『あいまいな空』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
曖昧な空はまるで自分の心を見透かしたような気がした。
そうね。
この空は
あなたの私に想う気持ちのようね。
とても曖昧だわ。
青い空から降る青色
橙に染まっていく青
青に沈んでいく橙色
全部、夜が飲み干した
曖昧な空
曖昧な自分という存在
さっきまで降っていた雨がやんだ
鞄に入っている折りたたみ傘を出す間もなく
僕はずぶ濡れになった
雨音に僕の存在をかき消されるような気がした
……にも関わらず何事も無かったかのように
空を覆っていた黒雲はどこかへ逃げていく
少しムカついた
無言で空を睨んでいると後ろから肩を叩かれた
「何でそんなにずぶ濡れなんだよ」
笑いながら言う彼は同級生
最近よくつるんでるやつ
傘から水を滴らせて満面の笑みで僕に話しかけた彼にもムカついた
「……シャワー浴びた」
「制服で?」
彼は腹がよじれそうな程笑っている
「……最近の、マイブーム」
「風邪ひくなよ」
そう言って彼は僕にタオルを投げ付けた
タオルから柔軟剤の良い匂いがして余計にムカつく
僕はタオルで髪を雑に拭き
ついでに制服に中途半端に染み込んだ雨も拭いてやった
「優しい君にお礼の品を贈呈しよう」
そう言ってびしょ濡れになったタオルを投げ付けた
「おいおいこれがお礼か? 諭吉の1人2人寄越してくれても良いぜ?」
そして彼はまた満面の笑みを浮かべた
僕は苦笑いして彼にさっき投げ付けたタオルを奪い取った
「……洗濯して返す、あとジュース奢る」
彼は満足気に頷いて僕の手を引っ張った
「早くしないと遅刻するぞ」
そして2人で水溜りの水を辺りに跳ね飛ばしながら走った
嘘だった
学校には余裕で間に合った
「お前無駄に濡れて……風邪ひいても知らないからな」
「足だけだし大丈夫だろ、これでお揃いだ」
嘘だった
彼は翌日風邪をひいた
馬鹿かよ……
僕はまだ彼の匂いが少し残るタオルとジュースと
プリント諸々持って彼の家へ行った
「やっぱり風邪ひいてんじゃねぇか」
「んー熱はあるけど結構ぴんぴんしてるからd……」
「大丈夫じゃない、寝とけ」
そして僕は天井を見詰めて唸っている彼を横目にノートを写してやった
「せっかく遊びに来たんだからゲームしようや……」
「明日までに治したらいつでもやってやるよ」
そしてノートを写し終わった僕は立ち上がった
「もう帰るのか?」
「何だよそんなに僕の事好きなのか?」
からかってやると彼は少し考えて言った
「……好きじゃない、大好き、これからも仲良くしてくれ」
何かちょっと照れた
赤くなった顔を隠すように僕は彼に背を向けた
「良いけどその代わり明日までに風邪を治して学校に来い」
彼がいつものように満面の笑みを浮かべたのが
背中を向けていても分かった
「……出来なかったら絶好だ」
翌日学校に着くと彼の姿は無い
始業5分前になっても来ない
そしてついにチャイムが鳴る
僕は机の上に置いた自分の手を見詰めて溜息を吐いた
「やっべー遅刻遅刻! あ、まだ先生来てないじゃんセーフ〜」
能天気な声に目を向けると彼だった
「焦ったじゃねーか……」
彼は僕を見付けるなり笑顔になった
「来たぜ、今日うちでゲームしよ!」
僕はやれやれと息を吐いて無言で頷いた
相変わらず梅雨の空は曖昧な天気だが
心なしかちょっと晴れてる気がした
Title¦あいまいな空
あっちは青、そっちは黒
同じ雲が流れてるのにこんなにも違う
…ぁぁ、あの子と私みたい。、
降るのか降らないのか曖昧な空は一時的なもので、いずれかどちらかに傾く。
