『いつまでも捨てられないもの』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
いつまでも捨てられないもの
台所からの奇声
絶対に負けないと意地になって見開いた目
川に突き落とされる時の不安定な足場
縋った先で冷たくあしらう大人の表情
築いた小さな自信を踏み潰す笑い声
要らないと言われた時の真新しい部屋
地面に押さえられ虐げられる身体
加減のない指で掴まれる顎
葛藤しながらも抗えない怒りに踏まれる背中
しがみついても剥がされ締められる鍵
それでもどうしようもなく愛を求めて
洗濯の山に埋もれて嗅いだ匂い
布団から覗き見た暗い部屋の光
機嫌の良い時だけ選べる絵本
少しだけ繋いだ手
許せなくて
手放したくて
西陽を受けながら物を段ボール箱の中にしまってゆく。今日でこの部屋ともお別れだ。上京してからもう長らくずっとここにお世話になっていた。それを思うと急に感慨深い気持ちになる。
部屋中を占拠したダンボールの箱たち。ミニマリストになる、なんて言ってたのはいつだったか、この1LDKの間取りには様々なものが溢れていた。この引っ越しを機会に色々棄ててはみたけれど、それでも身軽と呼べるにはまだまだ程遠い。
そして今はコスメグッズを箱にしまっている最中だった。自分で買ったりプレゼントで貰ったり。いろんな経緯で私の手元に来たリップグロスは両手を使っても足りない本数になっていた。どれもこれもここ1、2年以内のものだから棄てるには勿体無い。一見似ているような色ばかりだけど、ブランドや使用感なんかが違うから同じものは1つも無い。
あまり深く考えずに箱の中へ突っ込んでゆく。最後の1本を手に取った時、はっとした。黒いパッケージに金縁があしらわれたリップ。だいぶ長いこと使った記憶はない。だってこれは、あの人がくれたものだから。キャップを外して中を繰り出してみた。ワインレッドのような深い紅色だった。私には絶対に似合わない色。でもあの人はこの色をチョイスして私にくれた。子供っぽく見られたくない、と当時私が言っていたから。それを聞いてこんな大人の色を買ってくれたのだ。結局使ったのは2、3回くらいだった気がする。だからまだほぼ新品同様の状態だ。
この色に似合う女にはなれなくて。彼のそばに居るのが怖くなって。次第に私たちの間に距離ができてしまった。離れる私を彼は追ってこなかった。その程度だったんだと思う。ただそれだけのこと。
そうやって思えていたのにまだこのリップを棄てていなかった。当時の私は、思い出をけなげにしまっておこうとでも思っていたのか。分からないけどどちらにしてももう、このリップの出番は一生無いと思う。
「さよなら」
箱にはしまわず赤いリップをゴミ箱に棄てた。
この思い出にもようやく、さようなら。
いつの日か君がくれたネックレスをつけて、
私は君の部屋へ来た。
部屋の持ち主はもう居ないのに、そのうち帰ってくるような無造作に置かれた洋服たちは、少しホコリっぽくなっていた。
「もう、帰ってこないよ。」
誰も居ない。 誰も、もう帰ってこないのだ。
無機物しか居ないこの部屋で、誰にも届かない言葉を私は思わず漏らしてしまった。
「、、、片付けよ、」
彼の家族から部屋の片付けは貴方にやって欲しい。 そう言われてしまえば私はもう断れないのだ。
きっとそれを知っていながら、思い出に浸りながら心を整理して欲しいと、そう思ったんだろう。
「、、あれ、?」
私の名前の書いてある箱が、誰にも見つけられないような奥深くに眠っていた。
開けてみればそこは私が彼にあげた何気ないものだった。
買い物リスト、手紙、メモ、私があげて、もう空っぽになったと言っていた香水や、ハンドクリーム。
そして、私の家の合鍵だった。
私があげて穴が空いてしまった服も入っていて思わず吹き出してしまった。
「君、どんだけ私の事好きなの、笑」
ポタっ
誰かの涙が落ちたらしい。
心当たりは無いけれど、きっと私なんだろう。
ポタポタっ
「うっ、」
嗚咽混じりのとても貧相な泣き声が、もう誰の所有物でも無い部屋に響いた。
「箱、しまんない、よ、笑」
