『「ごめんね」』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「ごめんね」
正直、分かっていたことじゃないか。
それでも、こんな僕でも、勇気を出して告白したんだ。
伝えたかった想いを言葉にできた。
かなり震えていたし、どもっていたけれど。
それでも、後悔はしていない。
涙は溢れてくるけれど。
『ごめんね』
そう言われた。
その後も何か言われた気はするけれど、
頭が追いつかなかった。
いや、理解したく無かっただけかもしれない。
幼馴染みだったから、少しは脈があるかな…なんて、
思い上がりもいいところだ。
「ごめんね」あなたに初めて嘘をついた日
最近体調が悪くて病院に行ったら病にかかっていたこと
大丈夫だった、?と聞いてくるあなたにうん、笑と返しちゃったこと
ほんとにごめんねー。
「ごめんね」
一緒に言った。
ジーーっと虫が鳴いていた。
日暮れの空は、青暗い。
目の奥がくすぐったいような気がして、目を細めると、アイツも同じように笑っていた。
微かに夏の匂いがする。
手首に張り付く布が、風で靡く。
右手に嵌められたアイツと目を合わせる。
アイツの目の奥が揺れる。舌のない口が開け放しになっている。
サーカスのテントが遠くではためいている。
音もなく。色もなく。
物心ついた時から、僕はピエロだった。
サーカスで、たった1人の肉親のアイツと、僕は毎日芸に励んだ。
僕の右手にずっと一緒にいる、パペットのアイツと。
アイツからほつれた刺繍糸が、風にはためく。
サーカスのテントと同じように。
アイツが色を食べることを知ったのは、最近のことだ。
僕の右手が、絵の授業で描いたクロッキーのように味気ないのは、そのせいだったのだ。
アイツは色が大好物だ。腕を通せば、腕の色を食べる。
アイツは色が大好物で、でも色を食べると周りが困ることを知っている。
だから、アイツは怒ると色を食べる。口から。口をパクパクと動かして。
今日はちょっとやりすぎたのだ。
パパがあんなことを言うから。
みんな我慢の限界だった。パパ_と自分を団員に呼ばせている_横暴な団長にウンザリしていた。
それは僕も、アイツも一緒だった。
パパにはもう会いたくない。
パパは僕の右手が嫌いだった。
変な右手の僕を愛してくれる人はいなかった。
僕はいつも2人だった。アイツと2人きり。
パパにいじめられて疲れ切った大人たちは、何も教えてくれなかった。
でもこれだけは分かる。
謝れないのは悪いことだ。パパとおんなじだから。
だから僕たちは一緒に謝る。
サーカスのテントに向かって。
「ごめんね!」
モノクロのテントが風に靡いている。
僕の右手に嵌められた、アイツのほつれた刺繍糸は、鮮やかに、いつまでも、はためいていた。
2023年5月29日のテーマは「ごめんね」だったらしい。先程過去の投稿を確認してきたが、内容から推察するに、ほぼこのテーマで合っているだろう。
今回もどうやら絶賛リバイバル中のようだ。
さて、昨日は以前投稿した文章から文章を作るということをしたが、今回はどうしよう。
「ごめんね、思い浮かばない」と言って逃げてしまおうか。それとも「イチイチ過去に投稿した文章を確認してごめんね」とメタネタで逃げようか…。
…どちらも逃げるが入っているな…。
正直、ラボ組・屋上組のどちらかで物語を書きたい気持ちもあるのだが、仕事で疲れて気力がない。
気力はないが、いつかの為にメモを残しておこう。
「ごめんね」と謝るのは、屋上組ならば「俺」で、ラボ組ならば「博士」な気がする。
二人とも「彼女」には弱い。
その為、言い争うより早々に謝って場を収めてしまうだろう。
屋上組の「彼女」はツンなので、多分謝るのは苦手だ。謝っても謝っているように見えないかもしれない。
ラボ組の「彼女」は、博士と似た穏やかな気質をしている。ならば、彼女は素直に謝るタイプかもしれない。
おやおや。
そうなると、屋上組は「俺」が「彼女」に謝ることが多くなり、ラボ組は「二人して」謝り合っていることになる。
どちらも賑やかそうだ。
色々妄想するのは楽しいけれど、物語にするのは、またいつか。
ごめんね。
ごめんね
(2024/05/29 21:15:17)
創作「ごめんね」
「ちょっとその……なんだっけ、えーと、あの……あれ?その辺にある?あれっ あれ取って」
テレビの番組を変えたくて、四角いあれの名前が出てこない。状況を察した家族は、しっかりリモコンを取ってくれる。
「ありがとう!」
焦っていると、簡単な言葉や名前が思いつかないことがある。だから、家族の手をちょこちょこ借りている。手間かけさせてごめんね、いつもありがとう。
「ごめんね」
貴方は言った。
直後、横から物凄い速さで電車が通過する。
貴方は貴方じゃなくなって、貴方がいなくなって私も私じゃなくなった。
貴方はずっと優しかった。いじめられてたんだよね。私とのことで。珍しいからって、いじめられてたんだよね。
不安と悲しみと怒りでいっぱいだっただろうに、貴方はずっと私に優しくしてくれた。
けどそれも、限界だったのかな。
貴方はこの世界から消えて、私は貴方のお母さんに打たれて、お母さんから残念なものを見るような目で見られた。
クラスメイトにも、嘲られた。
貴方が受けていた仕打ちを、今は私が受けている。
私は崖の先端に立つ。この狭苦しい世界で、唯一私と貴方だけのものだった場所。
「…ごめんね」
私は一歩を踏み出した。
「ごめんね」
ああなんて毒を孕んだ目だ。
寂しげに呟いて翻すその身を引き留めた。
「ふざけるな!」
ああ、頭のどこかで声がする。危険だ、この先は引き返せない。後戻り出来なくなる。だがこのままこの女を手放すことなど、とうの昔に出来なくなっていた。
なあ、この極まりない、ろくでもない話の際まで追い込んでおいて、こんな酷い結末はないだろう?
