはいけないことなの?
それ、持って眠るつもりなの?!
ママはいつも私にそう言う。
別に私の自由だと思うのに。
ママが使うわけじゃないんだから、いつまで持っててもいいでしょ!
なんていうけれど、私もそれが普通じゃないことくらいわかっている。
私はライナスみたいに、彼の安心毛布みたいな私のタオルを持って眠る。
新生児だった頃。
未熟児として生まれた私におばあちゃんが作ってくれたものだ。
もう、18年の付き合いになる。
そろそろ布もほつれたりしてきて、捨てなさい、なんて言われるけれど大事なものだ。
私が生まれたことを喜んで、未熟な私を助けてくれた人がいた証であり、私が無事に生きている証だと思うから。
これを捨てることはまだないだろうな。
だって、そんなことを考えられるほど大人になれていないのだから。
私はいつまでも子どもで居たいのだから。
なんて。
そんな事を言っているから、なにも捨てられないのかもしれない。
夢も、希望も、空想じみた話を信じる心も。
童話の中の女の子になりたくて。
プリンセスがいるような世界に憧れて。
妖精も魔法使いもいるあの世界を諦められずにいる。
はぁ…。
ホグワーツに行きたいし、夢の国の住人になりたい。
ワンダーランドにだっていきたいし、オズの国にだって。
そんな絵空事を追いかけて私は、いわゆるDヲタになった。
でも足りないから、今年こそはハロウィーンだけでもプリンセスになる。
それ以外は、少女みたいなガーリーな服やらロリィタやらを着て、おとぎ話の中の女の子!になってやるんだから!
『うつ病』
“日常生活に支障が出るほどの強い気分の落ち込み、
意欲の低下が続く病気”
ネットで表記されたうつ病という名の精神疾患
何時からかうつ病、適応障害、パニック症...と調べるようになって、自分はそうなのか違うのかはたまた、
甘えなのか、単なる妄想ではないのかと疑っている。
私は生まれた時からADHDを持ち、
中学になってからは合唱コンクールで指揮者に選ばれてからはパニック症を持つようになった。
いじめをきっかけにコミュニケーション能力が乏しく、自分に自信を無くしていた。
高校に入ってからは友達を疑い、妬み、自分が以下に弱いか思い知ってしまい、進学してからは友達がそばにいない事に寂しさを、勉強面では理解力の乏しさを、生活では何が原因だったのか体調も悪くなっては休みが多くなっては先生に出席日数が足りないと注意されるようになってしまった。
頑張らないとって自分を責める。
甘えてはいけないと自分を奮い立たせようとする。
時はすぎて、私は無事卒業した。
就職した今はホワイトな職場に優しい先輩や上司に恵まれて、安心と不安の狭間でスタートした。
最初はパニックを起こさないと中学から処方され、大きな行事やもしもの時にと飲んでいた精神安定剤を仕事のある日だけと限定して半分だけのんでいた。
何も問題なんてなかった。
優しいのんびりとした場所だった。
優しく教えてくれる先輩と笑顔の似合う上司。
勿体ないと思うほどでした。
就職して母が入院しました。
脳梗塞でした。
それからは兄弟と暮らし始め、家事を分担しながら母の入院費を稼いでは払い、生活費を見ては悩んだり、
兄弟と喧嘩しては困り、いつの間にか疲れているようになりました。
休みが足りないと
職場に行く度に足が重くなりました。
生活費や入院費を見る度に
暴飲暴食が増えた気がしました。
兄弟と喧嘩する度
何もかも押し付けて逃げたいと思いました。
書類を書くのも支払いを気にするのも私だけです。
職場の同僚に遊びに行こうと誘われる度に
彼女を恨むように鬱陶しいと思うようになりました。
忙しいと断る事に執拗いことに腹が立つようになってしまいました。
余裕がなくなって休んでも休みきれない気がして、
自分が段々と甘えてきているようになって、
だらしなくて汚くてキモチワルイものに思えてきました。
そんな時、とうとうやってしまいました。
朝になって、時間ギリギリの時計を見て急がなきゃって思いながらシフトの人数をみては休めないと思いながら準備をする。
けど、次第に動作が遅くなって中がいっぱいになって次第に目に、涙が溜まってくる。
行きたくない、行きたくないッ・・・
気がついたら、兄弟に泣きついていました。
兄弟が職場に電話を掛け、
休みを貰ってその日は殆ど寝て過ごしました。
余裕のない日々に次第に悲しくなって、
弱い自分に情けなくて、泣けない自分に絶望するようになってしまった。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
この言葉が頭を埋めています。
ずっとずっと
疲れました、
泣けないこともよわいことも
なにがしたいの?
