『あなたがいたから』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
あなたがいたから
暗くて寂しい過去に
終止符が打てたよ。
弱くダメな私をありのまま
包んでくれたから
そう気付けたから
あなたを幸せにしたいって
思ったんだ。
あなたがいたから
知らなかった気持ちを
知れたんだ。
お題「あなたがいたから」
どうにかここまで来ました
迷いもたくさんありました
この先もたくさん迷うのでしょう
それでも
あなたという存在をコンパスにして
また進みたいと思います
この世に生を受け
この世とお別れするまで
あなたがいたから
私はここにいられるのですから
※ポケモン剣盾二次創作・マクワとセキタンザン
日差しが強い。照り付ける日光は地面を焼き、空気を揺らめかせていた。ヨロイ島の蒸し暑い森の中、セキタンザンの背中の中で燃える炎が、風に揺られていつもより増してぱちぱちとはじけている。
「ヒートスタンプ!」
マクワが叫ぶと、セキタンザンは黒い身体を炎で包み、高く跳躍した。木の高さほどまで飛び上がった巨体は真っ直ぐ向かい合っていたウッウに向かって落ちてゆく。
太陽の力を借りた火炎に焼かれた青い鳥ポケモンは、慌ててその場から逃げ去った。
「ふむ、高さは申し分ありません。しかしこの天候です、まだ火力が出せるかと」
身を包む炎を消し、振り返ったセキタンザンに向かってマクワは言った。
「跳ぶ方に気を取られているのですね。両立できるよう集中的にトレーニングを……」
びゅう、と強い風が吹いた。森の木々が風に煽られ傾き、セキタンザンの背中の火の粉が共に流されてゆく。埃にも似た湿り気が鼻腔を擽ったかと思うと、空の方からゴロゴロと音が聞こえてきた。見ればあれほど真っ青に晴れていた天空に黒い雷雲が差している。
すぐに雨が降るだろうことは、マクワにも予想が出来た。一般的な雨量程度であれば、水が苦手なポケモンでも野生で生きる以上耐性がある。だがしかし、瞬間的に多量の水を浴びるとなれば別だった。
「……夕立が来ますね。一旦雨が止むまで待ちましょう。流石に大雨は、きみもつらいはずです」
「シュポォー」
ぽつり、ぽつりと肌に触れる冷たい水の粒。程なくして一帯を重く暗い雲が包み込み、激しい雨が降り始めた。バケツをひっくり返したような豪雨が衣服を濡らしてゆく。マクワは慌てて荷物から折り畳みの傘を開いた。
それからモンスターボールを取り出して、セキタンザンに向けスイッチを押す。しかし、ボールは反応せず、開かない。取り違えたのかと思いほかのボールを確認するが、間違いなくセキタンザンのモンスターボールだ。
「な、なぜ……!? まさかこの大雨で電波がやられ……ッ、セキタンザンこれを!」
「ボオ……!」
大水の中、セキタンザンは頭を振った。しかし背中から煙が上がっている。彼の特性じょうききかんがすでに発動してしまっている証拠だった。
それは彼が水を浴び、少なからずダメージを負っている証。マクワはあまり大きくはない傘をその黒くて大きな手に押し付け、すぐに離れた。
「トレーニングをするのに必要以上の負担は掛けられません! ……それに……ぼくは……みずに濡れても痛くありませんから」
マクワはセキタンザンに背を向けてつぶやいた。その背中は影を帯びていて、とても小さく見えた。
セキタンザンが声をかけようとする前に、すぐに走り出した。
「さあ急ぎますよ。洞窟は向こうです!」
「シュポォ!」
バディはなるべく傘を高く持ち上げながら、その背中を追いかけていった。
◆
森から草原を抜けて、辿り着いたのは一本道の洞窟だった。二人が到着するころには、マクワの衣服は完全に水で濡れてしまい、全身にぴったりとくっついていた。まるで水の中を泳いできたようだった。
洞窟の入り口も、滝のような水がヴェールを作っている。
マクワは適当な岩の上に腰かけると、荷物から水筒を取り出し、一気に煽った。
「……はあ……はあ……流石にこの大雨の中の全力疾走は……なかなかに新しいトレーニングですね……」
「ボオ……シュポオ……」
セキタンザンは折り畳み傘を一生懸命畳もうとしていたが太い指先ではうまくいかない。
「ああ、だいじょうぶです。乾かしたいのでそのままその場においてくれますか?」
「シュポォー!」
セキタンザンは首肯すると、濡れた面が自分に向くように立てかけた。
