『あじさい』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
あじさいががっこうにさいた
とってもきれいだった
なんにもようはないのに、あなたをみにいくためにあゆ
んだ
かれてしまえばみにいけないのかな
いつまでもきれいにさいてるとはかぎらない
あじさいががっこうにさいた
なんとなくさいているちっぽけなはなだ
たったの
にしょくしかさいてないけど
あじさいががっこうにさいた
えごころをくすぐられるようなはながさいた
るりいろだった
のどかながっこうにさいたちっぽけなはなだ
《あじさい》
かつての相棒が私の様子を見に来てくれた。
渓谷に咲いていた、とあじさいを手にして。
園芸用によく見られるそれとは違い、たくさんの蕾の周りにぽつりぽつりと咲く様が可愛らしい。
滝が落ちる涼やかな光景を思い出しつつ、青や白のあじさいを眺める。
「移り気」「浮気」なんて、色の変わり具合を揶揄するような花言葉が有名だったけれど。
私は、異国の医師の恋愛話から来た「辛抱強い愛」が好きだなぁ。
遠く離れ離れになっても互いを想い続けた医師と妻。
自分はそんな風になれるかな。
決して出会うことのない彼。遠くから見ているだけだったあの頃ならばそんな幻想も抱けたけれど。
隣に立てる喜びを知ってからは、離れる怖さがムクムクと大きくなる。
まるで光を浴びて出来る影のように、光が強ければまた影も強さを増す。
ダメだダメだ!
両手で自分の頬をパチン!と叩く。
金属製の家具の中、青いあじさいが目に映る。
大丈夫。彼は本当に辛抱強くて優しい人。それは絶対に変わらない。
ならば、私の想いも変わることはない。
彼の強さを見習って、私も強くあろう。
気合を入れ直して立ち上がり、部屋を出る。
白いあじさいが揺らめいた気がした。
・
・
・
ヤマアジサイの青と白のイメージで書かせていただきました。
母親の誕生日プレゼントに、ピンクの紫陽花の髪飾りを買った。花言葉は「元気な女性」。喜んでくれるといいな。
【あじさい】
あの人に出会ったのはある雨の日
紺色の傘を差して佇んでいた彼の背後には
青い紫陽花がたくさん咲いていた
彼の白い肌にその青がよく馴染んでいて
世の中にはこんなにも紫陽花が似合う人が居るのだと
初めて知った
やがて彼は紫陽花へと手を伸ばし
しばらくすると細い指先が何かを捕らえたのが分かった
よく見るとそれは蝸牛だった
細い指の上、ちょこんと乗った蝸牛
これはこれで似合っていた
そして
彼が蝸牛に向かって微笑みかけたのにドキッとして
私はそのまま恋に落ちてしまった
それから彼を見かけたことは一度もないけれど
紫陽花を見ると彼のことを必ず思い出す
あの紺色の傘
あの白い肌
あの指先
あの蝸牛
あの微笑み
あの日見た光景の全てが
一年経った今でもはっきりと思い出せる
あの人のことは何も知らないけれど
雰囲気や仕草、笑顔
どれも好きだった
まだ新しい恋も見つけられていない
あの人より心惹かれる人に出会えていない
紫陽花の青のように淡い色をした恋心は
今も消えることなく私の胸に残り続けている
【あじさい】
花に興味がないせいか、花瓶に活けられた紫陽花を見て「ああもうそんな季節か」と思うだけだ。風流を理解できれば魅力的な人間になれるのかもしれない、が、机に飾られたそれを見て「花がある」としか感想を抱かない辺り、あまり望みはなさそうだ。
その土地に素直に馴染んで、
素敵な彩りを見せてくれる、
紫陽花の花たち。
紫陽花のように、
素直なこころでありたいな。
創作「あじさい」
彼はまさにあじさいだった。置かれた環境で振る舞いを器用に変え、他人からの厳しい視線や言葉にもじっと耐え忍んでいた。降りかかる雨に耐えるあじさいのように、淡々と。
僕は彼と何度か話す機会があった。といっても天気の話から始まり、趣味や好きなものなど無難な内容をお互いにぽつぽつと繋げる。道や廊下で顔をあわせれば、会釈を交わす。その程度の関係だった。
ある日の午後、僕はどこかの店に傘を置き忘れてしまったことに気づいた。帰ろうにも雨足は強まるばかり。どんよりした空を軒先で見上げ、雲が途切れることを願う。すると、軽く肩を叩かれた。
「傘、貸しますよ」
彼であった。 濃い青の傘を差し出して柔和な笑みを浮かべている。反射的に傘を受け取った僕ははっとし、借りても良いのか尋ねた。
「大丈夫ですよ。折り畳み傘があるので」
「ありがとうございます。明日、返します」
少し恐縮しつつ傘を開く。歩きかけた彼は足を止めて僕を見る。
「そうだ、一緒にお茶しませんか。雨の日限定のケーキを出すお店があるので」
普段、付き合いの悪い僕には珍しく彼の誘いに乗っていた。単に、ケーキに興味が引かれただけではないらしい。彼と心から話してみたいと、柄にもなく考えていたのだった。
雨の音で目が覚めた。僕は彼の腕の中にいる。 彼の言葉はあじさいの葉のようだ。一言でも飲み込めば、激しい恋の病に侵されてしまう。
彼は僕だけのあじさいだ。
(終)
あじさい。
あじさいの
白がかわいい。
最近
よく見る気がする。
あじさいは
心変わり?
今の私も?
