『「ごめんね」』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ごめんね。
それが彼の口癖だった。
それに比べて私は謝れない。
心の中ではいっぱい謝ってるのに。
ある日彼が死んだ。
事故だった。
ごめんね。
今更言ってもしょうがないか。
【ごめんね】
ごめんね、ごめんなさい!
ごめんっ!ごめんなさい!
ごめんなさい…ごめんなさい…
あぁ、もう誰に謝ってるのかすら
よく、分からなくなってくる。
何が、悪くて謝ってるのかも
忘れてしまった。
私は、まるで謝罪人形。
誰か、背中のスイッチを切って。
思い切り、この身体ごと…。
【お題:『ごめんね』】
「ごめんね」
ごめんね、今まで嘘をついていたの
あなたのこと、ただの友達としか思ってないなんて
本当は恋い焦がれていたのに
ずっとずっと大好きだったのに
素直になれず、怖がりで
本当のことが言えなかった
あなたがこうして
手の届かない遠くに行ってしまうまで
今まで言われた「ごめんね」と
私から生まれた「ごめんね」を
集めてきれいに並べてみた
同じ言葉が並ぶ、並ぶ
しかし、それぞれ形は異なる
感謝、自虐、打算、嫌味、優越
謝罪以外の何かをはらむ
どれが一番純粋で
どれが一番誠実か
「ごめんね」は「ごめんね」だけを抱きしめて
ごめんね
謝るしかできない
謝ってすむことばかりじゃないけど
まず謝ることが大切
ごめんね、ママ
ごめんね
雨が降っていると優しくなれない
辛いのは私だけではないのに
寝顔を見て「ごめんね」と
許さなくていいよ
眉を8の字にして、少し困ったように言うその「ごめんね。」程薄っぺらいものはなかったように思う。
貴方の何度目かの夜遊び。
いや、10回目かな?10回記念じゃん、おめでとう笑
いつもはへらへら謝っていた癖に、その時はそんな顔をして謝るから。
『あぁ、やっと改心したんだ。』
そう思った。
なのに。その日から何をしてもそうやって謝るの。味を占めたのかしら。
他の女に私のナカに入れたものを突っ込んでるって考えただけで吐き気がした。その日から貴方が気持ち悪くなった。
何度目か分からない薄っぺらい「ごめんね。」
いや、確かあの日からだから7回目かな。
「ごめんね。」
あぁ、五月蝿い煩いうるさい。
その後ろの女は誰。どうして裸なの。さっき聞こえた甘い声は何。責め立てたいことは沢山あるけど。
『離婚しましょう。』
出ていこうとした。いや、ここは私のマンションだ。
寝室に押し入る。シーツごと散らばった服を一緒くたにして女に押し付ける。
無駄に胸が大きくてメイクが濃い背の低い女。私と正反対。穢らわしい。
貴方を1度引っぱたいて。指輪を投げ捨てて。
『出ていって。二度と来ないで。あなたの私物は後日あなたの実家に離婚届と共に送るから。』
「ごめんね。」
あぁ、今回はへらへらと謝るのか。
#ごめんね
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
失敗をした。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
間違えた。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
悲しませた。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
傷つけた。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんねごめんねごめんね
君を殺した。
#5『ごめんね』
「ごめんね」は2割
「ありがとう」は8割
どんなことがあろうと
''ごめんね''を言ったあとは''ありがとう''を
相手も自分も気持ちよく
【「ごめんね」】#11
【「ごめんね」】
兄とマトモに話したことは、数えるほどしかなかったように思う。地元の名士の家に生まれて、代々続く診療所を継ぐことを強要されて。優秀な兄は両親のお気に入りだったけれど、落ちこぼれの俺はいつも怒鳴られてばかりだった。
赤点スレスレのテスト結果を前にして、父に頬を張られたこともある。それでもあの人は何も言わなかった。まるで俺をいないもののように扱い、叱りもしないが庇いもしない。そういう冷ややかな人だった。それなのに――。
墓石の前に座り込んで、マーガレットを一輪供える。墓参りには不適切な花だとは理解していたが、あの人の友人が教えてくれたあの人の好きだったという花を、せめて供えてやりたかった。
この辺りでは一番大きな道路の横断歩道。居眠り運転のトラックから子供を庇おうとしたらしいあの人の身体から溢れていく赤い血の色。ほとんど視界も定まっていなかっただろうに、たまたま高校の帰り道に通りかかって呆然と野次馬の中に突っ立っていた俺へと、あの人は震える手を確かに伸ばした。
必死に止血を試みていたあの人の友人が、俺の存在に気がついてあの人の側へと俺を引き摺り出す。血で濡れたぬめりを帯びた手が、頬に触れた感触を忘れられない。まるで世界で一番大切なものでも愛おしむように俺の頬を撫でて、そうしてあの人は掠れた声で呟いた。
「ごめんね」
それが何に対する謝罪だったのか、俺に知る術はない。たった一言のその言葉が、あの人の最期の囁きだった。
……なあ、兄さん。ほとんど話したこともなかったけれど、俺が野球部の地方大会で逆転ホームランを決めた日、家族の中であなただけが「おめでとう」って言ってくれたんだ。「次も頑張れ」って背中を押してくれたんだ。俺はそれが、この上もなく嬉しかったんだよ。
