辛いことがあったら、海へ行く。
海は、私の話を聞いてくれるから。
そのかわり、楽しいことや嬉しいことがあっても海へ行くようにしてる。
辛い気持ちを半分こにしてくれる海に、ほんの少しでも、嬉しさや楽しみをおすそ分け出来たらなって。
海へ、いつもありがとう。
表を見せたくないから、裏返す。
見せたくないものって、なんだろう。
「好き」「愛してる」ポジティブな感情?
「嫌い」「ウザイ」ネガティブな感情?
それとも「本当の自分」?
泣いている自分を見せたくないから、裏返す。
背中だけを、見せる。
当時も、今も、私は自分を裏返していた。
だって、それなら、何かを言われても、それは本当の自分じゃないと、言い訳できるから。
太陽のように輝く貴方は、みんなを明るくしてくれる。
でも時に、暑すぎてバテて倒れてしまう人もいる。
眩しすぎて、顔を顰める人もいる。
羨ましかった。私は夜空に漂う小さなお星様。
私の代わりはいくらでもいる。
太陽は、ひとつしかない。
でも、私という名の星は、ひとつしかない。
誰にも届かなくても、光続けようと思う。
その汚れひとつない、澄んだ瞳。
ただ、希望だけを見つめている真っ直ぐな目。
私の瞳は、いつしか汚れてしまった。
だから、貴方に見つめられると、とても眩しくて、目を逸らしてしまう。
涙が出るほど、眩しすぎたんだ。
「あぁほら!あっちにイカ焼きあるよ!早く行こ!」
「ちょ、は、早いって」
インドアな貴方だから、お祭りに誘っても楽しくないかなと思っていたけど、どうやら私より楽しそうでなによりだ。
都会にある、田舎寄りのこの地域で開かれる小さな祭りは、今年で20周年を迎えるらしい。この地域が大好きな私は、しばらく外に出られなかった友達を誘って、祭りに参加した。
貴方の笑っている姿を見るのは、何年ぶりだろうか。
「にしても、お祭りは美味しいものが沢山あっていいね!あ!焼きそばまた食べよっかな〜」
「えぇ?!また?!」
「いらないなら、貴方の分も私が食べちゃうよ!おじさん、焼きそばふたつ!」
あぁそうだ、貴方はとても食いしん坊で、いつも私を困らせていたんだ。それすらも忘れてしまうだなんて、私は友達失格だ。
「あぁっ、10円足りない!」
「もう、しょうがないなぁ。今日だけね」
「わぁ!ありがとう!」
お祭りは、沈みきった貴方の心を救ってくれた。