絆
丁度日が変わる時間、ピコンっとゲームを起動する。高鳴りを抑えて冒険に足早に向かう、爽やかで力強い風が舞い木の葉が飛ぶ。
家を飛び出し見ず知らずの博士から、個性の強い3匹のうちの一匹を授かった。
その子と共に物語を次々と攻略した後、もう使われてなさそうな無人発電所。
やっと出会えた…何十年もこのゲームでの1つ目の相棒に。
どんなに新しいいい子に出会えても、あなたと旅がしたい。
たまには
一歩踏み出すと石と石がぶつかりあう音が、やけにうるさい。虫の鳴き声や車のエンジン音は、聞こえない。まるで一人ぼっちの世界だ。ふと、上を見上げた。満天の星空が『一人じゃないよ』と言いたげにきらめいた。たまには夜更かしも悪くないな。
大好きな君に
思えば最初っからな気がする。君が誕生したその日から心が引かれた、敵と戦ってる姿ナスを美味しそうに頬張ってる姿。無意識に君の事ばかり描き続けてしまう。めんどくさそうに話を聞いてくれるところも、全てが愛おしくてたまらない。たまに思うんだ、2人だけの暗闇の世界でひたすらに落ち続けたいって。そんなこと言ったら、きっと君は顔を引きつらせながらもう寝ろって言うんだろうな。
ひなまつり
俺が高校生の頃だろうか、小さくて軽いたった一組の雛人形が飾られなくなったのは。妹が小学生の時は、かわいいかわいいって言いながらお気に入りの人形も一緒に飾ってたっけな。あれから数年の月日が経ち、今じゃソシャゲにばっかり目を向けている。あの、幸せそうな雛人形を気にしてるのは俺だけなのだろうか…?
遠くの方でひなあられが乾いた音を立てた。
たった一つの希望
あぁ俺はどのぐらいこの暗闇の世界に一人で落ち続けるのだろうか?
気づけば、落ち続けているのか止まっているのか上がっているのかよく分からなくなってくる。ただこの世界から抜け出しても何がある?もしかしたら、まだ暗闇が広がってるかもしれない。せめて、あいつが隣にいてくれれば少しは楽になるのだろうか?いや、きっと来れないな。今の俺にはたった一つの希望でさえも抱けやしない。