ああ、いたいんだよ。
ここにいたい
暖かくて、柔らかい、笑顔の真ん中。
ここがいたい
ボロボロの羽根と、この背中。
きみといたい
ありふれた日々がおわるまで、あとすこし。
きみがいたい
あまりにもまっすぐで、ずっと子供のままでいるから。
おまえのいたい
私の最終目標は、おまえの葬式で全部話してやることだ。
どこにいたい?
人にどれだけ救世主と言われても、わたしを救ってくれる人は見当たらなくて、わたしだけは救えなくて
どこがいたい?
気付けばもうわからなくて、気付いたら何もなくなってた
いたいんだよmy heart
どうかこの穴を埋めて、わたしを救って
お願いだよmy heart
もう一度わたしを見てよ
わたしはいくらが好き
よく食べられるものじゃない。けど、大好き。ちっちゃな頃からずっと好き。クリスマスプレゼントにいくらを頼むくらい好き!
でもいくらは年中行事の時にしか食べられない…
だから!ひな祭りが大好き
この日ばかりは自分が女でよかったと思う
いつもは自分が男だったら、イケメンなパパの顔を受け継いで、なんかよくわかんないけどおじいちゃんやパパに叩き込まれたエスコートの仕方とか使って…それはそれはモテたんじゃないかな…なんて考えて
なにより生理がないからね!それが1番羨ましい
心から男になりたいわけじゃないし、自分の性別と体は一致してると思うけど、「もし、男だったら」と考え始めたら止まらなくなる
でも、今日だけは、いくらが食べられる今日だけは、女の子でよかったなって思えるんだ
毎日が続いているような感覚がある
変わらない時間に起きて、変わらない手順で制服を着て、顔を洗って、ご飯を食べて、決まった時間に家を出る
毎日乗っている1号車の1番ドア
車掌室越しに見る線路の風景は今日も変わらない
太陽の光に照らされて輝くレール
微風に揺れる草木華
一生懸命外を見ようと背伸びをする小学生
なにもかもが今日も変わらずそこにある
わたしはいつ寝たのかしらと、そんな風にまで思えてしまうほど毎日変わらない動きをしている
それでも、そんな普遍も終わりがくる
今日で高校2年生の通常登校が終わった
今までずっと一緒に過ごしてきた仲間たちと来年を、そしてその先を迎えてしまったらこんな日々は崩れてしまう
今日も私は列車に乗る
車窓からの風景を大切に大切に心に留めながら
あいつは先輩のお気に入り
あいつは先生のお気に入り
あいつは同輩のお気に入り
わたしはあいつが大嫌いだ。
顔が可愛いだけで、背が小さいだけでちやほやされてる。
だからあいつが持て囃されるたびに、イライラする
あいつはわたしの部活の同輩
典型的な女の子
泣けば許される
自分は世界の中心
私が正義
そんな心が透けて見える
あいつは許されることが
わたしは許されない
どうしようもなく自分が惨めに思える
結局ひとは顔なのだ。
中身じゃない
そんなこと言ってる奴は絶対
他人と自分との違いに気付かないクソ鈍感野郎か
顔がかわいくても振られたことのある奴だ
どうか将来
その性格のせいでなにか面倒ごとに巻き込まれてほしい
わたしはあんたの性格を指摘してあげない
落ちぶれて
惨めに
泣き喚いて
自分は世界の中心ではないと、思いしればいい
そしてその後で、
「やっぱり人は中身だよね」とか言って見せて欲しい。
滑稽極まりなくて、非常に愉快だから
わたしはきっと誰よりもきみをわかってる自信がある
最近きみの話ばっかり書いてるね
たくさんの後輩から推しとしてあがめられるきみ
「本当に先輩ってイケメンだよね!」っていわれてるけど
あの子はイケメンなんかじゃない。
どちらかというとお姫様だ。
基本受け身だし
譲ってるように見せかけて、リードされるの待ってるだけだし
「お待たせまった?」「ううん、今きたとこ」なんてできない、超遅刻魔だし
どちらかといえば甘えん坊だし
言葉が上手く作れないからって察して欲しいタイプだし、
ただ背が高くて、ショートカットなだけだろ?
本質を見てやれよ!!!
と、何度思ったことか。
わたしと別れてからのきみは、きっと全ての人から勘違いされてる
それを見てちょっと嬉しくなる自分がいる。
よかった!まだきみのかわいさは世間にバレてないんだね!
誰よりもきみを知ってる。この席は渡さない。