あまえたいの?
たすけてくれるひとはいるの?
うつ病とはんだんされたいの?
これに名前がほしいの?
言葉が詰まって助けての一言も言えない約立たずのくせにネットではスラスラと言える
本当になにがしたいの
休みたい
なきたい
めいわくかけたくない
はなしたい
頭を撫でてあんしんさせてよ
この不安を消してさ
ぎゅっとだきしめてよ
死にたいとおもわせないで
へんにおもわないで
ああああああああああ
きょうもじぶんを抱きしめてねむる
朝が来て絶望する
あしたなんてこなければいいのにね
あぁ、つかれました
いつまでも捨てられないもの
物持ちがいいね…とは、聞こえが良いけれど、ただの物が捨てられないだけの…お祝いに貰ったやつの包装紙や、古い葉書、果ては、これは何?的なものまで…そろそろ収拾がつかなくなるかも…と思うけれど…
でも、どうしても、捨てられない物の一つに、白いピエロの風鈴がある…
遠い昔、後輩から、誕生日に貰った、一度だけのプレゼント…色褪せてきたけれど、今でも、後輩の笑顔も声も、一瞬で蘇るから…
いつまでも捨てられないもの
お小遣いを貯めて少しづつ買いそろえていった
色とりどりのボールペン
ラメ入りの綺麗なもの、限定色、そして廃盤色
古すぎてもうインクが出ないものもあるけれど
断捨離をしようと思って何度も出したけど
どうしても捨てられなかった
もう手に入らないものもあるからってのもあるけど
あなたとの交換日記に使っていたから
そのノート自体は
もうどこに行ったのかわからなくて
私が持っていたのかもしれないし
あなたが持っているのかもしれない
だけど中身は鮮明に覚えていて
毎日飽きもせずに色んな色で色んなことを書いた
あなたと連絡が取れなくなって
もうどのくらいだろう
もう今となってはこのボールペンたちだけが
私にとってのあなたと繋がる記憶なんだ
丸刈りの弟と祭で見つけた
コバルト色のガラスの小瓶
♯いつまでも捨てられないもの
ここはドコカ王国。
世界のどこかにある国である。
この王国に、一人の青年がいた。
彼の名前は、レオン=ギルバード。
彼は、夢と誇らしさを胸に秘める若者である。
彼は国立アカデミーを首席で卒業後、彼は軍への入隊を決める。
彼の希望の配属は第三タスマリン小隊。
王国の中でも選りすぐりのエリートが集まり、国家を支ええる精鋭部隊である。
彼は自分の才能を生かし、自分も王国を支えていきたいと言う使命感から、この部隊の配属を希望したのだ。
そしてレオンは、兵舎の扉を開け、敬礼の姿勢を取り大声であいさつする
「レオン=ギルバード、今日から配属になりました。
よろしくお願いします」
だがそこでレオンは、信じられないものを見た。
兵舎はの中は、ゴミだらけ。
兵士も昼間から酒を飲んでいて、中には酔いつぶれて寝ている者もいた。
レオンは場所を間違えたかもしれないと扉を閉めようとする。
だが、それは奥にいた一人の男によって遮られた。
「おお、来たか新入り!