それをみたマクワは水筒をしまうと、傷薬をさっと石炭の黒い身体に吹き掛けた。それから次はタオルを取り出した。軽く自分の手や、ぽたぽたと水を落とす髪を拭くと、セキタンザンの腕をとり、ごしごしと擦り始めた。
「……ぼくは……みずが平気ですが、きみはそうはいきませんので」
「ボオ?」
携帯用のフェイスタオルだ。基本的にはマクワが汗をぬぐう時に使用しているもの。広い面積のセキタンザンの身体全身を拭くには足りておらず、あっという間に濡れ切った。
マクワはそれをぎゅうと絞り水気を落とすと、再び石炭の身体を拭き上げる。時々水滴を落とす彼の衣服の水も吸わせながら。
セキタンザンはその手が小さく震えだしているのを見た。
「シュポオ!」
巨大な肩を拭うその顔を慌てて覗けば、マクワの薄い唇が青くなっている。
「……なんですか。ぼくはみずがへいきで……あつ!」
背中の炎が突如燃え上がった。セキタンザンが自分のエネルギーを背中に向けて集中をした。めらめらと高く炎が揺れて、それからゆっくりと体全体を包み込む。マクワは思わず後ずさった。
「きゅ、きゅうに火をつけるなんて……あぶな……くちゅん!」
盛大なくしゃみをしてマクワはその丸い目をぱちぱちと瞬かせた。それから改めて自分のユニフォームを見下ろした。濡れ切っており、時折雫をこぼしている。
それからジャケットとユニフォームを脱ぎ、下着姿になって思い切り絞り上げると、ぱちんぱちんと叩いて広げ、近くの岩の上に並べた。
「……ど、どうやらだいぶ身体が冷えていたみたいです……」
「シュポォー!」
セキタンザンは再び背中に炎を集めることに注力した。背中の山は高らかに大火が揺らめき、石窟の中を照らし出す。立てかけてあった折り畳みの傘がじゅう、と音を立てて水蒸気を上げていた。
マクワはセキタンザンの隣に座り込んだ。ちかちかと眩しい赤い火の灯りが、水を飛ばしながら、体の表面から中の方までゆっくりと浸透していくようだった。
「……温かい……。この量の水気のなか、それだけの火力が出せるのであれば……ヒートスタンプの火力も安定出来るかもしれません。……イレギュラーなトレーニングになりましたが」
「シュポォ!」
「……ああ、もう。ぼくがしっかりするべきなのに、またセキタンザンに助けられてしまいました。……きみと一緒にいることで、ぼくはいわタイプのトレーナーとして、いわタイプとして居られる……。きみがいたから自立できたのです。なのに欲張る気持ちがでてきてしまって……」
それは憧憬の重たい影だったとマクワは思う。生まれ育ちでひとの人生は決められる。
マクワも例外ではなくこおりタイプの親の轍を歩み続ける過去があった。
だからこそ自分もひとではなく、生まれからしていわポケモンであれたらと夢想する心が、現実の中に根を伸ばしていた。
「ボオ」
「意地を……張りました。……でもぼくがぼくであるから、こうして温めてもらえて……なによりきみの恩恵を誰より感じることが出来るのもまた事実です」
明るい火炎は石の壁をちかちかと照らし、座って寄り添うマクワとセキタンザンの影をも揺らしていた。気が付けば、激しい滝の流れる音が収まっている。
ふと外を見れば、雨は上がり始め、雲が光を取り戻していた。
モンスターボールを取り出しボタンを押せば、きちんと動作し開いた。セキタンザンが帰ってしまう前にキャンセル処理をして再び鞄に仕舞い込んだ。
「……よし、止んだら今度こそ続きをしましょう。きみの火力をみせつけるのです」
「シュポォー!」
「その前に……服を乾かさなければなりません。さすがに下着で島をうろつくのは……きみのクレバーに反しますからね。いつチャンピオンが現れるかもわかりませんし」
そう言ってサングラスを拭くマクワに、セキタンザンはいっそう体のほのおを強める。
雲間から現れた再びの日差しが、二人の道を照らして燃ゆる。
「あなたがいたから」
自分が 辛いとき
悲しいとき
泣きたいとき
もしかしたら''死にたくなった’’とき
色々あるけどそんな時''あなたがいたから’’
辛ければ乗り越えてみせる
悲しいときは誰かに相談すればいい
泣きたい時は思いっきり泣けばいい
死にたい時は将来のことを考えて
人には色々な感情がある
その感情があるからこそ周りの人が気にかけてくれる
悩みや辛い時は誰でもいいから頼る
お母さんやお父さん
おばあちゃんやおじいちゃん