『 あいまいな空 』
季節の変わり目だったり
梅雨時期だったりなとき…とか
天気予報では晴れなのに
雲が多くって曇ってたりすると
あいまいだなぁと思ったりするね。
ただ、言葉として
『あいまいな空』とは、表現しないかも
「あいまいな空」
夜中に目が覚めた。
しばらく布団の中でじっと丸まっていたが、眠りの波はやってくる気配はない。
そうしているうちに、周りの景色がうっすらと明るくなってきた。夜と朝の間。あいまいな時間。
仕方ないと家族を起こさないように体を起こした。周りはまだ夢の中のようで。
居間は低い音だけが冷蔵庫から聞こえる。普段はテレビの音や人の声にかき消されて気にも止めない音。
世界で動いているのは冷蔵庫と私だけになってしまったような気がしてカーテンを開けて外を見た。
朝焼けも見えない、薄い雲に覆われた空。
すっきりとした綺麗な青空でも、目が覚めるような輝く朝日でも、見ることができたなら気持ちも晴れただろうに。
逆に雨が降っていればパタパタと落ちる音を、窓を伝う雨粒の軌跡を楽しんだかもしれない。
はっきりとしない、あいまいな空。
まるで私の気持ちのようだ。
未来に希望を持てず、過去を引き摺り、ふらふらと今日を生きている。
いつか青空の様に晴れ晴れとした気持ちになるのだろうか…まだわからなくて、私はカーテンを閉めてキッチンに向かった。
曖昧な空
今日は曖昧な空だ。昨日のニュースで見た通りだった。今日は雨か晴れか分からないから、折り畳み傘を鞄に持っていこう。あの、亡き妻に貰った傘を
あいまいな空
何もかも曖昧で…
先がわからなくて不安…
そんなわたしの気持ちを
表してるようなお空…
妙に安心するのは…
きっと
曖昧なところが
似てるのかもしれないね
一緒だね
お空さん…
そう心の中で
呟いた…
曖昧に言葉を喉に詰まらせた私は
今日も雨も降っていないのに傘を差した
灰は心を塗りつぶしていって
雨はそれをひたすらに滲ませようとしているだけだ
冷たくて痛い、曖昧なぬるい風が纏う
こんな日にさえ傘を差すのは、ぐしゃりと歪めた顔を
頬を滑る雨のようなものを、ぼんやりとした視界を
ビニール傘で誤魔化したかっただけだ
何このあいまいな空…
朝なの?夜なの?はっきりしてよ…
けど、なんでだろう、この、朝と夜の空の混じり合った所が…すごく、すごくきれいだなぁ
「あいまいな空」
私の心の中みたい
これが晴れることはないのだろうか
笑っているの?
泣いているの?
『あいまいな空』
空だけは全ての物に平等だ
晴れでもない 雨でもない
曖昧なこの空 曖昧な気持ち
太陽が同時に晴れさせてくれたらな…
あいまいな空
雨は嫌い。
晴れが好き。
曇り?そうだなぁ……。
いつもより早く目が覚めた朝。
明日、雨天中止で。
学校行事であれば嬉しいお知らせだったであろう真夜中の通知を、何度も目でなぞる。体育祭も、遠足も、基本外で行われるようなものは、体力を要するから昔からあんまり好きじゃない。
サイドボードに置かれた卓上カレンダー。今日の日付けに貼られた浮かれたシールが、空気も読まずに笑ってる。窓の外は何とも言えない空模様。時計の針はいつもよりゆっくりに見えた。まるで、降り出すのを待ってるみたい。
雨天中止と連絡が来るあたり、この思いの行方はこの空以上に暗雲が立ち込めているのだろう。それでも私は残された可能性にかけて、精一杯準備をする。
〉あいまいな空 22.6.14
今の心模様。
ずっと暗いのに明るくて、曇ってるのにたまに日がてって。
とても曖昧な色合いの空みたいに。
今はっきりしない空模様。
*.ʚ あいまいな空ɞ.*