単純明快な日々を送り続け幾つ経っただろう。
大した経験を積まずも必ずしも怠惰に過ごすわけでもなく。
いつからだろう。過去を振り返るようになったのは。時が早く感じるようになったのは。
人の身は環境に影響されやすく弱々しく、散りゆく様は愉快だった。
いつからだろう。喜怒哀楽の様が美しく感じるようになったのは。散らぬように抗う様が散りゆく姿より美しく感じるようになったのは。
人の身は短命だ。だからこそ、未来を追い駆け想像し続け、弱いながらにも生きていた。未来への扉を開け、迷いながらも進む様子は私よりも大きな存在に見えた。
これが私達が無くしたものなのか。
私達に足りなかったのは、未来への鍵だったか。
…
未来への鍵
1/11/2025, 7:36:11 AM