「おれは!お前のものになりたいのに!そうさせてくれないのはお前だろ!?」
散々誑かして、惑わせて、夢中にさせておいて、
最後の最後で冗談にまぎらわせて、結局辿り着かせてなどくれない。なんて酷い女だろう、なんて残酷な。
「いいんだね」
「何がっ」
「逃げ道を塞いだのは、君だよ」
なんて目で自分を見るのだ。まるで夜の底を這う蛇だ、焦げ付いた目で、獲物の首筋に喰らいつく直前のような目で、
ああ、なんて目で。
リンカーンはぐいと強気に笑った。どうか笑えていますようにと、今初めて自分の事を主に願った。
「望むところだ、馬鹿野郎」
【ごめんね】
ごめんください
ごめんなすって
御免こうむる
天下御免
切り捨て御免
お役御免
真っ平御免
ごめんあそばせ
これにてごめん
ごめんねごめんね~♪
別に謝らなくていいのに
すぐにごめんねと言ってくる
だから僕は
君がごめんねと言わないように
行動するようにしていた
でもそれは間違っていた
それはただ僕が
ごめんねを聞きたくなかっただけだった
ごめんねを言わせないようにしていただけだった
もう
ごめんねを嫌うのはやめるよ…
「ごめんね」
お題『「ごめんね」』
離れたところで頑張っているあなたへ
あなたが遠くに行ってしまうって
知ったとき、とても寂しかったけど
その日が来るまでの間は一緒に笑ったり
話ができて本当に嬉しかったよ。
ライン交換してからたくさんやりとりの
ライン送ってごめんね。
面倒なときもあったと思うから
その時のことたくさん謝りたいって思ってるよ。
優しいあなた いつも丁寧な返事をありがとう。
偶然にもいつかどこかで再会できますように🤍
「ごめんね」
今まで生きてきて、「ごめんね」と言いたい時は、
たくさんあった。
でも、ちゃんと言ってきただろうか?
言ってきてないと思う。
逃げてきたのか?
言いそびれたのか?
どちらにしても、あり得ない。
申し訳ない。
今更ながら、ちゃんと言っておきたい。
「ごめんね」
許して下さい。
【ごめんね】
いつも感情のまま動いて人を傷つけちゃう。
考えて動くようにしてたら心がやられる。
どうすればいいか分からないんだ...
だから、私がもう少し大人になるまで待ってて
『ごめんね』
障害者に産まれてすいません。
迷惑かけてすいません
ネガティブですいません
動けなくてすいません
まとめられなくてすいません
元気にさせるどころか悩ませてすいません
京都の友だちから手紙が届いた
「ごめんね」
たった一言なのに涙が止まらない
細くやせたほそった手で書いたのだろう。
つたない字で「ごめんね」そう書いてある。
「ごめんね」
おもちゃかさなくて、ごめんね。
たたいちゃって、ごめんね。
かってにクレヨンもってって、ごめんね。
あんなこと言っちゃって、ごめんね。
ウソついてべつの子とあそんで、ごめんね。
ヘンな子と仲よくしちゃって、ごめんね。
自分のせいでころばせちゃって、ごめんね。
好きな人を本人にバラしちゃって、ごめんね。
背伸びしたせいでめいわくかけて、ごめんね。
好きだからっていじわるしちゃって、ごめんね。
テストであの子に負けて、ごめんね。
勝手な行動して、ごめんね。
入試に落ちて、ごめんね。
学年1位取れなくて、ごめんね。
期待に応えられなくて、ごめんね。
失望させて、ごめんね。
こんなに手をかけてもらっているのに、ごめんね。
ご飯残しちゃってごめんね。
逃げようとしてごめんね。
泣いてごめんね。
入試に落ちてごめんね。
人生壊してごめんね。
逃げてごめんね。
ごめんね.
「ごめんね」
ごめんね、の一言がずっと言えなかった。
言わなきゃいけないのはわかっていたのに。
その一言だけは、何かにつっかかって、言えたことがない。
反省していない、という訳ではなかったと思う。焦って何も言えなくなる、ということもなかった。
……謝りたくなかったのかもしれない。
心の中ではわかっているのに、口に出して言うのを嫌がっていたのかもしれない。
「理想の自分」と「嫌いな自分」を分けていたのかもしれない。
「……ごめんね、理想の私」
わりとすぐ謝るクセにあいつには「ありがとう」って笑いかけるのか
題-「ごめんね」
「ごめんね」
毎日、「ごめんね」「ごめんなさい」「すみません」
「申し訳ございません」を言ってる。
もう言い慣れてしまってる。
これはマズイと思うのが、私が悪い訳ではないのに
「ごめんね」を言ってること。
何で言っちゃうのか考えた。
たぶん、私が「ごめんね」と言えばその場が
丸くおさまると思い、自然に言ってしまうのだろう。
これは私だけではなく同僚たちも一緒だと思う。
こういう環境はあまりよろしくないな、
と最近気付きました。
『ごめんね』
わがままでごめんね。
迷惑ばかりかけてごめんね。
困らせてばっかでごめんね。
親孝行下手でごめんね。
でも私なりに頑張るから、見守っててほしい。
本当にごめんね。そして、ありがとう。
#6