どうせなら最後くらい。嫌って欲しかった。
私の記憶の中で、いつまでも捨てられないもの、
いつまでも思い出したくないもの。
君との思い出はきっと、この箱と同じように閉まりきらないんだろうね。
引越しする時 ある箱を開けた
[わ!なにこれ?見た事ある箱…]
中には1枚の紙 私宛だった
読んでみると…
[誕生日おめでとう𓏸𓏸ちゃん]
[手書きのプレゼントでごめんね]
[いつもありがとう 大好きだよ] 𓏸𓏸より
………
あぁ、元彼からの手紙だった
出来れば見つけたくなかったなぁ…笑
無理に忘れようとすると余計思い出すし、
こんなようなこと。
2年前にもやったよね、 はぁ。
いつ、元彼から開放されるのだろう
………
いつ、これを捨てれるのだろう
#いつまでも捨てられないもの
小さくなった服
友達からもらったお手紙
卒業アルバム
古びた参考書
祖父から貰った自分の幼少時のアルバム
これからもずっと宝物
「あの頃」に聴いていた曲を
今になって聴いては蘇る
すべての思い出と感情
「あの頃」はたくさんあって
その分だけ曲もたくさんある
嫌なことも苦しいことも
胸が締め付けられることも
涙も悔しさも
曲が流れればタイムスリップしたかのように
いつまでも捨てられない
その曲たちは好きだから
ただ、「初恋」だけは
あまりにも好きで
あまりにも苦しい
私の初恋に永遠に添えられている
始まりは
いつからだろう
忘れたくても、忘れれない
ずっと、ずっと、ずっと
心にしまっておいた
言わないつもり
伝えないつもり
誰にも分からないように
気づかれないように
笑顔で誤魔化すの
何でもないわよって
いつまでも捨てれないのは
貴方への想いと
貴方の笑顔
私は、人間が、怖い。
どんなに一緒にいても、どんなに親しくなっても、心の中にずっと恐怖が巣食っている。
どうせこれも嘘。
これもこれもこれもこれもどれもこれも嘘。
そう思うと、不信感で心が隅まで満ちる。
なんで私はこれほどにも人を信用出来ないのか。
それは、私が嘘ばかり吐いているからだ。
その人にとって都合のいい役や当たり障りのない役を演じているからだ。
心の中でーーーー
何を思うか分からないから。
今日も私は仮面を被る。
私が私であるために。
人なんかを信用しないために。
惑わされないように。
私は、その見えない仮面を小さな頃から捨てられ
ていない。
2023/8.17 いつまでも捨てられないもの
彼から貰ったアクセサリー
彼から貰った思い出
彼から貰った愛情
もう関わることはないとわかっているけど
けっして切り離すことができない
まだ彼を思っているこの心も
捨てることはできない
お題 いつまでも捨てられないもの
私が小学生の時の話。
その頃の私は小学3年生。これまで転校が多く、ほとんど友達がいなかった。もちろん、何人か友達はいた。その中で男の子の友達がひとり。今でも、私の大事な友達だ。
男の子とはほとんど毎日一緒に登下校をしていた。これが私の日常。
私が小学6年生になる時には夏休み前に転校することがもう決まっていた。
私が転校する前の登校、最終日。
今思うとなぜあのようなことをされたのか分からない。
同じ委員会の男の子。この子は私の友達である男の子と友達同士なのだ。私が校舎を出ようとした時に突然後ろから呼び止められた。なんだろう?何の用だろう?そう思った。
「転校するんだろ?」そう言われ、私にあるキャラクターのキーホルダーを渡された。え?何?と聞こうとした。予想もしていなかったことを言われた。「あいつに会って絶対渡せ、絶対だぞ!」と必死に私に向かって叫んでいた。驚きのあまり声が出なかった。下校時刻になった。私は今日も友達である男の子と帰るつもりでいた。あと、あのキーホルダーについて聞きたいこともあった。だが、その私の計画は一瞬で壊れた。たまに私と話してくれる女の子。その子に「一緒に帰ろう」と言われた。断れない性格である私は承諾してしまった。今では、とても後悔している。あの子には悪いが、断れば良かったと。そのまま、友達の男の子とは直接話すこともキーホルダーを渡すことも出来なかった。下校中に友達の男の子が誰かと話している声が聞こえた。一瞬だけ。とても寂しそうな声だった。今でも覚えている。
