No.253『一輪の花』
あなたは私に一輪の花を渡してきた。
それは見るからに綺麗で道端で咲いていたものではない。
……お金がないって言ってたじゃない。「僕は今日のご飯を買うにも必死だ」ってそう言ってたじゃない。
それなのになんで…、そう尋ねたらあなたは笑顔で言った。
「僕は言葉を伝えるのが苦手だからこの一輪の花を君に渡したかったから」
……嬉しかった。とっても。
その気持ちが溢れかえって、私の手の中にある一輪の薔薇をそっと撫でた。
No.252『魔法』
小さい頃は魔法ってなんでもできていいなあって思ってた。
でも今は違う。
きっと魔法を使うにも努力が必要だ。
きっと頑張った人だけが手に入れらるんだ。
じゃあ、それってたくさん頑張った人の努力を魔法っていうのかな?
なんて考えるようになった。
No.251『君と見た虹』
君と見た虹は綺麗だった。
2人で綺麗だと話してたら君が突然走り出した。
この虹が消えちゃう前に虹の足まで行くんだ!だって。
ああ、君は眩しいね。
私はいつからかそんなこと考えるのをやめちゃったよ。
No.250『夜空を駆ける』
星になって夜空を駆ける。
どうかみんなの願いを届けられますように。
何もできない私だけど誰かのために行動するにはそうなるのが1番いいと思った。
大丈夫、大丈夫。怖くない。大丈夫だからあと一歩踏み出して。みんなのための星になるために。ここから飛び降りて。
No.249『ひそかな想い』
ひそかでいい。お前に拒絶されるくらいならこの想いは胸の奥深くに眠らせておいてやる。
知ってるよ。僕がお前に想いを告げたらお前は僕の目の前から消えてしまうんだろう?
分かってる。例えお前が僕を受け入れたとしても世界が許してくれないんだ。
それならだ。
想いなんて伝えなくていい。ただ僕の想いを知らないまま僕という存在をお前の隣に置かせてくれ。
いいんだよ、お前は何も知らなくて。
ただ笑っていてくれればそれだけで…。