エリィ

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4/19/2024, 1:56:32 PM

もしも未来を見れるなら
僕は何を見るのだろう
貴女に会うのが楽しみで 
ずっと会えるのを待ってます

貴女の震える声を聞き
僕は覚悟を決めました
僕には貴女が全てでも
貴女は僕を愛せない

こんな未来は見たくなかった
貴女に愛されないことも
さよならさえも言えないまま
黙って去っていくことも

 
お題:もしも未来を見れるなら

4/19/2024, 9:42:53 AM

昔々あるところに
将来を誓った ある二人がいました ある日の
夜中の白く眩しく 輝く太陽と月の中で
くちづけをかわし
のりとを交わしました

正式なめおととなった 二人は
重ねた手を握りしめて
いつしか 世界の中に溶けてしまいました



そうして
二人を形作っていた 世界は
消えてしまいました


お題:無色の世界

4/17/2024, 1:33:52 PM

お題 桜散る


バス停までうつむいて歩いていると、地面に散っている桜の花びらが目に入った。
先日の雨で地面が濡れ、その上を人が歩いていったからか、花びらが道路の上に張り付いている。
それを見て初めて、この時期がちょうど桜のシーズンだということに気がついた。

頭の上を見上げると、すでに葉が出始めている。この桜の道で満開の桜を見るのは、おそらく来年の今頃だろう。
でも、ここに来ることがあればだけど。

ここは通勤路だった。
でも、朝は5時出勤、退勤は11時。
週に6.5日出勤という、そんな日々が続いてはや一年半。一度も桜のことを考える暇もなかった。
そんな花見のはの字もない一年を過ごした結果、体がついて行かなくなり、結局退職した。

だからこの通勤路を、もう歩くことはない。
これから私はここから離れ、地方でゆっくり療養することにしたから。

地方に行けば、今度は落ち着いて満開の桜を見ることができるかと楽しみにしながら、新幹線の駅に向かうバスに乗る。

あの葉桜は、もう見えなくなった。

4/14/2024, 1:38:43 PM

お題:神様へ

ありがとうございます でも
なぜ このような
ただの わたしのような
にんげんは なぜいきていたいと

かんがえて
しまうのでしょうか じんせいを
やめてしまいたいのに いままでいきて
しまいました
ますます このじんせいを うとましくおもいます
すみません おゆるしください

ですが
もしも

こんな わたしが
のうのうと
よのなかで 
にんげんとして

うみだされたことに
まったく いみのないことではないと
れっきとした にんげんとして
ただ いきていてもいいと
ことば
という かたちをとって
にんげんとして
はっきり あなたは ひつようだと

つらい じぶんを
かなしい じぶんを
れいぞうこみたいな ばしょにこもる さみしいじぶんを
まわりから かくれている じぶんを
しっかりと うけとめてくれる だれかに
ただ であえたら こんなわたしでも

どうにか
うまれてきたことを うけいれて
かみさまのことを うらまずに

やっていくことが できるでしょうか
すんだ こころで
まっすぐ じぶんを
せめることなく いきていけるように
てんからみまもって

くださいますか
だから どうか
さいごに おわらせるまで
いきていけますように

―――――

書いたとき疲れていたと思います。
休ませてください

4/9/2024, 12:24:09 PM

俺と兄が住んでいるマンションに、兄宛に荷物が配達された。匿名配送なので差出人はわからない。比較的大きくて軽いので、おそらく服だろう。
兄が、通販かフリマサイトを利用したのかもしれない。
そう思って、夕飯のときに兄に荷物が届いた話をした。
でも、心当たりはないらしい。

「とりあえず、開けてみるか」
兄は差出人不明の荷物の袋を大胆に破って中身を取り出した。
ピンクのレースをあしらった二つ折りのカードがひらりと落ちる。

「誰よりも、ずっとあなたを愛しています」

そう赤い文字で書かれたカードの筆跡は女のものだったが、兄にも俺にも心当たりはなかった。そんなカードも不気味だったが、中に入っていた手編みのセーターが、兄の好きな色、デザイン、サイズ全てにピッタリだったのが、なおのこと不気味だった。
いつも冷静沈着だと思っていた兄は、眉をひそめて顔をしかめると、パソコンに向かいキーボードを叩き出した。
犯人探しに取りかかったようだ。

その後、いろいろあって犯人が分かった。
俺と同じ大学の、学年も学部も全く違うおとなしそうな女の先輩だ。特にそんなことをするようには見えない。
同じ大学の俺はともかく、兄との全く接点がわからない。

後日、警察立ち会いのもと、話し合いがなされた。

「何故、こんな真似をしたんだ。君は何者なんだ」
兄は不思議そうにたずねた。

「私はあのとき、あなたに助けていただいたんです。他の誰よりも、ずっとあなたを愛してるんです」
女の先輩は泣きながら、地面にうずくまった。

話を聞くと、兄は土砂降りの中、傘を忘れていた上に道に迷ったこの女の先輩に傘をあげ、道案内をしてあげたらしい。
女の先輩は、最初は傘を返したい一心で住所を調べていたらしいのだが、そのうち兄の家に行けばもう一度会えるのではないかと思い詰め……ということだった。

お題:誰よりも、ずっと

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