『いつまでも捨てられないもの』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【⠀No.3 いつまでも捨てられないもの 】
夢のために上京することを決めた田舎娘の私。
窓を開け放って故郷の風を思い切り吸い込むと、
たくさんの思い出がフラッシュバックする。
楽しい思い出、幸せをくれた故郷とも、もうすぐでお別れだと実感して、ちょっぴり寂しくなった。
ふと部屋の隅に目をやると、綺麗に片付いた棚の上に、
四つ葉のクローバー柄の栞があった。
クローバーの四つの葉それぞれに、無邪気で子供っぽい文字でメッセージが刻まれている。
転んで泣いてしまった私を泣き止ませてくれたこの魔法の栞を見て、その持ち主をまた思い出す。
「懐かしいな。」
こんな昔のこと、彼はきっと覚えてない。
小学生になった時に引っ越して連絡が取れなくなってからもずっと、私は忘れられないでいるのに。
「好きだよ。」
本人に届くはずのない想いを口にして、自分で恥ずかしくなって。彼との唯一の思い出であるこの栞を、素早いけど丁寧に、鞄の奥に直しこんだ。
彼に貰ったこの栞も、彼との出会いの地である故郷への愛も、彼自身への一方通行な愛も。
私がいつまでも捨てられないものなんだろうな。
捨てられない
「〜〜!〜ッ!!」
どんなに暴力を振るわれようとも
唯一貴方が私にくれたものだから
捨てられない。私は信じてるよ
「コノヤクタタズ」
貴方が私が愛してくれる瞬間を
待ってるよ
思い出は捨てられるけど
想い出はいつまでも捨てられないもの。
#いつまでも捨てられないもの
あの時涙を流してしまったあの気持ち
想いが溢れて
おさえられなかった
無力になった現実と過去の狭間に
涙したあの気持ち
忘れられるはずないよね
私は裏切られたのだから。
いつまでも
いつまでも
儚いあのアルバムのワンシーン
ショコラ
『いつまでも捨てられないもの』
良い思い出
悪い思い出
いろいろあるけど
自分の心の中の
思い出だけは
いつまでも捨てられないものです。
いつまでも捨てられないもの
死ぬまで大事にしようと思ったものは
ことごとく捨てられた
自分のために作った料理も
鍋ごと捨てられた
それでも私は生きている
もう、なくなって困るものは何もない
私のものを勝手に捨てた
あの人から捨てよう
いつまでも捨てられないもの
ごめんなさい…溜まる…
#いつまでも捨てられないもの
錆びついた固定観念
あとひと踏ん張りが足りない
自己肯定感
笑顔の下に隠した猜疑心
大切に鍵を掛けたはずの思い出
捨てたフリをしながら
死んだ心抱えて生きてきた
誰かから見ればゴミを抱えて
生きてるようなもの
それでもワタシ
そんなゴミみたいなものに
支えられて生きてる…
近ごろは
それでもいいんじゃない?って
思えてきたの
それが
私の生きる糧なのだから
いつまでも捨てられないもの
あの人に愛された思い出
『いつまでも捨てられないもの』
いる。いらない。いる。いらない。あれ、懐かしっ。
そうやって思い出に浸って時間が過ぎてしまうのが私の部屋掃除のルーティーンと化していた。
初めは潔くいるいらないの判別が着くのだが、段々と集中できなくなってくるとゴミとなるかもしれないものに情が入る。
あ、懐かしい。これ、好きだったな。このクラスやだったなー。思い出は時に苦く、楽しい思いにさせてくれる。めのまえにはあ[いる]と書かれた箱と、[いらない]と書かれた箱。2つの箱の間に置いた[考える]と書かれた箱の3つが置いてある。[いる]の箱と、[いらない]の箱を足したとしても、[考える]の中身には到底抗えない程多くのものが入っていた。
それでも、部屋全体のものの量はそこまで変わらなく見えてしまう。まぁ、世の中もそんなものではないだろうか。こんなことを考えていたら、なぜだか鼻で笑ってしまった。
私はパーカーのポケットに入った煙草とライターをいつも通りの使い方で消費した。灰色の煙が部屋を充満させる。煙草を半分くらい使った頃、床に散らばった写真のネガをみた。現像されたら使われる事は二度と無い。私はこの鎖のような物体にライターで火をつけた。
じわじわと燃えていくネガを私は目に焼き付け、「さよなら」と口にすると燃える鎖から手を離した。鎖から鎖へ、炎が移っていく。大きくなる鎖に身を包まれた私は、[いらない]と書かれた箱に入り目を閉じた。やっと部屋掃除が終わりそうだ。
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
2025年―月―日。
とある女性が燃え殻になって見つかった。アパートのとある一室での出来事だ。彼女はそのまま息を引き取ったらしい。
あの部屋にはネガと有機物しか残っておらず、遺書も残されていないため、自殺とも他殺とも捉えることが出来なかった。なので、警察はこれを事故死だと断定し、この事件は終わりを迎えた。新聞などにも掲載されなかった。遺体は司法解剖に回される訳もなく、そのまま火葬された。現場で燃え残った写真のネガには、たくさんの人々の写真が閉じ込められていた。