父は俺を跡継ぎにすると決めたらしい。これまでなんて比じゃないくらいのスパルタ教育に吐きそうになる日々だったし、プロ野球選手になる夢は諦めて春からは行きたくもない都心の医大に通うことになった。
「……でも、野球は続けるから」
草野球でも何でも良い。両親の監視の目を盗んでまで、たった一度だけあなたが俺を応援してくれた。それだけで俺は、無敵の気分になれるんだ。
きっとしばらくは、墓参りもできなくなる。あの人の最期の温度を辿るように自分の頬にそっと手を添えて、そうして俺は覚悟を決めて立ち上がった。
吹き抜けた風が、墓前のマーガレットをそよそよと揺らした。
今にして思えば、わがままなところが
あったと思う。
私が頑固で、そう言えばあの人の方が
折れていた気がする。
男だし、心の広いところを見せたかったのかも
しれない。
でも、きっと嫌な思いもしたと思う。
そこは、素直に申し訳ないと思おう。
ごめんね。
もう遠い世界の人だけど。
「ごめんね」
お題
『 「ごめんね」 』
ごめんね、
もう、貴方とは付き合えないや
別れる時、素直に理由言えなくてごめん
貴方を傷つけると思って曖昧にしてごめん
私に向ける貴方の視線がもう、耐えきれなかったの
”好きな人”を見る目
それが、、無理だった
私は友達としての関係が良かったのかもしれない
もちろん、好きだった
けどごめんね
貴方には私みたいな中途半端なやつ似合わない
前向いて新しい恋探してね
貴方との復縁は目指さないけど
私、未練ありすぎ(笑)
”ありがとう” ”ごめんね”
大好きです
新たな恋を
見つけてね
【「ごめんね」】
「ごめんね」
彼女はそう言った、苦しそうな声で。私は許すことなんてできなかった。だって、私だって怒りたくて怒ったわけじゃない。ただ、どうかしてたんだ。だから、二人とも悪いとかないと思う。不運が偶然にも重なって起きてしまっただけ。そう思ってる。ただ、彼女はそうでもないらしい。私のせいなのに、なんて思っても嘘になる。
「嫌いになってよ、永遠に。」
言っちゃいけないことは分かってる。でも、それ以外にどうすればいいかなんて誰も教えてはくれなかったし本にも書いちゃいなかった。迷ってる、路頭に。叫びたい、大きな声で。ごめんねって言った彼女をもう悲しませたくなくて嫌いになって欲しかった。これは私だけの現実逃避かもしれない。彼女は逃げられないかもしれない。でも、何故かあの時はそれが最善だと思ってしまったんだ。
「こんなはずじゃなかったの。」
動揺を隠しきれない声音。どんどん早くなる鼓動。目の前にいる彼女は昔と少し違う。いや、だいぶかも。優しい顔をしてその手を赤く染めていた彼女は奇麗だった。私の最後に見た景色。
「ごめんね」
「ごめんね」/2023.05.29
フラれた。これはもう間違いなくフラれた
地の底を這っている気分ね
片思い相手からの謝罪とか
私惨めすぎ??
「ごめんね」
親愛なるジャックへ。
この手紙を貴方が読んでくれてありがとう。
でも、見つけたってことはきっと私はきっともういないのかな?
さて、前置きはこのくらいにしてお願いがいくつかあります。なんて私らしくないかな?
まずひとつ勝手な願いだけれども、生きてください。
どんなに苦しくても、辛くてもそれが過ぎればきっと幸せが来るはずだから。
貴方がこっちに来る時にはお話を聞かせて欲しいんだ。
ふたつ、人を物事を、世界を恨まないでください。
恨みながら生きていると目の前がそれしか見えなくなってしまうから。幸せを掴むことができなくなってしまう。
難しいかも知れない。
最後にお願いではないけれどもこれだけは言いたい。
先に死んでしまって、こんなことを押し付けてしまってごめんね。
こんなこと言える資格は私にはないけれども、貴方と過ごした日々はとても幸せだった。ありがとう。
“月”より また来世で逢おうね
上手く生きられなくてごめんね〜〜って思いたくないけど思っちゃう‼️
「ごめんね」
「ごめんね。」
生まれてきてごめんね。
いいこじゃなくてごめんね。
役に立てなくてごめんね。
でも、でも、私を産んだのはあなただし、私を育てたのもあなたなのに、
どうして、そんなに怒るの?
私には分からないな。
「ごめんね」
アイドルになりたかった。
キラキラでふわふわな衣装を纏って踊る姿は私の憧れ。
そのために厳しいレッスンを乗り越えて、私はステージに立つ資格を手にした。
マイクを持って、あの頃夢見たキラキラでふわふわな衣装を纏う。
今、ステージの向こうでは沢山の人が私を待ってくれてる。
高鳴る心臓を押さえて深呼吸を一回、二回、三回。
皆が私の味方だったわけじゃない。
たいして可愛くないくせに、とか
もっと上手く歌える子がいるのに、とか
踊りが下手、とか
そんなの私が一番分かってる!
あの子の方が可愛くて!
あの子の方が歌が上手くて!
あの子の方が踊りが魅力的で!
でもそんなことで諦められない!!
メイクや表情の作り方を勉強した。
可愛くなったよねってみんなに褒められた。
ボイスレッスンやダンスレッスンに通い詰めた。
歌も踊りもあなたが一番だよって認めてもらえた。
準備はできたよ。
一、二、三。
ステージに飛び出した。
「可愛くてごめんね?」
歓声が私を包み込んだ。
自分へ
会えるかもしれない時間になると
怖くてそそくさと帰っちゃう自分
会えてもやっぱり挨拶しか出来ない自分
ちゃんとした理由があっても連絡先が聞けない自分
雑談でさえやっぱり出来ない自分
そのくせ奇跡的な、確実に会える日を見つけて
心が跳ねてる自分
素直じゃなくてごめん
わたしより
「ごめんね」
その言葉は、言うのに勇気にいる言葉。