いつまでも捨てられない、キーホルダー。いつか、再会した時に思いを伝えられたらと思う。
お題 いつまでも捨てられないもの
本を買った時につけてもらうブックカバー
どうしても捨てられずに貯めてたら
娘に叱られた
『いつまでも捨てられないもの』2023.08.17
インタビューでよく聞かれる質問に、「捨てられないものはありますか?」というものがある。
自分はそこまでものに執着をしないから、いらないものはあっさり捨てるのだか、唯一、大切にしているものがある。
一通のファンレターだ。
それは、私が今の地位についた時に送られた手紙だ。
楽屋の鏡前に置かれていたその手紙。白い封筒に、フグのシールの貼られたもの。
『あなたのファンです』という、ありきたりな書き出しからはじまり、出会った時のことや音高時代のこと、これまで出演してきた作品のことが書かれている。枚数にして七枚。
そして『貴方と添い遂げたい』と熱烈な文章で締められていた。
まだ始まったばかりだというのに、ずいぶん気が早いことだと笑ってしまった。実に彼女らしい。
彼女とは子どもの頃からずっと一緒だった。幼稚園も小学校、中学校。中学卒業と同時に音楽学校に入り、卒業して同じ組に配属された。
この地位についたのも一緒。同期同士がトップになることは珍しいらしい。だから、運命なのだと。
彼女の手紙にはそう書かれていた。彼女は『一番近くで貴方を見れるなんてラッキー』とも書いていて、そんなところも、らしいなと思う。
親友であり相棒である彼女からのファンレターは、時が経っても捨てられないだろう。
「いつまでも捨てられない物」
こんなこと貴方にバレたら
恥ずかしくてたまらないけど、
付き合う前
相談に乗るといって一緒に帰った時、
帰り際に落ち込んでた私を貴方が
必死に笑わせようとして
ちっちゃな白い石を私にくれたよね。
きっとこの話を聞いた人は、なんで石なんだ?!
って変に思うかもしれないけど、
私にとってはね、どんな小さな石ころでも
貴方が私を励まそうとくれたただの石は
世界で一番素敵な宝石に変わったんだよ。
私、貴方から石を貰ったとき声を出して笑っちゃった。
凄く元気がでたの。
今でも生徒手帳の中に
大事に大事に、挟んであるよ。
貴方をを好きになるきっかけだったのが
あの石でした。
だから、それは
いつまでも捨てられない物です。
パワハラドッキリより、婚約者の家族ドッキリの方が見ていて辛かった…
どうかあの番組全体がネタで、
仕掛けられた人達みんな分かっててやってますように…
#いつまでも捨てられないもの
俺の机の上に置いてある小さなぬいぐるみが、
少し薄汚れててる、手のひらサイズのチワワのぬいぐるみ。
俺とあいつの初デートのときに買った、色違いでおそろいのぬいぐるみ。
買ってからは、これを持って色んな所にお出掛けに行った。
あいつとの思い出が、沢山詰まってる。
これは、いつまで経っても捨てられない、俺の宝物だ。
ねぇねぇ、知ってる?
社会の穢れを知った時、
あなたは自由ではなくなるんだよ。
あなたが死にたいって思った時
あなたの周りには生きたい人が沢山いるんだよ。
え?何が言いたいのかって?
あなたが死にたいって思うのは
普通のことではないってこと。
普通の事じゃないことをするって大変でしょ?
死のうって思っても死ねないでしょ?
だから普通の事じゃないんだよ。
変なプライド張らないで助けを求めろよ。バカ。
彼女は音も立てずにスっと消えた。
「なんだったんだよ。」
まるで僕の心に穴が空いていたのを
分かっていたようだった。
大人になればなるほど自分から進んで
不自由の檻へと入りに行く。
自由を手にしたものは人生を掴み
不自由を手にしたものはそこら辺の泥を掴む。
苦しい時こそ自由になれ。笑え。泣け。
その時感じた感情を出しまくれ
ほら、
自由になれただろ?
#いつまでも捨てられないもの
人間らしい感情。
これがなくなったら、自分どうなってるんだろ。
そんなの、機械と変わらない気が。
喜怒哀楽etc.