本人の顔がわかる写真は、彼女がバイトをしていたコンビニの履歴書しかなかった。彼女はここで、何をしていたのだろうか。
私が、この人の人生を知りたくなった。
叔父はミニマリストだ。
生活雑貨は最小限のものしか持たず、インテリアも寝具類と限られたものしか置いていない。
だがどれもセンスがいい。
仕事もできるし、会話もユーモラスで、服も上質で洗練されて見える。
蓄えた顎髭は小粋に整えられ、清潔感もあるちょいワル風のイケオジ。
さぞかしモテるだろうと思うのだが、人間関係もさっぱりしたもので浮ついた話もついぞ聞かない。
成人したおり、叔父宅で酒盃を交わす機会があったので聞いてみた。
「叔父さん、もういい歳なのに結婚はしないの?」
叔父はふ、と笑う。
「ま、許されるもんならな。俺は身綺麗にしなきゃならない理由がある。俺の昔話を聞いたことは?」
頷く。
「随分とやんちゃをしたもんさ。
だがある時捨てられない、捨てても捨てきれないものを手にしてな…。」
叔父はクローゼットから何やら取り出した。
感慨深げに撫で、そっと机に置かれたのは桐の箱。
思わず神妙になる自分の前で開かれた箱中に、
「学生時代、廃神社でイキってな?」
伸びた髪を綺麗に結えた市松人形があった。
テーマ:いつまでも捨てられないもの
いつまでも捨てられない
よだれかけ
使い古した羊さんのスタイ
愛しい
正直使わないし何かが気に入ってるわけでもないんだけど、みたいな物がたくさんある。
誕生日プレゼントとしてもらったけど欲しかったわけでも使う予定もないものだとか、友人の付き添いで行ったライブのグッズだとか、旅行先で買った置物とか、全巻買い揃えてたけどもう読まないだろう漫画とかだ。
捨てても人にがっかりされるわけでもない(そもそも忘れられている可能性の方が高い)、スペースはいくら空いてもいいし、むしろいきなり大型家具をおけるくらいの余裕がある方が緊急時も掃除にとっても良いはずである。
物は記憶を思い起こす役目ももつ。捨てたらもうそこにしまうまでの思い出も忘れて、自分には何も無かったような気になってしまうのではないかと考えてしまう。
そして、スペースが空けて代わりに置きたいものもないし、とまた元に戻してしまうのだ。
卒業アルバムや誕生日に貰った手紙をさっさと捨てられるような、その時その時を生きるような、合理的な人間にちょっと憧れながら。
【いつまでも捨てられないもの】
【いつまでも捨てられないもの鏡】
coming soon !
とらわれて こだわって
手放すことができない
これは大切なもの
これは思い出
これは成果
ここは居場所
あなたは心のよりどころ
掌のなかの愛しさは
失う不安と背中合わせ
いつまでも捨てられないものが
いつまでもわたしを苦しめる
握りしめた拳を開こうとしてはためらい
手放す日を恐れながら
自由を願う
「いつまでも捨てられないもの」
いつまでも捨てられないもの
自分の歴代の趣味
共通の趣味を持つ人ならこれは捨てられない
何かと取っておく…モノを増やす悪循環だけど自分の好きにさせてほしい
掃除が大変だけどね(笑)
それくらい自分の好きで溢れていたいのよ
家族、友達からの手紙。
これは死ぬまでずっと捨てられないものだ。
見返すと当時の記憶が蘇ってくる。
文字から書いた人の思いが伝わってくる。
これからもっと増えるであろう手紙。
ずっと大切にしたい。
いつまでも捨てられない。
ああ、にくたらしい。
「 あんたってなんで存在してんの?意味ある?」
貴方から押し付けられた暴言と暴力が、今でも私の記憶から捨てられない。
時が経ち、私は大人になった。
大人になったら、もうプレゼントはもらわない。
だから、此れからは私が貴方へ心を込めてプレゼントを送り返してやるんだ。
「あなたは私たちの大切な子。」
…
ああ、
ああ、
ああああ
嫌い、嫌い、嫌い!
ほんとは貴方を恨みたくなんてなかった
貴方のこと、好きになりたい、でも嫌い。
どちらか一方に偏ってくれれば楽になれるのに。
母親への情だけがいつまで経っても捨てられない。
旦那との思い出。ずっとずっと大切にしている。
楽しかった思い出もだけど…悲しかったことも、辛かったことも、全部全部捨てることができない、大切なもの。
年老いて、いろんなこと忘れてしまっても、旦那のこと、旦那との思い出は無くしたくない。
机の整理とか、家の整理とか。そうやって身の周りの整理整頓をすると絶対に「捨てられないもの」が出てくる。大嫌いな人からの手紙だって捨てられないことがある。忘れてしまいたくてしょうがない頃の思い出だって捨てられない。一体、私はいつになったらちゃんと前を向けるんだろう。三年生になったら?卒業したら?高校生になったら?大学生になったら?大人になったら?
それじゃあ遅い。今、目の前のことだけに集中したいのに、そうしなければ何も成し遂げられないのに、それなのに。私は駄目なやつだ。そんな声がずっと自分の頭の中に鳴り響いて、何をするにも怖くなる。失敗したらどうしよう、と。悪口を言われても気にしないくせに、自分のせいで自分の行動を制限している。
私は先輩で、部長で、でも劣等生で、大馬鹿者。
うーわ。最悪な人間だわ。
お休みなさい。