それも楽しそう。
あじさい
今年の紫陽花は、一つ一つの花が美しい、てまり咲き。
凛とし、縹色が疎らに弱かったり、強かったり。
その姿に魅入られた。
貴方にそっくりで。
紫光りする黒髪、涙で潤い曇りがない瞳、透き通る肌。
その全てに私は魅入られ、鼓動が高まった。
そんな、貴方が私の傍にいる。
美しすぎる貴方に触れられるだけで幸せだった。
人間は情が移るもの。
貴方は、私に振り向き続けなかった。
私だけの美しい貴方なんだ。
私だけの紫陽花になってはくれないだろうか。
手をひき、貴方に口付けをする。
息がすぅと抜け、てまり咲き。
雨の水滴が花弁につく。
ゆっくりと指先ですくい口にすると、しょっぱかった。
私は感動した。他にも、涙せず笑って欲しい。
もっと、それを見たいんだ。もっと。
今年の紫陽花は、貴方に似すぎている。
あじさいはこれからも美しく雨に濡れ、咲き誇る。
#07
あじさいが咲いている。
後で書きたいので一旦キープします…
私の家の庭には昔から紫陽花がある。
紫かと思えばピンクに変化していく。
青かった気もするが、いつの間にか紫やピンクになった。
酸性、アルカリ性の関係なんだろうが、いつも不思議に思う。
花も木も生きているのだと実感する。
今年も沢山の花をつけている。
雨の中で見るとより一層美しい。
シフォンケーキは 白陽花
雨 したたるに 青陽花
汗ばむ夜に 赤褐陽花
あなたに 紫陽花を。
「あじさい」
あじさいが咲いている。
もう6月。
梅雨の時期。
定期テストもそろそろだ。
6月は私の誕生日。
時が経つのは本当に早い。
#16
俺のいつもの日はあじさいを愛でることから始まる。
この日の天気と温度に合わせ育てていく。
『あじさい』
雨に濡れ、華麗に咲き誇り
映す度に姿を変える、彼女らは
梅雨無き季節に、萎れてた
---二作目---
雨に濡れたら、冷えてしまうから
身体を寄せあって、暖め会おう。
小さな花が連なっている、紫陽花のように
#あじさい
327作目
一周年記念まで...あと37日
『独り言』
梅雨は嫌い。しとしと降る雨、湿度が高くジメジメするし、雨空にかかる雲は濃くて陽の光を遮る。
頭痛も起こってくると流石に低気圧を呪う。
でもね、紫陽花の花を見ると綺麗だなって思うんだ。
雨露に濡れたピンクや紫の小さな花弁が揺れる。それが可愛らしくて。
紫陽花って花言葉は『移り気』なんだって。
めちゃくちゃ好き。私っぽくて好き。
恋愛に関してはあんまりそれは感じないけどでも熱しやすく冷めやすいのは同じ。
正直この性質はよく思われないのよね。興味がどんどん移っていくし、去るもの追わずで執着しない。
だからいつまで経っても独り身なんだけど。
でも趣味や交友関係では悪くないのかもね。良くもないけど。
新しいことに興味が移るってことは、常にアンテナ張ってなきゃできない。
ねえ、あじさい君。君も同じなのかい?
君も一人なのかい?
同じだね。仲良くやろうよ。
これまでも、これからも私は移り気。
ピンクの紫陽花。
#あじさい
【あじさい】
道々にあじさいが溢れている
どこまでも柔らかな丸みは
静かな雨を受け
小さく微笑むように揺れた
『いつか、あじさいの花を送り合おうね』
そう約束したのは少し前のこと。
ついに私もあじさいの種を買えるようになり、育ててみたものの鉢植えの中にいるのははっきりとした色味のオレンジ。
私の理想とはかけはなれた姿にすこし落胆しつつも、見かけることのないオレンジのあじさいをじっとみつめる。
そういえば、オレンジのあじさいの花言葉ってなんだろう?
最近読んでいるマグルの世界の植物たちの図鑑にはあじさいのページもあったが、そこにはオレンジ色のあじさいの記載はなく花の色それぞれにあるという花言葉も青や白といったものしか載っていない。
魔法界の突然変異で生まれた色なのだろうか。
それとも私の育て方が下手………?
……まぁそれはそれで。よくよくみたら元気な色でいいじゃん。プラスに考えるのは私のいいところだ。
それに、無いんなら付ければいい。私が花言葉を。
そうなるとやっぱり約束した相手と関連した感じにするのがいいな。デザインもどんな風にアレンジしようか。きっとなんでも喜んでくれるだろうけど、ちょっとひねりたいのが私のいいところその2。
色々と思案しながら私はプレゼントするフラワーアレンジメントを作りに植物店へと向かった。
「あじさい」HPMA
300字小説
移り気
梅雨の時期、近所の廃寺のあじさいの生垣に女の幽霊が出るという。何でも身請け話を反故にされた遊女の霊らしく、色が変わっていくあじさいを『憎し、憎し』と叩いて回るらしい。
「……それは気の毒な……」
長屋の傘貼り浪人の先生が刀を腰に立ち上がる。
「先生、幽霊が切れるんですかい?」
「解らぬ。が、切らずとも未練を晴らすことは出来よう」
先生は竈の灰を手に取った。
今年のあじさいは咲き始めからずっと赤い花のままで、遊女の霊は毒気が抜かれたのか咲き終わる頃には消えていた。
「あじさいは土で色が変わるのだ」
「先生、さすがで」
「人の心変わりに泣くのは遊女も武士も同じだからな」
先生が苦笑して、ぺたりと傘の骨に糊を塗った。
お題「あじさい」
あじさいを見た。
梅雨だな〜と感じるのは悪くない。
フィリピンでは4ヶ月も続くらしい。
2024 6 13 #8 あじさい
叶流(偽名)