俺が隊長のハヤト=アオムラだ。
こっち来て座れ」
レオンは、信じられない思いをしつつ、ハヤトの方へと向かう。
これが何かの間違いであればと思いながら、レオンは椅子に座る。
「新入り、我が第三タスマリン小隊にようこそ。
歓迎するよ」
「ありがとうございます」
「聞いたんだが、お前はアカデミーを首席で卒業したそうだな。
しかも飛び級だそうじゃないか。
なのにウチの部隊を希望したって本当か?」
「はい。
この部隊は国中の精鋭が集まって、国を支えていると聞いたんですけど――
支えている……んですよね……?」
「おいおい、どこでそんなの聞いたんだよ……
軍の中でも落ちこぼれが集まる部隊。
任務内容は、誰でも出来る街の美化活動さ」
「この兵舎は汚ねえがな」と隊長は付け加える。
レオンは、衝撃の事実に開いた口が塞がらなかった。
胸に抱いていた夢と誇らしさがガラガラと崩れ落ちていく。
抜け殻と言っていいほどレオンは落ち込んでいたが、ハヤトは気にせずにそのまま話を続けた。
「大方噂に尾ひれがついたんだな。
確かに美化活動は国を支える大事な仕事だ。
けど、ウチはお前の思っているような仕事はしないぞ」
「そんな……」
「しかしだ、優秀なアンタをここで腐らせるのは惜しい。
どうしても言うなら、他の部隊に行けるよう口利きしてもいい。
落ちこぼれでも、そのくらいのコネはある」
ハヤトはポンと、レオンの肩を叩く。
「さっきも言ったように、美化活動も大事な仕事だ。
ここでしばらく働いて、どうするかゆっくり決めるといい。
だが顔色が悪いから、今日の所は帰れ。
家でゆっくり考えるんだな」
■
「お疲れさまでした」
「ああ、気を付けて帰れよ。
無理そうなら明日も休んでいいから」
「はい」
ハヤトは、フラフラと歩くレオンを見送る。
結局のところ、レオンは早退することになった。
始めは使命感から残ると言っていたが、ハヤトが隊長命令で無理矢理返すことにしたのだ。
今の彼には誇り高き仕事ではなく、ただ時間だけが必要だと、ハヤトは信じていた。
そんな二人を見ながら、兵舎にいた面々はハヤトに聞かれないよう、小さな声で話し始めた。
「あの新入りは大丈夫なのか?
ここにきて体調崩す奴はごまんといたが、その中でも一番だぞ」
「あの様子じゃ、明日どころか、明後日も出てこないかもしれないな」
「仕方ない。
カッコいい仕事を夢見ていたら、こんな汚い場所だもんな」
「気の毒に。
せめて優しくしてやろう」
「お喋りはそこまでだ」
雑談している部下たちをハヤトが一喝する。
彼らは一瞬のうちに雑談を辞め、姿勢を正してハヤトに注目した。
その洗練された動きは、落ちこぼれの物ではなく精鋭たちの動きであった。
寝ていた兵士も、いつの間にか起きて姿勢を正している。
先ほどまで酒盛りをしていた浮ついた空気はどこにもなかった。
ハヤトは、部下たちの準備が出来たことを確認して、机の上に紙束を置く。
その紙束には、子供の似顔絵と簡単な情報が書かれていた。
「これが今回のターゲットだ」
「うへえ、今回もターゲットがいっぱい」
「王国中の子供がターゲットだからな。
大変だろうが、王国を支えるための大事な仕事だ」
ハヤトは部下たちを見渡して、はっきりゆっくりと話し始める。
「いいか。
この任務はターゲットの情報を調べ上げる事。
もちろん、誰にも悟られず、痕跡も残さないように。
それと――」
「それと、良い子かどうか調べろって言うんでしょ」
「子供に何をプレゼントしたらいいかもな……
何回も言うから覚えちまったよ」
「なら問題ない」
おわかりだろうか?
