Uruɞ

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眉を8の字にして、少し困ったように言うその「ごめんね。」程薄っぺらいものはなかったように思う。

貴方の何度目かの夜遊び。
いや、10回目かな?10回記念じゃん、おめでとう笑
いつもはへらへら謝っていた癖に、その時はそんな顔をして謝るから。

『あぁ、やっと改心したんだ。』

そう思った。

なのに。その日から何をしてもそうやって謝るの。味を占めたのかしら。

他の女に私のナカに入れたものを突っ込んでるって考えただけで吐き気がした。その日から貴方が気持ち悪くなった。

何度目か分からない薄っぺらい「ごめんね。」
いや、確かあの日からだから7回目かな。

「ごめんね。」

あぁ、五月蝿い煩いうるさい。
その後ろの女は誰。どうして裸なの。さっき聞こえた甘い声は何。責め立てたいことは沢山あるけど。

『離婚しましょう。』

出ていこうとした。いや、ここは私のマンションだ。
寝室に押し入る。シーツごと散らばった服を一緒くたにして女に押し付ける。

無駄に胸が大きくてメイクが濃い背の低い女。私と正反対。穢らわしい。

貴方を1度引っぱたいて。指輪を投げ捨てて。

『出ていって。二度と来ないで。あなたの私物は後日あなたの実家に離婚届と共に送るから。』

「ごめんね。」

あぁ、今回はへらへらと謝るのか。


#ごめんね

5/29/2023, 12:36:59 PM