振られた。放課後の2人きりの教室。前から気になっていた人。友達としての関係だったが、ずっとこのままなのは嫌だった。相手だって、「好き」って言ってくれたのに。どうして…。
振った。放課後の教室。ずっと友達のままでいたかった。だから断った。今頃、彼女の心は土砂降りだろう。「好き」とは言った。だけど、自分のプライドが許さなかった。「女」である自分が「彼女」を好きになるなんて…。好きになってしまうなんて…。
※フィクション
【お題:降り止まない雨】
あと2週間で定期考査…。課題の範囲が多い。勉強しなきゃいけないことは分かっている。なのにやる気が出ない。この期間に限って、部屋の掃除がしたくなるのはあるあるだろう。普段から部屋をきれいにしろという話なのだが…。高い目標は立てたいが、高ければ高いほどやる気の量が減ってしまう。「自分には目標達成できない」とネガティブになってしまう。テスト期間も課題の量も既に決まっていることなので、どうすることもできない。逃げれる方法なんてないのだろう。ただ頑張るしか無い…。
【お題:逃れられない】
「お見舞いに来てくれてありがとう」
透き通った彼女の声。病人とは思えない姿にいつも驚く。彼女は癌で、手術をすれば治る可能性があるらしいが、本人は拒否している。これからも生きたい、と思えないのだという。
「ゼリー持ってきた。あと、頼まれたものも。」
そう言って、袋に入ったゼリーと、鞄に入れた毛糸と編み棒を渡す。彼女は太陽のような笑顔で、ありがとう、と言った。そんな彼女を見るのが好きだ。持ってきたものは、喜んで受け取ってくれる。そんな彼女の性格が好きだ。
「あっ、そういえば課題残ってた…。今日はもう帰る。またお見舞い来るから。じゃあ。」
「バイバイ!絶対来てよね?」
「要態が急変しました。今すぐ来てくれませんか?」
「分かりました。すぐ行きます。」
電話が来たのは翌日の早朝。癌が悪化したらしい。急いで着替え、自転車を飛ばす。病院に着く頃にはもう遅かった。彼女は眠っていた。目を覚ますのではないか、と思うくらい自然で美しい寝顔。息はしていなかった。もっと彼女と話をしたかったのに…。
※フィクション
【お題:また明日】
また今日もしてしまった。鞄に財布は入っていた。レジでお金を払うつもりだった。なぜ「万引き」をしてしまったのか自分でも分からない。無意識のうちに、手に取った品物を鞄の中に入れていた。悪いことだと自覚している。見つからないよう、足早にスーパーを去る。定員に見つかってしまったのは、何回目だろうか。
「なぜ万引きなんてしたんだ?」
「分かりません…。無意識なんです…。」
そんなの言い訳だ、分かっているのに口が勝手に動く。そんな自分が嫌だ。透明人間にでもなって、今すぐ消えてしまいたい。
「…とにかく、2度としないように!!」
やりたくて万引きをしている訳じゃない。同じことを繰り返さないよう努力している。なのになぜ…?
もしも自分が消えてしまえば。ここのスーパーに迷惑をかけないで済む。理由のない万引きが減る(理由があっても絶対ダメ!!!)。=街の平和が守られる。自分自身が透明になることは難しい。透明に限りなく近い形になれるよう、風呂場へ行き、練炭を炊いた。後はこのまま待つだけ…
※フィクション
【お題:透明】
怪人が現れた!人間に悪さをしてくる。機械を使って変身したヒーローたち。攻撃が全く効かない…!大ピンチ!!!
それを見た僕は、皆を助けたい、という強い思いによりヒーローに変身☆しかも、幻のヒーロー!僕は怪人の攻撃を掻い潜り、詰め寄る。そして、パンチとキックをしてやった。幼い僕を甘く見ていた怪人は、軽々と倒された。世界の平和は幻のヒーローによって救われたのだった。………
目が覚めた。今までのは夢だったのか…。っていうか、現実では戦隊モノのヒーローにはなれない。あり得ない。今日もまた1日が始まる。部屋に、ヒーローに変身できる機械があるような…。まあ、気のせいか。僕は寝ぼけているのだろう。現実世界に戻された意識を慣らせつつ、朝の支度をするのだった。
※フィクション
【お題:理想のあなた】