第三タスマリン小隊の、美化活動が任務の落ちこぼれ部隊は仮の姿。
彼らの本当の姿は、国の良い子たちの元に、プレゼントを届ける伝説のサンタクロース部隊なのである。
「質問はあるか?」
「あの新人を仲間外れにするのはなぜだ?」
「今年のターゲットの中に、新入りの名前があるからだ。
アイツ、飛び級したから若いんだよ……
奴には悪いが、クリスマスまで悟らせるなよ」
「それまでに悪い子になったり、辞めたりしなきゃいいけれど……」
「うまく口車に乗せるさ。
他に質問は?」
ハヤトは目線で質問を募るが、誰も声を上げる者はいなかった。
「よろしい。
では第『三タ』スマリン小隊改め、サンタ小隊、作戦名『赤服大作戦』。
行動を開始しろ」
「「「了解」」」
こうして、小隊の面々は町に散っていく。
彼らの任務は、子供たちに笑顔を届ける事
各々が胸に誇らしさを抱きながら、彼らは任務に励むのだった。
作品No.139【2024/08/17 テーマ:いつまでも捨てられないもの】
いつまでも捨てられないもの
ばかりが部屋にあふれてる
積読ばかりで
手に取らない本
とかね
どうしても捨てられないものがある。
捨てるのは難しい事ではない。別段、大切にしている訳でもない。言ってしまえば、捨てたくて堪らないものですらある。
けれど、どうしても捨てられないのだ。
それは、現実を直視するのが恐ろしいから。
そうは言っても、いつまでも逃げている訳にはいかない。
そろそろ、その事実と向き合う時間なのだ。
そう決意して、手を伸ばした。
——冷蔵庫の奥地の、恐らく三年程以前からそこに居続けているジャムの瓶に。
お題『いつまでも捨てられないもの』
#今日のお題#捨てられないもの
#るいなの小説
※完全に私の意見です!
元彼に貰ったものを、捨てられなくて引き出しの奥底に閉まってるんだ。妹も言ってた、元彼に未練ないけど簡単に捨てたり譲ることってできないや
だって、ブランドだよ??と。
どんなものであれ、彼は彼なりに私に尽くしてた
私は、彼が今どうしてるかなんて
気にしてない
彼氏の幸せを願うのが
私の本当のものだから。
今まで一緒に暮らした歴代猫達の髭。
寝床や床に落ちた立派な髭やぽよ〜んとした髭。
白 黒 茶 ミックスと色とりどり。
「何でそんなもの〜」と言われるけれど
私があちらに逝く時持っていく唯一の宝物なのです。
いつまでも捨てれないもの
駅から徒歩5分着く海岸沿いの花火大会の出店で貴方が買ってくれた、翡翠が嵌め込まれたペンダント
『翡翠は皮脂がつくと色が明るくなるんだって。だから俺との思い出を詰めていく、みたいでなんかロマンチックだろ?』
そういっていた貴方
どんな時も付けていたから、もうすっかり色が変わってしまったそれは私と貴方が過ごした日々を表しているようで、それを捨てると思い出まで消えて無くなってしまうような気がしてダメだった
貴方との思い出を捨てられなかった
【いつまでも捨てられないもの】
創作
自分が何も持っていないことを認められず
どうにかしてきみの一部になろうとずっと
ずっとそれだけを追ってきた
2024-08-17
(死ネタ)
権力者が死んでから数日経って、数ヶ月経って、数年が経った。
そんだけの日数が経てば『権力者』が権力者ではなかったことくらい簡単に理解出来て。ついでに彼女だけが死ぬ感じではなく、僕以外の関わったやつらはみんな急に死んでは入れ替わっていった。
そろそろ彼女との思い出が薄れてきて、だんだん声も顔も分からなくなってきたというのに、彼女がいつも身につけていた髪留めのリボンだけどうしても捨てられなかった。
はぁ なんでこういつまでも捨てられないんだろう
貴方が最期にくれたもの、時代違うんだから、くれたって意味がない 貴方は大正時代の人私は令和の人間。最期に優しさを遺さないでよ忘れられなくなるでしょいくら貴方を想ったって逢えないんだから
オチはないです