さぁ冒険だ
…とは言うものの、ただ冒険譚が書きたいからという理由で始めるのは、些か格好悪いかな
世界を救うとかそういうのが良いか
始めたんだけど、意外と冒険って難しいことだ
やってみるとしみじみわかる
結構準備したつもりなんだけどな
でも、これで着々と冒険譚を書き溜めておけている
世界を救うまであと少し
今日は遂に世界を救った
書き忘れないようにと思っていても、時折忘れてしまったせいでなんとも大変だったこともあったが、結果オーライというやつだ
やっぱり、攻略本あると楽だな
どこのタイミングでセーブしたらいいかわかるし
ボス戦で負けても、選択肢ミスっても、直前にセーブしておいたらやり直しがきくし
別ルートあるみたいだから、それも試してみるか
これでまた新しく自分の冒険譚が書ける
じゃあ…リセット、と
さぁ冒険だ
…ここら辺はもう見たからスキップしておこうかな
愛と平和
彼女の好きな花を手向けに来た。
彼女は既に盛大な歓迎を受けていて。
まるで私はもう要らないと。
花を潰してやってくる、愛を騙った私は、彼女の花畑という平和を脅かした。
そして、彼女のためという名目で花をむしってきたのだから。
愛を持ってきた筈が、彼女にとっては平和への冒涜で。
たしかに、君の言う通りだ。
これの方が目立つね。
小さな命
コーヒーの香りに混じる湿布の匂い
輝くビル群の美観に佇む暗い公園の奇観
自分らしいアイデアを持ち合わせる風変わりな趣味
褒め言葉に浮き出る皮肉な冗談
純粋無垢と稚拙無知の共存
定義された自由は不自由を認識させ、果てには自由を見失う
闇は光の母、光は闇の母
馬鹿と天才は紙一重
愛と憎しみは互いを育て上げる
あなたの赤はわたしの青
どちらが卵でも鶏でも
たとえこの世界が夏休みの自由研究でつくられた「宇宙キット」の中でも
駄々を捏ねてやっと買ってもらった金魚鉢の中でも
わたしたちはそんな小学生と変わらない小さな命
この場所で
ここで もういっかい あえたらいいな
いまは どこに いるか わからないけど
きみは いつも ぼくより さきをいっていて
のろまな ぼくは きみを すぐに ふりかえらせる
でも いっかいだけ おいつけたんだ
つかみどころの ない きみに
やっぱり きみの うしろを ついていかないと
おいつけないし みうしなっちゃう
だから またきみに あいたくなったら
まえみたいに きみのあとを おえばいいんだね
じゃあ きみがさいごに していたことを
おぼえてるかぎり そのままで
きみのすきな でんしゃのおと
きみとよく あるいてたふみきり
いっしょうにいちど を いま ここで
逆光
眩しくてサングラスを買ったんだけど、これじゃ君の顔が見えないね。
運転のためとはいえ、これじゃ逆効果だ。
え、どうしたの?前?
「本日昼頃、███付近の高速道路で乗用車が逆走しました。助手席に乗っていた20代の女性は病院に搬送されましたが、死亡が確認されました。運転席に乗っていた20代男性は意識不明の重体です。
続いて、今世界中で脚光を浴びているアーティスト……」
逆行