兄弟
学校の友達
近所の人
学校の先生でも
とりあえず頼ってみる
そしたら必ず解決してくれる
あなたがいたから解決出来た悩みがあるかもしれない
そんな時は誰かを頼ってみてもいいかも…
『あなたがいたから』
悲しくて楽しくて
気がかりで安らいで
欠けていて満ち足りて
感情のフルコース
あなたと一緒に味わって
ナイフとフォークを手放した
―あなたがいたから
あなたがいたから
たとえば、こんなにも広い世界が案外怖いものではないと知ったとき。
こんなにも醜くて汚い世界でも、美しくて愛しいと思ったとき。
すべてに絶望して、心を塞いでも、受け止めてくれる優しさがあると知ったとき。
どんな瞬間にもあなたがいて、そのとき知った感情もすべて、あなたがその理由になっていた。
あなたがいたから、そんな理由だけで生きていくこともできる。決して生きる意味ではないけれど、生きる理由の一つになるんだ。
お久しぶりです
カフェの前を通りかかったら、窓越しにあなたが見えたものですから
少しの間ご一緒してもいいですか?
まさかこんなところでお会いできるとは
あの頃、僕はあなたがいたからがんばれました
なんとかあなたに認められたくて
突然あなたに会えなくなったときは、とても悲しかったけれど、僕も少しは成長できたでしょうか
相変わらず素敵ですね
今でもあなたは僕の憧れです
自分の身近な人の中に、絶対この人は居なきゃだめだという人はいますか?自分にとって必要な人はいますか?
自分を支えてくれる人って絶対いりますよね。もちろん全員が全員という訳では無いと思いますが、大半の人はいた方が心に余裕ができると思います。仲良くしていて裏切られた人、雑に扱われたことがある人も次の仲良くなる人は絶対いい人ですよ。裏切られた分だけ、人柄が分かりやすくなると思います。自分にとって必要な人は絶対に生きてて見つかります。
【⠀あなたがいたから 】
【あなたがいたから】
じわじわと頬を汗が伝う。雲ひとつない真っ青な空が目に痛い。気持ちわ落ち着けるために、深く息を吐き出した。
夏は嫌いだ。イヤなことばかりを思い出す。暑くて、苦しくて、悲鳴をあげても誰も助けてはくれなかった。幼い日の癒えきることのない傷痕が、私の心臓を冷たく覆い尽くしていた。
「やっぱりさ、夏って良いよね。空が綺麗で!」
あなたの朗らかな声が、不意に鼓膜を揺らした。にっこりと無邪気に笑ったあなたは、私の顔を至近距離から覗き込む。
「ねえ、今度一緒にひまわりを見に行こうよ。有名なひまわり畑が近くにあるらしいんだ!」
弾むような声が耳に心地良い。私の過去を知っても、『かわいそう』だと決して言わなかった、ただ一人のひと。その存在にどれだけ私が救われたか、きっとあなたは知らないのだろうけれど。
「うん、良いよ。一緒に行こう」
気がつけば胸を埋め尽くす不快感は、すっかりとどこかへ消えていた。あなたと繋ぎ合った手の温度だけを全身で感じながら、私は静かに瞳を閉じた。
――あなたがいたから。大嫌いなこの世界で、それでも私は息をしている。
あなたがいたから…
高校時代に付き合っていた彼に言われた一言は今も私を元気付ける。
中学生の時、私はちょっとやんちゃをしていた。それを知っている子が、彼に「あいつ中学の時悪かったんだぜ」と話しているのを聞いてしまった。
高校生の私は中学生のころの面影はなく、どちらかというとまじめ…彼にがっかりされて、嫌われるかもしれないと不安がよぎったそのとき…
「それは中学の時のことでだろう。だから何?今は違うんだかから、それでいいんじゃないの」と半分怒った口調で相手に言い返した。
予想もしなかった彼の言葉が嬉しくて胸がいっぱいで…
信頼されることの喜びを感じた瞬間でした。
あなたがいてくれたから、本当に楽しい高校時代を遅れました。
心からありがとう。
ただなんとなく生きていた。
流されるままの人生。
都会の雑踏の中にいると、ときどき自分が存在していないんじゃないかって錯覚する。
スクランブル交差点、行き交う人々。
真ん中で立ち止まってみた。
誰もが邪魔者扱いして通り過ぎて行く。
そんな現実に少し安堵した。
「――何でとまってるの?」
たった一人、足を止めた。
目の前のその人は、真っ直ぐこっちを見ている。
全てを見透かしたような大きな瞳、
そこに映る『自分』が見えた。
