美しい空の果てとはきっと海
その空の青と海の青とは混ざらなくて
ふたりが混ざりたくっても水平線がそれを邪魔して
ふたりの青がどれだけ近くとも
どれだけ溶けていようとも
ふたりがひとつになれることはないんだ
そしてふたりの他に
混ざることがいいことと考えている者はいないんだ
夕焼けの空はかなしそう
海と色がぜんぜん別だから
夜の空はうれしそう
海との境界が見えなくなるから
嵐の日の海はおこってる
雲が空を隠すから
晴れの日の海はわらってる
太陽が空を輝かせるから
美しい空の果てとはきっと海
お題『空模様』
鏡の中に、ガラスのコップ。
ガラスと鏡とは、材質が違うらしい
そんなことも知らないの馬鹿
あたしは全てを知っている、
だけれどそれは鏡ではなく
また全ての人々を魅了するものは、悪魔からの贈り物。
悪魔が地上に訪れて、3つのものを落としていった。
1つはヴァイオリン
1つはモナ・リザ
そして最後の1つは鏡
その余りは全て未解決のなるままに
鏡とガラスとの間にあるのは
王様が出てくる小さな隙間
お題『鏡』
「お祭り行かない?久しぶりに会いたい」
そのLINEが来た瞬間、喜びで死ぬかと思った。返事なんて「絶対いく」に決まってるけど、すぐに返信するのは何だか恥ずかしい。15分、15分になったら返事をしよう。
動画でも見て心を落ち着かせようと思ったけど、さっきのLINEに気を取られて全然楽しめなかった。なんて返そう、私も会いたい?全然おっけー?ノリノリで返してテンション違ったら泣いちゃう!
「いいよー、行こう」
さらに5分くらい悩んで送ったのは、ちょっと冷たい感じだったかもな言葉。今からでも私も会いたいって付け足そうかな…
え、一瞬で既読ついた!待ってやばいめっちゃ嬉しい!
でも送られてきたのは『よろしくお願いします』なんて書かれた犬のスタンプ。別に悪くないんだけど、ちょっと残念。
前と変わったところとかないかな、そもそも前はどんなテンションで話してたっけ。私以外に仲いい子とかいたらどうしよう。
私はこんなに悩んでるのに、向こうはただ友達をお祭りに誘ったくらいの認識しかしてないんだろうな。私の好きと相手の好きがつり合ってない感じ。恋人じゃないから仕方ないのは分かってる、でもやっぱ悔しい!
お題『お祭り』
過去に行って1歳の自分を殺す殺す殺す殺す
両親に避妊させて一生生まれてこないようにする
お題『もしもタイムマシンがあったなら』
始めたのは、君。
周りから見ればどちらともなくだろうけど、僕たちでさえ言わなかったけれど。始めたのは君からだった。
「もう、終わりにしないか」
そう言ったのも君。
思えば、君が提案したのはその2つだけだった。けれどそれは僕に合わせてくれたのでも、自分の意思が無かった訳でもない。ただ、君が人に傅かせるのが好きだっただけだ。
僕はいつもついて行けなくて、君だけが先に進んでいく。僕が君に追いつこうとすると、君も必ず先へ進む。まるでアキレスと亀だ。
ねえ、アキレスは先を歩む亀を見て、一体何を思っただろう?
僕はきっと嫉妬だと思う。そして、置いていかないで、って悲しみ。
うん、これは僕の感情だよ。
だって、ずるいじゃないか
勝手に1人で決意して、けじめをつけて、僕の前から去って。
お互いのためにならないなんて、結局のところ自己満足じゃないか。
置いていかれる僕の気持ちも知らないで、君は僕の元へ帰ってこない。
君も辛い、それはそうだろう。なら、一緒にいれば良いじゃないか。わざわざいなくなるなんて、しなくたっていいんだ。
そう訴えても、君はお構い無し。
それが本当の愛かなんてどうでもいい、ただ一緒に生きてほしい。僕の必死の甘言も、君からすれば馬鹿らしいだけだ。
今でもそう、僕だけが過去に囚われている。
お題『終わりにしよう』