無のままは、なんかヤダな。
〜いつまでも捨てられないもの〜
『いつまでも捨てられないもの』
は、僕の場合は記憶だ
良い記憶も悪い記憶も
どちらにも言える
現実の物は最悪写真を取っておいて捨てる
ということが出来るが
形がない記憶は僕にとってとても扱いが難しい
悪い記憶は自分の意図とは関係なく
ひょんなキッカケで
繰り返し思い出してしまう
忘れたくても忘れられてくれない
きっとそうなっている記憶は
本当の意味でまだ向き合えていないものなのだろう
でもせっかくなら良い記憶を大切に持っていたいと思う
暗いものを持ち続ければ
暗いものを引き寄せてしまうから
生きているだけで大変な人生
なら少しでも生きやすく
心がぽかぽかで過ごしたい
『いつまでも捨てられないもの』
俺には彼女が居た。
可愛くて綺麗で、優しくて、良いところばっかりのあいつ。
だけど、半年前にこの家を出ていった。俺がいつも吸ってるタバコの話を聞いて。
「あれ?お前ってタバコ吸ってたっけ?」
ベランダでタバコを吸う彼女に俺は聞いた。
「うん。吸い始めたの。」
「そっか」
「はい。たっくんも吸う?」
彼女が俺にタバコを勧める。
「いや。こっち吸う。」
俺は自分のポケットからいつものタバコを取り出した。
「…。いつもそのタバコだね。変えたりしないの?」
「うん?まぁ、変える理由ないし。」
「じゃあ、私が変える理由作ってあげる!」
彼女は俺に向けて持っていた一本のタバコに火を付けた。
「彼女が吸ってる味と同じ味!はい!」
「あっごめん。言い方ミスった。」
「変えれないんだよね。」
「え?」
彼女が一本のタバコを見て言う。
「なんで?」
俺は深いため息と共に話し始めた。
「ゆいと約束したから。」
「ゆい?誰それ?」
彼女の顔が少し怖くなった気がした。
「元カノみたいな人。」
ゆい。そいつは大学でぼっちだった俺の初めての友達だった。
クールで猫っ気のあるゆいは俺には優しかった。
大学で一人ぼっちだった俺に声をかけて、色んな初めてを教えてくれた。
だけど、とある日を境に無視されるようになってしまった。
俺は無視される理由を考えたが、分からなかった。
大学の講義終わり、ゆいを半ば強引に引き止めて無視されている理由を聞いた。
ゆいは軽くため息を吐いて言った。
「違うんだよ。」
意味が分からなかった。ゆいが続けて言う。
「私は一緒に吸える人が好き。」
「え?」
予想外の言葉に思わず声が出た。だけど、ゆいは俺のことそっちのけで冷静に話し始めた。
「たくやは吸わないでしょ。たばこ。」
「この前一緒に吸ったとき、むせて大変だったでしょ。」
「だからだよ」
話し終えて帰ろうとするゆいの腕を引っ張って俺は言う。
「僕がたばこを吸える人だったら良かったの?」
ゆいは少し間をおいて言った。
「うん。同じ種類のね。」
俺は食い気味にゆいに聞いた。
「僕はどうしたらゆいの近くにいられる?」
「じゃあ私と同じ種類のたばこに吸い慣れたらね。」
「えっ?」
「あと、私好みの男になったら一緒にいてあげる。」
ゆいは俺の耳に口を近づけてゆいのいう"自分好みの男"の特徴を言って、帰っていった。
それ以来、ゆいから教わったものを活用して頑張ている。
「そっか」
彼女は手に持っていたたばこの火を消し、たばこの箱を机に置いて帰っていった。
「じゃあね。さよなら。」
彼女が帰ったあと、彼女が置いていったたばこの箱からたばこを一本取り出した。
「やっぱり無理だ。」
彼女が置いていったたばこの箱をゴミ箱に捨て、ベランダで一服する。
「やっぱり、いつまでも捨てられないな。はぁ」
いつまでも捨てられないもの。
それは何があるだろうか。
生まれてはじめて買ってもらったもの
好きな人からのプレゼント
青春時代の思い出
一生消えない友情
親から受けた愛情
すぐに捨てられそうで壊れそうなものだったとしても
大人になるまで手の中、心の中にあったものが本当に
大切なものなんじゃないかな。