瞬間、生まれて初めて、本当に生きてるんだって思えた。
これが君との出会い。
君こそが存在証明。
『ワンダーフォーゲル』
この七並べが終わったら きっとあなたとさよならだ だから僕はいかさまをする 山になるトランプ さめざめとクローバー 寂しさはすっかり居候してる この山はきっと一人で越えられないだろう 恋人なんてとうに過ぎてる 二人で登ろう 頂上で疲れきってオレンジを頬張ろう
『あなたがいたから』6/20
アナタが居たから、
私は、頑張ろうと思えた。
アナタが居たせいで、
私は、努力なんて無駄だと思えた。
アナタが居なくなったから、
私の人生が楽しくなると思えた。
でも、あなたがいたから、
私が、私らしくいられたと思えた。
あなたがいたから。
それは"あなた"に責任を押し付ける言葉。
プラスの意味で使えばいいけど、例えば、あなたがいたから私は暗算が苦手になった、と続けたら、暗算が苦手なのは自分のせいなのにあなたのせいにしてることになる、そんな、身勝手な非難もこもった言葉。
でも、実際。
こちらが考える暇なく暗算の答えを言われたら、自分で考えることを放棄したくもなる。
負けず嫌いとは程遠い性格なのだ。
私は。
あなたとの関係を聞かれたときに、お決まりのセリフのように『幼馴染』だと答えちゃうけど、いつもどこか腑に落ちないのは昔から。
それは好きな人だからって、ちょっと前まで思ってたけど、今は好きなんだけど、付き合いたいとかそういうんじゃなくて、なんていうか…恋愛的なやつは薄れてるのかな?
考えをまとめようと思い出を引っ張り出してみるけど、ふざけあった日々に勉強を教えてくれたこと、頑張って作ったお菓子をちゃんと最後まで食べてくれたこと。
あとは…たまにムカつくし、クラスメイトには優しくするくせに私にはたっっまぁにしか優しくしないし、私と話しててもスマホばっかり見るし、話を本当に聞いてるのかわからない態度だし。
引っ張り出せば出すほど、いいところ4割、悪いところ6割で悪いところが勝ってるんだけど(笑)
でも、あなたがいてくれたから救われたこともたくさんあって、だからってわけじゃないけど、私にとって「大切にしたい人」なのは昔から変わらない。
それはきっと変わることがないと思いたい。
だからさ、今はその揺るがないもので結論をだしちゃうね
今の私の答え。それは………
あなたは私の『大切な人』です。
テーマ:あなたがいたから
お題
『あなたがいたから』
「ねぇ、颯(はやて)今日ね、新しい友達が出来たの。」
「これも全部颯のおかげだよね……」
私はそういい、ふっ、と笑みを零した。
高2の春
私は陽キャでもなく陰キャでもない、誰1人話す人もいない。そんな毎日を送る能無しの人間だった。
高1では3人の友達。私含めて4人で仲良くしていたけれどその3人とは離れ離れになってしまい、元々コミ障なせいで、1ヶ月がたち5月になった今でも話した人はいない。
ある日、高1の時の友達の1人に会った。
「やっほ!麻里(まり)!」
「新しいクラスどう?」
「全然(笑)まだ仲良い人いないよ」
「そういう美奈(みな)は?」
「私?私も全然だよ笑笑」
「みなー?」
「あ、ごめん呼ばれてる!じゃあね!麻里」
「あ、うん」
なんだ、友達いるじゃん、”嘘つき”
『ねぇ、』
「ひゃっ!」
「誰……!」
いきなりすぎて変な声を出してしまった。
「す、すみません!私に何か用ですか?」
きっと、人違いをしただけだ。
私に話しかける人なんていないから…。
そう言って自分を落ち着かせる
『えぇっと、麻里ちゃんだよね?』
「へ?」
『あれ、違った?』
突然すぎた、私の名前を知ってる人がいるなんて
「あ、いえ、あってます。」
『あー、良かったw間違えるかとw』
「それで、えっと……」
『あー、ごめんごめんw本題言うの忘れてた。』
『麻里ちゃんってさ国語係だよね?』
「あ、、はい。」
『俺同じクラスの颯って言うんだけどさ、』
『そんなことはどうでもいいか、みんな待ってるんだけど』
「あ、ごめんなさい。」
やっぱそうだよね、そういう理由だよね……笑
勘違いしてバカみたい、
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「み、皆さん、国語のノート提出してくださ…い。」
ガヤガヤガヤ
誰も見向きもしてくれない。
はや……誰だっけ。その人嘘ついた?
