優美に鳴り響く鐘が、若人らに時を告げる。茜さす肌がふと目に留まり、手首にある柔らかな光沢を持つ文字盤に目を向ける。時刻は16時。学校に用がない良い子は家に帰る時間だ。退屈を逃れるために風の流れに身を任せ、かの鐘の音に合わせるようおもむろに足を動かす。じわじわと染まりゆく空に時折足を止め味わいつつ、聞き耳を立てる。
「でも、本当らしいよ?」
「そう。そこまで喋るなんて珍しいわ。そんなに信じてるの?」
「そう思う?」
「……。」
「っふふ」
「楽しむのはいいけど、私をまきこまないでよね。」
「ごめんって〜!」
「早く帰るよ。」
書き終わんない。眠たい。いつになるか分からないけどいつか続き書く。おやすみ
お題 静かなる森へ
患者Bの日記
◎ 今日は近所の桜が咲いていた。仲のいい友達とは別れてしまったが、大丈夫だろう。
● 友達と一緒に学校に行った。クラスが違うのを忘れて、癖で別クラスまでついて行った。恥ずかしい。
◉ 寒かった。傘を持ってくるのを忘れた。
Φ 友達がよく知らない人と仲良くなってた。教えてほしい。
…
◎ 友達の友達が骨折したらしい。今日はじめじめしてた。
…
● 今日は星で彩られたゼリーを食べた。味がしなかった。冷たかった。
…
○ 帰り道が暗かった。早く帰りたい。
…
○ 今日は寒かった。早く帰りたい。
お題 どこ?
単純明快な日々を送り続け幾つ経っただろう。
大した経験を積まずも必ずしも怠惰に過ごすわけでもなく。
いつからだろう。過去を振り返るようになったのは。時が早く感じるようになったのは。
人の身は環境に影響されやすく弱々しく、散りゆく様は愉快だった。
いつからだろう。喜怒哀楽の様が美しく感じるようになったのは。散らぬように抗う様が散りゆく姿より美しく感じるようになったのは。
人の身は短命だ。だからこそ、未来を追い駆け想像し続け、弱いながらにも生きていた。未来への扉を開け、迷いながらも進む様子は私よりも大きな存在に見えた。
これが私達が無くしたものなのか。
私達に足りなかったのは、未来への鍵だったか。
…
未来への鍵
気を遣ってくれてありがとう、ごめんね
人に優しくされるのには中々慣れないものね。
すぐに裏を読もうとしちゃうし、純粋な好意なら尚更申し訳なくなるよ。貴方の行為を毎度疑ってごめんね。一度犯した罪は法の下で処罰されど、罪悪感と劣等感が消えないの。私はどう償えば良いのか分からないの。
他人の目が怖い。友達の裏が怖い。本当に友達か分からない。普通が分からない。私は人に何を思われて生きたいのか?何をしたいのか?
こんなこと気にしすぎって分かってる。自分が一番分かってるんだよ。自分のことは自分が一番分かってるはずなんだよ。
でも、どうしてこうなったんだろう。いつから狂い始めたのかな。
今までありがとう私、ごめんね私。
お題 ありがとう、ごめんね
霧がかかった日の出の空。
山に囲まれた田んぼにある細道をたどる。
田舎者で学校も遠くてね、市内の方はそんなにかからないってよ。んでもうちの町は隣の学校よりも大きくてよ。ちょいと自慢できんのよ。
朝早く学校に行くとね、うちの町じゃ人気のユエちゃんがね、西校門前でよおさんにゃごとあそんどってね。うちとサエコとハルトで隠れ見すんのよ。
そんときのユエはいつもよりべっぴんさんに見えとってね、うちら3人の秘密事なんよ。
「あんな顔見られちょったら、ユエに惚れるバカがおるかもしれん!」
ってハルトがゆっちょったんよ。
んでもね、ユエ、人間よりネコの方が好きゆうちょってよね、ハルトは無理やろな。
お題 すれ違い