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4/18/2026, 12:34:16 PM

透明な硝子は、無味乾燥な透過光を大理石へと。

精巧に鉛桟で結合された硝子は、秩序だった形を作り……。
もし、色があれば。ここはどんなに美しいことかと、訪ね人は、息を吐く。


色の無いステンドグラスに囲まれたこの場所は、色の無い光をただわたしへ。
飾りのひとつも無い、真っ白な服を着たわたしは、温くて薄い水で足裏を濡らして。

大理石の円の中、1人。

光に監視されながら、創造主への祈りを捧げる命。




この身体が、なにもかもを反射して、消えてしまえたらと。
頭の悪いことを考えて、今日もわたしは1人。

世界にひとりきり。


■お題-無色の世界

4/17/2026, 1:40:24 PM

貴方の前髪はいつも長い。
だから貴方の目は見えないけれど、私はそれが好きだった。

長い前髪の下。
貴方はいつも頬を染めて、恥ずかしそうに、控えめにはにかんで……。

貴方の瞳は、何色なんだろうかと。
貴方の働く店で買った、花を見ながら考える。
金色の髪色に似合う、暗い青色か。暖かい太陽のような、橙色か。

ふと考えてしまえば、私のアタマは貴方を想ってしまって。

道を彩る、水を混ぜたような、淡い桜。
そのしだれ桜のような貴方は、ゆったりと、いつだって私を見下ろして。

……貴方のその金髪が、風に吹かれて散ってしまったら。
恥じらう貴方の瞳を、私は見られるのだろうか。




……なんて。
そんなくだらないことを考えているうちに、道の桜は少しずつ、春風に散っていく。隣の街では、もう葉桜になってしまったらしい。


相変わらず、貴方の桜は散らず。
今日も貴方を彩っている。

■お題【桜散る】