みんな待ってるって……
と、とにかくはやく集めなきゃ!
「ノート……出して……っくだ」
『みんなーノート出そー!』
「あ、っ……」
「え、颯ナイスすぎw」
「それな、w忘れてたww」
「え……?」
「麻里ちゃん、だっけ。ノートここ置いておくね」
「あ、はいっ!」
名前……覚えててくれてるの……?
仲良くできないって思ってたの私だけ?
というか…………
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
『ごめんっ!嘘ついて』
「いや、全然」
「むしろ教えてくれてありがとうございました。」
『……。ねぇ、麻里ってさなんで誰とも仲良くしないの?』
ドキンッ
「あ、えーっと、自分に自信が無いから…とか?」
自分のことなのに何故か疑問形になってしまう。
『え?自信?麻里は可愛いじゃん』
「ん……?」
『俺さ、実は去年から麻里のこと見ててずっと好きだったんだ。』
『突然でごめん。ずっと話しかけたかった。でも最後の日になっちゃって……』
「最後?」
『俺、心臓の病気でさ、明日から入院するんだ』
『今まで話しかけれなかった分今日話せてよかった。』
『また続きは来年話そ?バイバイ』
颯……くんは自分のことを早口に話してからそそくさと行ってしまった。
”来年”その言葉を信じて待っていたけれど颯が帰ってくることは無かった。
でもあの時颯が話しかけてこなかったら今の友達はいないだろう。
"わたしたちは双子だから何があっても一緒だ"
そう言っていた兄さんは争いで命を落とした。
兄さんの死は耐え難く、ぼくの心は深く暗い。
父さんに頼んでぼくは兄さんの元へ行くことにした。
最期に見た父さんはとても悲しそうだったけれど、ぼくは兄さんの元へいけることが嬉しかった。
父さんはぼくたちを星にしてくれた。
兄さんが一緒にいてくれるからぼくたちは夜空で輝けるんだ。
#あなたがいてくれたから
貴方がいたから、私はこうやって生きてこれたの。
貴方がいたから、このクズな世界を愛してみようと思えたの。
貴方がいたから、下らないと思っていた感情に振り回されてもいいと思えたの。
私の乱れた髪を、そっと撫でてくれた貴方の手が恋しくてたまらないの。あの時と同じくらいに髪を乱れさせてるのに、貴方の撫でてくれる手の温かみは一向に感じないの。
だめなの。だめになっちゃったの。ずっとずっと蹲ったまま、動けなくなっちゃったの。
あなたがいたから、わたしはいつも通りのわたしでいられた。
あなたが誰かに殺されたと聞いて、わたしはわたしではなくなってしまった。
だけれど、あなたがいてもいなくても、世界が回っているし、いつもと変わらないニュースが流れてくる。変わらず昼と夜が繰り返されていく。
まるで、あなたがいなくなったことに世界は気づかないみたいに。
知ってる人でさえも、数日たてば、あなたのことが話題に出ない。 なぜ? あなたがいないことを誰も語ろうとしないのは。
お願いだから、あなたがいた事実までも殺さないで。
あなたがいたからやれたことも頑張れたことも沢山あったの。
だけどね、もう今は見たくないよ。
もう頑張れないよ。
だってあなたに会う度に泣きたくなって泣きそうになるから。
でもあなたと会えたこと後悔してないよ。
あなたがいたからできたことなんて数え切れないほどたくさんあるもん。
だからね、ありがとう