二人ぼっち
ザーッザーッと、水が砂を覆っては離れてを繰り返している。
砂の上には無造作に打ち上げられた使い物にならない鉄の板と絶望的な表情をしながらただ地平線を見ている君。その表情があまりにも面白く、笑いがこみ上げそうだが、我慢我慢。
君は振り向き、何でお前なんかと一緒なんだ…もう少しマシな奴は…他に誰か、いないのか!と言いながら叫び始めた。そんなところも愛おしいな、と思いながら痺れる足に刺さっていた透明な棘を抜き君に近づき、一歩…‥一歩と、赤い液体を垂らしながら私は近づく。
君は後ずさり私の足元をみて青ざめる。まるで、クラゲの毒でもくらったかのような青ざめた顔。それは私がする顔だよ、君はなんて顔してるんだ。逃げ場なんてもうないんだ。
これで二人きりだねと呟いた。
二人きりの島に大きく響き渡った気がした。
夢が醒める前に
ゴホッゴホッ!…38.0の熱が出た。今日は幸い仕事が休みだから良かった、最近風邪が職場で流行っている。もう少し気をつければ良かったのだがな…、研修やらYL委員会?の集まりだとか残業が続いた身体への負担があったのだろう。
布団の中で、今日発売のグッズ欲しかったななど後悔してくると身体の中で細菌と白血球が白熱した戦いをしているせいか、身体が熱くなって眠気まで襲ってきた‥。
気がつくと、高校の真っ暗な体育館。俺達はスポットライトに当たり台本を持っていた。この景色見たことがある、新入生への部活紹介の時だ。
部長がとなりにいる。懐かしいなと思ってると、身体が勝手に動きオーバーリアクション気味に写真部の良さをアピールした。ずっと部長の隣で過ごせたらどれだけ幸せなんだろう…どんなボケをしてもツッコミを入れたり、毒舌をかましてくるそんな部長が…
俺は目が覚めた、熱を出した時は悪夢を見ると言うが、俺にとっては最高の悪夢だな。なんて思いながら、また目を閉じた。あの続きを観るために。
愛と平和
愛と平和どちらも欲しいものだ、だが現実的に2つとも手に入れるのは難しい。
相思相愛なんて言葉は、創作物でしかなり得ないものだろうな。後ろ指さされたり、日常的に陰口が飛び交う…そんなとこで頑張る意味はあるのか?
安心して生活するために、戦わなければいけないこともある。気がつけば奪い奪われを歴史は繰り返す。
もしかしたら空想みたいなことで、そもそも手に入れられないのかもしれないな。
過ぎ去った日々
金色の穂が波のように揺れ、オレンジの空に包まれながら静かに太陽が沈んでいっている頃。ランドセルを背負った君は小さく言った、『会えなくなるね…』。俺は、何か言おうとしたが喉が誰かに奪われたかのように何も言えなかった。あれが君と帰り道に話した最後の会話だった。
数十年後、部屋を片付けていると押し入れの奥から埃かぶったボロボロの箱が出てきた。中を開けると、デジタルカメラと色あせた写真が入っていた、
高校時代の文化祭で友達とはしゃいでた頃の写真やテーマパークで頭に飾りやサングラスをつけて撮った写真が入っていた。
奥の方に女の子が田んぼの前でピースしてる写真が出てきた。
あの子だ。今もあの場所にいるのだろうか…俺が都会に引っ越してから何をして遊んでたのだろうか。今も変わらないのだろうか…。ふと、そんな物思いにふけってしまった。
お金より大事なもの
あの人といつもの店で洋食のハンバーグを食べる
あの人と一緒にショッピングモールに出かける
あの人とゲームをする
お金がないと全てできないこと、けれどそのお金を払ってでもあなたと一緒にいたい。